映画『スマグラー おまえの未来を運べ』あらすじとネタバレ感想

スマグラー おまえの未来を運べの概要:2011年に公開された妻夫木聡主演、石井克人監督のサスペンス映画。原作は真鍋昌平の漫画。借金を背負わされ、裏の世界の運送屋になった青年が人間として成長する様子を描いた。

スマグラー おまえの未来を運べ あらすじ

スマグラー おまえの未来を運べ
映画『スマグラー おまえの未来を運べ』のあらすじを紹介します。

1999年。
役者を目指していたが挫折し、チャイニーズマフィアの張に騙されて300万円の借金を背負うことになった砧(きぬた)涼介。
ゴスロリファッションを身に纏う年齢不詳の女性が運営している山岡金融からお金を借り、返済のために公にできない仕事を回してもらうことになった。
態度は悪いが仕事はしっかりこなすジョーと、博打の借金で首が回らなくなり家族にも見放されたジジイと共に、普通の荷物としては運ぶことが不可能なものを運ぶ、運送屋になった砧。

最初の荷物は、チャイニーズマフィアとの抗争で、背骨と内臓という伝説の殺し屋の手にかかったヤクザの遺体。
不法投棄場所の近くで事故を起こしかけて警察に怪しまれてしまうが、砧のとっさの演技で事なきを得る。

だがその抗争で田沼組の組長も命を落としており、田沼組から犯人探しの依頼をされてしまう山岡。
山岡に借金がある張を利用して、背骨と内臓に仲間割れを起こさせて、背骨だけを生きて捕らえることに成功する。

様子を見に来た娘のような年齢の田沼の妻を乗せ、砧が見張り役となって背骨を運ぶ途中、砧のミスで背骨に逃げられてしまう。
誰も顔を知らないという情報を逆手に取り、本物の背骨を捕まえるまでの間、砧が背骨の代役を務めることになる。
しかし残虐非道な田沼組の若頭、河島が砧を待ち受けていた。

スマグラー おまえの未来を運べ 評価

  • 点数:80点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★☆☆

作品概要

  • 公開日:2011年
  • 上映時間:114分
  • ジャンル:サスペンス
  • 監督:石井克人
  • キャスト:妻夫木聡、永瀬正敏、松雪泰子、満島ひかり etc

スマグラー おまえの未来を運べ ネタバレ批評

映画『スマグラー おまえの未来を運べ』について、感想批評です。※ネタバレあり

ギャグは多いが見る側を選ぶストーリー

役者崩れの無職の青年が借金返済のために、裏社会の運び屋「スマグラー」として困難に巻き込まれていくストーリー。
時代設定が1999年で雨や夜のシーンが多く、裏社会やマフィアとの抗争というキーワードが多く出てくるが、ところどころにギャグを入れているので重くなりすぎない作品になっている。
しかし、脈略無くカエルがのどに詰まっていると言った後に背骨と内臓に襲われ、詰まっていたカエルが飛び出すという中途半端なギャグも多い。

グロテスクな描写が多く、砧が背骨の代役として田沼組に届けられてから河島に拷問されるシーンがあまりにも長い。
高島政弘の太すぎる眉毛やコスプレの数々でギャグ要素とイメージを変えつつ、紙おむつ姿になったところで砧が”背骨役”として覚醒し、河島が倒されるという展開が無ければただのバイオレンス映画になっていただろう。
片方の耳が聞こえない砧がもう一方の耳も聞こえなくされてしまい、ギブアップできなくなってしまうという構図は矛盾が無くて見やすい。

凝ったキャスティング

背骨と内臓のアクションシーンでの、スーパースローモーション映像があまりにも多すぎる。
背骨役の安藤政信の背骨タトゥーも含めた体作りやアクション、内臓役のテイ龍進や張役の阿部力の本場の中国語の会話という徹底したものもある。

トラックから逃げ出す背骨の動きは人間離れしていて気持ち悪さすら感じるが、居場所が山岡にばれてジョーに撃たれても、なおも生きているという怪物じみた生命力へのさりげない伏線になっている。
しかし、田沼の妻役の満島ひかりに、頭を撃ち抜かれても会話をするというツッコミどころもある。

序盤で砧が見ていた「野獣死すべし」の主演、松田優作の息子である松田翔太が、砧を職務質問する警察官役で出演するという凝った配役もされている。
役者崩れだが隠れた実力を持っている主人公の砧を、実力派俳優の妻夫木聡が演じているという面白さがある。
脇を固めるジョー役の永瀬正敏、山岡役の松雪泰子、田沼組の一人として出演している小日向文世など、安心感のあるキャスティングがされている。

スマグラー おまえの未来を運べ 感想まとめ

裏社会を描いた連続ドラマ、映画化もされた「闇金ウシジマくん」の原作漫画の真鍋昌平の短編漫画が原作になっている作品。
ギャグシーンを加えて重くなりすぎない工夫はされているものの、グロテスクなシーンや拷問シーンなど目を背けたくなる描写が多く、見る側を選ぶ作品になってしまっている。

伝説の殺し屋・背骨の華麗なアクションシーンや、背骨役になりきった砧の反撃シーンは見ていて爽快な気分になる。
高島政宏のオーバーな演技や極太眉毛と謎のコスプレの数々は、見ているうちに徐々に面白くなってくるが、これも見る側を選ぶだろう。

前日譚を描いたオリジナルスピンオフドラマが携帯配信され、第36回トロント国際映画祭に正式招待もされた作品でもある。

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