映画『八日目の蝉』のネタバレあらすじ結末

八日目の蝉の概要:生まれたばかりの頃に誘拐された薫は、父親の不倫相手、希和子に育てられた。逃走中に過ごした時間希和子は薫と本当の母娘だった。自分のお腹に子供を宿した薫は希和子との思い出の旅に出る。

八日目の蝉の作品概要

八日目の蝉

公開日:2011年
上映時間:147分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:成島出
キャスト:井上真央、永作博美、小池栄子、森口瑤子 etc

八日目の蝉の登場人物(キャスト)

薫(井上真央)
赤ん坊の頃誘拐事件にあった。今はバイトをしながらひっそりとくらす大学生。不倫相手の子供を身ごもってしまう。
希和子(永作博美)
不倫相手の子供を誘拐して全国を逃げ回った。薫を愛しており、立派に育て上げた。懲役刑をくらうが、反省は全くしていない。
千草(小池栄子)
逃亡先のカルト教団エンジェルホームで、薫と一緒に育った。雑誌記者と自分を偽り、薫に近づくが、友情が芽生えて行く。
エステル(市川実和子)
旦那の奥さんに自分の息子を盗られて、エンジェルホームに入った。

八日目の蝉のネタバレあらすじ

映画『八日目の蝉』のあらすじを結末まで解説しています。この先、ネタバレ含んでいるためご注意ください。

八日目の蝉のあらすじ【起】

戻って来た娘は誘拐犯を母親として愛していた。この苦しみがわかるか。あの女は心を奪ったんだ。私たちの幸せな時間を、返してください。母親は語った。

希和子(永作博美)は外出した隙を狙って部屋に侵入した。激しい雨が振る日だった。私を見つめて赤ちゃんは微笑んだのだ。雨の中、赤ちゃんを抱えて走った。

希和子は懲役6年を求刑された。4年間子育ての気持ちを味わわせてくれてありがとうございます。 反省は全くしていなかった。

薫(井上真央)はアルバイトをしながらひっそりと暮らしていた。友達にカラオケに行かないかと誘われるが、キッパリ断る。誘拐事件の記事を見つめる。目の奥にフラッシュがよみがえる。

赤ちゃんを抱えて友人に助けを求めた。友人には夫が赤ちゃんを殴ると嘘をついた。テレビ番組に赤ちゃん誘拐のニュースが流れていた。赤ちゃんを隠すように逃げ出した。トイレで長い髪をばっさりはさみで切って、新幹線に飛び乗った。

前からつきまとっている新聞記者千草(小池栄子)を利用して、彼氏から逃げ出した。この記者はなんだか様子がおかしい。自分から一方的にしかしゃべらない。朝目を覚ますと、勝手に冷蔵庫を漁っていた。

八日目の蝉のあらすじ【承】

赤ちゃんが全く泣き止まない。ミルクも飲んでくれない。ラブホテルの一室で途方に暮れる希和子は赤ちゃんと一緒に泣き始めた。ベンチに座っていると、女性がご飯を分けてくれた。エンジェルホームのチラシを渡される。

薫は父親からお金を無理矢理押し付けられた。自分はちゃんと仕事をしているから大丈夫なのに。本当の両親の家から、交番に逃げ出したことがある。母親は誘拐のことが頭をよぎると泣きながら怒りだす。幼い私は何度も何度も母親に謝った。

エンジェルホームのエステルに助けてもらった。エンジェルホームには女性しかいなかった。そこの教祖に「お前、子供堕ろしてるだろう」と言われた。これからは魂で生きろ。赤ちゃんはエンジェルホームの宝だ。農作業をして、質素な食事を食べる。エステルは元旦那の奥さんに子供を奪われていた。なにかに傷ついた女達が集まっている。

千草が大学にインタビューに来た。どうやら薫のお腹の中には赤ちゃんがいるらしい。恋人には奥さんがいた。千草とお酒を飲んだ勢いで妊娠検査薬を使う。恋人に会って、自分が複雑な家庭に生まれた事を話した。今までありがとう、もう会わない事を伝えた。

八日目の蝉のあらすじ【転】

千草はなんで私に優しくしてくれるんだろう。千草は落ち着いたら一緒に取材旅行に行こうという。千草はエンジェルホームで薫と一緒に育ったことを告白した。

母親と父親に妊娠の報告をした。産んで育てたいと話したら、母親がまたパニックを起こした。手には包丁が握られていた。普通の母親になりたかったと泣かれる。

エンジェルホームに千草と再び訪れた。オウムの一件でエンジェルホームも叩かれ、教祖が死んだあと、幹部が大金を持ち逃げして廃墟になっていた。カルト宗教の風当たりが辛くなっていく。

施設の中に人が入って来るという。危険を察知して、薫を担いで施設から逃げ出した。別れ際、エステルに望みを託された。幼い千草がじっと私たちを見つめていた。

薫と希和子は広い世界に飛び出した。エステルの母親を頼って、新しい仕事に就く。海や山、空、いろんなものをいっぱい見よう。薫は希和子にずっとママと一緒にいたいと叫んだ。

千草と芝生の上に横になって話す。八日目の蝉は幸せかもしれない。一日長く生きた世界は美しいかもしれないからだ。二人の仲は深まって行く。

八日目の蝉のあらすじ【結】

島のお祭りに薫と参加する。火を灯して道を練り歩く。美しい光景に親子は見とれた。ここで過ごした日々が一番幸せだった。希和子は本当の母親のようだった。

千草とのドライブ中、見た事がある場所へたどり着いた。あの火祭りを希和子と眺めた道、お母さんとずっと一緒にいると誓ったベンチ。母親が働いていたうどん屋さん。ここにいると希和子が自分を呼ぶ声が聞こえた。

うどん屋さんで働いていると、自分と薫が火祭りで笑っている写真が新聞に出ていた。コンテストに入賞して全国紙に載ってしまっていた。薫に島を出ようと話すが、納得してくれない。

写真館に家族写真を撮りに来た希和子。そのあと、波止場に急いだ。薫が走るスピードに追いつけない事を知った希和子は泣いていた。どんどん大きくなる自分の娘。

コンビニから出ると、黒塗りの車に乗った人々が自分たち親子を見つめていた。薫から手を離し、先に行きなさいと言った。両脇をつかまれ連行される希和子を、泣きながらママと呼ぶ薫。

薫は船着き場で、その姿を思い出していた。ずんずん歩き、写真館にたどり着いた。あのときシャッターを押したおじいさんがまだそこで働いていた。あの椅子もそのままある。おじいさんは一枚のネガを薫に手渡した。写真は5年前に希和子が持って行ったという。希和子は何も言わないで、写真だけ持って行ったという。印画紙に母との最後の時間が浮かび上がっていた。

泣きながら走り出す薫。本当はこの島に戻りたかった。でもそんなこと言えなかった。自分の子供を連れてここに戻ってこよう。

八日目の蝉の解説・レビュー

永作博美のすごさ

こんなに凄かったのか。
久しぶりの大物女優の演技に、脱帽である。
もとアイドルとは、思えない鬼気迫る迫真の演技に井上真央の印象などまるで忘れてしまう、そのくらいの人である。
子供がいるように思えない姿と、アイドル出身とは思えない演技力。
この人は一体いつからこんなに人のめに止まるような才能を開花させたのか疑問が多い。

冷静さを失ってはいけない映画

泣いてしまう。
前半部分、希和子が薫と離ればなれになるところが、一番泣けてしまった。
しかしここで冷静さを取り戻さなければいけない。
希和子は加害者であり、薫は被害者であるのだ。
そう彼女は不倫相手の子供を誘拐してしまった犯罪者なのである。
ここを忘れがちだ。
なぜならそのくらい俳優人全員が迫真の演技であり、誰が悪いのかはっきり描いているのだがそれはリアルですべての人々の気持ちがきちんと描ききれているからだろう。

実母役の森瑶子も実母であるがゆえに苦しむ姿が描かれており、一筋縄ではいかないすべてを細部にわたり描いている。
突発的に誘拐、その後のその家族のすべてを変えてしまった。
その罪は大きいのである。

ラストシーンの曖昧さ

ラストシーンで希和子が薫を呼ぶシーンがある。
これは、振り向いた薫だがそのまま行ってしまうというもの。
これは散々議論をかもしだした。
結末は観客に委ねられてしまったからだ。

しかし1つだけわかったこと。
それは育ててくれた希和子のことを求めていたのではないかということ。
もちろん誘拐されなかったら実母を求めるだろう。
だから実母が悪いわけではないのだ。
全員が加害者であり全員が被害者なのだ。

八日目の蝉の感想まとめ

衝撃的な作品である。
また俳優同士の演技のぶつかりあいもまた見事であり、近年のほうがにおいてはまれに見る重厚で緊迫感漂う優秀作品であった。
実際公開当初からマスコミでは取り上げられ、宣伝が一人歩きしていた。
そのためそんなに期待せずに鑑賞したら頭を何かで打ち付けられたようなショックに襲われてしまったのだ。

何が正しく間違っているのかを見失わせるほどの、主人公の誘拐犯の正義みたいなものにも驚くし、この映画で見ていることが全てではないのかもしれないという人間の矛盾のようなものさえ感じてしまった。

娯楽作品というよりも新聞欄を映画にしたドキュメンタリーのような印象をうけた映画。
邦画もやるなと思った瞬間だった。

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