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映画『イレブン・ミニッツ』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『イレブン・ミニッツ』の概要:ポーランド発群像劇。午後5時から11分間に起きたある出来事を、複数の人物の視点で描く。卑猥な映画監督、ホットドッグ売りの男、高層ビルの作業員…まるで接点のない者たちの運命が、都会の片隅で絡み合う。

映画『イレブン・ミニッツ』の作品情報

イレブン・ミニッツ

製作年:2015年
上映時間:81分
ジャンル:サスペンス
監督:イエジー・スコリモフスキ
キャスト:リチャード・ドーマー、パウリナ・ハプコ、ヴォイチェフ・メツファルドフスキ、アンジェイ・ヒラ etc

映画『イレブン・ミニッツ』の登場人物(キャスト)

映画監督(リチャード・ドーマー)
ハリウッドの映画監督。面接と称して女優のアニャをホテルの一室に招くが、本当の目的は肉体関係を持つこと。ガードの固い彼女をどうにか口説き落とそうとする。
アニャ(パウリナ・ハプコ)
女優。リチャード監督の新作映画の面接を受けるため、ホテルの1111号室をひとりで訪問する。監督からしつこく口説かれるが、夫がいるからと拒絶する。
アニャの夫(ヴォイチェフ・メツファルドフスキ)
アニャが誰かと浮気をしているのではないかと常に疑う嫉妬深い夫。妻の面接先のホテルにやって来る。

映画『イレブン・ミニッツ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『イレブン・ミニッツ』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『イレブン・ミニッツ』のあらすじ【起】

ポーランド・ワルシャワの中心部。女優のアニャは嫉妬深い夫と、結婚生活を送っていた。午後5時、アニャはハリウッドの映画監督の面接を受けるため、高層ホテルの一室を訪問する。彼女は新作映画で主役をもらうために真剣に面接に挑むが、監督は彼女と寝ることしか頭になかった。

アニャの夫はいつの間にか妻が出掛けていたため、浮気を心配してホテルに向かう。ホテルのフロントで女優の通訳だと偽って、部屋番号が1111号室であることを盗み見した。

午後5時より少し前。ホテルの近くの広場では、ホットドッグ屋の店主が5人の修道女に人気メニューを売っていた。その直後、顔見知りの少女に罵倒され、唾をかけられる。男は何らかの事件で出所したばかりの元教師で、少女は元教え子であった。

ホテルでは、監督があの手この手でアニャを口説き落とそうとするが、彼女には夫がいるためガードが固く警戒される。同じ頃、夫はホテルのエレベーターに乗り込み、11階に向かおうとしていた。

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映画『イレブン・ミニッツ』のあらすじ【承】

郊外のある豪邸の寝室では、ドラッグ売人の男がその家の人妻とドラッグと情事にふけっていた。家の主人が帰宅したため、男は慌てて家を出る。バイクに乗って次の配達先である都心のビルに向かった。ビルのエレベーターに乗ると、ドラッグの影響で蛾の幻覚に襲われる。

パンク風の少女は公園で元カレから犬の散歩を押し付けられていた。その後、広場でホットドッグを買い、ホテルの方面へ向かって散歩を始める。

救急隊員たちは急病人の通報を受け、救急車で高層ビルの路地裏にあるオンボロアパートに向かっていた。アパートの階段の途中で大暴れをする男に絡まれて、上の階へ上がることが出来ずに苦戦する。男に麻酔の注射を打って眠らせた後、階段で横倒しになった家具を取り除きながら、ようやく通報があった部屋に到着。その部屋には逆子の出産が間近の母親と、何らかの病気で意識が朦朧となった夫、幼い2人の子供がいた。救急隊員は彼らをそれぞれ担いで1階まで降ろし、救急車に乗せて病院に向かった。

映画『イレブン・ミニッツ』のあらすじ【転】

ホテル近くの大きな橋の下では、老人が橋の絵を描いていた。橋の上では映画の撮影中。川に人が飛び込むシーンによって老人のキャンバスに水しぶきが掛かり、せっかく描いた絵が汚れてしまう。老人は絵を描くのを中止して、バスに乗って家に帰ることにした。

ある少年は雑居ビルで、仲間の指示で強盗に押し入ろうとしていた。しかし、店の中で首吊り死体を発見する。店主が何らかの事情で首吊り自殺を図った直後であり、少年は驚いて店を飛び出した。

アニャは酒が回って気分が悪くなり、外の空気を吸おうとベランダに出た。監督はしつこく口説いたことを謝罪しながら、再びアニャを口説いてキスを迫る。その下の階では、男と女が逢引きをしていた。男はベランダの手摺りを修理している高所作業員。休憩時間が終わると女と別れ、窓の外のゴンドラに戻って作業を再開させる。女は男と別れると、バス停へ向かった。そのバス停には5人の修道女も。彼女たちがバスに乗り込むと、絵描きの老人と強盗の少年が乗車していた。

映画『イレブン・ミニッツ』の結末・ラスト(ネタバレ)

ホットドッグ屋の店主は屋台を畳み、バイクの男と合流する。2人は一緒に教会に行くためバイクに乗り、大通りを走り始めた。救急車は病院へ急ぐため、サイレンを鳴らしながら大通りに進入。そこへ、修道女たちを乗せたバスも走って来た。

その時ホテルの11階では、アニャはベランダで意識を失い、監督に抱きかかえられた。そこへ、夫が部屋に乱入する。監督に抱かれた妻を見て夫は憤慨し、監督に体当たりをした。その勢いで監督はベランダの外に放り出され、運悪く手摺りが外れて落下してしまう。監督は落下途中でゴンドラに激突し、高所作業員も巻き添えになって落ちてしまった。アニャは夫が手と掴んで落下を回避するが、なかなか引き上げることが出来なかった。

ゴンドラに載せていたガスバーナーが救急車に引火し、救急車は炎上しながら方向感覚を失いバスとバイクに衝突する。バスは大通りの真ん中で横転。屋台のガスが救急車に引火し、周辺のガラスを吹き飛ばす大爆発を起こした。夫は力が尽きて手を離してしまい、アニャも地上に落下してしまうのだった。

映画『イレブン・ミニッツ』の感想・評価・レビュー

世界三大映画祭を全て獲得しているポーランドの巨匠、イエジー・スコリモフスキ監督の群像劇。登場人物がとても多く、それぞれのドラマがバラバラに描かれている。どこかに接点があるかと思いながら見るが、ラスト10分までほとんど繋がっていないので、訳が分からなくて苦痛に感じるかも知れない。でも我慢して見続けると、なるほどと納得できるラストが待っている。人間は関わっていないようで複雑に絡み合って生きているのだと感じさせる作品だった。(MIHOシネマ編集部)

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