映画『2分の1の魔法』の概要:魔法が廃れた世界。エルフ族の少年イアンはある日、自分に魔法の才能があることに気付く。父の遺品から一日だけ復活する魔法があると知り、冒険に憧れる兄と共に父を復活させるべく冒険へ飛び出す。
映画『2分の1の魔法』の作品情報
上映時間:102分
ジャンル:ファンタジー、アドベンチャー、アニメ
監督:ダン・スキャンロン
キャスト:トム・ホランド、クリス・プラット、ジュリア・ルイス=ドレイファス、オクタヴィア・スペンサー etc
映画『2分の1の魔法』の登場人物(キャスト)
- イアン・ライトフット(トム・ホランド)
- エルフ族の少年。何事も弱気で引っ込み事案。病気で亡くなった父を恋しく思っており、自分を変えたいと考えているが、失敗してばかりいる。魔法の才能があることに気付き兄と冒険することで自信をつけていく。
- バーリー・ライトフット(クリス・プラット)
- イアンの兄で体格が良く、冒険に憧れている。町でも遺跡を荒らす有名人だが、粗雑で怖いもの知らず。物知りで魔法や遺跡に詳しく、不死鳥の石を入手する道案内になる。
- ローレル・ライトフット(ジュリア・ルイス=ドレファス)
- イアンとバーリーの母。病気で夫を亡くし、2人の子供を女手一つで育てる。気が強く陽気な肝っ玉母さん。息子達を心配してマンティコアと共に後を追う。
- マンティコア(オクタヴィア・スペンサー)
- 元冒険者。現在はレストランの店主で羽を持つライオンではあるが、空を飛んだことはない。ローレルと飛ぶ練習を行い空を飛ぶことを覚える。
映画『2分の1の魔法』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『2分の1の魔法』のあらすじ【起】
魔法が存在する世界。人々は難しい魔法を習得するよりも生活を便利にする技術を開発し、生活は急激に便利になっていった。
現代社会のように発展した時代に生まれたエルフ族のイアン・ライトフットと兄のバーリー。瘦せ型で控え目なイアンに対し、体格の良いバーリーはやや粗雑で冒険に憧れを抱いている。バーリーは町でもトラブルを発生させることで有名だったが、本人は至って本気なので始末に負えない。
イアンとバーリー兄弟の父は病気で早くに亡くなっており、2人はシングルマザーの家庭に育った。だが、町の人に聞くと兄弟の父親は大胆で勇敢な人だったと誰もが言う。そこで、イアンは自分を変えるための努力をすることにしたが、失敗。母ローレルは肝っ玉母さんでバーリーでさえ投げ飛ばしてしまう。ローレルは息子イアンが悩んでいることに気付き、夫の遺品を兄弟にプレゼントすることにした。
それは、魔法の杖である。父は会計士だったが、魔法使いに憧れていたらしい。同封されていた手紙によると、かつては魔法が存在していたが、習得が難しかったため、廃れてしまったらしい。だが、修行に耐えて習得できた暁には、記された呪文によって故人を1日だけ召喚することができる。意気揚々とバーリーが試したが、何度やっても成功しなかった。
ところが、イアンが呪文を唱えると杖の魔石が反応。続けて呪文を唱えると魔法が発動し、亡き父の体が下半身だけ復活した。魔法の習得が完全ではないため、魔法石の消費も激しく半分しか召喚できなかった様子。もう半分を召喚するには魔法石を新たに入手しなければならないし、24時間以内に魔法を完了しなければ完全な父には会えない。
そこで、イアンとバーリーは魔法石を入手するべく下半身の父と共に車に乗って出発。
しばらく後、ローレルは息子達の部屋を訪問し、姿が見えないことに気付く。息子達が残した手がかりを目にし、彼女も車に乗って後を追った。
映画『2分の1の魔法』のあらすじ【承】
まずはマンティコアの酒場へ。マンティコアは冒険家として知られていたが、彼女はレストラン店主として様変わりしてしまっている。彼女が持つ不死鳥の石への地図は、貴重な物なので渡せないと言われ困り果てた兄弟。マンティコアは兄弟と話すことで、昔の自分を思い出し自分の店を燃やしてしまう。店から父を救出して脱出したものの、地図は燃えてしまった。
だが、バーリーが燃えた地図を見本にして書かれた別の地図を入手していたため、それを頼りに不死鳥の石を探すことに。
その頃、マンティコアの店へ到着したローレルは、マンティコアから話を聞き彼女と2人で息子達を追う。
ところが、道も半ばでガソリンが無くなり車が止まってしまう。そこで、イアンは魔法でガソリンが出せないか試してみる。しかし、魔法は失敗しバーリーがミニチュアになってしまった。仕方ないのでガソリンスタンドでガソリンを入手することにした。
しかし、柄の悪い妖精たちといざこざを起こしてしまい、なぜか追われる羽目に。兄弟は協力して追手から逃れることに成功。
高速道路から降りたところでバーリーの魔法が解け、通常サイズへ。そんな時にスピード違反で警察に止められてしまう。イアンは知り合いの警官の姿に化けてどうにかやり過ごした。
映画『2分の1の魔法』のあらすじ【転】
再び目的地へ向けて車を走らせたものの、兄と弟は互いに信頼していないと口論になる。しかし、そこで父がダンスをして息子達を仲直りさせる。イアンとバーリーは協力して父を完全復活させようと手を取り合うのだった。
一方、マンティコアが売ってしまった魔法の剣を取り戻しに来たローレル。知り合いの警官から息子達が北へ向かったと情報を得ると、マンティコアが魔法の剣を入手。2人は急いで車を走らせた。
荒野へ差し掛かった兄弟は、断裂した崖に差し掛かる。底なし地獄と呼ばれる場所で跳ね橋はあるもののレバーが向こう側にあった。そこで、透明な橋を架ける魔法を発動させることに。バーリーはイアンにロープを結び、魔法をかけさせた。すると、2度目で発動。魔法はイアンの心の持ちようで強さが変わるらしい。イアンは見事に跳ね橋のレバーを起動。車は無事に反対側へ渡った。
ところが、そこへ警官が到着。2人は数台のパトカーに追われながら、崖の道を抜ける。そこで、バーリーはイアンに雷の魔法を唱えて崖を破壊するように言ったが失敗。バーリーは考えを改めポンコツでも愛車として大切にしていた車を犠牲にし、パトカーの追跡を止めることに成功した。
兄弟と父は更に道を進んで行く。日暮れまでもう時間がない。3人はカラスのような岩まで辿り着き、道しるべに沿って洞窟の中へ。その先へはお菓子を巨大にした船で川を渡って行った。
息子達を追っていたローレルとマンティコアは突如、妖精の大群にぶつかり事故を起こしてしまう。妖精たちは飛ぶことを忘れていたが、兄弟といざこざがあった際、羽を使って飛べばいいと言われ飛ぶ練習をした様子。事故のせいで車が壊れてしまったため、ローレルは妖精からヒントを受け、マンティコアが持つ羽で飛んでみたらいいのではないかと提案するのだった。
イアンが呪文を唱えると魔法が容易に放てるようになる。そうして、いよいよ最後の試練へ。入ってすぐにゼラチンキューブに襲われるも、イアンの魔法でどうにか無事に突破。しかし、逃げ込んだ部屋に水が流れ込み危うく溺れ死にそうになる。そこで、下半身だけの父が天井を開けるギミックを作動させてくれ、3人はどうにか罠を突破することができた。
映画『2分の1の魔法』の結末・ラスト(ネタバレ)
先へ進んだ3人は不死鳥の石があると思って、天井の扉を開けたが、そこは地元の学校の前。イアンはがっかりしてしまいバーリーの言うことなど聞かなければ良かったと言い、父と共に去ってしまう。
海が見える丘へ来たイアンは、父とやりたかったことリストを開く。彼はそこで兄との冒険を思い出し、全てのリストがバーリーと共に消化できていることに気付く。
その頃、バーリーは学校の噴水を調べ、遺跡であるならギミックが作動するはずと信じキーを差し込む。すると、噴水の天辺から不死鳥の石が現れる。彼は戻って来た弟に報告したが、噴水から謎の赤い霧が発生。
霧は学校を破壊し体を作るとドラゴンとなり兄弟を襲い始める。ところが、窮地に陥った際、颯爽と空を飛ぶマンティコアとローレルが登場。兄弟はその間に不死鳥の石を使って父の身体を完全に復活させることにした。
日暮れまではもう時間が無い。魔法は継続的に父の上半身を召喚している。ローレルが魔法の剣でドラゴンを攻撃したが、足止めにすらならず。イアンは自らが魔法を使ってドラゴンと戦うことにした。杖が壊れてもトゲを使って杖代わりにし、とうとうドラゴンを倒す。
その時、魔法が召喚を終え父の体が完全に召喚される。その場にいたのはバーリーだけで、イアンは兄が父と会話を交わし日暮れまでの僅かな時間を過ごすのを目にした。そうして、父は姿を消してしまう。
その後、バーリーから父との会話を聞いたイアン。父は魔法使いとしてお茶目なウィルデンという名前にするつもりだったらしく、立派になった息子達が誇らしいと告げ息子を抱き締め消えていった。父の愛は兄から弟へと渡される。
しばらく後、魔法使いとなったイアンは学校でも講義をするまでになり、マンティコアは新たに店を開店させた。バーリーは中古だが、愛車を購入し今ではイアンが空を飛ばすことができる。兄弟は車に乗って意気揚々と空へとドライブに出かけるのであった。
映画『2分の1の魔法』の感想・評価・レビュー
ピクサー・アニメーション・スタジオによる長編アニメーション。魔法が廃れた現代社会を舞台にエルフ族の兄弟が亡き父と会うべく魔法の石を求めて冒険に出る。
自信のない弟と怖いもの知らずの兄のバランスが良く、兄弟で足りない部分を補いながら絆を深めていく様子が繊細に描かれている。加えて亡き父の人柄が下半身だけで表現されているのも凄い。むしろ、下半身だけだったから良かったのかもしれない。魔法が廃れた世界なので完全になくなったわけではなく、種族も便利な社会に馴染んだせいで本来の種族特有の能力を忘れてしまっているという設定も面白かった。弟の魔法の成功率がどんどん上がるので、成長が目に見えて分かるのも良かった。(MIHOシネマ編集部)
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