この記事では、映画『イーオン・フラックス』のあらすじをネタバレありで解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『イーオン・フラックス』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『イーオン・フラックス』 作品情報
- 製作年:2005年
- 上映時間:95分
- ジャンル:SF、アクション
- 監督:カリン・クサマ
- キャスト:シャーリーズ・セロン、マートン・ソーカス、ジョニー・リー・ミラー、アメリア・ワーナー etc
映画『イーオン・フラックス』 評価
- 点数:50点/100点
- オススメ度:★★☆☆☆
- ストーリー:★★☆☆☆
- キャスト起用:★★★☆☆
- 映像技術:★★★★☆
- 演出:★★★☆☆
- 設定:★★☆☆☆
[miho21]
映画『イーオン・フラックス』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『イーオン・フラックス』のあらすじを紹介します。
人類の99%がウィルスによって滅んだ世界。
生き残った人々は、人類を救った科学者グッドチャイルド家の管理下にある、閉鎖された都市ブレーニャで暮らしている。
しかし政府が黙認し続けている、忽然と人が消える事件も多かった。
反政府組織モニカンに所属するイーオンが任務を終えて妹ユナの家に向かうと、彼女は政府によって殺害されていた。
1年後、トレヴァー・グッドチャイルド暗殺指令が下される。
両足を手に移植したシサンドラと共に任務に向かったイーオンは、トレヴァーに銃を突きつけるが、謎のフラッシュバックに襲われる。
捕らえられたイーオンが脱走し、トレヴァーの部屋で見つけたのは覚えのないイーオンの写真だった。
自分が何者か突き止めたいイーオンは、見つけた手がかりから飛行船に向かい、ユナが“再生”されたと知る。
一方、モニカンを利用してトレヴァー暗殺を計画していた弟オーレンは、周囲を言いくるめてトレヴァー追放を決定させる。
そしてモニカンを裏切ったとみなされたイーオンは、組織から命を狙われることとなる。

映画『イーオン・フラックス』 結末・ラスト(ネタバレ)
トレヴァーが開発したウィルスの治療薬の副作用で、人間は妊娠できなくなっていた。
そのためにクローン技術を開発して、人間は死と再生を続け、一方で不妊治療が続けられていた。
だが、自然妊娠していたユナたち女性は、変化を嫌うオーレンによって抹殺されていたのだ。
そしてイーオンは、過去の自分がトレヴァーの妻キャサリンだったことを聞かされる。
モニカンとオーレンたちに囲まれたイーオンとトレヴァーだったが、シサンドラを説得して味方にし、オーレンの暴走を防いだ。
そしてイーオンはたった一度の生を大切にするため、全てのDNAが保管されている飛行船を爆破させる。
映画『イーオン・フラックス』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『イーオン・フラックス』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
SF映画にありがちな設定の多さ
ウィルスによって人類のほとんどが死亡した近未来、怪しい行動をするグッドチャイルド政権と、反政府組織モニカンといった、どこかありがちな設定やキーワードであふれかえっている作品。
人類はクローン人間になってしまっているという設定も、どこかパッとしない。
父親が日本人だという監督のカリン・クサマの描いた近未来には、障子や畳が使われているユナの部屋が登場したり、日本の要素が詰まった小道具がいくつか見受けられる。
クライマックスでは、満開の桜の下で戦いのシーンが繰り広げられ、印象的な場面になっている。
独創的な武器やシステム
体内に埋め込まれたチップを使い、仮想空間のような場所に意識を飛ばして仲間と連絡を取ったり指令を受けたり、それを使って裏切者と判断したイーオンを追跡するなど便利なシステムが登場する。
しかし、装置自体の見た目はとってつけたような仕上がり。
モニカンの司令塔ハンドラーが口から出した花の花粉を通してイーオンの手に地図が埋め込まれたり、捕まったイーオンが呼び出したパチンコ玉のようなものが壁を破壊するなど、斬新な道具なども登場する。
だが、暗殺に失敗して捕まったのだから、身体検査によって装置を奪われるだろう、というツッコミどころもある。
独創性が生かし切れていないアクションシーン
バレリーナを目指していたというシャーリーズ・セロンが、柔軟な体を使ってグッドチャイルドの敷地に侵入するシーンはお見事。
開脚しながら前のめりになるシーンは、シャーリーズだからこそ出来たものだろう。
しかしその他のアクションシーンでは、体の柔らかさを使った独創的なものは登場せず、もったいなさを感じさせる。
また、足を手に移植したシサンドラが登場するものの、移植した手はほとんど役に立っていない。
シャーリーズ・セロンが一際美しいです。口笛ボール等、劇中で使われる小物に惹きつけられます。盆栽とか和風の傘等、日本の小物も頻出する点に大変胸がときめきました。さらに、アクションシーンでは忍者のような動き、ラストには満開の桜と、近未来な世界に日本の文化があちこち登場します。親近感を覚えました。ウイルスの流行により、500万人しか生き残らないストーリーも他人事とは思えません。ごく自然に感情移入でき、最後まで集中できました。(女性 30代)
描き方が独特で、一つ一つの描写がとても斬新でしたが、設定とストーリーがありがちな内容すぎて既視感が半端なかったです。アクションやCGにはものすごく凝っていて、クローンをテーマにしていますがなんともダサい。日本風な描写を入れてくるところも監督のこだわりなのかもしれませんが、世界観に合っておらず、なんとも微妙でした。
シャーリーズ・セロンがかっこよくて美しいのは間違いないのでファンにはたまらない作品でしょう。(女性 30代)
DNAを再利用して永遠に生きるような設定が面白かったです。ただ時間が足りないからか説明が雑な部分があり、主人公が所属している組織や敵対する組織などストーリーが理解しづらいです。また、すごいハイテクな世界観なのかと思いきや絶妙にアナログなシーンもあります。
この作品の見どころは何といってもシャーリーズ・セロンの柔軟性とアクション。この作品の髪型と服装が一番クールでセクシーに見えます。彼女だけでも見る価値はある映画です。(女性 30代)
近未来SFとしてはビジュアル面が非常に魅力的でした。特にイーオンの黒を基調としたスーツやアクションはスタイリッシュで、シャーリーズ・セロンの存在感が際立っていました。物語の中盤で明かされる「人類は全員クローン」という設定は衝撃的で、ただのアクション映画ではなく、生命倫理や支配のテーマも含まれているのが印象的。哲学的でもあり、美的でもある不思議な映画でした。(30代 男性)
ビジュアル面ではとにかく美しい。未来都市の描写や衣装、武器のデザインなどは個性的で魅了されました。ただ、ストーリーはやや難解で、何度か観直してようやく全貌が理解できた感じ。イーオンが任務を超えて自らの記憶と向き合いながら、体制の崩壊に立ち向かう姿は強くて美しく、シャーリーズ・セロンにしかできない役だったと思います。(20代 女性)
最初はスタイリッシュなアクションものかと思っていたけれど、実際はかなり重厚なテーマが含まれていて驚きました。人類の繁栄と引き換えに行われていた“管理された生命”というテーマは、考えさせられるものがありました。シャーリーズ・セロンの表情一つひとつに哀しさと怒りが宿っていて、アクション以上に感情が印象に残る作品です。(40代 男性)
女性が主人公のSF映画としては、今見てもとても新鮮です。イーオンは単なるヒロインではなく、信念を持って戦うリーダーで、かっこよさと繊細さの両方が描かれていました。妹の死、記憶の再生、クローンとしての自分の存在など、心に刺さるシーンが多く、最後の選択にも納得。ビジュアルと感情の両面で楽しめる作品でした。(30代 女性)
正直、ストーリーにはわかりづらい部分もありましたが、それを補って余りあるほどの映像美と世界観に魅了されました。シャーリーズ・セロンの身体能力を活かしたアクションも秀逸で、特に植物がトラップとして使われていたシーンは記憶に残っています。終盤で人類がクローンであることが明かされる展開は圧巻。SF好きとしてはたまらない世界観でした。(20代 男性)
独特な静けさと緊張感のある映画でした。イーオンの無駄のない動きや、沈黙の中で交わされる視線のやり取りが印象的。ストーリーも、ただの革命や反乱ではなく「記憶」「再生」「喪失」といったテーマがあり、深い余韻を残しました。アクション映画にありがちな派手な爆発や大げさな演出がない分、知的な緊張感に満ちていて良かったです。(40代 女性)
『イーオン・フラックス』は、CGに頼りすぎず、実写で作られた世界観が強く印象に残るSF映画でした。セロンの動きはまさにダンスのようで、アクションというよりアートのような感覚。後半、主人公がかつての愛を思い出す展開はやや唐突ではあるけれど、人間としての感情を取り戻す姿はグッときました。ビジュアル重視の映画が好きな人にはおすすめです。(30代 男性)
映画『イーオン・フラックス』を見た人におすすめの映画5選
ガタカ(1997)
この映画を一言で表すと?
“完璧な遺伝子”に抗う男の静かで熱い反逆の物語。
どんな話?
遺伝子によって社会的地位が決まる未来で、“不適格者”として生まれた青年ヴィンセントは、宇宙飛行士になる夢を捨てきれず、他人のDNAを使って夢に挑む。だが、施設内で殺人事件が起き、正体が危ぶまれていく。
ここがおすすめ!
『イーオン・フラックス』同様、遺伝子操作や未来社会の在り方を問いかけるSF。スタイリッシュな映像と内面的な葛藤が深く、静かだが強い意志を持った主人公の姿に引き込まれます。知的で美しいSFを求める方に最適。
ゴースト・イン・ザ・シェル(2017)
この映画を一言で表すと?
身体は義体、心は人間。存在とは何かを問いかけるサイバーパンクSF。
どんな話?
人間の脳を持ちながら義体で構成された少佐・ミラ・キリアンは、サイバー犯罪を追う中で、自分の記憶が“操作されたもの”である可能性に気づく。自分のルーツと組織の陰謀に迫る戦いが始まる。
ここがおすすめ!
『イーオン・フラックス』のように、主人公が自身の正体や記憶に疑問を持ち始める展開が共通点。クールで近未来的な映像美や女性ヒーロー像も魅力。哲学的要素とアクションの融合が秀逸な一作です。
ウルトラヴァイオレット(2006)
この映画を一言で表すと?
スタイリッシュすぎる近未来、孤高の戦士が世界を変える。
どんな話?
ウイルスに感染し特殊な能力を得た女性・ヴァイオレットは、同胞を弾圧する政府と戦っていた。ある日、彼女は“最重要兵器”とされる少年を奪取する任務を受けるが、その少年との出会いが運命を変える。
ここがおすすめ!
『イーオン・フラックス』と並び称される近未来×女性ヒーローSF。映像は徹底的にクールで洗練されており、アクションとスロー映像の美しさが光ります。ストーリーより世界観とビジュアルを楽しみたい方におすすめ。
オブリビオン(2013)
この映画を一言で表すと?
記憶の謎を解き明かす、“もうひとつの地球”でのSFサスペンス。
どんな話?
地球が滅びかけた未来、ドローン技術者として任務に従事するジャックは、ある日墜落船から救出した女性と出会い、失われていた記憶と地球の“真実”に直面する。彼の存在そのものが計画の一部だった…。
ここがおすすめ!
『イーオン・フラックス』と同じく、自身の記憶と存在への疑問が主軸の物語。トム・クルーズ主演による、美しい未来の廃墟と謎が織りなす世界は見応えたっぷり。SFミステリーとしての完成度も高い一作です。
レジデント・イーヴィル(2002)
この映画を一言で表すと?
ウイルスに侵された地下研究所で、戦うヒロインが目覚める!
どんな話?
巨大企業アンブレラ社の地下施設でバイオハザードが発生。目覚めた記憶喪失の女性アリスは、特殊部隊と共に生存者を探しながら、施設に隠された秘密と自分の正体に迫っていく。ゾンビとバトル満載のアクションSF。
ここがおすすめ!
『イーオン・フラックス』と同様、強い女性主人公が世界の崩壊と向き合うという共通点あり。スピーディーな展開とゲーム原作ならではの緊張感が魅力。アクション重視で楽しみたい方にピッタリです。
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