12000作品を紹介!あなたの映画図書館『MIHOシネマ』

映画『陰陽師Ⅱ』あらすじ&ネタバレ感想

2003年の日本映画、陰陽師安倍清明と源博雅が都で連続しておこる鬼の襲撃事件を追ううちに18年前の真実を知ってしまう。前作に続き監督は滝田洋二郎、出演は野村萬斎、伊藤英明。

映画『陰陽師Ⅱ』 作品情報

  • 製作年:2003年
  • 上映時間:115分
  • ジャンル:ファンタジー
  • 監督:滝田洋二郎
  • キャスト:野村萬斎、中井貴一、深田恭子、市原隼人、古手川祐子 etc…

映画『陰陽師Ⅱ』 評価

  • 点数:55点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★★☆☆
  • キャスト起用:★★★☆☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★☆☆
  • 設定:★★★★☆

[miho21]

映画『陰陽師Ⅱ』 あらすじ(ストーリー解説)

映画『陰陽師Ⅱ』のあらすじを紹介します。

都では栄華を誇る貴族と貧困と病気に苦しむ民衆に分かれていた、人々は現世の苦しみから逃れるために神や仏にすがって生きていたのだがそこに幻覚という不思議な力で民衆の病気を癒す人物が現れた。

源博雅は安倍清明のもとへやってきて4人目の鬼の犠牲者がでたと話しだした、今度の犠牲者は足を喰われていたと。最初は肩、次は鼻、その次は口と場所がその都度違ったのだ。そもそも鬼が現れたのは天にあやしい兆しがあったころから始まったはずだとおびえる博雅に清明は“あまり天の動きに惑わされるな、鬼も世の乱れも人の迷い心があって生まれるのだ”と諭す。博雅は一緒に藤原安麻呂の屋敷に来てほしいと頼む、娘の日美子(ひみこ)があやしい兆しのあった夜から夢うつつにさまよい歩くようになってしまったというのだ。

日美子はおのこ姫と呼ばれるほどの変わり者で男の服を着て武芸を嗜む女性だった、そしてけがをした鳥を治してしまう不思議な力を持っていた。安麻呂は日美子に鬼がとり憑いているのではと心配していたが、清明は何も心配する事はないですと断言して安心させた。

夜従者と歩いていた博雅は門の上からジョウジョウと琵琶の音が流れてくるのを聞いた。鬼に襲われると心配する従者だったが博雅は我慢できず門の上へと行き琵琶に合わせて笛を吹き始めた。うっとりと弾き続ける琵琶の持ち主は自分を須佐と名乗り再び2人で弾き続けるのだった。一方清明は内裏で帝の前にいた。ある剣を調べていたのだ、それはヤマタノオロチを倒した際にその尾から出て来たといわれるアメノムラクモだった。都を震撼させる鬼・日美子・そしてアメノムラクモの異変がひとつに重なっていく。

映画『陰陽師Ⅱ』を無料視聴できる動画配信サービスと方法
映画『陰陽師Ⅱ』を無料視聴できる動画配信サービスと方法を分かりやすく紹介しています。

映画『陰陽師Ⅱ』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『陰陽師Ⅱ』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

アメノムラクモとは

アメノムラクモは天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)といい、草薙剣ともいわれています。現在愛知県にある熱田神宮のご神体とされているものです、スサノオが八岐大蛇を倒した時に尾から出て来た剣で、常に大蛇に雲がかかっていたためにこう名付けられたそうです。別名の草薙剣とは日本武尊が火に囲まれた時に天叢雲剣で草を刈って火をつけ、反対に敵に火を向けたことから付けられた名前で一説ではその場所が今の静岡県の焼津あたりだと聞いたことがあります。不思議な力を持つ剣をスサノオは姉の天照大神に献上、それを天孫降臨のおり孫のニニギノミコトに三種の神器として手渡されたとされています。

出雲族との確執

この物語は当時の朝廷が盤石ではなかったことが描かれています。今の私たちにはあまりピンときませんが、この狭い日本にはいくつかの勢力があって出雲族もそのひとつでした。朝廷は出雲族が自分たちにはない高度な技術を持っていたために(金や鉄を作り出す)いつか反乱をおこすのではないかと恐れていたため出雲族を滅ぼそうと皆殺しにしてしまうのです。ここで面白いと感じたのはアマテラスやスサノオが出雲の神として描かれているということです。そしてそれは源博雅が疑問に感じていたなぜ出雲族の宝であるアメノムラクモが朝廷の宝となっているのかという答えと重なってきます。


1に引き続き、野村萬斎演じる安倍晴明が最高でした。ストーリー的には今作の方がスケールが大きいのでわくわくします。特撮もかなり力が入っていて前作にも劣らない見応えがありました。
今作で注目したいのは安倍晴明と源博雅の掛け合いでしょう。前作でも賢さと優しさを持つ二人の掛け合いはとても良かったのですが、今作では伊藤英明演じる源博雅がお茶目で可愛らしく、独特な世界観の中で柔らかい雰囲気を放っていました。
深田恭子や市原隼人なども出演していてその初々しさや新鮮な演技が作品をより盛り上げていた気がします。(女性 30代)


導入部分から、人の心を鷲掴みにする話の持っていき方です。気づけば古の時代にワープしてしまいます。前作同様、野村萬斎が本領発揮しており、とりわけ女装した姿が妖艶でした。さらに、今作は敵役に中井貴一が加わり作品に重厚感が増しています。今作は平安時代の設定に、アメノムラクモやアマテラス、ヤマタノオロチ等の日本神話を上手く絡めています。よって、ストーリーがより壮大に仕上がっています。古事記、日本書紀あたりの知識が有ると、もっと楽しめそうです。(女性 30代)

映画『陰陽師Ⅱ』 まとめ

あくまでもフィクションですが、当時の日本をすべて一つの勢力が治めていたのではない事が分かります。出雲族を恐れた大和朝廷が行った蛮行と生き残った出雲の王が起こした混乱、どちらも悪いのですがやるせない気持ちにさせられます。

天の岩戸を開けるために安倍清明が女装するのですがこれがびっくりするほど似合っていなくて、夢に出そうです。天宇受賣命(アメノウズメ)に倣って舞を舞わないと岩戸が開かないからと博雅に言っていますが、それならもうちょっとお化粧をなんとかしてほしかった。

岩戸はこの世にないから戻ってこられるか分からない、だから一人で行ってくるという清明に絶対一緒に行くと押し切る博雅。お前と一緒に死ぬのなら怖くないという博雅の真っ直ぐな瞳に戸惑いつつうれしそうな清明が印象的でした。このシーンが女装した後じゃなくて本当に良かった。

関連作品

みんなの感想・レビュー