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映画『名探偵コナン 14番目の標的』あらすじ&ネタバレ感想

1998年公開。毛利小五郎とその関係者たちが、トランプの数字になぞらえて順番に襲われる事件が展開される。合わせて過去の小五郎と妃英理がどうして別居に至ったのかが明かされる劇場版シリーズ第二作目。

映画『名探偵コナン 14番目の標的』 作品情報

  • 製作年:1998年
  • 上映時間:100分
  • ジャンル:ラブストーリー、サスペンス
  • 監督:こだま兼嗣
  • キャスト:高山みなみ、山崎和佳奈、山口勝平、神谷明、茶風林 etc…

映画『名探偵コナン 14番目の標的』 評価

  • 点数:90点/100点
  • オススメ度:★★★★★
  • ストーリー:★★★★★
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★★★
  • 演出:★★★★★
  • 設定:★★★★☆

[miho21]

映画『名探偵コナン 14番目の標的』 あらすじ(ストーリー解説)

映画『名探偵コナン 14番目の標的』のあらすじを紹介します。

ある日の朝、母である妃英理が何者かに拳銃で撃たれるという不吉な夢を見て目覚めた毛利蘭。思わず英理を心配し電話をかける蘭だが、考えすぎだと笑われてしまう。しかしその電話後、英理の表情は曇り彼女の太ももには何かがかすめたような傷跡が…。

夜に英理との食事を控えた江戸川コナンは、昼間阿笠博士と少年探偵団(小嶋元太、円谷光彦、吉田歩美)と一緒に航空博物館を訪れる。一方、蘭と鈴木園子は料理エッセイストのサイン会へ出向き、お茶をしながら今夜の食事や両親の別居について話し始める。そして麻雀をしていて食事に行く準備が遅れた毛利小五郎。最初は乗り気でなかったものの小五郎と英理の思い出のレストランというだけあってなかなか良い雰囲気に。昔からの馴染みであるソムリエの沢木公平によるワインのテイスティング、料理の味も変わらないと思い出話に花が咲く2人。そんな姿を見て安心する蘭とコナンだったが、小五郎は突然よく世話になったというクラブのママ、十和子を窓の外に発見。英理の機嫌を損ねてしまいその場はお開きとなるのだった。

一週間後、公園でジョギングをしていた目暮警部が何者かによりボーガンで撃たれる事件が発生。現場にはダンボールで作られたような西洋の短剣が落ちており、コナンはその短剣をどこかで見たと判断するが思い出せない。続けて英理の事務所にチョコレートが届き、それを食べた途端彼女は苦しみ倒れてしまうが、命に別状は無かった。そしてチョコの包み紙には紙製の花が添えられており、同じ犯人かと予測される。短剣同様、この花もどこで見たのかと考えるコナンはスケボーの修理もかねて阿笠博士宅へ。すると玄関のガラスが割れる音が響き、外を確認しようとした博士はバイクに乗り待ち伏せしていた人物にボーガンで撃たれてしまう。心配するコナンに対し犯人を追えと命令する博士だったが、あと一歩のところで逃してしまうのだった。そして博士の玄関先からは再び剣のようなものが発見される。そこでようやく、コナンはこの犯行はトランプの絵札に合わせて行われていることを突き止めた。さらにその標的は、小五郎に関連する人物である可能性が高いことが分かり…。

仕事に復帰した目暮警部によれば、犯人はかつて小五郎が逮捕した元トランプ賭博ディーラーの村上丈ではないかと告げられる。そしてその村上を逮捕する際、あるトラブルから小五郎が英理を拳銃で撃った過去が明かされるのだった。

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映画『名探偵コナン 14番目の標的』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『名探偵コナン 14番目の標的』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

目暮警部の帽子の意味

元太と光彦は毛の薄さやタンコブを予想していましたが、本当の理由はかつて新米刑事であった頃に作った古傷を隠すためです。その頃女子高生連続ひき逃げ事件が発生しており、被害者の友人である一般の女子高生がおとり役を買って出ました。そしてその生徒を命がけで守ったときにできた傷なのです。じきにその女子高生、みどりさんと結婚したため奥さんとの馴れ初め話を冷やかされたくないので帽子を被っています。

ダウンウォッシュとは

コナンが辻の代わりにヘリを操縦し、墜落する直前に叫んだこの言葉。ヘリのローターから発生する下向きの気流のことをダウンウォッシュといい、離着時に発生する風もこれによるものだそうです。そして下降速度を上げすぎるとローターが役目を果たさなくなり、自ら作り出したダウンウォッシュの凄まじい気圧の中に巻き込まれてしまう事故でした。現実でもよくあることで、正しくはこの危険な状態をボルテックス・リング・ステートあるいはセットリング・ウィズ・パワーといいます。コナンはその時の状況を分かりやすくそのまま叫んだものかと思われます。

小山内奈々が殺されたときに置かれたジョーカーの意味

スペードの7と一緒に残された唯一のジョーカー。沢木が味覚障害に陥る原因を作った奈々には相当な恨み、殺意があったということが分かります。またどこを探しても容疑者の村上がいない、と存在を疑い始めた小五郎たちに対し、やはり犯人はジョーカーと呼ばれていた村上だと思わせるには十分な素材でした。

「14番目の標的」とは誰のことか

蘭のことです。1~13番目までは沢木の計画通りぴったり名前に数字の入った人物が集まりました、新一はいませんでしたが…。そして蘭に対しコナンが拳銃を向け、誰もが予想しなかった14番目の標的となったのです。実は殺されていた村上のことだとも予想できますが、一度しか登場せずしかもあまり活躍していない人物をタイトルの伏線に使うとは考えにくいです。


トランプの数字の順に名前に数字がある人が次々と狙われていくといういかにもミステリー的な要素はシンプルだが面白い。子供の頃、目暮警部がボウガンで撃たれてしまうシーンがなぜかめちゃくちゃ怖かったのを覚えている。
物語のクライマックスで判明する小五郎の刑事としての覚悟とけじめ、今も昔も変わらぬ家族への愛が、普段の彼とのギャップもあいまってめちゃくちゃかっこいい。毛利小五郎をもっと好きになる映画。(女性 30代)

映画『名探偵コナン 14番目の標的』 まとめ

トランプになぞらえた殺人という、ありそうで無かった題材に思わずワクワクしてしまいました。小五郎や新一、阿笠博士の士、妃=クイーンなど見事に数字が入っていることにも驚きましたし、今作で名前が明らかになった目暮十三や白鳥任三郎などもうまくハマっていたと思います。そしてなんといってもラストで新一が蘭に拳銃を向けるシーン。かつて小五郎が英理に発砲した状況を再現するという憎い演出で、この映画の素晴らしさはここに集約されていると思えるほどかっこいいシーンになりました。その瞬間小五郎に対する蘭の誤解も解け、全てがハッピーエンドに向かうというテンポ感も良かったです。

今作の犯人、沢木の動機もまた巷で話題になるほどにある意味凄いものでした。事故で味覚障害を引き起こしたのはともかく、ワインの管理方法や知識が間違っていた人間、ソムリエとしての尊厳を汚すつまり自分をバカにした人間を標的にする、という殺人に至るには軽すぎる理由と感じます。しかし現実でも衝動的な殺人や不可解な理由の事件は多発しますし、罪を犯す理由なんてそんなものなのかもしれません。人によっては、声優だけで誰が犯人か分かったという意見もあって面白かったです。

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