映画『名探偵コナン 時計じかけの摩天楼』の概要:劇場版『名探偵コナン』シリーズの記念すべき第1弾。今作では、コナンの大切な人たちの命が次々と危険に晒されてしまう。追い詰められたコナンは、一体犯人にどう立ち向かうのか。
映画『名探偵コナン 時計じかけの摩天楼』の作品情報
上映時間:95分
ジャンル:アニメ、サスペンス
監督:こだま兼嗣
キャスト:高山みなみ、山口勝平、山崎和佳奈、神谷明 etc
映画『名探偵コナン 時計じかけの摩天楼』の登場人物(キャスト)
- 江戸川コナン(高山みなみ)
- 工藤新一が、謎の薬を飲まされたことによって子供になってしまった姿。頭脳はそのままで、密かに数多くの事件を解決している。
- 毛利蘭(山崎和佳奈)
- 新一の幼馴染。新一のことを想っており、新一と映画に行けることになり大喜びしていたが…?
- 毛利小五郎(神谷明)
- 蘭の父親。冴えない探偵だったが、コナンが密かに小五郎の代わりに事件を解くことで一躍名探偵になった。
- 工藤新一(山口勝平)
- 高校生探偵として名を馳せていたが、ある日黒ずくめの男に薬を飲まされ、体が子供になってしまった。
- 森谷帝二(石田太郎)
- 著名な建築家。新一に自らのパーティに出席して欲しいと声をかけるが、それにはある理由があった。
映画『名探偵コナン 時計じかけの摩天楼』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『名探偵コナン 時計じかけの摩天楼』のあらすじ【起】
工藤新一は、高校生探偵として連日新聞を騒がせていた。数多くの事件を解決してきた新一は、ある日幼馴染の毛利蘭と共に遊園地に遊びにきていた。そこで、新一は怪しい黒ずくめの男二人組と遭遇する。何かあると感じ取った新一は、その男二人の後をつけていく。すると、見つかってしまった新一は男達に襲われ、とある薬を飲まされてしまう。気づくと、なんと頭脳はそのままに、新一の身体は小学生に戻ってしまっていた。
元の身体に戻るため、そして、黒の組織から身を隠すため、新一は江戸川コナンと名を変え、蘭の家に居候することになる。蘭の父親、毛利小五郎は探偵事務所を開いていたが、肝心の推理力の方はからっきし。しかし、コナンが知り合いの発明家、阿笠博士に作ってもらった麻酔銃と変声機を使い、小五郎に成り代わって事件を解決していった。すると、小五郎は『眠りの小五郎』として一躍時の人に。毛利探偵事務所には、日々様々な依頼が舞い込むようになっていったのだった。
映画『名探偵コナン 時計じかけの摩天楼』のあらすじ【承】
そして、ある日とある依頼が舞い込んでくる。しかし、それは毛利小五郎宛ではなく、工藤新一宛のものだった。差出人は森谷帝二という有名な建築家。森谷は、新一に後日行われるパーティに参加して欲しいというのだ。しかし、新一は現在コナンになってしまっているため、パーティに出席することはできない。そこで、コナンは変声機を使い、新一として蘭に電話をかける。そして、小五郎を自分の代理として立て、蘭と共にパーティに同席することにしたのだった。
そして、パーティの日がやってきた。大々的なそのパーティでは、リクリエーションの一環としてクイズ大会が開かれていた。そして、コナンはそのクイズを見事解いてみせたのだ。そのクイズを解いた褒美として、コナンと蘭は、森谷のギャラリーに特別に招待してもらうことになったのだった。そこで、コナンは一つの事実を知る。コナン達はこのパーティに来る前に、黒川邸という場所で起きた殺人事件を解決していた。その黒川邸も、森谷が設計していたのだった。
映画『名探偵コナン 時計じかけの摩天楼』のあらすじ【転】
一方、蘭は一つ楽しみにしていることがあった。蘭が新一の代わりに森谷のパーティに出席する代わりに、5月3日に新一と出かける約束を取り付けたのだ。久々の新一とのデートにテンションが上がる蘭。しかし、コナンになってしまった新一は会うことができず頭を抱えていた。
一方、黒川邸が何者かに放火されるという事件が起きた。さらに、その犯人と思しき人物から新一の元に連絡が入って来る。犯人は爆発物を盗み出しており、その爆弾を使って爆破予告をしてきたのだ。そして、犯人は新一が爆発を止めなければ、公園にいる子供達の命が危ないという。その電話を受けたコナンは、慌てて公園へと向かった。
コナンが向かった公園には、コナンと同じ小学校の生徒で、少年探偵団のメンバー達がラジコンで遊んでいた。彼らはそのラジコンを、知らない人から貰ったという。コナンはそのラジコンに爆発物が搭載されていることをいち早く見抜き、子供達を避難させた。そして、何とか子供達が逃げ切った頃、そのラジコンが爆発したのだった。
映画『名探偵コナン 時計じかけの摩天楼』の結末・ラスト(ネタバレ)
しかし、これで終わりではなかった。次々と都内で爆発事件が起こったのである。そして、爆破された建物にはある共通点があった。いずれの建物も、森谷が設計したものだったのだ。この事実から、コナンは今回の連続爆破事件の犯人が森谷であるということに気がついた。
そして、森谷を追い詰めたコナンだったが、既に森谷は最後の爆弾を仕掛け終わっていた。そして、その建物こそが、現在蘭が新一と会うために向かっている映画館だったのである。コナンは急いで新一として蘭に電話をかける。しかし、時既に遅し。仕掛けられた爆弾が少しずつ爆破し始めたのだ。
コナンは森谷から爆弾の設計図を奪い、電話越しの指示によって、蘭がメインの爆弾の解除に取り掛かった。しかし、その設計図は途中までしか書かれていなかった。最後に赤い導線と青い導線が一本ずつ残ってしまったのである。蘭は思い切って、青い導線を切った。そして、それが正解のコードだった。蘭の好きな色は赤にも関わらず、彼女が青を切った理由。それは、新一との赤い糸を切りたくないという彼女の乙女心からくる行動だった。
映画『名探偵コナン 時計じかけの摩天楼』の感想・評価・レビュー
陶芸家が気に入らない自分の作品を叩き割るシーンは良く見ますが、建築家でそれをするとこうなっちゃうのかと怖い気がします。実際に犯罪となってしまう放火や爆破までする人はまずいないでしょうけど。
最後の電話越しの新一と蘭の会話シーンは好きなのですが…。携帯のソーイングセットのハサミは普通は小さい物で、それで最後まで爆弾解体することができたのか?などと第一作目からやはりツッコミ所は満載でした。(女性 40代)
数ある劇場版作品の中でもトップクラスの人気を誇るこの第一作目。こだわりが強すぎるあまり凶行に走る建築家との闘いです。劇場で観た小学生当時は、素直に面白くて感動しましたが、今改めて観てみると森谷帝二のサイコパス感が怖いという感情に変わりました。誰しもが譲れないこだわりは持っていると思いますが、完全に常軌を逸してます。
この作品の一番の見どころは、ラストの“赤を切るか、青を切るか”というシーンでしょう。ここは本当にドキドキしました。扉越しの会話は印象的です。結果、青を切った蘭の理由がかわいいです。実際、あの状況に陥ったらそのような理由付けで選ぶこともあるかもしれません。(女性 20代)
だいぶ前に観た映画ですが、今でもストーリーを覚えています。犯人は、自分が建てた建築物がシンメトリーじゃなくて爆破するというお話。新一君に挑戦してきた犯人が、新一君がなかなか現れなくてイライラし始めたり、観ている人からするとハラハラさせられます。唯一、犯人や動機を今でも覚えている映画です。
最後の建物の爆弾は蘭ちゃんが見つけるのですが、新一君との会話も途切れて時間がない中で爆弾の線を切ることを迫られる蘭ちゃんの緊迫さが、観ている人をも緊張させました。(女性 30代)
劇場版『名探偵コナン』のシリーズ1作目。高校生探偵、工藤新一の元に届く有名建築家からのパーティーの招待状。小五郎と蘭も誘ってパーティーへ出席しますが、これが事件の始まりでした。かなりハラハラドキドキする展開。新一ではなくコナンが現場に駆けつけると「なぜ工藤が来ない!」と電話をしてくる犯人。この緊張感が素晴らしいです。
爆破を防ぐために、すぐに解除しなければいけないシーン。「赤い糸」に躊躇する蘭はかなりロマンチックで女の子らしいです。(女性 30代)
ツッコミどころはたくさんありますが、何回観ても楽しめる作品です。アガサ博士、少年探偵団、蘭、小五郎も総出で活躍していて見応えがあります。久しぶりに観ると、まだ灰原哀が登場していないことと、携帯電話が普及していない時代なので出てこないことに驚きますね。
最後にしっかり恋愛要素も入っていて、ミステリーと恋愛のバランスがしっかりとれていて1作目からかなり作り込まれていると感じます。そして1作目から犯人の動機が殺人ではないのも面白いです。(女性 30代)
みんなの感想・レビュー
公開されたのは1997年でありながらも、いまだにファンの人気を誇る劇場版第一作目です。特に扉を挟んでコナンと蘭が言葉を交わすシーンに胸を打たれた方も多いのではないでしょうか。危機的状況ながらもロマンチックに仕上げる演出が見事だと思います。そして今日のコナン作品ではお馴染みになった爆破事件ですが、今作はただ時限装置や遠隔操作に任せるのではなく、日光に当てたり一定の範囲内に入れば爆弾が作動しなくなるという一工夫があって面白かったです。東都環状線に隠された爆弾の場所にしても、「線路の間」というのはとても思いつかなくて意表を突かれました。そして巷ではコナンに出てくる犯人たちの動機がひどいと話題になっていますが、今作の森谷帝二もその中の一人でしょう。シンメトリーを愛するあまり、それに見合わなかった建造物を全て放火、爆破してしまうという荒技にも程がある迷惑行為です。芸術家には変な人が多いとも聞きますしそういう点では納得のいくこだわりの強さですが、第一作目としてはだいぶインパクトのある犯人&動機でした。
①干支の数え方
森谷の作った暗号から3人の干支を導き出したコナンですが、そのとき何か数えるような仕草をしていました。実際どう答えを出したかは分かりませんが干支を導き出す一つの計算方法として、西暦y年の場合「(y+9)÷12のあまり」という式があります。例えば2014年の場合「(2014+9)÷12」で答えは168あまり7となります。このあまりの数である7番目の午が2014年の干支になるのです。昭和の年号+25すると西暦も導き出せますが、この方式が通用するのは昭和のみです。
②盗まれた爆薬は実在するか
火薬庫から盗まれたというオクトーゲンは実際に存在する爆薬の一種であり、正式名はシクロテトラメチレンテトラニトラミンというややこしい名前です。今作でオレンジ色の閃光=プラスチック爆弾という知識を身につけた方もいらっしゃると思います。もちろんその知識を活かす場などそうそう無いとは思いますが…。
③カウントダウンの合間に何があったのか
蘭が最後の爆弾を見つけたとき、爆破までの時間はまだ40分程残っています。しかし次に爆弾のタイマーを確認したとき時間はあと18分前後になっていました。その間にあったのは小五郎が蘭を探し回り、森谷を追い詰めるシーンのみ。あまりに時間が経ち過ぎていて違和感を感じますが、特に何の描写もなく説明も無いということはただの演出として考える他ありません。その約30分の間に爆弾解体を始めれば余裕を持てたのでは…と思わず考えてしまいますが。
④白鳥刑事の初登場
今は立派なレギュラーとなっている白鳥刑事ですが、彼は原作よりも劇場版で先に登場した珍しいキャラクターです。その経緯はこだま兼嗣監督によれば、「当初は今作のみの登場だったが声優の塩沢兼人の演技が観客の笑いを誘ったことから、劇場版のみの変なキャラクターとしてレギュラー入りした」そうです。その後原作者の青山剛昌も彼を気に入ったので、レギュラーキャラクターの仲間入りを果たしたということです。