12000作品を紹介!あなたの映画図書館『MIHOシネマ』

映画『神は見返りを求める』のネタバレ・あらすじ・考察・解説

この記事では、映画『神は見返りを求める』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説し、この映画の疑問や謎をわかりやすく考察・解説しています。

映画『神は見返りを求める』の作品情報


出典:U-NEXT

製作年 2021年
上映時間 104分
ジャンル ヒューマンドラマ
コメディ
監督 吉田恵輔
キャスト ムロツヨシ
岸井ゆきの
若葉竜也
吉村界人
製作国 日本

映画『神は見返りを求める』の登場人物(キャスト)

田母神(ムロツヨシ)
イベント会社に勤めている男性。いわゆる良い人と呼ばれる男。
ゆりちゃん(岸井ゆきの)
YouTuberの女性。再生回数に悩んでいる。
梅川(若葉竜也)
田母神と同じ会社に勤めている後輩。噂話が好き。
村上(栁俊太郎)
新進気鋭のデザイナー。

映画『神は見返りを求める』のネタバレ・あらすじ(起承転結)

映画『神は見返りを求める』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『神は見返りを求める』のあらすじ【起】

イベント会社で働く田母神は合コンでYouTuberのゆりちゃんと出会う。再生回数に悩む彼女のために田母神はチャンネルの手伝いを始める。アクセス数が増えることは無かったがお互いに良きパートナーとなる。ゆりちゃんは田母神のことを神と呼び感謝していた。

そんな中でゆりちゃんの番組である飲食店を紹介したことをきっかけに炎上騒動に発展。その飲食店は田母神の紹介した店であり、店主から田母神は責められる。ゆりちゃんは自らの身体で償おうと田母神に抱きつくが、田母神は見返りはいらないと優しく断る。

田母神の本業が忙しくなるとチャンネルの手伝いが出来なくなり始める。ある日、ゆりちゃんは田母神の後輩である梅川から有名Youtuberを紹介される。彼らとコラボしたことで突然バズってしまう。

映画『神は見返りを求める』のあらすじ【承】

ボディペインティングなど体を張った内容に積極的に取り組むゆりちゃんに田母神は忠告しようとするが聞いてはもらえない。ゆりちゃんは次第に田母神に冷たい態度を取るようになる。デザイナーの村上と知り合ったゆりちゃんは田母神を雑用係として扱うようになっていた。

田母神は人の良さから元部下の保証人になっていた。その彼が借金を残して自殺してしまう。そのせいで多額の借金を田母神が背負うことになる。

困り果てた田母神は売れっ子となったゆりちゃんにお金を工面してもらえないかと願い出る。ゆりちゃんは見返りを求めなかったはずだと拒絶してしまう。ゆりちゃんは田母神のことをネタにした動画をアップするなど2人は完全に決裂する。

見返りを求める田母神への怒りを覚えるゆりちゃん。それに呼応するように田母神は覆面を着けてYouTubeを開設、ゆりちゃんへの反撃動画の投稿を始める。この醜い争いは皮肉にも注目を浴び始める。

過激な発言から田母神は身バレしてしまう。争いがさらにエスカレートしていく。

映画『神は見返りを求める』のあらすじ【転】

ゆりちゃんが田母神との対決動画を見直ししていると不快などのコメントがあることに気づく。そのコメントをきっかけに田母神と撮影していた頃の方が楽しく、日々が充実していたことを思い出す。

田母神との争いを辞めようと考え直すゆりちゃん。しかし、村上は話題を集められるこの対決動画の話題を続けたいと考えており、辞めることが出来ずにいた。

一方、田母神は自身に付きまとっていたYouTuberを追いかけていた。その道中でカップルにぶつかってしまう。怒った男性はビール瓶で田母神の頭を殴る。

家に戻った田母神は血を洗い流すと動画の撮影を始める。それはかつてゆりちゃんと踊ったダンスだった。

パーティーに参加していたゆりちゃんは田母神の動画を見せられる。その動画は頭から血を流しながら踊る田母神の動画だった。ゆりちゃんはその姿に驚愕するも次第に笑顔になっていく。

映画『神は見返りを求める』の結末・ラスト(ネタバレ)

田母神の動画を見た日から、ゆりちゃんは田母神がくれたパーカーを着て撮影に挑むようになる。その服を着て人気YouTuberとのコラボに挑むゆりちゃん。

ゆりちゃんが動画の撮影中に大火傷を負ったというニュースが流れる。撮影中に花火が服に引火したのだった。病院に運ばれて治療を受けたゆりちゃんはそのまま入院していた。そこに田母神に付きまとっていた男が撮影を始めてくる。

嫌がるゆりちゃんに対し、撮影を続ける男。田母神が病院に現れる。男は逃げるが田母神が追いかける。彼が被っていた仮面をはぎ取り、素顔を撮影する田母神。男に一喝しその場を後にする。ゆりちゃんは病室に戻ってきた田母神に悪態をつきながらも感謝を告げる。

田母神が家に戻ると、先程の男が待ち構えていた。急に襲いかかると田母神の背中を傘で刺してしまう。男は田母神から自分の素顔を撮影されたスマホを奪って逃走する。傷だらけので歩き出す田母神はまたダンスを踊り始める。

映画『神は見返りを求める』の考察・解説(ネタバレ)

映画『神は見返りを求める』の疑問や謎をわかりやすく考察・解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『神は見返りを求める』にはグロいシーンがある?

『神は見返りを求める』という映画では、過激なグロテスクシーンはあまり登場しません。この作品は人間関係や欲望、信頼の崩壊をテーマに据えているため、残酷な暴力表現や血生臭い描写よりも、登場人物たちの感情の機微や心理的な駆け引きに重点が置かれているのです。

物語は登場人物たちが自己の利益や感情に振り回される様子を追っており、時に緊張感や不安を観客に抱かせますが、ホラー映画やスプラッター作品のような露骨なバイオレンスシーンや流血描写は控えめです。

ただ、物語が進行するにつれて登場人物同士の対立や裏切りが激化していくため、その過程で一部の観客が不快に感じたり「グロい」と思うシーンが出てくる可能性はあります。しかしそれは物理的な残酷さというよりは、登場人物の行動や選択に起因する感情的な「醜さ」であり、人間性の闇に焦点を当てた表現なのです。

総じて、グロテスクな表現自体が作品のメインテーマやトーンではなく、むしろ心理的な緊迫感や人間関係の錯綜に力点が置かれていると言えるでしょう。

映画『神は見返りを求める』は、YouTuberのガーシーと関係がある?

映画『神は見返りを求める』とYouTuberのガーシーには直接的な関連性はありません。この作品は現代社会におけるインターネットやSNSの影響下で、人間関係や自己表現がどのように変容してきたか、そしてその裏側に潜む損得勘定や人間の弱さを描いた物語です。

登場人物の中にはSNSやインフルエンサーとしての成功を追い求める者もおり、YouTubeをはじめとするソーシャルメディアの影響力が色濃く反映された現代の風潮が物語の背景にあります。しかし具体的にガーシーというYouTuberが作品に影響を与えているわけではないのです。

ガーシーはスキャンダラスな暴露系コンテンツで知られる人物ですが、この映画が主眼とするのは人間関係や自己表現、期待と現実のギャップといったテーマを掘り下げることです。したがって、ガーシーのような告発系YouTuberの存在そのものは物語の中心にはなく、あくまで現代の承認欲求やセルフプレゼンテーションのあり方が主要なモチーフとして扱われています。

とはいえ、デジタル時代の文化やインフルエンサー的な要素が作品内に反映されている以上、SNSやYouTubeの影響力を意識した内容にはなっていますが、ガーシーとの直接的な関わりは見受けられません。

映画『神は見返りを求める』には怖いシーンがある?

『神は見返りを求める』にホラー映画のような怖いシーンはほとんど登場しません。しかし、登場人物たちの行動や感情の変化に伴う心理的な緊張感や不安感は随所に描かれています。特に人間関係が崩壊していく過程で、裏切りや嫉妬、憎悪が浮き彫りになるシーンでは感情的な緊迫感が高まり、不穏な空気が漂います。

この作品は人間関係や欲望の葛藤にフォーカスしているため、直接的な恐怖よりも登場人物の行動の予測不可能性や感情の起伏が観客に不安を抱かせます。物語が後半に差し掛かり、登場人物間の対立が深刻化するにつれ、心理的な怖さを感じる場面も出てくるかもしれません。

ただし、全体としてみれば『神は見返りを求める』は恐怖をメインに据えた作品ではなく、人間関係に内在する不安定さや緊張感を描いたヒューマンドラマだと言えます。したがって、ホラー映画的な「怖いシーン」は少ないものの、感情的に不安定な場面では観る人によっては不気味さを覚えることがあるでしょう。

映画『神は見返りを求める』には気まずいシーンがある?

『神は見返りを求める』には、いくつか気まずさを感じるシーンが登場します。特に人間関係の崩壊や感情のもつれが描かれる場面では、登場人物たちのやりとりが歯切れの悪いものになり、見ている側が居心地の悪さを覚えることがあります。

この作品は現代の人間関係や承認欲求を主題としており、SNSやインフルエンサーとしての成功を追い求める登場人物たちが織りなす人間模様が物語の中心にあります。彼らの間で生じる感情の食い違いや誤解が、気まずい瞬間を作り出すのです。

例えば、誰かが他人の期待に応えられなかったり、相手の気持ちを考えずに無神経な振る舞いをしたりする場面では、観客にとって気まずさを感じさせる要素になり得ます。また、登場人物たちが内に秘めた欲望や不満が徐々に明るみに出る過程で、嘘や裏切りが絡み合い関係性が毀損していく様子は、見る者に強い緊張感を与えます。

こうしたシーンの気まずさは、登場人物同士のコミュニケーションの不全や感情のすれ違いに起因するものです。作品のテーマ自体が自己表現や他者との関係性における不安や葛藤を扱っているため、その過程でいくつかのシーンが観客にも不快感を抱かせるのは必然と言えるでしょう。

映画『神は見返りを求める』は、見ていてイライラする映画?

『神は見返りを求める』には、見ていてイライラを感じる瞬間が出てくる作品だと言えます。特に登場人物たちがエゴイスティックな行動を取ったり、他人の感情を顧みずに自分の欲望を追求したりする姿には、観客がフラストレーションを覚えることがあるでしょう。

物語の主軸にあるのは、SNSやインフルエンサーとしての成功を目指す若者たちの姿です。彼らの行動は時に無責任で周囲の人々を傷つけるものになります。また登場人物たちが感情的に噛み合わなかったり、誤解や嫉妬を抱えたりするシーンでは、問題解決への糸口が見えにくく、観客としては「なぜもっと率直に話し合わないのか」と感じることもあるかもしれません。

欲望や承認欲求に振り回される登場人物たちが巻き起こすトラブルは、見ている側のイライラを誘発する要因になります。さらに彼らがワガママな行動を繰り返すことで事態が悪化していく展開も、苛立ちを助長するでしょう。登場人物たちの未熟さや無責任さが原因で問題が大きくなることが多く、観客は「どうしてもっと賢明に行動しないのか」と思わずにはいられません。

こうした要素が重なり合うことで、作品全体を通して観客にフラストレーションを引き起こすシーンが多数含まれていると言えるのです。

映画『神は見返りを求める』に出てくる、覆面をした人物の正体とは?

『神は見返りを求める』に登場する覆面の人物は、物語の鍵を握る重要な存在です。この人物はミステリアスな雰囲気を纏っており、登場するシーンでは緊張感や不安感が高まります。覆面で素性を隠しているため、その正体や行動の動機が明らかにされず、観客は推理を巡らせることになるのです。

物語が進行するにつれ、覆面の人物の正体が徐々に明らかになっていきますが、彼(あるいは彼女)は単なる脇役ではなく、物語の根幹に関わる重要なキャラクターであることが判明します。覆面を着けている理由には、この人物自身が抱える感情や秘密、あるいは社会的立場が関係しているのです。

正体が明かされる瞬間は、同時に彼の行動が物語全体に与える影響の大きさも浮き彫りになります。観客にとっては驚きの展開であると同時に、新たな視点を得ることにもつながるのです。

覆面の人物の存在は、作品に謎めいた雰囲気とサスペンスを加え、物語のクライマックスに向けて緊張感を高める重要な役割を担っています。その正体が明かされることで、物語の全貌が明らかになり、覆面の意味や背景に隠された真実が観客の前に提示されるのです。

映画『神は見返りを求める』の、最後のシーンの意味とは?

『神は見返りを求める』の最後のシーンは、作品全体のテーマとメッセージを象徴する重要な場面です。ラストシーンでは登場人物たちがそれぞれの行動の結果と向き合い、物語は最終的な結末を迎えますが、ここで「見返り」や「欲望」というテーマに対する問いかけが強く打ち出されます。

登場人物たちはこれまで自己中心的な行動を取り、他者との関係を損ねてきました。果たして彼らが得たものは本当に満足のいくものだったのでしょうか。最後のシーンはこの問いを突きつけているのです。彼らが追い求めてきた欲望や承認欲求がどのような結果をもたらしたのか、そしてその過程でどれだけの代償が支払われたのかが明らかになります。

物語を通して繰り広げられてきた人間関係の破綻や、期待の裏切りがクライマックスを迎える中で、登場人物たちの最終的な運命が描かれるのです。ラストシーンの意味するところは、「他者からの評価」や「自己利益」の追求では決して真の幸福や満足は得られないというメッセージに集約されています。

最後の場面で、登場人物たちは自らの行動と選択の結果に直面し、そこから何を学び、どう前に進むのかが示唆されます。このシーンを通して作品全体のテーマが締めくくられ、観客の心に深い印象を残す結末となっているのです。

映画『神は見返りを求める』は、クズのような人間を扱った映画?

『神は見返りを求める』に登場するキャラクターの多くは、自分勝手で未熟な行動を取る人物ばかりです。彼らは自身の欲望や承認欲求に振り回され、周囲の人を傷つけたり裏切ったりすることを繰り返します。そのため、この映画を見た人の中には、「クズばかりが出てくる作品だ」と感じる人もいるかもしれません。

登場人物たちは自分の成功や他人からの評価を得ることに必死で、そのために道徳的な問題を無視したり、他人の気持ちを踏みにじったりすることもあります。しかしこの作品は、単に彼らの行為を非難するだけではありません。むしろ人間が欲望に突き動かされて行動する中で、どのように過ちを犯してしまうのか、そしてその根底にある弱さや不安をも描き出しているのです。

彼らの行動は決して許されるものではありませんが、その背景を探ると現代社会特有の承認欲求や自己表現へのプレッシャーが見えてきます。登場人物たちは、そうした圧力の中で心の方向性を見失っている様子が描かれているのです。

つまりこの映画は、単に「クズ」と呼ばれるような人間を描いているわけではなく、現代を生きる人々が抱える問題や弱点を浮き彫りにする作品なのです。登場人物たちの行動を通して、私たち自身の社会の闇の部分が照らし出されていると言えるでしょう。

『神は見返りを求める』は、一見すると身勝手で欠点だらけの人物ばかりが登場する作品に見えるかもしれません。しかしその実、彼らの姿を通して現代人の抱える普遍的な課題を提示しているのです。この映画は、私たち一人一人が内に秘める欲望や弱さと向き合うことを促しているのかもしれません。

映画『神は見返りを求める』はどこで見れる?フルで無料視聴する方法は?

映画『神は見返りを求める』を見逃した人やもう一度見たい人のために、以下の記事では映画『神は見返りを求める』のフルを無料視聴できる動画配信サービスと方法について紹介しています。

ぜひ、以下の記事もご覧いただき、映画『神は見返りを求める』をフル視聴してみてはいかがでしょうか。

映画『神は見返りを求める』を無料視聴できる動画配信サービスと方法
映画『神は見返りを求める』を無料視聴できる動画配信サービスと方法を分かりやすく紹介しています。

みんなの感想・レビュー