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映画『トランス・ワールド』あらすじネタバレ結末と感想

映画『トランス・ワールド』の概要:謎の山小屋に迷い込み、逃げられなくなってしまった3人の運命と接点を描いたSFサスペンス。監督は「バッド・マイロ!」の製作総指揮も手掛けたジャック・ヘラー。原題は「ENTER NOWHERE」。

映画『トランス・ワールド』 作品情報

トランス・ワールド

  • 製作年:2011年
  • 上映時間:90分
  • ジャンル:サスペンス、SF
  • 監督:ジャック・ヘラー
  • キャスト:サラ・パクストン、スコット・イーストウッド、キャサリン・ウォーターストン、ショーン・サイポス etc

映画『トランス・ワールド』 評価

  • 点数:90点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★★
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★★★
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★★

[miho21]

映画『トランス・ワールド』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)

映画『トランス・ワールド』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

映画『トランス・ワールド』 あらすじ【起・承】

1組のカップル強盗が、とある店に入り込む。
女性は金庫の中身が気になり、それを無理やり開けさせた。

車がガス欠になり、助けを呼びに行った夫アダムを待つ妊娠中の妻サマンサは、一晩戻らなかった夫を探して歩き回るうちに古びた小屋にたどり着く。
そこには、3日前に車が故障して動けなくなってしまったという男性トムがいた。
夜になると外は氷点下になり、電話も無ければ無線は故障中という小屋で2人は助けを待つことに。

翌朝サマンサが目覚めると、小屋の前に彼氏ケヴィンに置き去りにされたというジョディが倒れていて、彼女も一緒に救助を待つことになる。
トムは小屋の周囲を見て回るが、どんなに進んでも小屋から離れられないことに気付く。
しかも、小屋の場所がニューハンプシャー州だというサマンサと、ウィスコンシン州だというジョディ、トムはサウスダコタだと主張。
その小屋は明らかにおかしかった。

小屋を出て森を抜ける決意を固める3人。
森の中を歩くうちに地下に軍の防空壕を見つけるが、第二次世界大戦で命を落としたドイツ人の父を持つサマンサの知識で、そこにあるものはすべてドイツのものだとわかる。
食料を持って地上に出ると、目の前には小屋が。

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映画『トランス・ワールド』 結末・ラスト(ネタバレ)

トム、ジョディ、サマンサは打ち解けていく。
やがてジョディはサマンサに、自分は強盗をして大金を稼いでいたと話し大金を見せる。
それがきっかけで、サマンサは1962年、ジョディは1985年、トムは2011年から来ていたと判明。

困惑する3人は小屋の外から銃声を聞き、ライフルを持ったドイツ人に襲われる。
彼は、第二次世界大戦中にタイムスリップしてしまったと予想する3人。
サマンサが話すつたないドイツ語が通じない男は、3人に銃を向ける。

だが、全員が同じペンダントロケットを持っていたことから、真実がわかる。
ドイツ人の男、ハンスはサマンサの父だった。
サマンサは、娘ジョディを生んだ時に死んでいた。
強盗に入った店の店員とケヴィンを殺したジョディは、トムを生んだ後に死刑。
トムは自分を虐待していた神父を殺して自殺していた。

これまで忘れていた記憶を取り戻した3人は、ハンスの命を救い、自分たちの生きる未来を変えようとする。
だが、もみ合うトムとハンスに駆け寄ったジョディが撃たれ、ジョディが命を落とすとトムは消えた。
空爆が始まり、サマンサは命をかけてハンスを防空壕に入れるとジョディも消えた。

強盗していた時とは身なりが違うジョディは買い物を済ませると、慈善家として活動した祖父ハンスの死を悲しむ母サマンサのいる家に帰った。

映画『トランス・ワールド』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『トランス・ワールド』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

派手さは無いが完璧ともいえるストーリー

最初は謎だらけでゆっくりと進んでいくストーリーが、時間を超えて集まった3人という事が分かった後からスピード感が上がっていき、ロシア人のハンスの登場で全員が血縁関係にあるとわかって目的が判明した際の爽快感が素晴らしい。
話の進み方やテンポの良さも、驚くほどよくできている。

時代が違っても違和感を感じないようなトムとサマンサの服装、ジョディの服装も男女の感じ方の違いやジョディが個性的なだけとしか思えないように、うまく誘導している。
サマンサの乗っていた車も、トムの感覚では古いが味のあるクラシックカーと、感じ方の違いで時代の違いまではわからないように描いているのがとてもうまい。
そして、すべての伏線を見事に回収している完成度の高さは、めったに見られない傑作の領域だ。

ラストでジョディの代わりに別の女性とケヴィンが強盗に入り、ジョディとサマンサが寄り添っている図はよくできている。

店の主や金庫について、あえて謎のままにしている点も、ごちゃごちゃした展開にならずスッキリして良い。
未来のことを話せなかったり、過去を変えることができないというタイムパラドクスも、ハンスを救って全員命を落とす展開なので、難しい部分もなく楽しむことができる。

無理のない演出とVFX技術

タイムスリップを扱ったSFものでは、タイムマシンなどのVFX技術が重要になる場合が多いが、本作はいつの間にか迷い込んでいたという設定なので問題がない。
しかも、森の中の山小屋とその周囲しか映らないので、低予算で仕上げることができた様子。

派手な演出こそ少ないが、性格も性別もバラバラの3人が打ち解けていく様子も自然。


全くノーマークだったのだが、偶然視聴。結果、最高。

登場人物が少ない中で、「え? どういうこと」「なんだそういうことか」という物語の謎解き、すっきり感を味わえるいい映画だ。なんとクリント・イーストウッドの息子であるスコット・イーストウッドも出演しており、迫真の演技を見せてくれる。これが初主演だというから驚き。

その他の俳優もみんな演技が達者なので、低予算でも脚本と良い役者がそろえばいい映画ができるというお手本のような作品だ。(男性 30代)


本作は、それぞれのトラブルで森に迷い込んだ3人の男女が森からの脱出を試みるも何度も同じ場所に戻ってしまうという異次元の世界を描いたSFサスペンス作品。
3人の共通点が明らかになっていき、それぞれが別の国、別の時代から来ていたという奇妙な運命がシンプルに描かれていてついていきやすかった。
自分一人だけの世界ではなく、過去から未来へと先祖代々の繋がりを感じられる作品だった。
90分なのでサクッと観れるところも良い。(女性 20代)

映画『トランス・ワールド』 まとめ

隠れた名作という名にピッタリの作品で、伏線や謎の回収も完璧。
強盗に入られた店主や金庫の謎に関してはノータッチだからこそ、山小屋に捕らわれた人々の過去や未来が変化することの影響も、あまり疑問に感じない。

主要登場人物が3人なのと、ほとんどが山小屋と森の中での撮影なので、低予算でも無理しているようなシーンが見当たらない。

救ったハンスがどうなったかという部分や、ジョディの代わりになった女性がケヴィンと強盗に入るシーンのカメラワークが、冒頭のジョディとの部分と完全に同じなので、何度見ても楽しめる作品だ。

みんなの感想・レビュー

  1. 影山 美穂 より:

    ご指摘ありがとうございます。本文のほう修正しました。

  2. 匿名 より:

    ハンスはドイツ人では?サマンサの父では?