映画『バンディダス』の概要:ペネロペ・クルスとサルマ・ハエックが勇ましくもセクシーな女盗賊となって西部で大暴れするアクション・コメディ映画。フランス・メキシコ・アメリカの合作。2006年公開。日本では劇場未公開。
映画『バンディダス』 作品情報
- 製作年:2006年
- 上映時間:93分
- ジャンル:コメディ、アクション、西部劇
- 監督:ヨアヒム・ローニング、エスペン・サンドベリ
- キャスト:ペネロペ・クルス、サルマ・ハエック、スティーヴ・ザーン、ドワイト・ヨーカム etc
映画『バンディダス』 評価
- 点数:60点/100点
- オススメ度:★★☆☆☆
- ストーリー:★★☆☆☆
- キャスト起用:★★★★☆
- 映像技術:★★★★☆
- 演出:★★★☆☆
- 設定:★★★☆☆
映画『バンディダス』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)
映画『バンディダス』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『バンディダス』 あらすじ【起・承】
19世紀後半。ニューヨークにある大手のキャピタル銀行は、鉄道開通の融資を他銀行に取られないようにするため、メキシコシティの農場買収を急いでいた。アッシュ頭取の部下・ジャクソン(ドワイト・ヨアカム)は、その仕事を一手に引き受ける。
メキシコシティで暮らすマリア(ペネロベ・クルス)は農場育ちの田舎娘で、得意なことといえば馬の扱いぐらいだ。マリアの農場も取り上げられることになり、マリアは町の銀行経営者であるドン・ディエゴの屋敷に乗り込み暴れ、留置場に入れられる。
ドン・ディエゴはキャピタル銀行から資金援助を受ける代わりに、農場の抵当権をジャクソンに委ねる。ジャクソンは債務不履行を理由に農場を1ペソで買い上げ、歯向かうものは容赦なく射殺していく。そしてマリアの父・ペドロも撃たれ、重傷を負う。
ドン・ディエゴの一人娘・サラ(サルマ・ハエック)はジャクソンの部下が農民を撃ち殺すのを見てしまう。急いで屋敷へ帰ると父は毒殺されており、危険を感じたサラは逃亡する。
サラは逃亡資金を稼ぐため銀行を襲い、そこでみんなを助けるために強盗を働くマリアと鉢合わせする。強盗は成功したが、目的の違う2人は大喧嘩になる。しかし土地を追われた人々が集まる洞窟の様子を見てサラも改心し、2人は協力して銀行を襲うことにする。
神父が紹介してくれた凄腕の元強盗の特訓を受けたサラとマリアは、相棒としての信頼関係も築き、次々と銀行を襲う。ジャクソンは2人が捕まらないことに業を煮やし、ニューヨークから刑事のクエンティン(スティーヴ・ザーン)を呼び寄せる。
映画『バンディダス』 結末・ラスト(ネタバレ)
クエンティンはアッシュ頭取の娘・クラリッサの婚約者で、科学捜査が専門だった。捜査を進めるうちに、クエンティンはドン・ディエゴの死因が毒殺であることを突き止める。サラとマリアの“民衆を助けたい”という気持ちに賛同したクエンティンは、2人の強盗を手助けすることにする。
しかしジャクソンの方も多くの殺し屋を雇い、警備を強化していた。メキシコの州知事に金塊を預けてもらうため、最新の警備設備を整えた銀行に全ての預金が集められる。3人は入念に計画を練って、この銀行に忍び込む。しかしあと一歩のところで警報装置が作動してしまい、3人は逮捕されてしまう。
3人は処刑場へ送られる途中で民衆によって助け出され、命拾いする。ジャクソンは安全のためメキシコの金塊をテキサスへ移すことにする。それを聞いた3人は金塊が輸送される列車を襲う決意をする。サラとマリアには友情とクエンティンへの恋心が芽生えていた。
金塊を輸送する列車にはジャクソンに呼ばれアッシュ頭取とクラリッサ、さらに州知事も同乗していた。ジャクソンは金塊を自分のものにするため、この3人を始末するつもりだった。まずは州知事が列車から突き落とされてしまう。頭取とクラリッサも殺害されそうになったところで、列車に潜入していたサラとマリアとクエンティンが登場する。激しい撃ち合いの末、クエンティンが負傷。車外に逃亡したジャクソンは、サラに射殺される。
悪者を退治し、サラとマリアは農場を守ることができた。クラリッサと帰るクエンティンを見送り、少々寂しい気持ちを抱えながらも、たくましい女盗賊へと成長した2人は荒野を駆け抜けていく。
映画『バンディダス』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『バンディダス』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
話はハチャメチャ
想像以上にコメディ色の強い作品だ。そういうわけで話の内容も単純明快。わかりやすい悪役がいて、そいつが最後には正義の味方にやっつけられるという勧善懲悪の世界。
ストーリー展開も強引で、細かいツッコミを入れ出すとキリがない。冒頭部分がクエンティンなので、ミステリーの要素もあるのかなと思いきや、彼が科学捜査専門である必要はほとんどなかった。ドン・ディエゴが毒殺されたことを突き止めた以外、彼の捜査能力は宝の持ち腐れ。そもそも何でジャクソンはクエンティンを呼んだのか…。女盗賊を捕まえるのに、科学捜査は必要ない。むしろ自分の首を絞めている。こういう具合にあらゆる点で、話はかなりハチャメチャだった。
ちなみに脚本は「トランスポーター」シリーズや「96時間」の脚本家ロバート・マーク・ケイメンと「レオン」を監督したリュック・ベンソンの共同執筆。悪ノリしたか。
結局はペネロペ・クルスとサルマ・ハエック
訳あって女盗賊となったマリアとサラがとにかく大暴れするという本作。田舎娘のマリアをペネロペ・クルス、教養ある強気なお嬢様のサラをサルマ・ハエックが演じている。
この2人がのっけから取っ組み合いの大喧嘩をし、一人前の強盗になるため凄腕の元強盗に鬼の訓練を受けたり、セクシーな踊り子に扮してクエンティンを誘惑したりと忙しい。ペネロペ・クルスはスペイン出身、サルマ・ハエックはメキシコ出身のラテン系なので、勝気な女盗賊役はよく似合っていた。かなり多いアクションシーンも体当たりで頑張っている。この2人の頑張りがあってこそ、本作は一応見られる映画になっている。
驚いたのは撮影当時ペネロペ・クルスが31歳。サルマ・ハエックは40歳だということ。娘役には少々きつい年齢だ。全く無理がないとは言わないが、若くてただセクシーなだけの女優より、貫禄のある2人に任せて正解だった。ガンガン攻める2人の女優魂はかっこいい。
映画『バンディダス』 まとめ
とても楽に見られる映画ではある。というか、楽な気持ちで見ないと“どういうことやねん!”とツッコミを入れるのに忙しくなり、この映画は楽しめない。超脱力したい時、ものすごく暇だけど頭を使いたくない時、酔っ払っている時などに見るのがいい。正直に言うと、そこまで無理して見る必要はない。
でも映像はそれなりに綺麗で見やすい。馬は賢い。主演の2人が着ていたウエスタン・スタイルの衣装はかわいい。ハードなアクションが苦手な女性には受けるかも。かっこいい俳優は出てこないけど。
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