映画『シュレック』の概要:全身緑色の巨体を持つバケモノ、それがシュレックだった。これまで1人で生きてきたシュレックだったが、ある日、1人の美しい姫と出会う。そして、その出会いをキッカケに、シュレックの運命は大きく変わっていく!
映画『シュレック』の作品情報
上映時間:90分
ジャンル:ファンタジー、アドベンチャー、アニメ
監督:アンドリュー・アダムソン、ヴィッキー・ジェンソン
キャスト:マイク・マイヤーズ、エディ・マーフィ、キャメロン・ディアス、ジョン・リスゴー etc
映画『シュレック』の登場人物(キャスト)
- シュレック(マイク・マイヤーズ)
- 恐ろしい外見をした化け物。1人静かに暮らしていたが…?
- ドンキー(エディ・マーフィ)
- おしゃべりで馴れ馴れしいロバ。シュレックにつきまとう。
- フィオナ(キャメロン・ディアス)
- ドラゴンに囚われた美しい姫。実は彼女には秘密があって…?
- フォークアード卿(ジョン・リスゴー)
- フィオナ姫の奪還を依頼。彼女との結婚を企んでいる。
映画『シュレック』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『シュレック』のあらすじ【起】
この世界には、様々な不思議な生き物が存在している。嘘をつくと鼻が伸びるピノキオも、長ぐつをはいたネコも、物語の登場人物だって実存している。そんな世界に、シュレックという化け物が暮らしていた。シュレックは全身緑色の巨体をした化け物だった。
その外観からは人々から恐ろしい怪物と思われ忌み嫌われていたが、シュレックに人を襲うといった危険思想はなかった。彼は森の奥に1人で居を構え、気ままに毎日を送っていたのだった。
ある日、そんなシュレックの前に一匹のロバが現れた。彼の名前はドンキー。ドンキーは非常に明るく話好きな性格だったが、あまりの馴れ馴れしさや鬱陶しさに周りに煙たがられ、友達がいなかった。そんなドンキーにとって、同じく1人で生活をしているシュレックは仲間。ドンキーはシュレックと友達になれないか、と考え彼の元を訪れたのだ。しかし、面倒ごとは御免なシュレックは、馴れ馴れしいドンキーに冷たく当たる。それでも楽観的なドンキーは意に返さないのだった。
映画『シュレック』のあらすじ【承】
そんな経緯から、ドンキーがシュレックの周りをうろつくようになってから少し経った頃。その日も、シュレックは1人静かに自宅で食事をとっていた。しかし、いつものように穏やかなその時間は突如として砕かれることとなる。家の外から、騒音が聞こえて来たのである。
不思議に思ったシュレックが外を覗くと、なんと誰もいないはずの外に、多くのおとぎ話の登場人物たちが立っていたのだ。彼らは今まで思い思いの場所で自由に生活していたのだが、ファークアード卿という人物に住まいから追い出されてしまったのだ。行き場のなくなった住民たちは、こうして誰もいないシュレックの家周りにやってきたのだ。
しかし、これだけの住民に押し寄せられては、大好きな孤独とは無縁の生活になってしまう。困ったシュレックは、自らファークアード卿の元へ出向く。そして、彼らに家を返してやってほしいと懇願するのだった。そんなシュレックに、ファークアード卿はとある一つの条件を提示してきた。
映画『シュレック』のあらすじ【転】
その条件とは、現在ドラゴンに捕らえられてしまっているフィオナ姫を助けだすことだった。フィオナを無事王宮へ戻すことができれば、住民たちの住まいを戻してやってもいいとファークアード卿は進言する。シュレックは自分の平穏な生活を守るため、渋々その申し出を飲むこととした。
そして、更にドンキーがシュレックの後を勝手についてきたため、メンバーは2人に増員。シュレックとドンキーは共に、フィオナ姫奪還のため旅に出るのだった。そして、シュレックとドンキーはフィオナ姫が捕らえられている場所までたどり着く。ドラゴンを相手に不利な立場に立たされる2人だったが、なんと見事にフィオナ姫を助け出すことに成功したのだった。
一方、フィオナ姫は危険を承知で自分を助けにきてくれたシュレックが、自分の運命の相手だと確信していた。しかし、肝心のシュレックの顔は鎧に隠されていて見えない。そこで、フィオナ姫はシュレックに兜を取ってほしいと頼むのだった。しかし、フィオナ姫の予想に反して、兜の下のシュレックは化け物の姿をしていたのだった。
映画『シュレック』の結末・ラスト(ネタバレ)
白馬の王子を夢描いていたフィオナ姫は、そんなシュレックの正体に失望する。その後、シュレックとフィオナ姫は、無事にフィオナ姫を国へ送り届けるために行動を共にする。そして、その間にフィオナ姫は、シュレックの心の優しさに気づき、少しずつ彼に惹かれていくのだった。
一方のシュレックもまた、美しくも自分をしっかり持ったフィオナ姫に心惹かれていくのだった。しかし、国に戻ったフィオナ姫には、フォークアード卿との結婚が待っていた。シュレックへの想いを捨てきれないまま式に臨むフィオナ姫。しかし、そんなフィオナ姫には秘密があった。普段は美しい彼女だが、夜になるとシュレック同様化け物になってしまうのだ。そんな彼女が呪いに打ち勝つ唯一の方法は、運命の相手と口づけを交わすこと。
式に乗り込んできたシュレックは、彼女のその告白をも受け入れ、化け物の彼女も受け入れたのだった。そして、シュレックとフィオナ姫は口づけを交わす。すると、フィオナ姫はシュレック同様緑色の化け物へと変身した。そちらの姿こそが、彼女の本当の姿だったのだ。フォークアード卿はそんな彼女を拒絶したが、シュレックは受け入れ、そして2人は晴れて結ばれるのだった。
映画『シュレック』の感想・評価・レビュー
シュレックとフィオナ姫は、絵的には美女と野獣だが、ラストでフィオナ姫も怪物になるため、ある意味美女と野獣とは正反対の結末だと言えるだろう。
もし仮に、シュレックが人間となって美しいフィオナ姫と結ばれていたら、このシリーズはそもそも続かないし、シュレックの怪物としての存在意義を全否定することになってしまう。
一番大切なのは、二人が愛し合っていることであるが、両者が怪物姿のままでいることにも意味があると感じる。つまり、「美しいや醜いなど見た目ではなく、素の自分(この作品で言うと怪物姿)を愛してくれる人と巡り合うことが大切」というメッセージを残すために、あえてフィオナ姫を怪物姿のままにしたのではないだろうか。
ギャグが多く楽しい作品であるが、優しい教訓も隠れている良作映画である。(女性 20代)
高音域の声、歌で鳥を爆発させてしまったり、カンフーを使うお姫様が今までになく新鮮で良かったです。しゃべるロバに恋するドラゴンのまつ毛バッチリの瞬きも好きでした。真実の愛やキスによって、呪いが解けて真実の姿を取り戻す話は多数ありますが、化け物の姿になってしまうのも本作ならではのハッピーエンドで良かったです。
見た目がきれいなことではなく、自分が望む状況にあった姿が真実の姿なのかと思いました。(女性 40代)
心優しきモンスターというのは、最初の印象が強ければ強いほど、そのギャップが愛おしく見えてくるものである。モンスターズインクのサリーなどが割と良い例なのだが、シュレックは初めからそこまで恐ろしい怪物という感じでもなかったので、そこまで強烈な印象は持たなかったのが正直な所である。ラストの展開は少し意外というか、意表を突く流れで、そもそもお姫様の出生はどこなんだろうといった余計な頭がエンディング中に入ってきてしまい、素直に感動しきれなかったのが、もったいない所である。(男性 30代)
初め予告編でシュレックを見たとき、インパクトのある見た目に衝撃を受けた。でも、しゃべって動いている姿をきちんと見ると、だんだんと愛くるしく見えるようになってきた。日本語吹き替え版の浜田雅功さんの声というか、軽快なしゃべり方が合っていたお陰もあると思う。あと、山寺宏一さが日本語吹き替えを担当した、ロバのドンキーとの掛け合いも良かった。会話のテンポが良く、ずっと漫才を見ているかのようだった。(女性 30代)
世界観も作品の雰囲気も、唯一無二の独特なアニメーション映画である。
子供向けのアニメだと思っていたが、大人も存分に楽しめる。むしろ大人の方が楽しめるブラックユーモアがふんだんに散りばめられている。こんなアニメーションがあってもいいではないか、と思える作品だった。
吹き替え版はダウンタウンの浜田が演じているが、最初は違和感を感じるかもしれない。しかし観賞後は違和感は何もなく、浜田以外は考えられないほどのハマり役だったと評価が一変するだろう。(男性 20代)
人気の作品になればなるほど、吹替版の声優の声が納得いかないことって多くありませんか?しかし、この『シュレック』は吹替版で見ることをオススメします。声優の声がキャラクターにピッタリなんです。ちょっぴり下品でガサツだけど心優しいシュレックはダウンタウンの浜田雅功。プリンセスのフィオナは藤原紀香。相棒のドンキーは山寺宏一ととにかく違和感が無いんです。これは誰が見ても共感できるはず。もともとの声優陣もハリウッドの有名スターが演じているので面白いのですが、初めて見る方には日本語吹き替え版をオススメします。(女性 30代)
アンチディズニーの名作CGアニメ。パロディがそこかしこに見られ、ブラックユーモアには切れがある。それでいて家族で見られるちょうどよい塩梅で、ひねくれもののシュレックにどんどん感情移入していくことが出来た。
普段字幕版で映画を見る人も、この作品は両方楽しんでほしいと思った。主人公のシュレックを『オースティン・パワーズ』で知られるマイク・マイヤーズ。日本語吹替が浜田雅功でこれが本当にはまり役。シュレックの顔が、最後には浜田さんの顔に見えてくるほどだ。
笑いたくなったら見てハズレはない作品だ。(男性 30代)
子供の頃に鑑賞し、色々と衝撃を受けた作品。ディズニーとジブリしかアニメ映画を知らなかった私には少し刺激が強かったが、こんなアニメもあるのかと驚いたことを今でも覚えている。誰もが知っているおとぎ話のキャラクターたちが出てくるが、どのキャラクターもクセのある感じで、ところどころ遊び心があるのが今は面白いと感じられるようになった。
日本語吹き替えの出演者がみんな上手くて、ピッタリハマっている感じでよかった。(女性 20代)
関連作品
次作 シュレック2
みんなの感想・レビュー
ひっそりと暮らしていた怪物のシュレックだが、静かな生活の中にうるさいドンキーが登場したりと、今までの生活が難しくなってしまう。一見あまり合わなそうな二人だが、お互いうまくやっている様子に、とても温かい気持ちになれる。
投げやりで悲観的なシュレックがフィオナ姫に出会い、少しずつ変わっていく物語かと思いきや、誤解や喧嘩にハラハラさせられる。何と言っても、典型的な結末とは真逆を行く物語の結末には、誰もがびっくりさせられることだろう。
「捕らわれた姫を救う」そんなよくありそうなストーリーですが、この映画は少し違います。
姫を助けた勇者は人間から嫌われた怪物でした。そして姫もまた呪われ、夜になると怪物に変身してしまうのです。そんな二人はやがて恋に落ちていきます。ロマンティックな展開もありながら、笑いもたくさん、家族で見るのにぴったりな映画です。
幸せになるためには、そんな見た目であるかは関係ないそんなことを改めて感じさせてくれる映画です。
『シュレック』シリーズは、子どもがよく知る絵本に登場するキャラクターがたくさん登場する。主人公のシュレックも絵本のキャラクターで、他にもピノキオや赤ずきん、白雪姫、いろんなおとぎ話のキャラクターが登場するので楽しい。
特に、すべてのキャラクターがおとぎ話のような性格ではなく、どこか黒い所も持っているのがいい。主人公シュレックは醜いが、塔に閉じ込められたお姫様を救い出し、そのお姫様フィオナも実は醜い怪物である。しかもただ守られているだけじゃなくフィオナ本人も強い。
全てが、今までの「おとぎ話」の在り方から外れた、アウトローな作品だと思う。
登場するキャラクターみんなのキャラが濃く、ストーリーも単純で分かりやすいので子供は楽しめるが、ブラック・ジョークもたくさんだし、今までにないおとぎ話の世界として大人も楽しめると思う。
『シュレック』が日本で公開されたとき話題になったのはやはり吹替え版のキャストだと思う。シュレックをダウンタウンの浜田雅功、フィオナ姫を女優の藤原紀香が演じた。シュレックは関西弁である。口が達者であるというシュレックのキャラクターに合っていてよかった。
『シュレック』シリーズの日本語吹き替え版の他のキャストも豪華だが、英語版キャストだって豪華。シリーズ始まって以来浜田版のシュレックに慣れているが、一度英語版を観ても面白いと思う。
このシリーズの制作の一人、ジェフリー・カッツェンバーグは、元々ディズニーの人である。1980年代から1990年代のディズニー作品の制作に関わりながら、責任者と対立してディズニーを退社。そしてその後作られたのがこの『シュレック』である。ディズニーこそおとぎ話をおとぎ話らしく作る会社だが、それに対抗するように、ブラック・ユーモアに富んだこのシリーズを作り、成功させたのである。
よくこのシリーズ自体ディズニー作品と勘違いされるが、実はこんなアンチ・ディズニーの精神で作られた作品だったのである。