この記事では、映画『トロン:レガシー』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『トロン:レガシー』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『トロン:レガシー』 作品情報

- 製作年:2010年
- 上映時間:125分
- ジャンル:SF、アクション
- 監督:ジョセフ・コシンスキー
- キャスト:ギャレット・ヘドランド、ジェフ・ブリッジス、オリヴィア・ワイルド、マイケル・シーン etc
映画『トロン:レガシー』 評価
- 点数:70点/100点
- オススメ度:★★★☆☆
- ストーリー:★★★☆☆
- キャスト起用:★★★☆☆
- 映像技術:★★★★★
- 演出:★★★☆☆
- 設定:★★★★☆
[miho21]
映画『トロン:レガシー』 あらすじネタバレ(起承転結)
映画『トロン:レガシー』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『トロン:レガシー』 あらすじ【起・承】
主人公サムは、父親のことが大好きだった。しかし、彼が7歳の時、父親ケヴィンは突然失踪してしまったため、サムは父親に捨てられたと思い、ケヴィンを憎んでいた。また、ケヴィンがCEOを務めていた会社、エンコム社の跡継ぎであるサムだが、父への思いから経営に関わる気が起きずにいた。
父の親友だったアランは、サムを親代わりに育ててくれた人物である。そんなアランが昔使っていたポケベルに、謎のメッセージが入ったことをサムに告げる。その発信は、ケヴィンが経営していたゲームセンターからだった。父の失踪に関係すると考えたサムは、そのゲームセンターの廃墟を訪れる。そこには光るゲーム機が存在し、サムが近づくと吸い込まれてしまった。その先は、なんとコンピューター内の電子世界「グリッド」だった。
父から「グリッド」の世界の話を聞かされていたサムは、父との再会に期待する。しかし、「グリッド」の中で、サムははぐれ者のプログラムとして捕まってしまう。さらに、連れていかれたトロン・シティではそういったはぐれプログラムたちに、お互いを戦わせ消しあわせる「ゲーム」が人々を楽しませるイベントとして開催されており、サムも強制的に参加させられることになる。ゲームでの窮地を救ってくれたのは、謎の美女、クオラ。サムは彼女に連れられてトロン・シティを脱出した先には、父が待っていた。
映画『トロン:レガシー』 結末・ラスト(ネタバレ)
再会の後、父ケヴィンは何があったかをサムに語る。かつてケヴィンはグリッド世界を理想郷に作り上げようとしており、その相棒的なプログラムが、今のトロンの支配者クルーであった。グリッド世界に新たな電子生命体アイソーたちが誕生し、彼らと共にグリッド世界を作っていこうとしていたケヴィンだったが、暴走したクルーがアイソ―達を虐殺、そして今のトロンを支配しているというのだ。クオラは、アイソ―の生き残りである。
サムは、父に現実世界への帰還を促すが、それこそがクルーの罠であるとケヴィンは言う。外の世界とグリッド世界をつなぐ為に、ケヴィンをおびき寄せようとしたのである。しかし、サムは父とクオラを守りながら現実世界への帰還を試みる。クルーに何度も攻め込まれながらも、サムは現実世界へのポータルにたどり着く。クルーに打ち勝つことはできたが、クルーを消すためにはケヴィンがクルーと融合する必要があった。ケヴィンは自らを犠牲にして、サムを現実世界に帰し、グリッド世界が現実世界に侵攻することを防いだのだった。
帰還後、サムはエンコム社をかつての父が目指した会社にするために、クオラとともに努力することを誓うのだった。
映画『トロン:レガシー』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『トロン:レガシー』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
映像と音楽が素晴らしい
何を置いても、映像が素晴らしく美しい。デジタルの世界に入った後の光景や、電子のキャラクターたち、そしてライト・サイクル・バトルなどはもうこれでもかというほどの作り込み具合で、息をのむ美しさである。黒っぽいボディスーツに、ネオンカラーのラインが入ったデザインの衣装は本当に美しく、また、めちゃくちゃにかっこいい。ほの暗い世界をネオンの光が踊るバトルシーンはまさに幻想的な電子世界で、なかなか他の映画で見ることのできないクオリティである。
また、ダフト・パンクが音楽に参加しているだけあって、BGMのクオリティも高い。世界観にマッチしていて、映画をより盛り上げてくれている。
ストーリーが穴だらけ
前半の圧倒的な映像美に引き込まれて、時を忘れるのもつかの間、中盤からは「?」の連続になってしまった。まずグリッド世界をただひたすらケヴィンが語る、語る。仕組みは何となくわかったけれど、具体的にクルーが何を目指しているのかよくわからない。現実世界への侵攻、というけれど、デジタルのプログラム達がどのようなことを現実世界で行うのだろうかというところがあまり説明されない。ただただケヴィン抹殺したいだけなのでは、という感じに映る。ただ、最後のクオラが現実世界に出てきていたので、そんな風にクルーたちも実体を持つことができる可能性はある。また、ケヴィンがクルーと融合すればクルーが消える、という仕組みもイマイチよくわからない。そういうもの、と言われてしまえばそれまでなのだが、後半はそんなポイントがあまりに多くて、どういうことなんだろう、と思っているうちに終わってしまったように思う。
『トロン(オリジナル)』を見てから視聴。この作品は3Dで視聴したが、3Dを上手に活用した演出で感心した。まず、日常パートは2Dでゲーム世界に入ってから3Dになる。別世界に来たという事が視覚的に理解できる素晴らしい手法だ。
前作主人公が成長し、その子供との親子愛も描かれるのが感慨深い。
ストーリーは単純だがそれをカバーするのは、デジタルな世界観に完全にマッチするダフトパンクのサントラ。ヒロイン、クオラを演じるオリヴィア・ワイルドの人間離れしたデジタルチックな美しさ。十分に娯楽作品として及第点だ。(男性 30代)
映像の革新という言葉がぴったりの作品。冒頭のサムが父ケヴィンを探し、デジタル世界「グリッド」に吸い込まれる展開は何度観てもワクワクする。青とオレンジの光が交錯するライトサイクルバトルの美しさは、もはや芸術。クルー(CLU)が“完璧”を追い求めて破滅していく姿は、人間の傲慢さそのもの。ラストで父が自らを犠牲にしてサムとクオラを現実へ送り出すシーンには胸が熱くなった。(20代 男性)
『トロン:レガシー』はまさに映像体験。IMAXで観たときの光と音の融合は圧巻だった。Daft Punkのサウンドが世界観に完璧にマッチしていて、グリッドの無機質な空間に鼓動を与えていた。ケヴィンがクルーに裏切られ、理想の世界が崩壊していく構図はまるで神と創造物の寓話。最後、クオラが初めて朝日を見るシーンは、人間性の再生を象徴していて感動的だった。(30代 女性)
父と息子の再会を軸にしたSFドラマとしても秀逸。クルーとケヴィンという“創造主とその影”の対比が深く、哲学的。息子サムが父の過ちを理解し、次の世代として現実世界へ帰る結末に、希望と継承のテーマを感じた。特にジェフ・ブリッジスの二役(ケヴィンとクルー)の演じ分けが素晴らしく、CG技術の完成度にも驚かされた。見た目だけでなく、心にも残るSF映画だ。(40代 男性)
この作品は“ビジュアルで語る詩”だと思う。グリッドの世界のデザインが徹底的にスタイリッシュで、特にライトサイクル戦のシーンは時間を忘れるほどの没入感。クオラの存在が物語の温度を保っていて、冷たい世界に人間らしさを取り戻す役割を果たしている。父ケヴィンの自己犠牲と、サムが人間の世界へ戻るラストに涙。映像と音楽の融合美に酔いしれた。(20代 女性)
80年代の『トロン』を知っている世代としては、まさに“進化した夢の続き”。当時の世界観を受け継ぎながら、最新技術で再構築されたグリッドは感慨深い。ジェフ・ブリッジスの老成した演技と、ガレット・ヘドランドの若さの対比が良い。物語はシンプルだが、親子の絆と創造の罪というテーマが奥深い。まさに“レガシー(遺産)”というタイトルにふさわしい。(50代 男性)
クオラというキャラクターの存在がとても印象的だった。彼女が“イソ”という奇跡のプログラムでありながら、人間よりも純粋に世界を愛していることが切ない。ケヴィンが彼女を守り続けた理由も理解できる。最後に彼女が現実世界で朝日を浴びるシーンは、AIと人間の垣根を越えた“生命の希望”を象徴していて美しかった。静かな余韻が心に残る。(30代 女性)
『トロン:レガシー』はデジタル時代の神話だ。ケヴィン=神、クルー=堕天使、サム=人間という構図が見事に機能している。特にラストでケヴィンがクルーと融合して消える場面は、創造主が被造物と一体化する宗教的モチーフとして圧倒的。Daft Punkの重低音サウンドがその荘厳さを増幅していた。映像だけでなく、思想的にも完成度が高い。(40代 男性)
サムのキャラクターが魅力的。父への反発と愛情の入り混じった複雑な感情が、物語を動かす原動力になっている。デジタルの世界に迷い込みながら、現実の価値を見つめ直すというテーマも共感できた。父との別れの後、クオラとバイクで走り出すラストは、未来への希望を感じさせてくれて爽やか。スタイリッシュな映像と感情のバランスが絶妙だった。(20代 男性)
音楽がこの映画を特別なものにしている。Daft Punkのスコアは、SF映画の音楽としても歴史に残るレベル。特に「Derezzed」が流れるクラブシーンは、近未来とレトロの融合を象徴していて最高だった。物語的にはややシンプルだが、哲学的なテーマとビジュアルの融合で唯一無二の世界を作り上げている。音楽映画としても観る価値あり。(30代 男性)
映画『トロン:レガシー』を見た人におすすめの映画5選
ブレードランナー2049(2017年)
この映画を一言で表すと?
「人間とは何か――人工と現実の境界が溶けていく壮大なSF叙事詩。」
どんな話?
レプリカント(人造人間)のKは、自身の存在の意味を探しながら、30年前に姿を消したブレードランナー、デッカードを追う。荒廃した未来都市の中で、人間とAI、真実と記憶の曖昧な境界を描く哲学的SF。
ここがおすすめ!
『トロン:レガシー』同様、ビジュアル美と音楽の融合が圧巻。ハンス・ジマーの音楽とヴィルヌーヴ監督の映像詩が織りなす世界は、観る者を陶酔させる。テクノロジーと魂の関係に興味がある人にぜひ観てほしい一作。
レディ・プレイヤー1(2018年)
この映画を一言で表すと?
「ゲームと現実が交錯する、夢と興奮のデジタルアドベンチャー。」
どんな話?
2045年、仮想空間「オアシス」で全てが行われる未来。少年ウェイドは、亡き創設者が残した“宝探しゲーム”に挑む。ゲームの世界と現実を行き来しながら、仲間と共に自由を懸けた戦いに挑む。
ここがおすすめ!
『トロン:レガシー』のデジタル世界をよりポップに拡張したような世界観。スピルバーグらしいエンタメ性と懐かしのカルチャーが満載。VRやメタバースの未来にワクワクする人に最適な一本。
マトリックス(1999年)
この映画を一言で表すと?
「現実は誰が創ったのか? 人類の存在を問う革命的サイバーパンクSF。」
どんな話?
プログラマーのネオは、世界がコンピューターによって作られた仮想現実だと知る。覚醒した彼は、人類を支配するAIに立ち向かう戦いへと身を投じていく。斬新な映像表現と哲学的テーマが融合した名作。
ここがおすすめ!
『トロン:レガシー』の原点とも言える“デジタル世界に閉じ込められた人間”の物語。映像革新と思想の融合が見事で、何度観ても新しい発見がある。現代SFの金字塔。
オブリビオン(2013年)
この映画を一言で表すと?
「記憶を失った男が、滅びた地球の真実に辿り着くビジュアルSFドラマ。」
どんな話?
戦争で荒廃した地球を監視する任務を担うジャック。ある日、墜落した宇宙船の中で出会った女性が、彼の過去と世界の真実を揺るがす。記憶、愛、アイデンティティを巡る壮大な物語。
ここがおすすめ!
『トロン:レガシー』と同じジョセフ・コシンスキー監督作品。圧倒的な映像美とトム・クルーズの孤独な演技が際立つ。電子音楽と静寂が織りなす映像詩のようなSF。美しさと切なさを求める人におすすめ。
エクス・マキナ(2015年)
この映画を一言で表すと?
「AIは人間を超えるのか――知性と欲望の境界を問う静かな衝撃作。」
どんな話?
天才プログラマーのネイサンが開発した美しい人型AI・エヴァ。テストに招かれた青年ケイレブは、次第に彼女に心を奪われていく。しかし、その“感情”はプログラムなのか、それとも本物の意志なのか――。
ここがおすすめ!
『トロン:レガシー』が提示した“創造主と創造物”の関係を、より現実的かつ心理的に描いた傑作。閉鎖空間の緊張感と、AIの冷たい美しさが観る者を圧倒する。静かな会話劇の中に深い恐怖と感動が潜む。






みんなの感想・レビュー