映画『TATSUMAKI タツマキ』の概要:2011年の劇場未公開作品であるパニック、SF映画で、才能がありながらも父との確執を抱いていた兄弟が、天才で国家により研究を断念した父親の気象テロに立ち向かっていく作品。
映画『TATSUMAKI タツマキ』 作品情報
- 製作年:2011年
- 上映時間:86分
- ジャンル:SF、アクション
- 監督:トドール・チャプカノフ
- キャスト:ジェイソン・ロンドン、ウェス・ブラウン、エリン・ケイヒル、ステイシー・キーチ etc
映画『TATSUMAKI タツマキ』 評価
- 点数:70点/100点
- オススメ度:★★★☆☆
- ストーリー:★★★☆☆
- キャスト起用:★★☆☆☆
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★★☆☆
- 設定:★★☆☆☆
[miho21]
映画『TATSUMAKI タツマキ』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)
映画『TATSUMAKI タツマキ』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『TATSUMAKI タツマキ』 あらすじ【起・承】
才能ある科学者のマーカス・グレンジ博士は、かつて研究予算を切られた事の復讐の為に雷を起こす兵器の乱用を始める。議事堂は竜巻に襲われ、半壊してしまう。
赤い雨が降り、通称血の雨について人々は疑心や不振な気持ちでいっぱいに。
気象学者のジェイコブ・グレンジは、気象を使ったテロとの疑惑を抱き、かつては天才的な頭脳を持つ兄である警察官のデヴィッド・グレンジの元を訪ねる。
かつてグレンジ達の父の助手をしていたと話すサマンサは、気象テロと睨み、FBIや気象庁にマーカスが落雷の原因ではないかと思われる事を通報する。しかし通報した事で疑われてしまうだけで信じてもらえない。業を煮やしたサマンサはジェイコブに電話、嵐の話をされたジェイコブは即サマンサと会い、話を聞く。
マーカスは発電所の近くに小屋を建て、世界終末の準備にかかっていた。
街を不審な雷や電気障害が襲い始め、デヴィッドもマーカスの仕業ではと疑いを持ち始める。
国防総省が雷で襲われたのを目にし、サマンサとジェイコブもデヴィッドの元に再び集まる。
映画『TATSUMAKI タツマキ』 結末・ラスト(ネタバレ)
発電所を操作し、国防総省に雷で襲ったと読んだデヴィッドは、モールス信号で「骨灰で恐怖を見せよう」と打たれていたのを見破る。
ホームレス生活をしている父を探す為、慈善配給をしている神父を訪ねる、いつも天気に語りかけていたと話す矢先、マーカスが現れる。落とした紙に予算を切った責任者のオルドリッチ上院議員が書かれており、次の標的と睨みそこに向かうと案の定気象を利用してマーカスは襲い始めた。
デヴィッドにテロの疑いがかけられ、FBIから逃げる中、マーカスはテレビを使い上院議員や市民を脅し始める。
遠隔操作なので電波を妨害すれば被害が防げると考えたジェイコブ達は大きな電力とマーカスを探す。
カメラマンに変装したマーカスは、カメラに紛れて機器を持ち込み、オルドリッチ議員を爆破しようとする、父と対峙したデヴィッドだが、時は遅く被害者が出てしまいデヴィッド達はオルドリッチ議員に捕まってしまう。
娘を亡くし激情したオルドリッチは3人にマーカスを止める様指示。
隠れながら装置を完成させたマーカスは、雹を伴った暴雨を起こし始めた。
目を離した際に、密かに兄にコンプレックスを抱いていたジェイコブは単独行動で父の居場所を突き止め向かう。
同じくして、最大級の雷雨が全方向に向かって始まった。
ジェイコブは居場所を兄達に教えるがマーカスに捕まり、手を組もうと持ちかけられる。
デヴィッド達は爆弾を使い気象を止める事に成功。しかし、気象の衝撃でマーカスとジェイコブは行方不明に。
半年後、2人の仮の墓を歩くサマンサとデヴィッドを鋭く陰から見つめるジェイコブの姿があった。
映画『TATSUMAKI タツマキ』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『TATSUMAKI タツマキ』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
なかなか安定している映画
災害パニックだともっと悲惨なストーリーの映画が多いし、不自然に感じる部分もある物が多いのだが、こちらは全体的に安定している作品で、人物像も家族とのコンプレックスや葛藤を混ぜ込みつつ、かつての父の状態を知っている元助手の美人キャラクターも投入しつつで完成度は高めである。
犠牲者のシーンもあまり酷い倒れ方ではなく、目をそむけたくなる程の悲惨さは抑えられていると感じる。
気になるのは、誰もが不満を感じる様な発言や指示を繰り返す議員に対して少し懲らしめる感は欲しかった。
研究と言うなかなか難しい予算に対する内容なので、その事での天才的研究者の復讐、と言う時点ではあまり共感を得にくいかもしれないが、その場合は兄弟間の見えざるコンプレックスに注目しながら観ると良いかもしれない。
気になるラスト
最後は父に認められたい気持ちがあるにも関わらず、兄ばかり優遇され内心コンプレックスを感じていた弟であるジェイコブと、その心中をうっすら察しているもののどうして良いかわからないままの兄のデヴィッドの末が分かれている。
それを静かに見守りつつ、兄に惹かれ寄り添うサマンサの恋の流れが、弟応援派には少し苦く感じるかもしれない。
行方不明となったはずで、仮のお墓まで用意されたジェイコブだが、カップルとして歩くデヴィッドとサマンサを少し鋭い目で見つめる姿に悪寒が走る。
続編を感じさせる雰囲気の終わり方が、兄弟の確執が単純に解決出来ず、気象を人が完全に自由に操れないように、難しい事を静かに現している様に感じる。
ただのパニックムービーではなく、天才的な科学者が起こした気象テロというのがすごく新しい設定で、自然災害ではないという所が物語のポイントになっていました。
更に、科学者の息子2人が父の行動を阻止しようとするという展開がすごく面白かったです。
気象テロと言われてもピンと来ないかもしれませんが、スマホを使って雷や赤い雨を降らすというのは実際にも出来てしまうのかなと少し怖くなりました。
家族や兄弟の関係も描かれていて、想像以上に見応えのある作品でした。(女性 30代)
映画『TATSUMAKI タツマキ』 まとめ
気象パニックをテロと絡めた設定が面白いが、もう少しハメを外すくらいのマーカスの狂気があればさらに良かったと思える。
しかし兄弟愛も描かれており、家族で力を合わせ、父の想いとぶつかって行く姿は見守りたくなる。
雷や落雷も自然に描かれているので違和感がなく自然災害として見る事が出来る上に、発電所を操作して雷を起こすなど普通に現実でも出来る事やありうる設定なのですんなり入ってくる。
兄弟と知的な美女であるサマンサの関係も不思議と居心地が良いので、災害パニックとして王道である映画である。
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