映画『COP CAR コップ・カー』の概要:パトカーを盗んだ少年たちと、パトカーを取り戻そうとする狂気に駆られた悪徳警官の攻防を描いたサスペンススリラー。製作総指揮と主演はケヴィン・ベーコン。監督・脚本はジョン・ワッツ。
映画『COP CAR コップ・カー』 作品情報
- 製作年:2015年
- 上映時間:88分
- ジャンル:サスペンス、アクション、フィルムノワール
- 監督:ジョン・ワッツ
- キャスト:ケヴィン・ベーコン、ジェームズ・フリードソン=ジャクソン、ヘイズ・ウェルフォード、カムリン・マンハイム etc
映画『COP CAR コップ・カー』 評価
- 点数:90点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★★★★
- キャスト起用:★★★★★
- 映像技術:★★★★☆
- 演出:★★★★☆
- 設定:★★★★★
[miho21]
映画『COP CAR コップ・カー』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)
映画『COP CAR コップ・カー』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『COP CAR コップ・カー』 あらすじ【起・承】
家出して森に向かうハリソンとトラヴィスは、無人の1台のパトカーを見つける。
運転席に座ってはしゃぐだけの2人だったが、偶然キーを見つけ、ゲームで運転を覚えていたことからパトカーを運転して遊び始める。
パトカーの持ち主は悪徳警官ミッチ・クレッツァー。
彼はトランクの中に隠していた遺体を森の中に遺棄して、パトカーに戻る。
だが、パトカーは少年たちに盗まれた後だった。
慌てて交換手のミランダに電話し、無線の調子が悪いと嘘の報告をして、連絡は携帯の方にするよう頼む。
ミッチ保安官は車を盗み、自分のパトカーを探し始める。
途中で白バイに呼び止められ身分証を見せるように言われるが、緊急事件が起こって見逃される。
それは、ミッチ保安官が嘘の事件の報告をしたからだった。
やがてパトカーを盗んだのが10歳くらいの少年だという情報が入る。
ミッチ保安官は自宅にある無線が付いている車に乗り込み、ミランダに無線のチャンネルを変更するよう伝えると、パトカー泥棒の少年たちに無線で連絡を取る。
それを聞いたハリソンとトラヴィスは捕まりたくないと仲間割れを始める。
そして偶然、トランクの中に監禁されていた男性を見つけてしまう。
映画『COP CAR コップ・カー』 結末・ラスト(ネタバレ)
悪いのは保安官だと言いくるめられた少年たちは、男性を助け出す。
しかし彼は、ハリソンに保安官を呼び出すよう脅す。
家族やペットを殺すと脅されてしまい、少年2人は男の言いなりになるしかなかった。
マシンガンを手にした男性は、パトカーに少年たちを閉じ込めたまま、保安官の命を狙うため隠れる。
そしてミッチ保安官がやってくる。
2人の少年がトランクを開け、男を助け出したと疑うミッチ保安官。
そこに、トラヴィスが運転するパトカーを見かけた中年女性が通りかかる。
ミッチ保安官は中年女性を信用させ、周囲を見て回るよう頼む。
隠れてミッチ保安官を狙う男を見つけた中年女性は撃ち殺され、ミッチ保安官と男は撃ち合いに。
外からしか開かないドアなのに、外にいる3人の大人は死んでいる。
2人は考えた末、ハリソンが隠し持っていた銃で窓ガラスを割ってパトカーから脱出。
だがその際、一発の銃弾がトラヴィスのお腹に当たっていた。
仕方なくパトカーで逃げるが、まだ生きていたミッチ保安官は執拗にパトカーを返せと追ってくる。
カーチェイスの末、路上にいた牛をよけきれなかったミッチ保安官は車と共に大破。
瀕死のトラヴィスを助けるため、ハリソンはサイレンをつけて町まで急ぐ。
映画『COP CAR コップ・カー』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『COP CAR コップ・カー』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
単純な設定だからこそ成り立つ作品
出演作の多さが有名で、また悪役を演じる事も多いケヴィン・ベーコンの徹底した悪徳警官っぷりにスッキリさせられる作品。
良心のかけらも無く、利用できるものは通りすがりの善良な市民ですら利用し、子供相手でも容赦しない悪の道を突き進むミッチ保安官が主役という意外性もある。
トラヴィスとハリソンの2人の少年も「ゲームで覚えた」と言いながら運転してみたり、序盤から大人が使う言葉をわざわざ言ってみるなど、子供ならではのふざけ方にリアリティがある。
出演者が少年トラヴィス、ハリソンの2人とトランクの中にいた男、巻き込まれてしまった女性、そしてミッチ保安官を演じたケヴィン・ベーコンだけで成り立っているのには驚かされる。
声だけの出演ではあるものの、無線の交換手ミランダといったキャラクターも存在する。
だが、悪徳警官と悪ガキという構図がメインになっていて、多くのキャラクターについてあれこれ考えなくていいため、世界観にも入り込みやすい。
テンポの良さが素晴らしい
細かい設定やキャラクターの過去を描くよりも、ミッチ保安官と少年2人のやりとりに焦点を置いたことで、スッキリとしていてテンポよく進むストーリーになっている。
その反面、ミッチ保安官のアリバイ作りや、偽情報を流してIDの提示を逃れるといったスキルの高さと展開にハラハラさせられる。
撃たれても死ななかったミッチ保安官とハリソンのカーチェイスが、路上にいた牛をよけきれなかったことで終わるというのはコミカル。
流れ弾に当たったトラヴィスの「防弾チョッキをつけるべき」というセリフは、銃社会アメリカならではのもの。
どこまでもパトカーを返すように迫ってくるミッチ保安官の行動には違和感があるが、パトカーを盗む10代の少年という設定自体が突拍子もないものなので、あまり気にならない。
少年が悪ふざけでここまでやるか?と少し冷静になってしまいましたが、ケヴィン・ベーコン演じるミッチ保安官が悪徳すぎてあまり気にならなくなってしまいました。
盗んだパトカーがミッチ保安官のものだったのはかなり運が悪かったと思います。普通のパトカーだったらお叱り程度で済んだでしょうし、トラヴィスとハリソンももう少し早くパトカーを返して簡単に解決していたでしょう。
しかし、ミッチ保安官が相手となればそんな簡単には済みません。ほんの悪ふざけだったのに大きな事件に巻き込まれてしまった2人の少年。自業自得と言うにはあまりにも可哀想でした。(女性 30代)
映画『COP CAR コップ・カー』 まとめ
悪ふざけが過ぎた少年2人組が、悪徳警官に追い詰められ、更にはミッチ保安官と彼を殺そうとする犯罪者の攻防に巻き込まれてしまうというこれまでになかったサスペンスムービー。
ケヴィン・ベーコン演じる悪役にして主役のミッチ保安官の存在感が強烈で、独特な世界観に引き込まれてしまう。
スリリングなカーチェイスも見ものだが、少年たちはゲームで運転を学び、道路を横断していた牛をよけられなかったミッチ保安官だけが事故に遭うというシュールな展開も。
細かい部分は気にせず、ケヴィン・ベーコンの悪役っぷりを楽しみたい作品。
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