映画『君の名は。』のネタバレあらすじ結末と感想 | MIHOシネマ

「君の名は。」のネタバレあらすじ結末と感想

君の名は。の概要:2016年に公開された新海誠監督による長編アニメーションで、社会現象とも呼べる爆発的なヒットを記録した。全く接点のなかった高校生の男女が、時空を超えて入れ替わるようになり、彗星落下で壊滅する町の住民を救うという壮大な青春ラブストーリー。世界各国で公開され、新海誠監督の名を世界中に知らしめた。

君の名は。の作品情報

君の名は。

製作年:2016年
上映時間:107分
ジャンル:アニメ、青春、ラブストーリー
監督:新海誠
キャスト:神木隆之介、上白石萌音、長澤まさみ、市原悦子 etc

君の名は。の登場人物(キャスト)

立花瀧(神木隆之介)
東京在住の高校2年生。母親はおらず、父親と2人暮らし。いたって普通の平凡な高校生だが、ある時から夢の中で三葉と入れ替わるという不思議な体験をするようになる。絵が得意。バイト先の奥寺先輩に憧れている。
宮水三葉(上白石萌音)
岐阜県の糸守町という山深い田舎町で暮らす高校2年生。代々土地の氏神様とつながる巫女の家系で、三葉も巫女としての役目を果たしている。東京に憧れる平凡な女子高生だが、瀧との入れ替わり現象に関しては、三葉が巫女であることが大きな要因。
宮水一葉(市原悦子)
三葉の祖母。巫女としての伝統やしきたりを大切にしており、2人の孫を巫女として教育している。娘の二葉も巫女だったが、病気で早世したため、一葉が2人の孫を育てている。
宮水四葉(谷花音)
三葉の妹。まだ小学4年生だが、非常にしっかりしており、三葉よりも現実的。
宮水俊樹(てらそままさき)
三葉の父親。二葉と恋に落ち、宮水の婿養子となったが、二葉の死後、一葉と衝突して家を出た。現在は糸守の町長を務めている。
勅使河原克彦(成田凌)
三葉の友人で高校の同級生。家が土建屋で、父親は三葉の父親と癒着している。三葉に恋心を抱いているようだが、早耶香とも仲がいい。オカルト好きで無線などにも詳しい。
名取早耶香(悠木碧)
三葉の親友。いつも三葉と勅使河原の3人で行動している。
奥寺ミキ(長澤まさみ)
瀧のバイト先の先輩。美人の女子大生で、バイト先の男たちのマドンナ的な存在。三葉と入れ替わった時の女子力の高い瀧が好き。
藤井司(島﨑信長)
瀧の親友。高校生にしては大人びており、頭もいい。瀧にとっては、頼りになる友人。
高木真太(石川界人)
瀧の親友。瀧と司の3人で、建物の造りが凝っているカフェを巡るのが趣味。

君の名は。のネタバレあらすじ

映画『君の名は。』のあらすじを結末まで解説しています。この先、ネタバレ含んでいるためご注意ください。

君の名は。のあらすじ【起】

立花瀧(たき)は、電車から降りる少女から赤い組紐を渡される夢を見る。少女が「名前は三葉(みつは)」と叫んだ瞬間、瀧はハッとして目覚める。目覚めた場所は全く見覚えのない和室で、なんと自分の胸が女の子のように膨らんでいた。さらに元気の良さそうな小学生の少女から「お姉ちゃん!ご飯!」と怒られ、何が何だかわからなくなる。鏡の前に立った瀧は、自分が見知らぬ女の子になっているのを見て、驚きの声をあげる。

その翌日。岐阜県の糸守町という山深い田舎町で暮らす高校2年生の宮水三葉は、いつものように祖母の一葉と妹の四葉と朝ごはんを食べ始める。2人は今朝の三葉を見て、「今日は普通だ」とおかしなことを言う。三葉には、何のことかさっぱりわからなかった。

三葉の家は糸守の氏神様を祀る宮水神社の巫女の家系で、一葉も三葉の母親の二葉も巫女だった。しかし二葉は若くして亡くなり、婿養子だった父親の俊樹は、義母の一葉と衝突して、家を出ていた。その後、俊樹は政治の世界に入り、現在は糸守の町長を務めている。そんな俊樹を、一葉はますます嫌うようになっていた。

テレビでは、1200年に1度と言われているティアマト彗星接近のニュースを伝えていた。1ヶ月後には、肉眼で彗星の姿を確認できる日がくるらしい。しかし三葉はあまり興味がないようで、身支度を整えて四葉と家を出る。

通学路で、三葉は親友の名取早耶香と土建屋の息子の勅使河原克彦と会う。この2人にも「今日は普通だ」と言われ、三葉は困惑する。

古典の授業中、三葉はノートに「お前は誰だ?」という殴り書きを見つける。三葉は記憶にないが、昨日の自分はまるで別人のようにガサツで、自分の名前さえも覚えていなかったらしい。そう言われてみれば、三葉は別人として生きているような奇妙な夢を見ていた気がする。しかし記憶は曖昧で、詳細は全く覚えていない。

夜、一葉は組紐作りをしながら、2人の孫に代々受け継がれてきたものの大切さを説く。しかし、200年前の大火で、お宮も古文書も全て焼けてしまったため、伝統行事の意味などはわからなくなっていた。それでも一葉は、形だけでも伝統は残すべきだと考えていた。

そんな伝統のひとつに、巫女の口噛み酒というものがあった。巫女装束の三葉と四葉は、神社で舞を奉納したあと、米を口に含んで噛み砕いた液体を升に吐き出す。これが自然発酵して酒になったものを、御神体に奉納するのが巫女の大事な役目だった。しかし三葉の同級生たちは、口噛み酒を気味悪がる。いろいろとストレスの溜まっていた三葉は、「こんな人生は嫌や!来世は東京のイケメン男子になりたい!」と叫ぶのだった。

君の名は。のあらすじ【承】

翌朝、三葉は東京在住の高校2年生、立花瀧の部屋で目覚める。中身は三葉のままだったが、身体は瀧になっていた。三葉はこの日、瀧として1日を過ごす。

瀧は父親と2人暮らしで、都心部にある高校へ通っていた。友人の藤井司と高木真太は気のいい奴らで、放課後は3人でおしゃれなカフェへ行く。三葉は憧れのパンケーキに感動するが、司たちはカフェの造りに興味があるようだった。その後、バイト先の有名イタリアンレストランへ行き、よくわからないまま必死で働く。そこでは瀧が憧れている美人女子大生の奥寺先輩と対面し、客に破かれた奥寺先輩のスカートを縫ってやる。奥寺先輩はその女子力に感動し、「いつもより今日の君の方がいいよ」と言ってくれる。

三葉はよくできた夢だと思いながら、瀧のスマホに今日の日記を残しておく。その時、古典のノートに書かれていた「お前は誰だ?」という殴り書きのことを思い出し、瀧の手の平にマジックで「みつは」と書いておく。そしてそのまま疲れて眠ってしまう。

翌朝、自室で目覚めた瀧は、身に覚えのない手の平の落書きや、スマホに残された日記に驚く。同じ日、自室で目覚めた三葉も、瀧が残した「お前は誰だ?お前は何だ?」という手の平の落書きを見て困惑する。2人とも、周囲の人たちから「昨日は別人のようだった」とあれこれ話を聞かされるのだが、本人にはその時の記憶がない。そんなことが何度か続き、2人は自分たちが現実の世界で入れ替わっていることに気づく。様々な物証や人々の証言が、これが現実であることを証明していた。

理由は全くわからないが、三葉と瀧は週に数回入れ替わり、お互いの人生を生きていた。互いに入れ替わっている時の記憶は曖昧で、入れ替わりのタイミングはコントロールできない。2人はこの事実を受け止め、それぞれの生活を守るためのルールや禁止事項を決める。2人のコミュニケーションは、スマホ内の日記で取るようにした。2人が直接会ったり、話をしたりすることはなかったが、2人の間には不思議な親近感が生まれていく。

そんなある日、三葉として目覚めた瀧は、一葉と四葉とともに、宮水神社の御神体に口噛み酒を奉納にいく。口噛み酒の御奉納は、神様と人間をつなぐための大切なしきたりだった。御神体は、山頂のクレーター跡のような場所にある石造りの祠に祀られていた。一葉の話によると、祠の周辺はあの世であり、口噛み酒は三葉の半分であるらしい。

その帰り、黄昏時の景色を見つめる三葉となった瀧の横顔を見て、一葉は「あんた今、夢を見とるな」と声をかける。その瞬間、瀧は東京の自室で泣きながら目覚める。

その日、瀧は奥寺先輩とデートすることになっていた。瀧になった三葉が、勝手に約束していたのだ。とにかく瀧は急いで着替えて、待ち合わせ場所へ急ぐ。一方、糸守の自室で目覚めた三葉は、何となく寂しい気持ちになり、知らぬ間に涙を流していた。

デートで訪れた写真展で、飛騨地方の写真を見た瀧は、不思議な感覚に襲われる。奥寺先輩は、瀧の変化を敏感に感じ取り、早めにデートを切り上げて帰っていく。ひとりになった瀧は、三葉がスマホに残した日記を改めて読む。三葉は「デートが終わる頃には、ちょうど空に彗星が見えるね」と書いていたが、瀧には何のことだかわからない。ただ、どうしても三葉と話がしたくなり、初めて彼女に電話してみる。しかし、三葉は出ない。

糸守の三葉は、夕方頃に勅使河原から電話をもらう。どうやら三葉は、昨日学校をさぼったらしい。今日は町の秋祭りで、彗星が見られる日でもあった。待ち合わせ場所に現れた三葉を見て、勅使河原と早耶香は驚く。三葉は長い髪をバッサリ切っていた。

祭り会場の近くで、三葉たちは上空に輝く彗星を見上げる。その時三葉は、彗星が分裂し、その破片が軌道を外れて落下していくのを見る。そして三葉の世界は暗転する。その日から、瀧と三葉の入れ替わり現象がピタリと止まる。

君の名は。のあらすじ【転】

入れ替わり現象がなくなると、三葉へのメールや電話も通じなくなる。瀧は、自分の記憶や飛騨地方の写真を頼りに糸守の風景を描き、その絵を持って三葉を探す旅に出る。そんな瀧を心配した司は、奥寺先輩を誘って、無理やり旅に同行する。驚いたことに、瀧は糸守という地名すら覚えておらず、手がかりは彼の描いた絵だけだった。

当然ながら、なかなか目的地にはたどり着けず、瀧は三葉を探すのをあきらめかける。そんな時、偶然入ったラーメン屋のおばちゃんが、瀧の絵を見て「これは糸守やね」と教えてくれる。おばちゃんの夫であるラーメン屋の店主は糸守出身だった。

糸守と聞いて、司と奥寺先輩は驚く。糸守は、3年前に彗星の破片が落ちて壊滅的な被害を受け、500人を超える住民が犠牲になっていた。午後8時42分、秋祭りで多くの人が集まっている場所の近くに破片が落ちたことで、被害が拡大したのだ。

瀧はラーメン屋の店主に車を出してもらい、今は誰も住んでいない糸守へ行ってみる。そこは、確かに三葉として過ごしたあの町に間違いなかった。しかし、司や奥寺先輩は、瀧の話が信じられない。瀧はこの話を証明するため、スマホ内にある三葉の日記を見せようとする。すると、三葉の日記は文字化けし、あっという間に消えてしまう。犠牲者名簿には、勅使河原と早耶香、一葉と四葉、そして三葉の名前もあった。数週間前まで自分と入れ替わっていたはずの三葉が、3年前に死んでいたという事実に、瀧は言葉を失う。

その夜3人は、糸守近くの宿に宿泊する。瀧は、今までのことは全部妄想なのかと悩んでいた。すると、瀧の記憶から三葉の名前まで消えていく。お守りとして腕に巻いている組紐を見て、「紐は時間の流れそのものだ」という一葉の言葉は思い出せるのに、その組紐を誰からもらったのかは思い出せない。しかしその言葉を思い出したことで、瀧は御神体に奉納した口噛み酒のことを思い出す。

翌朝、瀧は2人に置き手紙を残し、ひとりで御神体のある山頂へ向かう。そこには記憶通りの祠があり、瀧はやはり三葉のことは夢ではなかったのだと確信する。瀧は祠に入り、苔むした徳利を開け、三葉の口噛み酒を飲む。そこで後方に転倒した瀧は、祠の天井に描かれた彗星の壁画を目にする。そのまま瀧は不思議な世界に引き込まれ、そこで三葉の17年の人生を見る。瀧は彗星が落ちた日の三葉に、必死で逃げるよう呼びかける。

そして瀧は、3年前に彗星が落ちた日の三葉になって目覚める。一葉はすぐに孫の異変に気付き、「あんた、三葉やないな」と声をかける。実は一葉や二葉も、同じ経験をしたことがあったのだ。瀧は、宮水の巫女が代々入れ替わりの夢を見てきたのは、今日のためではないかと考える。そして、今夜糸守に彗星が落ちてみんな死ぬのだと告げる。しかし一葉は、そんな話は誰も信じないとそっけなく答える。

瀧(姿は三葉)は勅使河原と早耶香に今夜起きることを話し、住民を避難させるための計画を立てる。高台にある糸守高校は安全なので、避難場所は高校の校庭に決め、瀧は町長の俊樹と話をしにいく。瀧は今夜起きることを説明し、夜までに住民を避難させるよう俊樹を説得するが、相手にしてもらえない。病院へ行けと言われ、カッとなった瀧は、三葉であることを忘れて俊樹につかみかかる。すると俊樹は驚愕の表情を浮かべ、「お前は誰だ?」と瀧に問いかける。俊樹は、娘の中身が別人であることに気づいたようだった。

瀧は四葉に、「昨日は急に東京へ行ってしまうし、お姉ちゃんおかしい」と言われ、急いで山頂の御神体へ向かう。祠の中では、瀧になった三葉が目覚めていた。外へ出た三葉は、山頂から糸守の町を見て言葉を失う。ここは3年後の世界で、糸守の町はすでになくなっていた。三葉は、あの夜自分は死んだのかもしれないと気づいて愕然とする。

君の名は。のあらすじ【結】

必死で山頂を目指して自転車を走らせていた瀧(姿は三葉)には、「瀧君、覚えてない?」という三葉の声が聞こえていた。

3年前、彗星が落ちる日の前日。三葉は瀧に会いたくて東京へ行った。しかし、瀧の携帯は繋がらず、三葉は瀧と会えない。諦めかけた時、三葉は偶然電車に乗っている瀧を見かけ、その電車に飛び乗る。そして勇気を出して、「瀧君、覚えてない?」と声をかける。しかし、3年前の瀧(中学2年生)はまだ三葉と出会っておらず、彼女が誰なのかわからない。三葉ががっかりして電車を降りた瞬間、瀧はハッとして「あなたの名前は?」と呼びかける。三葉は「名前は、みつは!」と答え、髪を結んでいた赤い組紐を手渡していた。

瀧は、今やっとその時のことを思い出していた。そして山頂に到着し、大声で三葉を呼ぶ。瀧になってそこにいた三葉はその声に気づき、大声で瀧を呼ぶ。しかし、2人の間には3年の時差があるため、互いの姿を見られない。ところが、空が黄昏時になった瞬間、2人は3年の時空を超えて出会うことができる。その時、瀧は瀧に、三葉は三葉に戻っていた。瀧は三葉からもらった組紐を彼女に返し、これからやることを説明する。黄昏時が終わりかけた時、目が覚めても忘れないように、2人は手の平に名前を書き合うことにする。しかし瀧の手の平に「みつは」と書く前に、黄昏時が終わり、三葉の姿も消える。そしてすぐ、瀧の記憶は薄れていく。

町へ戻った三葉は、勅使河原と発電所を爆破し、町を停電させる。早耶香は高校の放送室で町役場の防災無線を電波ジャックし、住民に糸守高校への避難を呼びかける。しかし、途中で電波ジャックの場所を特定され、放送を止められる。まだ避難は十分ではなく、三葉は父親を説得するために走る。走りながら三葉は、忘れたくない人のことを忘れていく自分と戦っていた。瀧の名前は記憶から消えてしまったが、三葉は手の平に書かれた「すきだ」という文字を見て、忘れたくない人への恋心をはっきりと思い出す。勇気を得た三葉は、ずっと遠慮してきた父親と対峙する。一葉と四葉も、父親のもとを訪れていた。そして8時42分、糸守に彗星が落ちる。

それから5年後。東京の瀧は、就職活動で忙しい日々を送っていた。瀧は三葉の名前も、糸守での出来事も忘れてしまっていたが、誰かを探し続けている感覚だけは残っていた。

彗星の落下で糸守の町は消滅したが、あの日偶然にも町をあげての避難訓練が行われており、住民は奇跡的に全員助かっていた。その当時、瀧はなぜかこのニュースが気にかかり、その詳細を熱心に調べていた。しかし、なぜそんなに糸守のことが気になったのか、瀧本人にもわからなかった。

そんなある日、瀧はとあるカフェで結婚の相談をしている勅使河原と早耶香を見かける。瀧は2人のことが気になるが、それがなぜなのかはわからない。

また月日は流れ、無事に就職の決まった瀧は、出勤のため電車に乗っていた。その途中、すれ違った電車の車内にいた女性と目が合う。それは、東京で暮らしていた三葉だった。2人は強い想いに突き動かされ、電車を降りて互いを探す。とある神社の階段で2人は出会い、すれ違った直後に瀧の方から「あの、俺、君をどこかで」と声をかける。振り返った三葉は涙を流し、「私も」と答える。瀧の目からも、自然に涙が溢れていた。そして2人は同時に、「君の名前は?」と尋ね合うのだった。

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みんなの感想・レビュー

  1. 小高千可 より:

    絵はきれいでしたがストーリーが分かりにくい、なぜこの二人が入れかかわったのとか、どうやって父親を説得したとか脚本がいまいちでしたので五点満点で2点です

  2. 匿名 より:

    2016年公開の邦画の中で、『シン・ゴジラ』と並んで今年のトップと言える映画だと思う。今までも注目されていた新海誠監督作品はあるが、今作は最も娯楽性が強く、一般受けしやすかったと思う。しかし、今までの新海作品の特色はそのままある。キャラクターデザインが変わったことも、一般受けした理由の一つかもしれない。
    主人公の声を神木隆之介、上白石萌音が演じたのも良かった。言葉の一つ一つ、そして息遣いまで行き届いた繊細な演技は作品の雰囲気に合っていた。

  3. 匿名 より:

    この作品の設定は、『古今和歌集』に入っている小野小町の歌「思ひつつ寝ればや人の見えつらむ夢と知りせば覚めざらましを」というのがモチーフになっているという。「夢だとわかっていたら、目を覚まさなかったのに」という、切なさを表現した歌。
    これ以外にも、新海監督は古典作品をいくつも読んだらしい。男女きょうだいが入れ替わる『とりかへばや物語』もその一つ。平安文学を知ると、よりこの作品が楽しめると思う。

    今作のキーワードでもある「黄昏時」もその一つ。「誰そ彼時」がその語源とされていると作中で紹介されている。こういった現在にも伝わる古めかしく美しい言葉は、『万葉和歌集』の時代に始発する。この時代の和歌は作者の名が残っていないものも多いが、高貴な人だけでなく農民の様な人が詠んだものも残っていると言われる。表現も日常生活に起こったことや、美しいと思った情景を率直に詠んだものが多く、現代人が読んでもわかりやすく、共感できるものが多い。
    こういう古典をあたってモチーフができた作品なので、どこか懐かしく心に沁みるのかもしれない。

  4. 匿名 より:

    『秒速5センチメートル』の救いの物語。
    今作と同じく新海誠監督の作品、『秒速5センチメートル』は、全く別の作品である。しかし、時間を越えても何かを探し続けるという設定が似ており、どことなく雰囲気もよく似ているのである。『秒速5センチメートル』は、観た後に何といっていいか、とにかく病んでしまうような映画。その後も暫く後遺症に悩む。この『君の名は。』も、最後まで同じような結末になりかねない印象だった。しかし、ラストはハッピーエンドと言っていい締めくくりだったと思う。『秒速5センチメートル』を観た人にとっての救いの物語であると感じた。

  5. まみっち より:

    分かちがたい絆で結びついたはずの2人なのに、その記憶が全て無くなってしまうのが切ないですね。
    忘れてもなお、街を救おうと2人が奔走するクライマックスのシーンは、高揚感が半端じゃありません。
    2人がやっと邂逅する場面では、冒頭の授業での伏線もさらっと回収し、日が沈むまでの間しか会えない、しかも隕石が迫っているという状況で、2重の意味でどきどきしました。
    手のひらに書かれた文字が、名前でなくて告白の言葉なのも、さらに高まります。

    大ヒットするのも納得の映画でした。

  6. エアリ より:

    男女の中身が入れ替わる話は今までもあったけれど、それに加え時空も超えてしまうところが面白い。スマホにメッセージを残したり、手のひらに書いたりと、時空を超えても相手に気持ちを伝える手段があるところも面白い。時空超えのせいで、会いに行っても相手が自分のことが分からなかったり、相手の記憶が薄れていったりとなんとも切ない。ラストの「君の名は?」尋ね合うシーン、たとえお互いのことが分からなくても、新たに恋が始まりそうな予感。私たちもなんとなく相手が気になる、一目ぼれした…というのはひょっとしたら知らない間に時空を超えてその人といつか恋をしていたのかもしれない。