この記事では、映画『KOTOKO』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『KOTOKO』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『KOTOKO』 作品情報

- 製作年:2011年
- 上映時間:91分
- ジャンル:ヒューマンドラマ
- 監督:塚本晋也
- キャスト:Cocco、塚本晋也、黒沼弘己 etc
映画『KOTOKO』 評価
- 点数:75点/100点
- オススメ度:★★★☆☆
- ストーリー:★★☆☆☆
- キャスト起用:★★★★☆
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★★★☆
- 設定:★★★☆☆
[miho21]
映画『KOTOKO』 あらすじネタバレ(起承転結)
映画『KOTOKO』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『KOTOKO』 あらすじ【起・承】
未婚のシングルマザーの琴子には、なぜか1人の人間が2人に見える。
自分が生きていいかを確認したくて、手首を切る癖がある。
琴子には幼い息子の大二郎がすべてだが、1人が2人に見えるせいで他人と付き合えなく、頼れる人もいないせいで心が壊れていく。
そして幼児虐待の疑いがかかり、琴子の姉が大二郎を預かることになった。
ひとり寂しい生活を強いられるが、姉から大二郎に会いに来ないかと誘われ、久々に楽しい時間を過ごす。
まだ琴子には大二郎と暮らす許可が下りておらず、ひとりの生活に戻る。
ある日、琴子の前に田中という男が現れる。
田中が2人に見えた琴子はパニックに陥る。
落ち着いた琴子に対し、偶然琴子の口ずさむ歌を聞いて一目ぼれしたという田中は、結婚を前提に付き合ってほしいと告げる。
彼は有名な小説家で大きな賞も受賞していた。
拒絶されてもめげずに、田中は琴子のもとに通い続ける。
会うたびに田中の手にフォークを突き立てる琴子の危うさに気付いた田中は、琴子の部屋に向かう。
彼女は手首を切っていて、田中は慌てる。
それでも琴子を諦めきれない田中は、琴子のすべてを受け入れる決心をする。

映画『KOTOKO』 結末・ラスト(ネタバレ)
田中を受け入れるかどうか決められない琴子は、大二郎に決めてもらう提案をする。
そして琴子は田中と一緒に暮らし始めるが、琴子からの暴力を受けるようになる田中。
いつの間にか、琴子には1人が2人に見えることはなくなっていた。
そして大二郎と一緒に暮らす許可が出て、大喜び。
しかし、精神的に危うい琴子を守り続けるため、小説家をやめようとまでした田中が琴子の前から姿を消す。
大二郎とのふたりきりの生活に戻ったが、琴子には大二郎の姿が2人に見えるようになってしまった。
さらには、ニュースで見た銃を持った人物に襲われ、大二郎を目の前で殺されるという幻覚も見てしまう。
精神的に追い詰められた琴子は、お昼寝をしていた大二郎を殺そうとする。
ふと気が付くと大二郎の姿は無く、手作りの飾りつけが施された部屋にいた。
そして彼女の世界は白く染まっていった。
精神病院に入院している琴子。
ある日、彼女の息子が面会にやって来る。
大二郎は死んだと思っていたため戸惑う琴子の前に現れたのは、声変わり間近の少年だった。
また来る、と告げた息子を静かに見送った琴子。
映画『KOTOKO』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『KOTOKO』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
好き嫌いは分かれる
見る側を選ぶ作品で、生きる確認と説明こそされているが、自分で自分の手首を切る行為のリストカットは見ていて気持ちのいいものではない。
しかもそれが序盤から行われるため、掴みとしては最悪。
しかし経験した人や理解のある場合には感じ方が変わる。
物語が進むうちに、どれが現実でどれが幻なのかわからなくなっていく、不思議なストーリー。
兵隊に殴られた琴子の額には確かに傷がのこっているのに、殺されたはずの大二郎は生きている。
突然消えた田中はどこへ行ったのか、そもそも存在していたのかさえ疑問に思えてくる。
確実に暴力事件を起こしているのに捕まらない琴子や、小学校高学年くらいに見えるくらいに成長した大二郎と、年をとったように見せることをしなかった琴子の外見はツッコミどころ。
幼い大二郎を抱え「みんなはどうしているの」という琴子の声は、子育てに悩む母親たちの悲痛な叫び声のようなセリフだ。
歌手のプロモ映画ではない
琴子役を演じた主演のCoccoの本業は歌手だが、作中でも多くの歌が披露されている。
一歩間違えれば歌手のプロモーション映画になるだろうが、Coccoの演技力が高く、子育てに悩み自分自身にも悩む琴子を演じきっている。
しかし、やせ細ったCoccoがバレエに似たダンスを踊り歌うシーンの多さに、やはり“歌手Cocco”としての映画というイメージがついて回る。
その部分を切り離せなかったのが残念。
監督の塚本晋也は、他の監督作品「悪夢探偵」や「野火」と同様に、出演もしている。
美術も担当したCoccoの、色彩豊かな手作りの折り紙の世界と、塚本晋也の描く琴子に見える2人の人間の黒い感情という、世界観のぶつかり合いが印象に残る。
琴子のキャラクターはCoccoだから演じられたと思います。自傷行為と拒食症を公表している彼女の演技から伝わってきたのは、生きることの苦しさと、希望でした。
生きて良いのか確かめるための自傷行為。決して死にたくてリストカットする訳じゃないんです。経験したことがある人はわかると思いますが、切ることで生きていることを実感し、生きていいんだと言って貰えたような気持ちになるんです。
見る人によってはかなり不快に感じるかもしれませんが、私は好きな作品です。(女性 30代)
現実と幻覚の境界が崩れていく感覚を、ここまで生々しく体感させる作品はなかなかない。琴子が人の顔を二重に見てしまう症状に苦しみ、我が子を守ろうとするあまり追い詰められていく姿は痛々しい。子どもを奪われ、孤独の中で自傷行為に走る場面は直視するのがつらいが、だからこそ彼女の絶望が伝わる。ラスト、再び息子と向き合う姿にかすかな光を感じた。過酷だが忘れ難い一作。 (30代 男性)
母親として観ると胸が締めつけられる。琴子は決して子どもを傷つけたいわけではないのに、幻覚によって世界が歪み、育児が困難になっていく。周囲の理解が得られず孤立する描写がリアルで、社会の冷たさも感じた。自らを傷つけることで正気を保とうとする姿は衝撃的。最後に息子と再会する場面は救いのようでいて、完全な解決ではない余韻が残る。 (40代 女性)
精神の不安定さを描く映画として圧倒的な迫力があった。琴子が人を信用できず、攻撃的になってしまう過程は恐ろしくも悲しい。音楽のシーンが束の間の安らぎとなり、彼女の内面を映し出す。子どもを手放す決断は苦渋に満ちており、観る側も心が削られる思いだ。暴力的な描写も多いが、単なるショック演出ではなく必然性が感じられた。 (20代 男性)
女性として、琴子の孤独に強く共感した。心の病を抱える母親が、社会から理解されないまま追い込まれていく姿は現実の問題とも重なる。幻覚によって世界が二重に見える表現は不安を巧みに伝えていた。自傷行為や暴力の場面は痛々しいが、彼女が必死に生きようとしている証でもある。ラストの再生の兆しが胸に残る。 (30代 女性)
観ていて非常に消耗する作品だが、その分だけ真実味がある。琴子の視点に寄り添うカメラワークが不安定さを強調し、観客も同じ混乱を味わう。子どもを守るために距離を置く選択は切実で、簡単に善悪で割り切れない。終盤、再び母として向き合おうとする姿にわずかな希望を感じた。重いが意義深い映画。 (50代 男性)
琴子の精神状態が悪化していく様子がリアルで、観るのがつらい場面も多かった。特に自分を傷つけることで現実を確かめようとする描写は衝撃的。だが、歌うシーンでは彼女の純粋さが垣間見え、救われる気持ちにもなる。息子との再会は決して明るい未来を保証しないが、それでも前を向こうとする意志が感じられた。 (40代 女性)
若い世代としては、ここまで内面をえぐる作品に圧倒された。幻覚による恐怖や被害妄想が、琴子を孤立させていく構図が痛々しい。周囲との関係も壊れ、自分自身も制御できなくなる姿は極限状態だ。ラストで息子と向き合う場面は、壊れた心にも再生の可能性があると示しているように感じた。 (20代 男性)
母親という役割の重圧を改めて考えさせられた。琴子は愛情深いがゆえに追い詰められ、結果的に子どもと引き離される。精神疾患への偏見や無理解も物語の背景にあると感じた。暴力的な場面は多いが、彼女の心の叫びとして受け止めたい。最後の静かな余韻が長く心に残る作品だった。 (50代 女性)
映像と音楽の融合が印象的で、琴子の感情がダイレクトに伝わる。二重に見える人影の描写は不安を象徴し、観客も混乱に巻き込まれる。子どもを守れない自責の念が彼女をさらに追い込む展開は辛いが、リアルだ。完全な救済ではないが、再生の兆しを感じさせるラストが救いだった。 (60代 男性)
映画『KOTOKO』を見た人におすすめの映画5選
ブラック・スワン
この映画を一言で表すと?
完璧を求めるあまり心が崩壊していく、戦慄の心理ドラマ。
どんな話?
バレエ団で主役に抜擢された女性が、極度のプレッシャーの中で次第に精神の均衡を失っていく。幻覚や妄想に悩まされながらも成功を求める姿は痛々しく、現実と幻想の境界が曖昧になっていく。芸術と狂気が交錯するスリリングな物語。
ここがおすすめ!
主人公の内面を徹底的に描き、観客もその不安定さを追体験する構成は『KOTOKO』と共鳴する。映像と音響で精神状態を表現する手法が秀逸で、心理的緊張感が持続。強烈なラストも含め、心に深く残る一本。
ミスミソウ
この映画を一言で表すと?
孤独と絶望が爆発する、凄惨で切実な青春ドラマ。
どんな話?
転校生の少女が壮絶ないじめを受け、やがて復讐へと踏み出していく。閉鎖的な環境の中で追い詰められた心が壊れていく過程が生々しく描かれる。暴力の連鎖と孤独が、観る者に強烈な印象を残す衝撃作。
ここがおすすめ!
精神的に追い詰められた人物の内面を容赦なく描く姿勢は『KOTOKO』に通じる。過酷な展開ながら、主人公の叫びが痛いほど伝わる。感情を揺さぶる力が強く、簡単には忘れられない作品。
告白
この映画を一言で表すと?
静かな語りから始まる、衝撃と復讐の心理劇。
どんな話?
中学校教師が、自分の娘を殺した犯人がクラスの生徒であると告白することから物語は動き出す。淡々とした語りの裏に隠された怒りと復讐心が、やがて大きな波紋を広げていく。心理的緊張が続くサスペンス。
ここがおすすめ!
心の闇や孤独を映像美で描く点が『KOTOKO』と重なる。静かな演出の中に潜む狂気が印象的で、観る者の感情を揺さぶる。重いテーマを抱えつつ、最後まで目が離せない構成が魅力。
永遠のこどもたち
この映画を一言で表すと?
母の愛が幻想と現実を越える、哀しきミステリー。
どんな話?
かつて孤児院だった屋敷に戻った母親が、息子の失踪をきっかけに不可解な出来事に巻き込まれていく。見えない存在への恐怖と、息子を思う強い愛情が交錯する。幻想的で切ない物語が心を打つ。
ここがおすすめ!
母性と喪失をテーマにした点で『KOTOKO』と響き合う。恐怖演出の奥に深い愛情が描かれ、ラストには静かな感動が訪れる。心理描写を重視した作品が好きな人にぜひ勧めたい。
冷たい熱帯魚
この映画を一言で表すと?
平凡な日常が狂気に飲み込まれる、衝撃の実録サスペンス。
どんな話?
熱帯魚店を営む男が、カリスマ的な同業者と出会ったことをきっかけに犯罪へ巻き込まれていく。支配と服従、恐怖と依存が入り混じる関係性が描かれ、次第に取り返しのつかない事態へと進む。実話を基にした衝撃作。
ここがおすすめ!
精神的に追い詰められる人物の描写と、生々しい感情表現は『KOTOKO』と共通する。観る者に強烈な印象を残す過激さと、人間の弱さをえぐるテーマ性が魅力。覚悟を持って観たい一本。



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