映画『ONE PIECE FILM Z』の概要:現在もジャンプで連載されている大人気コミック「ONE PIECE」の実写化第12弾。今回のラスボス的存在であるゼットだが、強い信念と男気からただの敵では終わらず、1人のキャラクターとして高い人気を得た。
映画『ONE PIECE FILM Z』の作品情報
上映時間:108分
ジャンル:アニメ、アドベンチャー、アクション、ファンタジー
監督:長峯達也
キャスト:田中真弓、岡村明美、中井和哉、山口勝平 etc
映画『ONE PIECE FILM Z』の登場人物(キャスト)
- ルフィ(田中真弓)
- 麦わら帽子がトレードマークな麦わら海賊団の船長。仲間とともに数多くの冒険を経て、現在では億単位の賞金首として新世界を航海している。
- ナミ(岡村明美)
- 麦わら海賊団の航海士。泥棒猫という二つ名を持ち、お金に目がない。戦闘では天気を操る。
- ゾロ(中井和哉)
- 麦わら海賊団の戦闘員であり最初の仲間。クールで義理堅く、三刀流の使い手である。
- サンジ(平田広明)
- 麦わら海賊団のコック兼足技を得意とする戦闘員。ゾロとは犬猿の仲。
- ゼット(大塚芳忠)
- 漂流しているところをルフィ達によって助けられた。実は元海軍大将である実力者。
映画『ONE PIECE FILM Z』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ONE PIECE FILM Z』のあらすじ【起】
麦わらのルフィ率いる巷でも何かと話題の麦わら海賊団は、紆余曲折ありながらも新世界の海を進んでいました。新世界には何が起こるかわからない、そう言い伝えられているだけあり、ルフィ達を奇怪な現象が襲います。大海原のど真ん中にも関わらず、突然火山灰が降ってきたのです。
灰を振り払いながら進む一行でしたが、何と、1人の大柄な男性が海の上を漂流しているところに出くわしました。ルフィ達はその男を甲板へと引っ張り上げ看病します。すると目覚めた男は自らをゼットと名乗り、助けてもらった事に感謝の意を告げました。しかし、会話の流れからルフィ達が海賊である事を知ったゼットは、突如ルフィ達に牙を剥いたのです。
ルフィは超新星と呼ばれるかなりの実力者であるにも関わらず、ゼットに手も足も出ません。さらに最悪な事に、ゼットの部下という人物達が2人船に乗り込んできます。その2人も悪魔の実の能力者であり、ルフィ達は一斉に劣勢に立たされます。そして仕方なく、サウザンドサニー号の機能を用いその場から一時退散する事としたのでした。
映画『ONE PIECE FILM Z』のあらすじ【承】
何とかゼット達の手から逃れたルフィ達一行は、温泉地として有名な火山の島にたどり着きます。その島にはルフィ達同様、今迄ゼットに打ち負かされた海賊達が多数留まっていました。彼等は圧倒的なゼットな実力の前に、この先の海を越えて行く自信を失ってしまったのでした。そしてルフィ達は、その海賊達からゼットについての情報を入手します。
何と、ゼットはかつてルフィ達もよく知る青キジや赤イヌ、黄ザルとならんで海軍の大将を務めていたというのです。しかしその時にゼットに何らかの出来事が起き、海賊に対して深い深い恨みを抱きました。海賊を捕まえる事が海軍の役目ではありますが、ゼットはそれだけでは満足できなくなってしまいます。
そしてゼットは海軍を抜け、自らを「ネオ海軍」を組織しました。その組織の目的は、この世から海賊という存在を根絶する事。海軍でも手の追えない、加虐的ともいえる程の軍隊が誕生したのでした。そして現在ルフィ達が留まっているこの島の裏側に、ゼット達も船を止めているという話を耳にします。
映画『ONE PIECE FILM Z』のあらすじ【転】
その話を聞いたルフィは、再びゼットに戦いを挑むべく乗り込んでいきます。しかし相手は元海軍大将、ゼットの腕に装着された海楼石の効果で悪魔の実の能力が相殺されるというハンデもあり、ルフィは再びゼットの前に倒れてしまい。ゼットはルフィのトレードマークでありかつて憧れの海賊、シャンクスから受け継いだ麦わら帽子を奪っていきます。
そして、「タイムオーバーだ」という謎の言葉を残してゼットとその部下はルフィを残し去って行きました。ネオ海軍の目的は海賊を根絶する事ですが、その為に実はこの新世界ごと破壊してしまおうと考えていたのです。新世界には3つの巨大な火山があり、この全てを破壊すれば新世界は崩壊すると言われていました。既に一つの火山を破壊しているゼット達は、今回ルフィ達が滞在していた島を二つ目のターゲットとして狙いを定めていたのでした。
そして、ゼット達が仕掛けた起爆装置が起動します。火山が爆発する寸前、ルフィの仲間達がすんでのところでルフィを救出します。唖然とする一行の前に、こちらも元海軍大将である、青キジが姿を見せました。
映画『ONE PIECE FILM Z』の結末・ラスト(ネタバレ)
青キジは海軍にいた頃、ゼットのもとで指南を受けていた、ゼットの弟子でした。青キジはゼットの行く末を自らの目で確認する為に、こうして出向いてきたのでした。青キジはルフィ達に3つ目の火山のありかを伝えます。ルフィ達一行は新世界を救う為、そしてゼットに勝利をする為決心を新たにその火山へと向かいます。
しかし、動いているのはルフィ達だけではありませんでした。ゼットが元々属していた海軍です。海軍はこの世のバランスを保つ為に海賊は必要悪だと考えている部分がある為、ゼットに新世界を破壊させるわけにはいかなかったのです。海軍が迫ってきていることを知らないルフィとゼットは、三度目の激しい戦いを繰り広げます。そして、ゼットが既に病に侵され先が長くないということも助け、何とかルフィが勝利を収めたのでした。
そんな時、海軍の大群が2人の前に現れます。元々海軍大将であったゼットを相手にするので、海軍も黄ザルやパシフィスタを含む実力者揃いです。戦いの中でルフィを認めたゼットは、ルフィ達をかばうように前に出ます。その想いに呼応するように、弟子である青キジはゼットとルフィ達の間に巨大な壁を作ります。そして、ゼットの最後の戦いが始まるのでした。
映画『ONE PIECE FILM Z』の感想・評価・レビュー
あの強いルフィが最初から本気でバトルし、敗北してしまうのは、かなり驚きました。バトルシーンの迫力もテレビアニメ版のものよりもさらに激しくなっており、ルフィとZの闘いは、全てが極限まで高められた作画で描かれていました。
この映画で最も重要とされたものは、プライドよりも、バトルを制することだったのではないかと感じました。ルフィの目的はあくまで帽子の奪還で、それを遂行するためにはZを倒すしかありません。バトル重視であったため、戦闘描写や作画もより良いものとなり、バトルものアニメとして素晴らしい出来となっていました。FILM Zは、少年漫画としての本領を発揮した作品だと思います。(女性 20代)
本編の複線のための物かと思うほど、謎が多く残る作品でした。一度決めた事をかたくなに貫くゾロ的な部分と、自分のやり方で突き進むルフィ的な部分の両方を持つZ、人気があるのも分かる気がします。最後に戦った敵であるルフィを庇うところも好きです。青キジとロビンのアイコンタクトも、言葉がなくても言いたいことが判る好きなシーンでした。
残った謎は、今後本編で少しずつ謎解きしてくれる話を楽しみに待ちます(女性 40代)
ワンピースの映画作品としては、12作目にあたる本作品は、元海軍大将であるゼットとのバトルを描いた内容となっている。海軍絡みの内容となる為、ガープや、青雉、赤犬、黄猿といった現海軍大将も登場する豪華な作品である。ゼットは、真っ向勝負でルフィを破ってしまう程の実力があるが、度が過ぎる正義感を持っており、海軍のやり方すら生ぬるいと感じているのである。最終的には、海軍の人間に討ち取られるという皮肉な終わり方なのだが、芯のある強さなど、個人的にはお気に入りのキャラクターである。(男性 30代)
ワンピースの映画の中で2番目に好きな映画です。冒頭から敵とは知らずに船で介抱して、逆に襲われるなどワンピースぽく始まります。敵の中に、外見を若くしてしまう悪魔の実の能力者がいてナミとチョッパーが子供になってしまうんですが、2人とも可愛くてたまりません。それに妄想する、サンジが少しエロいなとも思いました。
列車に乗って疲れを取るために温泉に入りに行ったみんなが、アオキジと遭遇してしまいますが意外な情報を得ることになり、この回でアオキジのことが少し好きになりました。一度はやられたルフィですが、みんながルフィを信じたから倒せたと思います。(女性 30代)
『ONE PIECE FILM STRONG WORLD』に続く、作者である尾田栄一郎が製作に携わった作品である今作は新世界編突入もあってかその迫力も大きく増している。『ONE PIECE FILM STRONG WORLD』と違い感動的なエピソードも盛り込まれている点も大きく評価につながっている。
最大の敵であるゼファーが能力者では無いことが今作の人気の重要な要因になっていると考えられる。戦闘が純粋な殴り合いになるため、その分ルフィとの戦いが大きく盛り上がり、かつゼファーを応援したくなる気持ちにもなってくる。(男性 20代)
みんなの感想・レビュー
強さの飽和。これはワンピースに限らず、戦闘モノのアニメ、漫画には絶対について回る問題ではあるのだろうが、やはり戦闘能力の飽和というか、一体誰がどこまで強いのかがもうわからなくなってしまう、といった点はこの作品にも見られた。本来そこで負けたりやられたり、逆にそのキャラに勝てるなら原作のあいつにだって勝てるのでは、というのはお約束のように感じられた。戦闘ありのアニメや漫画を楽しむ人は、そもそもそういった点を気にしてはいけないのかもしれない。
これはやはり尾田栄一郎ならではだが、今回もキャラクターの服装がとてもよかった。アニメや漫画はある種服装までもがキャラクターに含まれていることが殆どで、同じ格好こそがトレードマークではあるのだけれど、ワンピースの映画、特に尾田栄一郎がプロデュースすると、キャラクターのファッションを楽しむことができるのもこの映画の大きな魅力だろう。
原作者、尾田栄一郎が総合プロデュースしているだけあって、安心して観ることができた。毎回のアニメ、5~10回分のエピソードを二時間程度に圧縮して描かれている感覚で楽しめる。ただ、戦闘アニメに尽きものの、強さのバランスは曖昧というかあまり気にしてはいけない。
ゼットのキャラクター設定も、映画用にご都合主義で作ったようなものではなく、信念を持った一人の男としてルフィたちの前に立ちはだかる魅力的なキャラクターだった。
通常のアニメ映画のように、原作者の手から離れてしまうとどうしても、テイスト自体変わってしまったり、キャラクターが本来とは違う動きをしたり、無理やりすぎる設定を追加されたりしてしまうが、前作ストロングワールドと同じように原作者尾田栄一郎が総合プロデュースしているだけあって、アニメの続きのように観ることができた。毎回30分のアニメが何回分か集まって、1つのエピソードを構成しているが、それが二時間ほどで一気に楽しめた、という印象である。そういう意味では、ファンを裏切らない作品に仕上がっていた。