映画『サンバ』の概要:2014年のフランス作品。ビザの更新を忘れ、国外退去命令が出たサンバが不法滞在をしながら、最期は友人の死にも悲しまずに自分がフランスで生き残っていくことだけを考える社会派ドラマ。
映画『サンバ』 作品情報
- 製作年:2014年
- 上映時間:119分
- ジャンル:ヒューマンドラマ
- 監督:エリック・トレダノ、オリヴィエ・ナカシュ
- キャスト:オマール・シー、シャルロット・ゲンズブール、タハール・ラヒム、イジア・イジュラン etc
映画『サンバ』 評価
- 点数:65点/100点
- オススメ度:★★★☆☆
- ストーリー:★★★☆☆
- キャスト起用:★★★☆☆
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★★☆☆
- 設定:★★★☆☆
[miho21]
映画『サンバ』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)
映画『サンバ』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『サンバ』 あらすじ【起・承】
サンバはホテルのレストランで真面目に働く男である。
ある日、正式雇用として働くことが出来るようになったサンバだったが、知らぬ間にビザが切れていたため国外退去通知命令が出されてしまっていた。
突然不本意にも不法滞在者扱いされてしまったサンバは、収容を余儀なくされる。
サンバを助けようと尋ねてくれたのがマニュとアリスだった。
二人は仕事の傍らボランティアとして移民の問題に手助けをしていた。
彼女らはサンバが釈放されるように協力してくれると言うのだ。
二人の尽力のおかげで、サンバは収容所から無事に抜け出し国外退去という処罰になった。
しかしサンバは国外には出ず、フランスでシェフとして働く叔父のところに身を寄せる。
所謂不法滞在である。
叔父は目立たず、きちんとした格好でサラリーマン風に暮らせと忠告した。
サンバは収容所で知り合ったジョナスから、恋人を探して欲しいと頼まれていた。
彼女は美容室で働いていると聞いたため、サンバは必死で探した。
ようやく見つけ出したとおもったら、その女性はもう恋人だとおもっていなかった。
サンバはその女性と関係を持ってしまった。
サンバの釈放を手助けしてくれたアリスと再会したサンバは、彼女とコーヒーを飲んだ。
そこで聞いたアリスの身の上話で、彼女は休暇を取りボランティアをしているのだということが判明する。
アリスはサンバの魅力に惹かれていくが、立場も気になるし、ビジネスライクに付き合わないとのちのちつきまとわれて困るという友人のアドバイスもあり中々進展させられない。
映画『サンバ』 結末・ラスト(ネタバレ)
サンバは定職につけず、日雇い暮らしだった。
知り合いのウィルソンは自称ラテン系移民。
性格も明るく、仕事も楽しそうにしていた。
だが本当はアラブ系移民で、仕事の賃金のためにラテン系と偽っている、所謂不法滞在者だった。
ある日、ボランティア団体が主催するパーティーに参加したウィルソンは、アリスの友人のマニュと出会い惹かれあっていく。
日雇いの仕事日。
突然警察がやってきた。
不法滞在者のガサ入れである。
サンバとウィルソンは何とか逃げたが、そこにマニュとアリス心配してやってきてウィルソンと行ってしまった。
アリスはサンバに休暇を終えて仕事に戻るのだと伝える。
サンバはアリスの話を聞き、彼女に自分の気持ちを告げようと決意する。
食事に誘った夜のこと、ジョナスに再会したサンバは半ば無理矢理酒の席に誘った。
ジョナスは亡命者の滞在許可証を手に入れたのだとサンバに話した。
そして恋人を寝取られたと持ったジョナスは、サンバの持っているジャケットを奪って自分のものをサンバに着せる。
アリスを待たせているサンバはそのまま急いで向かう。
しかし悪い事に警察がやってきた。
逃げ出したサンバだったが、ジョナスは運河に落ちて死んでしまう。
何とか逃げ延びたサンバはバスで母国へ帰ることにした。
アリスに別れを告げて。
まだジョナスの上着を着ているサンバは、バスの中でジョナスが話していた亡命者の滞在許可証を見つける。
サンバはやはりフランスで暮らそうと思い直すのだった。
映画『サンバ』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『サンバ』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
アリスとの恋愛の意味は?
サンバが恋をするボランティアのアリス。
サンバが一目惚れをするようなシーンがあるが、まずそこに違和感。
悪いがそんなに目立つほどの美人でも無く、どちらかというと年寄り老けて見えるタイプだし仕事としてサンバに良くしているだけで彼女の魅力が全く描かれていない。
これは制作者に悪気があったのかと思わされるほど、全く描かれていないのだ。
見ていてもアリスの魅力の無さ具合が気になるのに、何故この女優をキャスティングしたのだろうか?
例えばサンバがアリスを利用してフランスに住もうとしているというのなら話は別だがそうではない。
サンバのこの映画に彼女との恋愛シーンが本当に必要だったのか?というところが疑問に残る作品であった。
ラストシーンに身勝手さ
最期は結局助かってしまう。
急に始まったジョナスとサンバVS警察の追いかけっこ。
途中でジョナスは死んでしまうわけだが、サンバはそのことに関心を示さず自分の未来のことばかりを気にしている。
この身勝手さに最期はいらつきっぱなしだ。
結局バスに逃げ込んで、ジョナスが持っていた亡命者の滞在許可証を手にし、フランスで生きていこうとするサンバには嫌悪感を持ってしまう。
サンバの物語自体そんなに興味があるテーマでは無かったが、内容を見るとなお好きになれない作りでもう見ることは無いだろう。
『サンバ』というタイトルにすっかり騙されてしまった今作。勝手にラテンの明るいノリの楽しい作品だと思っていたので、正直見るのを迷いました。
しかし、いざ見始めてるとサンバの人柄はとても明るく描かれているのでそんなに重くは感じません。
不法滞在者を追う警察や、サンバのことを手助けしてくれる人たちとの関係など色々なドラマを描きながらもラストは自分のことだけを考えるサンバ。
生きていくということは、そんなに簡単で甘いことでは無いのだと感じました。(女性 30代)
映画『サンバ』 まとめ
ラテンの明るい映画を想像して鑑賞したらなんてざま。
まさかサンバという不法滞在者の物語だとは思わなかった。
予想外の内容に驚いたが、もっと驚いたのがこんなに重いテーマが意外にも軽めに扱われていることである。
ものすごくシリアスに描かれているようで実はかなりライト。
これが文化の違いなのだろうか?
日本人には到底理解できないような話であるが、世界にはこのようなことが日常的に起きているのだろう。
そう考えると感慨深いものがある。
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