映画『ボディ・ハント』の概要:エリッサは母のサラと共にシカゴから引っ越してきた。隣家は曰く付きの家で、ライアンという少年が暮らしていた。実は、ライアンの妹のキャリーが、両親を殺害するという事件を起こしていた。しかも、キャリーは消息不明だった。
映画『ボディ・ハント』の作品情報
上映時間:100分
ジャンル:サスペンス
監督:マーク・トンデライ
キャスト:ジェニファー・ローレンス、マックス・シエリオット、ギル・ベローズ、エリザベス・シュー etc
映画『ボディ・ハント』の登場人物(キャスト)
- エリッサ・キャシディ(ジェニファー・ローレンス)
- 17歳。女子高生。シカゴから母と共に引っ越す。音楽業界にいる父の影響から、シカゴではバンド活動を行っていた。
- ライアン・ジェイコブソン(マックス・シエリオット)
- 7歳の頃に妹のキャリーが事故により脳に障害を負う。キャリーが両親を殺害する事件を起こしたことにより、近所の人から疎まれている。キャリーに纏わる、ある秘密を抱えている。
- サラ・キャシディ(エリザベス・シュー)
- エリッサの母。医師。仕事が忙しく、エリッサとの時間があまれ取れずにいる。ライアンの過去を知り、エリッサと仲良くなることを快く思っていない。
映画『ボディ・ハント』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ボディ・ハント』のあらすじ【起】
エリッサは母のサラと共にシカゴから引っ越してきた。2人の関係はあまり良好とは言えなかった。だが、2人とも新天地でやり直すことを望んでいた。夜、サラが眠りにつこうとしていると、空き家のはずの隣家の明かりが点いた。サラは不気味に思い、恐怖を抱く。
サラ達の隣家は空き家ではなく、ジェイコブソン家の息子であるライアンが暮らしていた。近所に暮らす人達はジェイコブソン家の建物を壊したいと思っており、そこで暮らすライアンを快く思っていなかった。実は、ジェイコブソン家では4年前に殺人事件が起きていた。娘のキャリー・アンが両親を殺害したのだ。キャリーはダムで死亡したという噂が流れていたが、遺体が出ていないため本当のことは誰にも分からなかった。
エリッサは生徒会長のタイラーから、飢餓救済についての集会に誘われる。しかし、放課後は母と映画を見に行く約束をしていたので断った。その時、母から連絡が入り、仕事で行けなくなったと言われる。エリッサは仕方なく生徒会長のタイラーの誘いに乗ることにした。
エリッサはタイラーと一緒に、集会が行われている家を訪れた。しかし、飢餓救済の集会とは名ばかりで、若者達が集まって遊んでいるだけだった。飢餓で苦しむ人への寄付も、募金集めをしないで親のクレジットカードで支払っていた。全ては、大学入試の書類選考で有利になるためだった。エリッサはタイラーに襲われそうになり、怒って家を出て行った。
映画『ボディ・ハント』のあらすじ【承】
エリッサが1人で夜道を歩いていると、車に乗ったライアンが偶然通りかかる。送って行くと言われるが、エリッサは断った。ライアンが立ち去ろうとしたとき、雨が降ってきた。エリッサは仕方なくライアンに送ってもらうことにした。
エリッサは率直に、両親が殺された家になぜ暮らしているのかライアンに質問した。ライアンは嫌がることなく、大切な家であることを話した。ライアンは7歳の頃から叔母の家に預けられて暮らしていた。そのため、両親との思い出があるのは、今暮らしている家だけだった。
エリッサとライアンは車の中で色んな話をした。エリッサは音楽の仕事をしている父の影響を受けており、シカゴにいるときはバンドに入っていた。ライアンは夜明けの人がいない時間に、物語を書いていた。家に着く頃には、エリッサとライアンの距離は近づいていた。
ライアンは地下室にキャリーを閉じ込め、面倒を見ていた。キャリーは凶暴で、薬を打たないと手がつけられないほどだった。ライアンは隣家に人が引っ越してきたことを話し、エリッサ達に面倒をかけないようキャリーに言い聞かせた。
サラはライアンとエリッサが仲良くなることを快く思っていなかった。サラは警官のビルにライアンの人となりを尋ねた。ビルはライアンに同情しており、彼が良い青年であることをサラに教えた。
映画『ボディ・ハント』のあらすじ【転】
エリッサはライアンの家を訪ねた。その時、キャリーの身に起きた出来事を聞く。幼い頃、ライアンとキャリーが一緒にブランコで遊んでいたとき、キャリーが落ちて頭を打ってしまう。目を覚ましたキャリーは、別人のように変わり果てていた。いつも叫び声を上げ、物を壊すようになった。そして、場所の認識ができずに目を離すと森に行くようになり、窓に格子が付けられた。
実は、キャリーの事故は、ライアンと手を繋ごうとしたのが原因だった。キャリーはバランスを崩し、ブランコから落下した。ライアンはその時の光景を思い出し、うっかり地下室の鍵を掛け忘れてしまう。その隙に、キャリーは脱走した。キャリーがエリッサ達の家に向かったことに気づき、ライアンは慌てて後を追いかけ、彼女を捕まえた。
サラはライアンを知るために、彼を食事に招待した。しかし、エリッサのことを心配するあまり、ライアンに対してきつい態度を取ってしまう。そのせいでライアンは帰ってしまい、エリッサを怒らせてしまう。
エリッサは母の言いつけを無視し、ライアンと2人きりで会った。そして、ライアンの家を訪れた。エリッサはライアンと良い雰囲気になるが、突然取り乱したライアンに家を追い出されてしまう。エリッサはショックを受けた。その頃、ライアンは逃げ出したキャリーを追いかけ、捕まえていた。
映画『ボディ・ハント』の結末・ラスト(ネタバレ)
エリッサは自分が出演するバンド大会にライアンを招待した。ライアンは大会を訪れるが、タイラーやその友達に絡まれて殴られてしまう。ライアンは抵抗し、タイラーの脚を折った。タイラーの友達はやり返すため、ライアンの家に火を投げ入れた。
エリッサはライアンの家に向かい、火を消した。そこで、ゴミ箱の中に捨てられている生理用品の箱やコンタクトレンズの箱を見つける。エリッサは不審に思い、家の中を確認した。そして、地下室を見つける。地下室を開けたエリッサはキャリーに襲われるが、ライアンに助けられ上の階に行くよう指示される。エリッサは訳が分からないまま、地下室を飛び出した。
エリッサの腕にキャリーの目から外れたコンタクトレンズが付着していた。エリッサはそれを見つけ、地下にいたのが本物のキャリーではないことに気づく。ゴミ袋の中にあった財布を確認すると、ペギーという女性の学生証が見つかった。エリッサは動揺を押し殺して逃げようとするが、ライアンに襲われ捕まってしまう。
本物のキャリーはブランコから落ちたときに亡くなっていた。ライアンは妹を死なせたお仕置きと称して両親から暴力を振るわれており、それをやめさせるために両親を殺していた。ライアンは捕まえたエリッサをキャリーの身代わりにするため、ペギーを始末した。
サラはエリッサを心配して連絡を取るが、繋がらなかった。ライアンの元にいることを疑い、ビルに確認を頼んだ。ビルはライアンに話を聞くが、エリッサの居場所は知らないと言われる。ビルがライアンの話を信じて帰ろうとしたとき、女性物の財布を見つける。ビルは訝しみ、家の外からエリッサの携帯に電話をかけた。すると、ライアンの家の中から着信音が聞こえてきた。ライアンはビルに疑われていることに気づき、襲いかかって始末した。
サラはライアンの家を訪れた。その時、エリッサの助けを求める声が聞こえてきた。サラはエリッサの元へ行こうとするが、ライアンに襲われて刺されてしまう。ライアンはエリッサが逃げたことに気づき、彼女を探した。エリッサはライアンに襲われたため、ビルの拳銃を使って攻撃した。しかし、ライアンは死んでおらず、再び襲われそうになる。サラはそこに駆けつけると、ライアンを殴り倒しエリッサと共に逃げ出した。
エリッサとサラは再び引っ越すことになった。ライアンは逮捕され、収監された。ライアンの脳裏にあったのは、両親からキャリーになることを強要されたことだった。
映画『ボディ・ハント』の感想・評価・レビュー
何とも言えない暗さと不気味さを感じる作品だった。ライアンは、始めはただ陰のあるキャラクターだったのだが、物語のラストで一気に恐怖を感じるキャラクターになった。まさか、地下室にいるキャリーが本物ではないとは思わなかった。予想外の展開にもの凄く驚かされた。ライアンはエリッサと一緒にいるときは幸せそうだったため、彼の非道な行いの数々がとても残念でならなかった。できれば、ハッピーエンドが見たかったなと思う。(MIHOシネマ編集部)
みんなの感想・レビュー
ご指摘ありがとうございます。
記事内容を一から執筆し直しました。
ストーリーの理解に繋がれば幸いでございます。
ホラーの様に見える映画だが、サスペンスと言える。
最後まで人物同士の関係性や、隠された事実に目が離せない感じがあるので、飽きが来ないで観る事が出来る。
弱い者に知らず知らずに惹かれるのに、自身に気が付かずに母親に反抗するエリッサと、静かに娘の性格を認識し動向を見守るサラの親子関係がリアルである。
女優や俳優の魅力自体が光る作品なので、元々のファンの人には嬉しいはず。
田舎へと来て生活していくエリッサの戸惑いや、女性らしさや、サラの母親としてのたくましさを堪能する事が出来るはずである。
深夜にテレビで放送され、手洗いで離脱中に少し見逃した部分を確認するためここにたどり着きました。
なんというか、ストーリーの解説文の日本語がおかしいです。正しくない説明もありますし。
それと、ライアンが[壊れた]のにはちゃんと想像できるだけのヒントがありましたよ。
エリッサには自分のやり方で正しくあろうとする母親という存在がいます。所々でエリッサも家族は良いものだと発言しています。
一方、ライアンの子供の頃の回想ではどうでしょうか。
自分の責任で妹は事故にあったと話しながら、回想のシーンにはブランコ事故直前のライアン達兄妹と両親が映ります。
その時、彼の両親は……。その回想は、そのままラストのライアンの回想に繋がります。
お時間あれば見直してみてはどうでしょうか。
ストーリーの説明も、もう少し細かくないと誤解しそうです。
①青春映画の様な穏やかさ
話も中盤近くまでは、何となく甘酸っぱくも危険な香りの青春映画の様な雰囲気が漂う。
娘を心配する母親や、それに反抗しつつもライアンに惹かれていくエリッサが子供心溢れていて可愛く感じる。
一方、親として冷静に「あの子は一番弱そうな存在に寄り添う危険がある」と、エリッサの心の動きや無意識の気持ちの癖を見抜くサラもさすがである。
三者の思いが交錯する中で、じわじわ明るみになってくる真実が小気味良く感じる。
密室殺人的な恐怖感もあるので、ミステリーとして夜長にじっくり観たい映画と言えるかもしれない。
②最後の最後まで気を抜かない
一番不気味に感じるのは、優男かつ好青年を演じているライアンの心理である。
それだけでなく、せっかく心を寄り添ってきてくれたエリッサの優しさを踏みにじるかの様な行為の数々である。
監禁だけならまだしも、次のキャリー・アンとして仕立てようとする事、目の前で必要なくなった偽のキャリー・アンを殺してしまう事。
そして、何より最後の最後までわからなかった、本当のキャリー・アンはブランコ事故で死んでおり、代わりに自分が「ライアン」と言う存在を消され、キャリー・アンとして育てられてきたと言う事実。
しかし、サイコではあるものの、物静かで淡々とした様子で近付いて来たライアンをエリッサが突き放しにくくなる気持ちが視聴者側も理解出来る気がする。
そこがライアン役のアンニュイかつ嫌われない雰囲気の醸し出し方の上手さである。
出来る事ならアイデンティティーを両親によって消されたライアンの叫びを、エリッサに受け止めて欲しかったと思ってしまう。