映画『ラストスタンド』の概要:レイはソマートン郡の小さな町で保安官として働いていた。ある日、牛乳配達をしているおじさんが、何者かに殺される事件が発生する。レイが事件を調査していると、FBI捜査官から1本の電話が掛かってくる。
映画『ラストスタンド』の作品情報
上映時間:107分
ジャンル:アクション
監督:キム・ジウン
キャスト:アーノルド・シュワルツェネッガー、フォレスト・ウィテカー、ジョニー・ノックスヴィル、ロドリゴ・サントロ etc
映画『ラストスタンド』の登場人物(キャスト)
- レイ・オーウェンズ保安官(アーノルド・シュワルツェネッガー)
- 88年LA警察入署。特殊班で訓練を受け、麻薬捜査課で5年働いた後、退職している。大きな麻薬取引を潰した際、仲間を7人失ってしまう。現在は保安官として働いている。
- ジョン・バニスター捜査官(フォレスト・ウィテカー)
- FBI捜査官。ガブリエルを移送する際の任務リーダー。仲間思いの真面目で実直な性格。
- ルイス・ディンカム(ジョニー・ノックスビル)
- 明るく陽気な性格。ソマートン郡で「火器・武器博物館」を営む。博物館には刀や重機関銃など、様々な武器が置かれている。
- フランク・マルチネス(ロドリゴ・サントロ)
- 昔は陸上チームに所属しており人気者だった。現在は酒に溺れ、自堕落な生活を送っている。兵士として戦争に行った経験がある。
- サラ・トーランス(ジェイミー・アレクサンダー)
- 副保安官。フランクの元恋人。別れてからも、自堕落な生活を送っているフランクのことが気になっている。
- マイク・“フィギー”・フィゲロラ(ルイス・ガスマン)
- 副保安官。小心者だが、困っている人を放っておけない心優しい人物。
- ガブリエル・コルテス(エドゥアルド・ノリエガ)
- 麻薬王。死刑囚だったが仲間の協力の元、移送中に脱走する。10代の頃からレースに出ており、高い運転技術を持っている。
- ジェリー・ベイリー(ザック・ギルフォード)
- 副保安官。若い青年で、刺激のない町に嫌気が差している。レイがLAで働いていたことを知り、外に出たいと思うようになる。フランクの親友。
- エレン・リチャーズ(ジェネシス・ロドリゲス)
- FBI捜査官。賄賂を受け取り、ガブリエルの脱走計画に加担する。
映画『ラストスタンド』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ラストスタンド』のあらすじ【起】
レイはソマートン郡の小さな町で保安官として働いていた。馴染のダイナーでコーヒーを飲んでいると、2人組の不審な男を見かける。レイは店を出ると、男達が乗ったトラックのナンバーを控えた。
レイは副保安官のマイクとジェリーが肉を撃って遊んでいるに気づき、車を止めて叱った。その場には、もう1人男性(ルイス・ディンカム)がおり、保安官のバッジをつけていた。レイが携帯許可証を見せるように言うと、ルイスはお菓子を零しながら許可証を鞄から取り出した。許可証には“火器・武器博物館”と書かれていた。だが、そこにあったのは、博物館とは言えないボロボロの建物だった。
フランク・マルチネスはかつて陸上チームに所属しておりスター選手だったが、現在は酒に溺れ荒れた生活を送っていた。しかも、暴力沙汰まで起こしてしまい、保安官事務所の檻の中に入れられていた。元恋人で副保安官のサラは、変わってしまったフランクに耐えられず、苦言を呈した。
ジェリーはレイに、トラックのナンバーの照会結果を報告した。所有者に犯罪歴はなかった。ジェリーはそのまま立ち去らず、レイに町を出て働きたいことを相談した。レイはLA警察の麻薬捜査課にいたので、何かアドバイスがもらえると思ったのだ。ジェリーは平和な町の保安官でいることにうんざりしていた。レイはこの町にいるべきだと勧めながらも、どうしても外に出たいなら力になると伝えた。
ラスベガス。FBI捜査官であるジョン・バニスターは、ガブリエル・コルテスという死刑囚の護送を指揮した。ガブリエルは麻薬王として名高い男だった。厳戒態勢の中、移送が始まるが、ガブリエルを乗せた護送車が、重機(リフティングマグネット)によって車ごとビルの上に運ばれてしまう。ガブリエルは手下の助けを借りて車から逃げると、捜査官1人を殺して立ち去った。
映画『ラストスタンド』のあらすじ【承】
午前の4時32分。ウェイトレスとして働くクリスティはレイに電話を掛け、頼んでいる牛乳が届いていないことを相談した。配達人(パーソンズ)がおじいさんのため、家で倒れていないか心配しているのだ。レイは副保安官をパーソンズの家に向かわせることにした。
ジョンは監視カメラの映像を確認した。ガブリエルが自動車ショーから盗んだ、スピードの速い車で逃走したことが分かった。検問をかけるが突破されてしまう。ガブリエルは10代の頃からレースに出ており、優れた運転技術を持っていた。ジョンが捜査の指示を行っていると、ガブリエルから電話が掛かってくる。捜査官の女性(エレン)を人質に取り、検問をどかすよう脅しをかけてきたのだ。ジョンはエレンを助けるためにも警官を配置するが、ガブリエルの手下に殺されてしまう。
ジェリーはサラと共にパーソンズの家を訪ねた。レイに電話を掛け、パーソンズが殺されていることを報告した。レイはマイクと共にパーソンズの家に向かった。遺体は家の中に置かれていたが、外に血痕が落ちていたため、犯人が偽装したことが分かった。
映画『ラストスタンド』のあらすじ【転】
エレンは賄賂を受け取り、自ら人質になっていた。ガブリエルはエレンに手錠の鍵を渡すと、車のライトを消して暗闇に紛れた。追跡していたヘリコプターは、ガブリエルの車を見失ってしまう。このままでは国境を越えてメキシコに逃げられてしまうため、ジョンは国境付近にあるソマートン郡の保安官(レイ)に電話を掛け、脱走犯が逃げたのでSWATを送ることを伝えた。
レイはダイナーの男と今回の殺人事件、脱獄犯が全て繋がっていることに気づく。その頃、ジェリーとサラはパーソンズの家にあったタイヤ痕を追って、作業灯が灯っている怪しい現場を見つけていた。レイは調査をせずに戻るよう伝えるが、途中で通信が切れてしまう。サラがトランシーバーに向かって必死に話していると、突然男達が現れジェリーが腹を撃たれてしまう。
数十人の男達に囲まれ、ジェリーとサラは物陰に隠れているしかなかった。そこに、レイとマイクが現れる。レイ達が銃で反撃している隙に、サラはジェリーを車に引き摺りこんだ。レイは急いで病院へと車を走らせるが、サラの腕の中でジェリーが亡くなってしまう。サラは事務所に戻ると、フランクにジェリーが亡くなったことを伝えた。
レイはジョンに電話を掛け、脱獄犯の仲間が渓谷に橋を作っていることを話した。ジョンは半信半疑ながらも、SWATの隊長に連絡をして、橋があれば壊すよう指示を出した。ガブリエルはSWATの車を追い越し、絶妙に車をぶつけて横転させた。
レイはガブリエルを知っており、SWATが来ないことを確信していた。ジェリーのためにも、自分達で町を守ることを決める。マイクは怖気づくが、サラとフランクは自ら協力を申し出た。フランクもジェリーの親友として、町をほっとくことができなかったのだ。レイはフランクの熱意を受け、副保安官に任命した。マイクも仕方なく協力することを決める。
映画『ラストスタンド』の結末・ラスト(ネタバレ)
レイ達は武器を手に入れるため、ルイスに協力を要請した。ルイスは見返りに副保安官の座を求めたため、期限付きで任命した。博物館にあった重機関銃や銃など、様々な武器を車に詰め込んだ。
ジョンは軍などを要請し、自らもソマートン郡に向かった。衛星画像を見て、渓谷に橋が架かっていることを確認する。ジョンはレイが言っていたことが本当だったことを知り、驚きの声をあげた。レイのことを調べ、麻薬捜査官だったことを知る。レイは大きな麻薬取引を潰す際に仲間を7人亡くしてしまい、仕事に嫌気が差して、退職して保安官になったのだ。
サラ達は協力して車を道路に並べ、道を塞いだ。そこに、ガブリエルの手下達が現れる。サラ達は協力して手下達を倒していくが、マイクが撃たれてしまう。フランクはサラが狙われていることに気づき、弾が飛び交う中、助けに向かった。サラもフランクが道路を横断しているのに気づき、フランクの元に向かった。そして、2人で協力して手下を射殺した。2人はお互いの無事を確認し、キスをした。
ルイスはマイクを助けに行こうとして撃たれてしまう。サラとフランクがルイスを助け、レイが残り1人となった手下と戦い、一瞬の隙を突いて頭を撃ち抜いた。そこに、ガブリエルの車が現れる。レイはスポーツカーに乗り、ガブリエルの車を追いかけた。
ガブリエルは運転していた車からエレンを突き落した。そのまま車を走らせていると、突然スポーツカーに車をぶつけられる。なんとか体勢を立て直して国境を越えようとするが、畑の中に隠れていた重機にぶつかり車が止まってしまう。徒歩で橋を渡ろうとするが、レイが立ち塞がっていた。激しい肉弾戦の末、レイに捕らえられる。
ジョンは銀行口座を確認してエリスが裏切っていたことが分かったため、何食わぬ顔で戻ってきたエリスを逮捕した。そして、レイに感謝を述べた。フランクはレイにバッジを返そうとするが、レイは受け取ろうとはしなかった。
映画『ラストスタンド』の感想・評価・レビュー
麻薬捜査を退いて、保安官という立場のレイ(アーノルド・シュワルツェネッガー)が、移送中に脱走したガブリエルを逮捕する為に立ち上がる作品。レイの街での気さくな顔と、事件に巻き込まれた後のシリアスなレイの姿は見ていて非常に爽快である。ラストのタイマンシーンはやはりアーノルド・シュワルツェネッガーならではの力強さがあり、期待通りの展開に満足感を感じる事ができるだろう。ファンであれば、一見の価値有りである。(男性 30代)
年老いたアーノルド・シュワルツェネッガーの魅力にハッとさせられた作品です。全盛期のような無双感はさすがにありませんが、貫禄や哀愁が備わり渋さが増しています。アメリカでは不評だったそうですが、私は大好きです。適度にコメディ感、適度にシリアスなシーンが散りばめられ、後味が爽快なのでぜひ気軽に見てほしいです。終盤はガンアクションが充実していて、ショットガン、機関銃、古いタイプの銃などあらゆるタイプの銃を駆使したアクションを楽しめます。(女性 30代)
みんなの感想・レビュー
西部劇の様な世界観の中での、アーノルド・シュワルツェネッガー演じるオーウェンズと仲間との絡みが痛快な映画である。
偽者の人質であった女捜査官もきちんと逮捕するあたりも、観終わった後に爽快感がある。
仲間や町の人へのかける声も一言一言が、アメリカンジョークめいていて良い味が出ている。
少しのどかな風景だからこそ出せる、落ち着いた事件の始まりと解決と言う流れが心地良い。
アーノルド・シュワルツェネッガーファンでなくても、細かいストーリー配置に丁寧な映画なので引き込まれやすいと思う。
昔で言う、悪人御用!映画と言える内容で、西部劇の様な世界観も出ているので楽しいと言える。
少し落ち着きのある田舎の雰囲気と、元々は敏腕刑事で今は一線を退いたと言うオーウェンズの味がマッチしている。
雰囲気の出ている感が溢れている映画なので、最初から掴みがOKで、ここでどんな事件が起こるのかと期待感の持てる出だしをしている。
のんびりしていそうな風景と相まって、凶悪犯の脱走劇。
時速400キロも出せる改造車などの演出で、のどかなはずの世界も思いがけず緊張感とスピード感に溢れている。
そのスピード感も、人間同士のやり取りや口調が何となく丁寧なので、嫌な慌しさを感じない。残念なのは正義感溢れるベイリーの死である。
せっかくのアーノルド・シュワルツェネッガーの出演と言う事で、どうしても期待してしまうのは肉弾戦である。
最後はなかなかすっきりする作りになっている。
橋に辿り着いたコルテスがそこで遭遇し、武器も無しにタイマンはるのはさすがのオーウェンズである。
タイマンでコルテスと戦い、無事FBIに引渡し、なおかつきちんと偽者の人質であった女捜査官も御用、と言う流れになっている。
視聴者の期待を裏切らない作りになっているのが嬉しい。
さりげない、アーノルド・シュワルツェネッガーのセリフもどこかの映画で聞いたような口調で話す為、長年のファンにはたまらないと言える。
年を重ねてこそ出せるぐっと来る魅力溢れている中で、昔を思い出させるタイマンの戦い方は見ごたえ十分である。