映画『劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』の概要:人気ゲーム「ポケットモンスター」がアニメ化し、それがまた人気となったため映画化された作品。記念すべき第一弾である。監督は湯山邦彦。主題歌を小林幸子が歌ったことでも話題となった。
映画『劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』 作品情報
- 製作年:1998年
- 上映時間:75分
- ジャンル:アニメ、アドベンチャー
- 監督:湯山邦彦
- キャスト:松本梨香、大谷育江、市村正親、山寺宏一 etc
映画『劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』 評価
- 点数:90点/100点
- オススメ度:★★★★★
- ストーリー:★★★★★
- キャスト起用:★★★☆☆
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★★★☆
- 設定:★★★★★
[miho21]
映画『劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)
映画『劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』 あらすじ【起・承】
ロケット団の実験によって生み出されたポケモン、ミュウツー。伝説のポケモン、ミュウの化石の一部をもとにして、様々な改良を加えられ、戦闘力や知能など高い能力を付加されて生まれた。しかし、ミュウツーは人工的に作られた自分が、一体何者なのだろうと存在意義について疑問を抱いていた。
マサラタウン出身のサトシは、ピカチュウを相棒に、カスミとタケシと共にポケモンマスターを目指して旅をしていた。そんな彼のもとに、ある招待状が届く。優秀なポケモントレーナーをポケモン城に招待しているという内容に惹かれたサトシは、海が嵐で荒れているにも関わらず胸を躍らせながらポケモン城へと辿り着いた。到着したポケモン城には、サトシの他にもたくさんのトレーナーたちが、自慢のポケモンを連れて招待されていた。しかしその招待状を出したのはミュウツーであり、彼はトレーナーのポケモンを奪ってコピーを作成しようと目論んでいた。
映画『劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』 結末・ラスト(ネタバレ)
ミュウツーが作り出した人口のポケモンたちに歯が立たないトレーナーのポケモンたち。同時に彼らのポケモンも一度奪われ、コピーが作成された。その時、彼らの前にミュウが現れる。ミュウに敵意をむき出しにするミュウツー。コピーとオリジナル、どちらが強いか決着をつけようと戦い始める多くのポケモンたち。
ポケモンたちは、なぜ戦うのか。目の前にいるのは自分である。だが、コピーからすればオリジナルがいては自分の存在意義がわからない。オリジナルからすれば、コピーはただのコピーに過ぎず、自分は唯一無二の存在でありたい。涙を流しながら戦うポケモンたちを見て、サトシは、こんなのは間違っていると戦いを止めに入る。しかし、サトシはミュウとミュウツーの攻撃を同時に浴び、石になってしまった。
その様子を見て、我に返ったポケモンたち。ピカチュウが涙を流すと、その涙がサトシを石から元の姿へと戻した。ミュウとミュウツーは、コピーのポケモンたちを連れ、本当に生まれた意味を探しに行く、と旅に出るのだった。
映画『劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
今なお愛される名作
できた当時は、あまり評価が高くなかったのを覚えている人も多いのでは。確かにポケットモンスターはゲーム発進の作品であり、アニメを鑑賞していたのは小学生が殆どだろう。そんな視聴者にあてた映画として、この映画は難しすぎたのである。恐らくこれを見ても本当のメッセージ性がわからない子供が多かったため、評価が上がりにくかったのでは、と思う。私自身も、劇場に観に行ったときより、その後大学生くらいになって観返した時のほうが、深く心に残った。そのくらい強いメッセージ性を秘めた作品なのである。
存在意義
テーマはシンプルだ。自分はなぜ生まれ、何のために生きているのかということ。作品の中で、ミュウツーは苦悩する。高い知能を持っているからこそ「コピーとして生まれた自分はいったいなんなのだ」と気づいてしまうのだ。誰かから愛されたわけでもなく、ただ利用されるためだけに心をもって生まれてきたことを呪い、人間へ問い返す。その計画がポケモンたちのコピーを作るということだった。ミュウツーは、自分の価値を「強さ」で証明しようとした。オリジナルよりも強いからこそ価値があると。それを他のポケモンも利用して他ならぬ自分自身に証明したかったのだ。オリジナルとコピーの戦闘シーンは、思い出すだけでも泣けてくる。確かにアニメだ。ポケモンだ。かわいらしい見た目の動物が必死に戦っているだけの子供だましの映像かもしれない。だが、メッセージは強い。自分は自分、相手もまたコピーなのかもしれないが「自分」を持っている生き物で、似ている分親近感も持ってしまう。でも「自分」は唯一無二でありたい。
映画の中ではっきりと「生きている意味はこうです」とは語られない。それがまた深い余韻を残す。きっと見た人が1人1人感じればいいことだと思う。「自分は唯一無二の存在として今ここにいる」といことを全員が感じていることを理解する、それが大切なのだと教えてくれた、と私は解釈している。
映画『劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』 まとめ
文句なしの名作。子供にも見せたいが、ある程度情緒が発達した小学校高学年から高校生ぐらいで一度見ておくことをおすすめしたい。もちろん大人でも十分に深い感動を得られる作品である。アニメだからといって倦厭されるにはもったいない。単純なキャラクター、かわいらしい見た目、だからこそぐっと深く伝わってくるメッセージを持った作品である。今なおポケットモンスターは人気を博している作品なので、この映画が常に鑑賞され続けることを祈っている。
みんなの感想・レビュー