この記事では、映画『シグナル』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『シグナル』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『シグナル』の作品情報
出典:https://video.unext.jp/title/SID0035573
製作年 | 2014年 |
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上映時間 | 94分 |
ジャンル | SF |
監督 | ウィリアム・ユーバンク |
キャスト | ブレントン・スウェイツ オリヴィア・クック ボー・ナップ リン・シェイ |
製作国 | アメリカ |
映画『シグナル』の登場人物(キャスト)
- ニック(ブレントン・スウェイツ)
- 本名はニコラス・イーストマン。ジョナの親友でヘイリーの彼氏。マサチューセッツ工科大学の学生。過去大学のサーバーを攻撃したノーマッドと名乗るハッカーに濡れ衣を着せられ、ジョナと退学させられそうになった。以前は陸上競技の選手だったが、現在は病気のため松葉杖がないと歩けない。ヘイリーが転居するため、ジョナと一緒に引っ越しを手伝いカリフォルニアへ向かっている。
- ヘイリー(オリヴィア・クック)
- ニックの彼女。ジョナの親友。カリフォルニアの大学へ通うため、ニックやジョナに引っ越しを手伝ってもらう。
- ジョナ(ボー・ナップ)
- メガネをかけた青年。ニックやヘイリーの親友。マサチューセッツ工科大学の学生。ニック同様、謎のハッカー・ノーマッドを警戒している。ヘイリーの引っ越しのため、ニックと3人でカリフォルニアへ向かう。
- ミラベル(リン・シェイ)
- 初老の女性。穏やかで優しい女性だが、不思議な発言が多い。
- デイモン(ローレンス・フィッシュバーン)
- 謎の施設の管理をしている男性。チームの責任者。物静かな男だが、威圧的な態度でニックをイラつかせる。常に防護服を着ている。
映画『シグナル』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『シグナル』のあらすじ【起】
エリート名門校であるマサチューセッツ工科大学(MIT)に通うニックとジョナは、親友ヘイリーの引っ越しの手伝いでカリフォルニアへ向かっていた。ヘイリーはニックの彼女でもあり、ニックは彼女が離れた町で暮らすことに複雑な気持ちを抱いている。以前は陸上選手だったニックだが、今は病気にかかり松葉杖がないと歩けない。このような状況に寂しさも加わり、ニックはヘイリーとの関係に不安を感じていた。ヘイリーもそのことを察しており、2人の間には気まずい空気が流れる。
モーテルでニックは、ノーマッドと名乗る人物から挑発的なメールを受け取った。そこで寝ているジョナを起こし、喧嘩を売るような内容の返信メールを送る。ノーマッドは以前MITのサーバーをハッキングしてきた人物で、2人はこの件で退学させられそうになったのだ。
翌日3人が車で移動していると、今度はヘイリーのパソコンがハッキングされる。ノーマッドから送られてきたデータを逆探知すると、カリフォルニアへ行く通り道にあった。そこで3人はその場所へ行ってみることにする。
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映画『シグナル』のあらすじ【承】
その場所には廃屋があり、ジョナとニックはヘイリーを車に残して中に入る。だが中には誰もおらず、外でヘイリーの叫び声がした。ニックたちが慌てて外に出ると、ヘイリーは空高く宙に浮いている。ニックはそのまま意識を失った。
ニックが目を覚ますと、病院のような施設で防護服を着た人たちに囲まれていた。その後車いすに乗せられ別室へ行き、責任者のデイモンと対面する。デイモンの話によるとニックたちはEBE、即ち未確認生命体と接触したらしい。ニックはEBEに汚染された可能性が高いと、デイモンは説明する。その日ニックは個別の病室に戻されたが、そこは絶えず外部から監視されていた。
別の日デイモンは、シグナルに初めて遭遇した時のことをニックに訊ねる。デイモンの話によると、シグナルとはノーマッドのことだった。ニックはノーマッドが大学に不正侵入し、サーバーを壊したと話す。デイモンはノーマッドがハッカーではなく、宇宙人だと言った。ニックは施設内で昏睡状態のヘイリーを見かけたが、彼女には会わせてもらえなかった。
映画『シグナル』のあらすじ【転】
ニックは毎日意味の分からないテストを行うデイモンに、猜疑心を抱く。別室で隔離されているジョナが、通風孔の向うから話しかけてきた。ニック同様彼もこの施設を疑っているようだ。彼は変な物を飲まされ、腕の感覚がないと言っていた。
ニックは毎日施設内の様子を細かく観察していた。そしてある日車いすのまま昏睡状態のヘイリーの寝台を引き摺り、逃亡を試みる。だがあと少しのところで職員に見つかり失敗した。
連れ戻されたニックはベッドから落ちた際、自分の両足がサイボーグ化されているのに気づき仰天した。怒り狂うニックだが、自分の足が頑丈で歩行可能だと気づく。そこで再度ヘイリーの寝台を引いて、今度こそは施設から脱出した。地下の施設から地上に上がると、ヘイリーが目を覚ました。
ニックとヘイリーは、通りかかった女性ミラベルの協力を経てガソリンスタンドへ行く。その後トラックを強奪し1本道を走らせるが、同じ場所をグルグル回っているようだった。
ニックを探すデイモンはミラベルを捕まえあれこれ質問したが、支離滅裂な返事ばかり返ってきて困惑した。
映画『シグナル』の結末・ラスト(ネタバレ)
博物館に着いたニックたちが地図を確認すると、実際の地理とまるで違っていた。そこでは防護服を着たジョナと再会する。彼の手はサイボーグ化されていた。
その後3人は再びトラックで移動した。だが検問所で足止めされ、ジョナが犠牲を払ってニックとヘイリーを逃がす。2人は仲間を失ったことに深く傷ついた。
しばらく車を走らせていると、デイモンが部下と道を封鎖し待ち受けていた。その後デイモンが罠を仕掛けトラックは横転。負傷したヘイリーはヘリで運ばれた。残されたニックは、デイモンの綴りを逆から読むとノーマッドになると気づく。彼こそがノーマッドであり、ここへ呼び寄せた張本人だったのだ。
ニックは怒りのあまり、目の前に広がる道を超高速で走り抜けた。するとある地点で透明な壁にぶち当たり、壁はガラスのように砕けた。壁の向うの景色を見てニックは唖然とする。ニックがいたのは宇宙にぽっかり浮かぶ、地球に似た構造物に過ぎなかったからだ。ニックに歩み寄るデイモンがヘルメットを外すと、彼もまたサイボーグ人間であった。
映画『シグナル』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
メインキャラクターが謎の実験施設で目を覚まし、その全貌が徐々に明かされていく中で、SFらしい「現実と仮想の境界」の問いが胸に刺さりました。ラストで主人公が体感したあの未来都市は、単なる逃走劇ではなく“人間の精神的な成長”をも描いており、驚きと感動を同時に味わえます。壮絶な展開の裏にある、“信じる力”のテーマに深く共感しました。(20代 男性)
意外な伏線回収の仕方が秀逸でした。主人公が目覚めた施設でのあのシーン、実は――という真相に気付いた瞬間に鳥肌が立ちました。知らず知らず引き込まれていた仮想現実の罠からの脱出劇は、緊張感と知的興奮が同時に楽しめる逸品。SFファンだけでなく、謎解きを楽しみたい人にも強くおすすめできる作品です。(30代 女性)
物語序盤はサスペンス寄りの展開で「なんだこれは?」と引っ張られましたが、中盤からの真実への逆転に心が掴まれました。SF特有の“実験”に巻き込まれる恐怖と、徐々に明かされる非日常世界の提示が巧妙でした。ラストでの“驚き”と“希望”の両方が味わえる完成度の高い構成で、何度でも見返したくなる名作だと感じます。(40代 男性)
主人公が“信号”をたどって宇宙の真実に迫る演出が、哲学的でロマンチックでした。最初はどこか現実味のあるサスペンスだったのに、気づけば銀河を舞台にした壮大な物語へ。最後の数分で世界観が一変する流れは、観た後にしばらく思考がぐるぐると回り続けるほど強烈でした。SF初心者でも楽しめる良質な作品です。(20代 女性)
アメリカの砂漠で捕まり、実験施設に閉じ込められた青年という設定から、まさかここまで壮大な宇宙の真実に繋がるとは思いもしませんでした。ミステリーとしても十分に機能しつつ、最後は「これが人類の未来かも」という希望を残す終わり方が素晴らしかった。中盤以降の心理的揺さぶりが非常に印象的です。(30代 男性)
映像美と音響設計がすごく良かったです。施設内での無機質な世界観と、脱出後の広大な宇宙風景が対比され、視覚的なインパクトが非常に強い。SF映画としてのビジュアル的興奮を味わいたい人には最高ですし、同時に心理描写も丁寧で、「人間とは何か」という問いに真摯に向き合っています。(40代 女性)
科学実験の被験者として選ばれた三人の関係の変化がいいアクセントになっていました。最初はお互い協力し、助け合う“仲間”だったのに、真相が近づくにつれ疑心暗鬼になる様子がリアルで没入感がありました。最後に「君は選ばれた」という言葉に込められた意味が、背筋がゾクッとするほど深い。友情と成長を描いたSF作品です。(20代 男性)
エッジの効いたSFスリラーとして楽しめただけでなく、心理的な解釈が豊かで、「これは友情の話でもある」と感じました。施設内の共同生活から、最後の真実を知る場面に至るまで、誰が味方で誰が敵か分からないドキドキ感が絶妙。導入からラストまで飽きずに引き込まれて、終わった後に余韻がずっと残ります。(30代 女性)
SF映画にありがちな「宇宙人襲来」的なテーマではなく、人間と宇宙の“交信”として描かれていたのが好印象でした。主人公が与えられた信号をたどり、知られざる世界の全貌を知るラストは爽快で、かつ哲学的でもありました。エモーショナルな音楽と演出が心地よく、視聴後に深く考えたくなるSFの快作です。(40代 男性)
ストーリー自体はシンプルですが、それを支える演出力と謎の構成力がものすごく高かったです。最初は小さな異変、次に施設、そして宇宙へ…とシームレスに広がる物語に驚きました。主要3人のキャラ立ちが見事で、特に主人公の“翻弄されながらも強くなる姿”に共感。単なるエンタメではなく、“SFの感動”を味わえる良作です。(20代 男性)
映画『シグナル』を見た人におすすめの映画5選
アナザー・アース(Another Earth)
この映画を一言で表すと?
もう一人の“自分”が存在する世界での贖罪と希望を描いた静かなSFドラマ。
どんな話?
突如、空にもうひとつの「地球」が現れる。人生を狂わせた過去を背負った主人公は、その“もう一つの地球”に自分の贖罪とやり直しの可能性を見出していく。SF要素と人間ドラマが融合した異色作。
ここがおすすめ!
SFの設定を背景に、極めてパーソナルなドラマを描いている点が『シグナル』と通じます。美しく静謐な映像と内省的な物語は、観る人の心に深く沁みます。派手さよりも“意味”を求める人にぴったりです。
エクス・マキナ(Ex Machina)
この映画を一言で表すと?
美しくも危険なAIとの心理ゲームが繰り広げられる知的SFスリラー。
どんな話?
若きプログラマーが、大富豪の研究所で女性型AIの実験に招かれる。完璧に見えるAI“エヴァ”と会話を重ねる中で、次第に真実が揺らぎ始める。美しさと恐怖が交錯する密室劇。
ここがおすすめ!
閉ざされた空間、限られた登場人物、そして観客の予想を裏切るラスト——『シグナル』同様、徐々に明らかになる真実にゾクッとさせられます。人間とテクノロジーの境界を問う、緊張感あふれる一作です。
アップグレード(Upgrade)
この映画を一言で表すと?
復讐と進化が交錯する、スタイリッシュでダークな近未来SFアクション。
どんな話?
愛する妻を殺され、自身も身体が不自由になった男が、最新AI“Stem”を体に埋め込まれたことで超人的な力を得る。だが次第にStemの存在は彼の意志を脅かし始める…。
ここがおすすめ!
『シグナル』のようなSF的設定を活かしつつ、アクションとスリルも楽しめる一本。人間と機械の境界をテーマに、倫理と自己認識が問われる点も共通しています。テンポも良く、見応え十分です。
ミスター・ノーバディ(Mr. Nobody)
この映画を一言で表すと?
人生は選択の連続——すべての「もしも」が交差する壮大な人生SF。
どんな話?
死を目前にした“最後の人類”が、自分の人生を語り始める。どの選択肢も“正しく”存在していたかもしれない無数の可能性が描かれ、観る者に「生き方」を問いかけてくる。
ここがおすすめ!
『シグナル』と同様、世界の仕組みや人間の意識の在り方に深く踏み込んだ哲学的SF。美しい映像と複雑な構成が魅力で、人生そのものに対する思索を楽しみたい方におすすめです。
メッセージ(Arrival)
この映画を一言で表すと?
言語と時間を巡る、新感覚の“静かな感動系SF”。
どんな話?
突如地球に現れた謎の宇宙船に、言語学者が派遣される。異星人の言語を解読する中で、彼女が経験する“時間の本質”とは何か…。観終わったあとに、再び最初から見たくなる構成。
ここがおすすめ!
『シグナル』のように、一見するとSFだが内実は非常に人間的で感情的な物語。しっとりとした雰囲気と、物語構造の巧妙さに圧倒されます。深い余韻に浸りたい人にはぜひ観てほしい一作です。
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