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映画『すずめの戸締まり』のネタバレ・あらすじ・考察・解説

この記事では、映画『すずめの戸締まり』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説し、この映画の疑問や謎をわかりやすく考察・解説しています。

映画『すずめの戸締まり』の作品情報


出典:U-NEXT

製作年 2022年
上映時間 121分
ジャンル アニメ
ヒューマンドラマ
アドベンチャー
監督 新海誠
キャスト 原菜乃華
松村北斗
深津絵里
染谷将太
製作国 日本

映画『すずめの戸締まり』の登場人物(キャスト)

岩戸鈴芽(原菜乃華)
本作品の主人公。優しく責任感が強い性格。4歳の頃に母親を亡くす。脚が一本欠けている椅子(母の形見)を大切にしている。
宗像草太(松村北斗)
「閉じ師」として日本各地の扉を閉める為に旅をしている青年。家業である閉じ師とは別に、父に憧れて教師を目指している。寝相と寝起きは悪い。
ダイジン(山根アン)
人間の言葉を話す白い子猫の姿をした神獣。扉が存在する場所に現れては鈴芽たちを翻弄する。街の人々から「ダイジン」と名付けられる。
岩戸環(深津絵里)
漁協で働く鈴芽の叔母で椿芽の妹。母親を亡くした鈴芽を引取り育て上げるが、非常に過保護な一面があり、鈴芽には反発されている。
芹澤朋也(神木隆之介)
草太の友人。愛車は赤色のアルファロメオ・ジュリア似のコンバーチブル。口は悪いが、草太を心配するなど友達思いな性格。喫煙者。

映画『すずめの戸締まり』のネタバレ・あらすじ(起承転結)

映画『すずめの戸締まり』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『すずめの戸締まり』のあらすじ【起】

岩戸鈴芽は幼い頃に母親を探すために彷徨い、歩いていた。広い草原のような場所で女性に声をかけられる。

高校生になった鈴芽は同じ夢から覚め、廃墟の場所を尋ねられた青年に教える。どこか見覚えのある青年の雰囲気に気付いた鈴芽は彼を追いかけ、廃村の中で「扉」を見つける。鈴芽は、扉の中に足を踏み入れても通り抜けられず、扉の反対側にあった石を抜いてしまう。その直後に地震が発生し、鈴芽は青年と協力して扉を締める。

青年は草太という名で「閉じ師」として活動しており、「後ろ戸」を封印するために全国を回っていることを明かす。鈴芽が解放した「カナメ石」が原因で震災が発生したことが分かり、猫の姿をしたカナメ石が逃走してしまう。青年は猫を追いかけようとするのだが椅子の姿に変身させられてしまい、代わりに鈴芽は猫を追いかけるために家を飛び出し、愛媛県行きのフェリーに乗り込んでいく。

映画『すずめの戸締まり』のあらすじ【承】

猫を見失った鈴芽と草太は愛媛県に到着し、「カナメ石」が化けた猫がSNSで「ダイジン」として人気を集めていることを知る。

草太は家に戻るよう鈴芽に促すが、鈴芽はダイジンを捕まえるまで同行することを約束する。二人はSNSでダイジンの位置を確認し、廃校となった学校の校舎が「後ろ戸」になっていることに気づく。鈴芽が「後ろ戸」を閉めて鍵をかける。旅の途中で出会った民宿の千果の好意で泊めてもらうことになる。その際に過保護気味の母親の環からの連絡を鈴芽は無視していた。

翌日、ダイジンが明石海峡大橋で見つかり、鈴芽は神戸に向かうことを決める。ヒッチハイクで神戸に向かう鈴芽は、スナックを経営するルミに案内され、スナックの裏方の仕事を手伝う。そこにダイジンが現れ、鈴芽と草太は追跡し、遊園地に到着する。観覧車の「後ろ戸」から巨大な「ミミズ」が出現する。鈴芽が危険な状態であることに気づいた草太は、
鈴芽を助ける。草太は「後ろ戸」の向こう側は死者の世界であり、「現し世」の人間は入れないと説明する。

映画『すずめの戸締まり』のあらすじ【転】

翌日、SNSの情報でダイジンが東京にいることを知った鈴芽は東京に向かう。草太の提案で草太の住んでいたアパートに入り、「閉じ師」の資料を見る。この世には2つの「カナメ石」があること、もう1つの「カナメ石」が東京のどこかにあることを知る。

草太の友人の芹澤が部屋に現れた直後に、鈴芽は巨大な「ミミズ」を目撃する。鈴芽と草太は「ミミズ」のもとへ向かうが、地下道から空へと舞い上がる「ミミズ」に捕まった草太はダイジンを捕まえるように言うが、ダイジンは「自分にはできない」と繰り返す。草太は自身が「カナメ石」の役割を引き継いでしまったことに気づき、結晶化してしまう。

鈴芽はダイジンに草太を元に戻すように訴えるが、ダイジンは草太を「ミミズ」に突き刺さなければ巨大な「ミミズ」が落下し、多くの犠牲者が出ると言う。鈴芽は泣きながら草太を「ミミズ」へと突き刺し、その結果「ミミズ」は消滅する。

映画『すずめの戸締まり』の結末・ラスト(ネタバレ)

鈴芽を探す芹澤に呼び止められた鈴芽。そこへ銀行口座の引き出し先を調べ、東京に来た環に見つかり、3人で故郷の宮城へ向かうことになった。ダイジンも車に乗り込み、片道7時間の旅が始まる。鈴芽は幼い頃に母を失い、叔母である環に引き取られたが、独身の環の時間を奪っていることに罪悪感を覚えていた。

実家にたどり着いた鈴芽は、日記を見つけ、その日記を頼りに「常世」へ向かう。そこでダイジンから感謝の言葉を受け取った後、草太を救出することに成功する。ダイジンの協力を得て草太を引き抜いた鈴芽は、自らが「カナメ石」となり、「ミミズ」を消滅させる。

終わりが訪れ、鈴芽は幼少期の自分に会い、彼女に「椅子」を手渡す。鈴芽と草太が「現し世」へ戻る。その後鈴芽は母と同じ看護師を目指しながら徐々に日常を取り戻す。ある日、登校途中に草太と再会し、「おかえり」と声をかけた。

映画『すずめの戸締まり』の考察・解説(ネタバレ)

映画『すずめの戸締まり』の疑問や謎をわかりやすく考察・解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『すずめの戸締まり』は東日本大震災をテーマに作られた作品なのか?

『すずめの戸締まり』は、直接的に東日本大震災を描いた作品ではありませんが、その影響を色濃く反映していると言えるでしょう。物語の中で、すずめが旅を通して「扉」を閉じることが重要なモチーフとなっています。この扉は、災害や不安定な状況の象徴であり、作中では大地震や天変地異と関連づけられています。

監督の新海誠は、東日本大震災が日本社会と人々の心に与えた影響について深く考察しており、その体験が作品に反映されているのです。作中で描かれる災害のシーンや、人々が災害に立ち向かう姿勢には、震災後の日本社会が抱えた苦痛や不安、そして再生への希望が込められています。また、すずめが旅を通して失ったものと向き合う姿は、震災で大切なものを失った人々の感情に通じる部分があり、共感を呼ぶ要素となっています。

つまり、『すずめの戸締まり』は東日本大震災そのものを描いた作品ではありませんが、その影響を強く感じさせるテーマやメッセージが織り込まれているのです。

映画『すずめの戸締まり』は何を伝えたい作品なのか考察

『すずめの戸締まり』は、災害と向き合い、失われたものや過去を癒し、再生するというテーマを通して、多くのメッセージを伝えようとしている作品です。物語の中で、すずめが扉を閉じる役割を担うことは、自分の過去や心の傷と向き合い、次のステージへ進むための象徴的な行動なのです。この「戸締まり」という行為は、過去を受け入れ、未来へ歩み出すために必要な過程を表しています。

また、この映画は自然の力と人間の無力さ、そしてそれに立ち向かう希望の持ち方についても語りかけています。災害によって失ったものを取り戻すことは難しいかもしれませんが、すずめの旅は、どんな困難な状況でも前に進む力を見出すことができるというメッセージを届けているのです。

さらに、映画全体を通して描かれる家族や人との絆の大切さも重要なテーマとなっています。すずめの成長や彼女が出会う人々とのつながりは、災害の中でも互いに支え合う力や共感の重要性を強調しており、観客にとっても考えさせられる部分となっているのです。

映画『すずめの戸締まり』で、ダイジンの正体は一体何だったのか?

ダイジンは、『すずめの戸締まり』の中で謎に包まれた存在として登場します。彼は小さな白い猫の姿をしており、すずめに対して「椅子の男」こと宗介を石に変えてしまうなど、彼女の旅に大きな影響を与える存在なのです。しかし、物語が進むにつれて、ダイジンの役割や正体が明らかになっていきます。

ダイジンは、災害を引き起こす力を封じ込める役割を持つ「神」の一種であり、扉を閉じるための存在として古くから存在していました。彼は扉を守り、そこから漏れ出す災害のエネルギーを封じる役目を担っていましたが、自らその役割を放棄し、すずめの世界に姿を現したのです。その理由は、彼自身が「人間のように愛されたい」という欲望を抱いたからなのでした。

ダイジンは非常に人間的な欲望を持っており、それが彼の行動の原動力となっています。彼は災害を封じる神としての役割を果たしてきましたが、もっと自由で愛される存在でありたいという願望が、すずめたちの旅に混乱をもたらすことになったのです。

映画『すずめの戸締まり』で、ダイジンがかわいそうと言われる理由とは?

ダイジンが「かわいそう」と言われるのは、彼が自分の役割に縛られた存在であり、自由を求めて行動していたからです。ダイジンは本来、扉を閉じ、災害を封じ込める役割を持つ「神」としての責務を負っています。しかし、彼自身はその役割から解放され、人間のように自由に愛されたいという願望を抱いていたのです。

映画の中で、ダイジンは自らの役割を放棄し、すずめと関わることでその願いを果たそうとしますが、結果的には彼の行動が災害を引き起こす原因となってしまいます。このように、ダイジンは自身の願望と役割の間で板挟みになり、苦しんでいるのです。その姿が観客に「かわいそう」と感じさせるのでしょう。

また、彼が願った「愛されたい」という気持ちは、非常に純粋で人間らしい感情です。にもかかわらず、その願望が悲劇を招く結果になってしまったため、彼の立場や境遇に対して同情する声が多いのです。

映画『すずめの戸締まり』のサダイジンの正体や目的を考察

サダイジンは、映画の終盤に登場するもう一つの重要な存在であり、ダイジンと対をなすキャラクターです。彼は黒い猫の姿をしており、物語が進むにつれてすずめや宗介に敵対的な役割を果たす存在として描かれています。

サダイジンの正体は、ダイジンと同様に、災害を封じ込めるための「神」としての役割を持つ存在なのです。しかし、サダイジンはその役割を非常に厳格に守り続けており、ダイジンが自由を求めたのとは対照的に、災害を封じるために冷徹な態度をとります。彼の目的は一貫しており、災害を引き起こす存在を封印し、人間の世界を守ることなのです。

サダイジンの登場は、ダイジンが放棄した役割を補完するためであり、彼はダイジンの自由を追求する行動に対して強い反発を示します。最終的に、すずめや宗介との対立を通じて、災害を防ぐための重要な役割を果たしつつ、ダイジンの意思を受け入れる形で物語は解決へと向かうのです。

映画『すずめの戸締まり』で、なぜ東日本大震災は起きたのか?

映画の中で東日本大震災の具体的な原因については明確に描かれていませんが、物語のテーマや設定を考慮すると、自然の力が人間の手に負えないものであることを強調しようとしていると考えられます。作中の災害や異変は、扉が開き、そこから「ミミズ」と呼ばれる巨大なエネルギーが溢れ出すことで引き起こされるのです。これは、自然災害の象徴であり、人間には制御できない大きな力の表現なのでしょう。

映画の中で、すずめたちが扉を閉じることで災害を防ぐ役割を担いますが、これもまた自然災害の脅威を象徴しており、東日本大震災も同様に、人間がその影響を完全に避けることができないものとして描かれています。

このように、映画は災害がなぜ起こるのかという科学的な説明よりも、自然の力に対する人間の無力さや、災害とどう向き合うべきかをテーマにしているのです。

映画『すずめの戸締まり』に出てくる震災トラウマシーンとは?

『すずめの戸締まり』には、東日本大震災に関連するシーンが描かれており、それがトラウマシーンとして観客に強い印象を与えています。特に、すずめが過去に遭遇した震災の記憶を思い出す場面は、彼女にとっても非常に辛いものであり、観客にとっても感情的に響くシーンなのです。

震災が発生する瞬間や、その後の混乱、瓦礫の中での人々の様子などが描かれ、当時の日本における災害の記憶を呼び起こすものとなっています。また、すずめが幼少期に母親を亡くしたという過去が明らかになると、それが彼女の深いトラウマとなっていることが理解できます。

このようなシーンは、震災を経験した人々にとって特に重く感じられる部分であり、映画全体のテーマと深く結びついているのです。

映画『すずめの戸締まり』は、なぜ「不愉快」と言われるのか

『すずめの戸締まり』が「不愉快」と感じられる理由の一つに、震災や災害をテーマに扱っていることが挙げられます。特に東日本大震災を経験した人々にとっては、当時の記憶が鮮明に蘇るような描写があり、その重さが不愉快に感じられることがあるのです。災害に向き合う物語は感情的な負担が大きく、エンターテイメントとして楽しむのが難しいと感じる人もいるかもしれません。

また、映画の中で描かれるキャラクターたちの行動や展開に対して違和感を覚える人もいます。特にダイジンの行動が唐突に感じられたり、すずめの旅が非現実的に展開される点が批判されることがあります。さらに、映画全体のトーンが不安定で、笑いとシリアスな要素が入り混じっているため、統一感に欠けると感じる観客もいるのでしょう。

こうした点から、特定の観客にとっては「不愉快」と感じられる要素があるのです。

映画『すずめの戸締まり』で、すずめが嫌いと言われる理由とは?

すずめというキャラクターが嫌われる理由の一つとして、彼女の行動が時折衝動的で自己中心的に見えることが挙げられます。物語の中ですずめは、特に冒険を通じて成長していくキャラクターとして描かれていますが、彼女の判断や行動が他人に迷惑をかけたり、周囲の状況を悪化させてしまう場面があるのです。

また、すずめのキャラクターは感情的に不安定な部分があり、観客の中には共感しづらいと感じる人もいるかもしれません。例えば、彼女が扉を閉じるという使命を抱えつつも、その理由や目的をしっかり理解していないまま行動してしまうため、彼女の行動が軽率に見えることがあります。

さらに、すずめの恋愛要素や家族に対する態度が、特定の観客にとっては不自然に映ることもあるでしょう。これらの点が、すずめに対する否定的な感情を引き起こしているのです。

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