映画『ティンカー・ベル』の概要:後にピーター・パンとも深く関わってくる妖精ティンカー・ベルの、知られざる背景を描くCGアニメ。ネバーランドにある妖精の谷、ピクシー・ホロウで誕生したティンカー・ベルが、ものづくりの才能を開花させるまでを描く。ティンカー・ベル4部作の第1弾。
映画『ティンカー・ベル』の作品情報
上映時間:79分
ジャンル:アニメ、ファンタジー
監督:ブラッドリー・レイモンド
キャスト:メイ・ホイットマン、クリスティン・チェノウェス、レイヴン・シモーネ、ルーシー・リュー etc
映画『ティンカー・ベル』の登場人物(キャスト)
- ティンカー・ベル(メイ・ホイットマン)
- 人間の赤ちゃんの初めての笑顔を起源とし、ピクシー・ホロウで誕生した妖精。通称「ティンク」。ものづくりの才能に恵まれるが、本人はその才能より、メインランドに行くことのできる、自然を担当する才能を望む。
- ロゼッタ(クリスティン・チェノウェス)
- 植物を育てる妖精。ティンクが自然を担当する才能を身に着けることを快く思わず、ものづくりの才能を伸ばすことを提案する。
- イリデッサ(レイヴン・シモーネ)
- 光を操る妖精。頑固で慎重すぎるところもあるが、友だち思いで、ティンクの訓練を手伝う。
- シルバーミスト(ルーシー・リュー)
- 水を操る妖精。陽気で楽天家、他人の意見に左右されるところもある。
- フォーン(アメリカ・フェレーラ)
- 動物を育てる妖精。ひな鳥に飛び方を教える方法をティンクに訓練する。
- フェアリーメアリー(ジェーン・ホロックス)
- ものづくりの妖精のリーダー的存在。いつもそろばんを手に、春の準備をしている妖精たちに道具を届ける納期を管理している。
- テレンス(ジェシー・マッカートニー)
- 妖精の粉の番人。ティンクのものづくりへの情熱を目覚めさせる。
- クランク(ジェフ・ベネット)
- 体格がいいが、優しいものづくりの妖精。ボブルといつもコンビを組んでおり、ボブルが何かを言い出すと、いつも同じことを言ってボブルの発言を遮る。
- ボブル(ロブ・ポールセン)
- 水滴のメガネをかけた、ものづくりの妖精。ボブルは通称で、もっと長い名前を持っている。
- ヴィディア(パメラ・アドロン)
- 風を操り、風のように早く飛ぶことのできる妖精。しかし、自分の才能を鼻にかけ、他の妖精たちを見下すような態度をとっている。
- クラリオン女王(アンジェリカ・ヒューストン)
- ピクシー・ホロウの女王。厳しさと優しさを兼ね備え、ティンクの成長を見守る。
映画『ティンカー・ベル』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ティンカー・ベル』のあらすじ【起】
雪のロンドン。
ナレーションが流れる。
「自然はなぜこれほど美しいのでしょう?
季節が変わるたび、誰が景色を変えるのでしょう?
誰が生き物たちに、飛び方や、歩き方や、泳ぎ方を教えているのかしら?
こんなに小さいものを誰が作るのでしょう?
よーく見ればわかるかもしれません。
妖精たちがいるはずです。
ほーら、探してみて。
そして、赤ちゃんが初めて笑うとき、妖精が生まれるのです。」
赤ちゃんの笑顔がはじけて、タンポポの一片が、ネバーランドにある妖精の谷「ピクシー・ホロウ」に飛んでくる。
妖精の粉の番人テレンスが、そのタンポポに光の粉を振りかけると、そこから女の子の妖精が生まれた。妖精はティンカー・ベル、通称「ティンク」と呼ばれた。
妖精には、動物や植物を育てたり、光や風を集めたり、水を操るといったさまざまな才能があり、新しく生まれた妖精は、そのうちの1つを選ぶ。ピクシー・ホロウの女王に促され、ティンカー・ベルが自分の才能がどれか迷っていると、「ものづくり」の才能の象徴である石の槌が光り輝いた。
ティンクの才能はものづくりでありことがわかり、同じものづくりの妖精であるクランクとボブルを紹介される。2人はティンクを連れて飛び立ち、ピクシー・ホロウには四季のすべてがあると説明する。そして今は、春の準備の真っ最中だった。
ティンクはものづくりの仲間が住む町にたどり着き、そこでものづくりの妖精たちと一緒に暮らすようになる。
映画『ティンカー・ベル』のあらすじ【承】
ものづくりの妖精たちは、春の準備をする妖精たちに道具を作って届けるため、大忙しだった。それらの道具で春の準備をした妖精たちは、それを人間の世界である「メインランド」に持っていって、そこを春に変える役割を担っていた。
フェアリーメアリーにお尻を叩かれて、クランクとボブルは道具を妖精たちに届けにいくことになり、ティンクもそれについていった。
途中、暴走する走りアザミと遭遇し、ティンクたちは荷車ごと吹っ飛ばされてしまう。しかし、飛ばされたその先で、ティンクは植物や動物、水など、自然を担当する妖精たちと出会い、仲良しになる。
さらにティンクは、風を扱う妖精ヴィディアと出会う。しかし、自分の才能を鼻にかけているヴィディアから、ティンクはものづくりの仕事を馬鹿にされる。ティンクは、メインランドに春を届けるときに、ものづくりの仕事がいかに大事かを証明すると言うが、ヴィディアはそれを聞いて冷ややかな笑いを浮かべた。
映画『ティンカー・ベル』のあらすじ【転】
他の妖精からメインランドの話を聞くたびに、ティンクはメインランドへ行くことへの思いを強くしていた。しかし、春の準備を視察に来た女王から、ものづくりの妖精はメインランドに行くことができないのだと聞き、落胆する。
ティンクは、ものづくりへの情熱をすっかり失ってしまい、代わりにメインランドへ行くため、「自分の才能を変える」ということを思いつく。そして、自然を担当する妖精たちに、そのための訓練を頼んだ。
しかし、水や光を操る方法も、動物を育てる方法も、まったくうまくいかなかった。そんなとき、ティンクは、メインランドから流れ着いた、壊れたオルゴールを見つける。ティンクは一目見ただけで、そのオルゴールを直してしまう。
それを見ていた自然の妖精たちは、そんな素晴らしいものづくりの才能があるのだから、それを活かすべきだと言う。しかし、メインランドに行きたいティンクは、ものづくりの才能より、メインランドに行ける自然担当の妖精にどうしてもなりたくて、ロゼッタに植物を育てる訓練を頼む。しかしロゼッタは、その依頼を拒む。
メインランドへの思いを諦めきれないティンクは、最後の手段として、ヴィディアに風を操る方法を教えてくれないかと相談する。そこでヴィディアは、植物を育てるようになりたいなら、走りアザミを捕まえればいい、と嘘をつく。
ヴィディアの言葉を真に受けたティンクは、走りアザミを捕らえるために罠を仕掛ける。しかし失敗して、たくさんの走りアザミが暴走し、町の中を走り抜けて、妖精たちが苦労して完成させようとしていた春の準備を台無しにしてしまった。
フェアリーメアリーの試算では、今から準備をやり直しても、メインランドに春を届けるのは不可能ということがわかった。春が届けなければメインランドに夏も秋も冬も来ないという大変なことになってしまう。氷河期以来の危機を迎えることになった。
自分の失敗の責任の重さを痛感し、ティンクはピクシー・ホロウを出て行こうと考える。旅に出るために、妖精の粉をもらいに行ったティンクは、テレンスから声をかけられる。
「自分はただの粉の番人だ」と言うテレンスに、ティンクは、粉の番人がいかに大事な仕事であるかを話し、誇りを持つべきだと彼を励ます。しかし、テレンスは自分の仕事を蔑んでいるわけではなく、逆に「自分の仕事に誇りを持っているよ」と答えた。
映画『ティンカー・ベル』の結末・ラスト(ネタバレ)
テレンスの言葉で、ティンクはものづくりの仕事に対するプライドを再び取り戻す。そして、フェアリーメアリーに片付けられてしまった「迷いもの(メインランドから流れ着いたガラクタ)」を集めて、春の準備を効率的にできる、新しい道具を次々と開発する。
ティンクの作った道具と、他の妖精たち協力で、春の準備の遅れは挽回され、期限までに間に合わせることができるようになった。
ティンクは女王から、修理したオルゴールをメインランドの落とし主に届けるよう命令される。本来ならメインランドに行くことのできないものづくりの妖精が、ついにメインランドに行くことができるようになったのだ。
妖精たちは、メインランドに行き、そこを次々に春の模様に塗り替えていった。ティンクは、1人でオルゴールの落とし主を探し、ついに落とし主の女の子を探し当てる。女の子の名はウェンディといった。このウェンディは、やがてティンクの将来に大きな影響を与えることになる。
映画『ティンカー・ベル』の感想・評価・レビュー
与えられた仕事に満足できずに、色々と可能性を試してみたい気持ち、わかる気がしますが、結局は自分が言った「仕事に誇りを持って」がティンカーベル自信にも当てはまっていたのですね。メインランドに憧れたり、今の仕事とは別の才能を探したり、向上心の高い子だと思いました。
ティンクの道具で一気に作業が進むようになる前の、春の準備でテントウムシ1匹ずつに色を塗っているところがのんびりムードで好きです。本来なら、ゆっくり準備するものですね。(女性 40代)
自分の才能を理解しつつも、発揮しないまま欲望だけを見つめてしまったティンクの気持ちがとても理解でき、むずむずした感覚になった。様々な妖精達の仕事内容や、仕事に対するプライドなどを目の当たりにし、自分の持っている力を発揮していくティンクの姿に、誇らしい気持ちにもなった。今何ができるのか、また自分に向いている仕事ができる喜びなどを考えさせられ、とても可愛らしい演出やキャラクターだったが、内容のある映画だと感じた。(女性 20代)
意外と誰も知らなかったティンカーベルが住む世界を描いた作品。妖精の住む世界や、その中での生き方など、夢のような世界が繰り広げられる。特に何か大きな流れがあるような内容ではないので、79分間どっぷりと妖精の世界に入り込めるので、好きな人は非常に楽しめる作品だと思う。こういった映画は、メインキャラクターではないキャラクターの背景を知る事で、本編がより楽しめるという理由で観ておくのが一番しっくり来るような気がする。(男性 30代)
ピーターパンの相棒、ティンカーベルのお話しです。どうやって妖精が産まれてくるのか。妖精にはそれぞれ役割がある事。ティンカーベルが産まれて、仲間と一緒に沢山のことにチャレンジする姿は観ていて勇気をもらえます。
妖精の国はとても綺麗で、非現実の世界に連れて行ってくれます。親子で観てティンカーベルの勇気と純粋さは子供にいい影響を与えるでしょう。(女性 30代)
ディズニーらしい独特の世界観が魅力的な作品。しかし期待よりもストーリーが作り込まれておらず、少しがっかり感が残ってしまった。
ディズニーならではの雰囲気は最高級であり、ストーリーをあまり重視しない子供にとっては大喜びな作品だと思う。しかし大人が見るにはどうだろうか。時間も80分ほどと短く、ここからどう盛り上げるのだろうと思っているうちに終わってしまったような印象である。あまり期待してみない方が良いと個人的には思う。(男性 20代)
ピーターパンに出てくるティンカー・ベルをメインにしたストーリーに興味をそそられて鑑賞。ストーリー自体は特にひねっているわけでもなく「自分の才能を伸ばしていこう」という、子ども向けの作品として良い内容だった。妖精たちが四季を運んでいるというのも、子ども受けがいいと思う。
映像自体もカラフルで、観ていて楽しくなる。ディズニーらしい世界観で、ティンクのまっすぐさは観ていて気持ちがいい。
大人が観るには少々物足りなさを感じたが、親子で観るにはちょうどよいと思う。(女性 20代)
ティンカー・ベルの名前も姿ももちろん知っていたが、彼女がどんな存在なのか、そう言えば詳しく知らないなと思った。彼女の生い立ちや仲間の存在を知ることができるので、とても興味深い作品だった。妖精と一口に言っても皆姿形や性格がバラバラで、見ていてとてもおもしろかった。
妖精達がキラキラとした光を放ちながら飛ぶ様子はとても綺麗で、大人でも感動する。子供はきっと夢中になって楽しむのではないだろうか。可愛らしく、とても素敵な作品だった。(女性 30代)
ティンカー・ベルを主人公にした今作。『ピーターパン』では脇役的な存在だった妖精のティンクですが、彼女たちが暮らす世界はこんなにも華やかで色鮮やかでキラキラしているのだと素敵な気持ちにさせてくれました。
映像としてはとても美しくて色鮮やかですが、ティンクの葛藤や心のモヤモヤは私たちの仕事や生活にも通じるものがあり、思わず共感してしまいました。
大人も子供も一緒に楽しめる作品で、時間も短めなのでシリーズを続けて見るのもオススメです。(女性 30代)
みんなの感想・レビュー
ディズニーの商魂たくましい姿をまざまざと見せつけられてしまいました。人気キャラクターのオムニバスを作れば儲かるんじゃね?という魂胆だろう!つまらなくはないけど、脚本に時間かければもっと面白くなったような気がします。本作で儲けた金をしっかり活かしているのであれば問題無いですけど、ディズニーランドの補修に使ってたら怒るぞ!とはいえ、ティンカーベル好きにはたまらない80分なのでしょうし、お伽話ですから、あまり文句は言えませんね。
ところで、ディズニーは片手間でこのレベルのアニメーションを制作してしまうんだなぁと思うと、ぞっとします。ジブリ美術館で上映されている短編アニメも凄いけど、3Dだとかかる手間が段違いでしょう。資本の力って凄いなあ。
①可愛らしいお伽話
アメリカではOVAとして販売された本作ですが、日本では劇場公開されました。なんでやねん!商魂たくましいディズニーらしい……。
話はお伽話みたいな話で、状況を打開するためには自らの才能を活かすことが必要ですよ、というのがテーマらしいです。ターゲットが子供だけのアニメですから、いいんじゃないですか。正直、別の要素も欲しいですけどね。本作の脚本家はクレジットされていなかったので、文句をいう相手がわからないのが残念。
これまで「ピーターパンに出てくるウザい妖精」だと思っていたティンカーベルの仕事や運命を知ることができたという点では観て良かったです。もの作りの妖精は人間界に行けないという理由がいまいちよくわからないのも残念ですが、お伽話に文句をいうのはあまりいいことではありませんからね。良しとしましょう。
②アニメーションが凄い
本作のアニメはOVA作品としてはかなりレベルが高いんじゃないでしょうか。3DのOVAなんて観たことがないから比べられないけど、ディズニーの長編アニメとあまり変わりませんでした。2Dアニメに慣れている私は未だに戸惑うことが多い3Dアニメですが、妖精の羽のはばたきは観ていて楽しかったですね。良質なアニメーションは、絵の動きだけで観客を喜ばせてくれます。という点で、本作は良質なアニメといえる……いや、ディズニーだから当然なのかもしれないです。普通のディズニー作品ということにしておきましょう。