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映画『RUBIKON ルビコン』のネタバレあらすじ結末と感想

この記事では、映画『RUBIKON ルビコン』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『RUBIKON ルビコン』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『RUBIKON ルビコン』の結末までのストーリー
  • 『RUBIKON ルビコン』を見た感想・レビュー
  • 『RUBIKON ルビコン』を見た人におすすめの映画5選

映画『RUBIKON ルビコン』の作品情報


出典:https://video.unext.jp/title/SID0073084

製作年 2022年
上映時間 109分
ジャンル SF
監督 マグダレナ・ラウリッチ
キャスト ユリア・フランツ・リヒタ
ジョージ・ブラグデン
マーク・イヴァニール
コンスタンチン・フロロフ
製作国 オーストリア

映画『RUBIKON ルビコン』の登場人物(キャスト)

ハンナ・ワグナー司令官(ユリア・フランツ・リヒター)
ナイブラ社から宇宙ステーション「ルビコン」へ派遣された兵士。ショートヘアでしっかり者の女性。宇宙船の操縦や船外作業などを器用にこなす。以前から借金の返済のためハードなミッションを続けてきた。クルイロフからはスパイだと思われている。地球に妹のクノップがいる。
ギャヴィン・アボット博士(ジョージ・ブラグデン)
科学者で重役の息子。ハンナと一緒にルビコンへ派遣される。環境活動家で、仲間を心配してこのミッションに参加した。怖がりだが人道主義者。ルビコンで境地に陥ったとき、ハンナと恋愛関係になる。
ディミトリ・クルイロフ博士(マーク・イヴァニール)
初老の男性。ナイブラ社と協定を結び、息子ダニーロたちとルビコンで藻による酸素供給システムを開発した。基本的に自分のことしか考えず、正義感の強い息子ダニーロといつも口論になる。息子と性格が似ているアボットに、親近感を抱くようになった。
ダニーロ・クルイロフ(コンスタンチン・フロロフ)
クルイロフ博士の息子。ルビコンの乗組員。気性は荒いが正義感が強く、藻のシステムを公共のものにしようと戦っている。金持ちの息子であるアボットを目の敵にし、何かと絡む。

映画『RUBIKON ルビコン』のネタバレあらすじ(起承転結)

映画『RUBIKON ルビコン』のストーリーをネタバレありの起承転結で解説しています。この先、結末までのネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『RUBIKON ルビコン』のあらすじ【起】

2056年、地球の酸素が不足し裕福層の人々はエアドームに住むようになった。そこに入れなかった市民は、巨大企業に支配されるようになる。環境問題を研究するナイブラ社は、宇宙ステーション「ルビコン」で科学者に酸素循環システムの研究をさせていた。

ルビコンにはクルイロフ博士やジェンソン司令官など、数名の職員が滞在していた。そこへ地球から、ハンナ・ワグナー司令官とアボット博士の乗るロケットが到着する。ルビコンには、クルイロフが開発した藻の酸素循環システムがあった。兵士であるハンナは用意された自室で、地球にいる妹のクノップと連絡を取る。

クルイロフの息子ダニーロは、金持ちの息子であるアボットに悪態をついた。ジェンソンやダニーロらは、翌日地球へ帰還する予定である。だが北半球で奇妙な霧が発生していると聞き、一同は顔色を変えた。

次の日予定通りダニーロたちは、サンプルの藻を持ってヴェスタ2で地球へ向かった。ナイブラ社と連絡を取ったハンナは、機密のイカロス計画を実行しろと命令される。ハンナが船内の藻を調べていると、クルイロフに注意された。

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映画『RUBIKON ルビコン』のあらすじ【承】

ダニーロらの乗るヴェスタ2から異常事態だと連絡が入る。地球の基地と連絡が取れないことで、ジェンソンは酷く動揺している様子だった。ハンナがヴェスタ2を救おうと、船外作業に入る。だがその努力も虚しくヴェスタ2は爆発した。

それ以来地球とも全く連絡が取れなくなった。地球は霧で覆われ、人類が無事かどうかも分からない。息子を亡くしたクルイロフは、ショックで自室に籠る。アボット、ハンナ、クルイロフの3人が船にとり残された。

科学者のアボットはあの霧が猛毒だと分かり、悲観的になって自殺を図った。医者でもあるクルイロフやハンナの救助により、アボットは一命を取りとめる。地球にいる妹を心配したハンナは、クルイロフの協力を得て古い無線を復旧させた。だが地球の基地とは繋がらない。

クルイロフは目を覚ましたアボットに、ルビコンには藻があるから自分たちは生き残れると説明した。だがそれには条件があり、藻から空気交換するには最低3人必要だった。

以前から密かに惹かれ合っていたハンナとアボットは、肉体関係を持った。ふたりはクルイロフとも打ち解け、3人で密造酒を飲んだ。

映画『RUBIKON ルビコン』のあらすじ【転】

地球にいるナイブラ本部の生存者エスターから、ルビコンに連絡があった。エスターの話では、地球の避難壕に300人ぐらい生存者がいるようだった。彼女は博士の開発した藻の循環システムのことを知っており、地球の酸素不足を訴える。それを聞いたアボットとハンナは、ヴェスタ1で地上まで降り人々に藻を届けようとクルイロフに提案する。だがクルイロフはこの無謀な計画に反対した。

ハンナは、妹が生きているのではと希望を持つ。だが船内の藻に異変が起こり、それがハンナの尿によるものだと分かった。ハンナはアボットとの子供を妊娠していたのだ。それでもハンナは考えを変えず、結局クルイロフも一緒に地球へ向かうことになった。

だがいざ出発となるとヴェスタ1の燃料タンクがオーバーヒートして、3人は爆発寸前のヴェスタからルビコンに戻る。アボットはこの事態を地上に連絡した際、イカロス計画について知った。

イカロス計画とは藻の循環システムごとラボへ入れて地球に向かうという、ナイブラ社の極秘ミッションだった。アボットはこの計画を隠していたハンナに腹を立て、ぜひ実行すべきだと主張する。

映画『RUBIKON ルビコン』の結末・ラスト(ネタバレ)

一方ハンナは、クルイロフがヴェスタ1をわざとオーバーヒートさせたのだと気づく。ハンナがこのことを言及すると、彼はイカロス計画を黙っていたハンナの気持ちを察し、子供が出来たから自分を守るのは当然だと言った。

アボットは、人々の救助を最優先に考えイカロス計画を実行しようとしていた。だがハンナは、ナイブラの社員が兵士を避難壕から追い出し自分らだけ生き残っているのだと知る。ハンナは兵士が駒扱いされたことに憤った。そして地球へは行かず、ここで子供を産んで育てようと思う。ハンナは理想だけを語るアボットを責めた。

アボットは、ハンナたちが地球に戻る気がないと察し自殺した。酸素を作るのに3人必要なら、自分が死んで2人になればハンナたちは地球へ行くだろうと思ったのだ。だが3人必要というのは、クルイロフがアボットの自殺防止のためについた嘘だった。クルイロフは嘆き悲しむ。

数年後ルビコンでは、幼い少女クノップがはしゃぎまわっている。結局ハンナはルビコンで子供を産み、クルイロフと育てていた。ある日クノップは地球の生存者の子供から、電波をキャッチする。

映画『RUBIKON ルビコン』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)

未来の地球が毒霧に覆われた世界で、宇宙ステーション「ルビコン」に残された3人のクルーが人類の未来を巡って葛藤するストーリーは重く、そして深い。特に地球との通信が回復し、生存者がいることが判明したあたりからの心理描写は緊迫感が増し、目が離せなかった。最後にハンナが妊娠していることがわかり、静かだが希望を感じさせるラストが印象的だった。(30代 男性)


人類の倫理を問うSFドラマとして非常に見応えがありました。藻類による循環型のエコシステムを維持しながら、クルーたちが“自分たちだけの楽園”を守るのか、地球に希望を届けるのかで揺れる様子が現代的でリアル。ディミトリが輸送に反対し続け、最終的に自己犠牲に至る展開には涙しました。地味だけど心に残る作品です。(40代 女性)


予想以上に静かで重厚なSF作品でした。アクションではなく心理戦が中心で、哲学的なテーマに挑戦している点が良かった。特に地球との再接触が判明してから、クルーの間に生じる微妙なズレと疑心はとてもリアルで、人間味を感じました。ラストで輸送船が爆発するシーンの虚無感が強く残りました。(20代 男性)


女性視点で見ると、主人公ハンナの決断がとても強く、感情移入しやすかったです。彼女が最初から理性的で、人類の未来に対して責任を感じていたところに感銘を受けました。対照的に、ギャヴィンとディミトリの意見が分かれる中、彼女のブレない判断が最後の希望につながったと感じます。静かに強い映画でした。(30代 女性)


地球が崩壊した後の世界という設定に引き込まれましたが、最も衝撃だったのは“ルビコンに残るか、地球に戻るか”という選択が、倫理や正義で語れない問題だった点。誰の判断も完全に正しくないという、答えのない問いに向き合うことになる映画でした。考えさせられるSFです。(50代 男性)


久しぶりに“静かなSF”を観ました。淡々とした会話と美しい宇宙の映像が心地よい反面、内面的な葛藤が描かれていて胸が苦しくなる展開でした。地球の人々を助けるか、自分たちだけの安全を守るかという選択は、今の世界にも通じる問題。エンタメというよりメッセージ性の強い映画でした。(60代 女性)


未来の閉塞感を見事に描いた作品。物語のテンポはゆっくりですが、その分クルー同士の関係性や心理描写が丁寧。特にギャヴィンが終盤で暴走し、自分の正義を押し通そうとする姿は怖くもあり、共感もできる複雑な感情になった。静かに重く、観る人を選ぶけど忘れられない映画です。(40代 男性)


あまり有名な作品ではなかったけど、予想以上に面白かったです。地球がダメになってる設定なのに、宇宙での生活が逆に閉鎖的で窮屈に見えるのが印象的でした。最後にディミトリが命をかけて輸送船を起動させようとするシーンが一番感動しました。若い人にも観てほしいタイプのSF。(20代 女性)


社会的テーマを背景にした映画としてはかなり良作。富裕層と企業が支配する地球と、自給自足の自由な空間「ルビコン」の対比が鮮やかで、現代社会の縮図のよう。ディミトリがなぜあれほど輸送に反対したか、観終わった後もずっと考えてしまった。倫理とは何かを問い直す映画。(50代 女性)


映像のトーンや世界観がとにかく好みでした。藻類で酸素と食料を自給するという発想も面白く、それを維持することと人類の未来とを天秤にかける構図が秀逸。特にラストの演出、妊娠したハンナの穏やかな表情には希望が見え、絶望の中の一筋の光を感じました。深く静かな名作。(10代 男性)

映画『RUBIKON ルビコン』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『RUBIKON ルビコン』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

ザ・サイレント・シー

この映画を一言で表すと?

人類の未来を賭けて、月面の廃墟に挑むSFミステリー。

どんな話?

深刻な水不足に見舞われた未来の地球。選ばれたチームが、月面基地から貴重な資源を回収する任務に就くが、そこで次々と謎の事故が発生する。月の闇に隠された国家的陰謀と、乗組員の心の闇が交錯するSFサスペンス。

ここがおすすめ!

緊張感ある展開と閉鎖空間での心理ドラマが魅力。美術や音楽も重厚で、物語のテーマに奥行きを与えている。『RUBIKON』同様、人間の選択と道徳、そしてサバイバル要素に惹かれる人にぴったりです。

ザ・プラットフォーム

この映画を一言で表すと?

上下階層の極限社会――あなたは何階に落ちるか。

どんな話?

縦に積み重なった監獄のような施設「ホール」。食事は上から下に順に届き、下層に行くほど生き残りが困難になる。この極限状況で、主人公は人間の倫理や希望を模索する。比喩に満ちた社会風刺系サバイバルスリラー。

ここがおすすめ!

究極のミニマル設定の中で、階層社会の現代批評が炸裂する知的スリラー。暴力と理性、欲望と倫理のぶつかり合いが痛烈。『RUBIKON』と同じく、「人は他者のために行動できるか」を問いかける良作。

サバイバル・オブ・ザ・デッド(IO)

この映画を一言で表すと?

滅びゆく地球で、希望を捨てないふたりの孤独な戦い。

どんな話?

地球の大気が汚染され、人類は宇宙へ移住。しかし科学者の娘サムは地球に残り、大気浄化の可能性を探る。そこへ、脱出を希望する男性が現れ、ふたりの価値観が交錯していく。静かで美しい終末SF。

ここがおすすめ!

極端な派手さはないが、繊細な心理描写とビジュアルの美しさが魅力。終末世界での希望の選び方が『RUBIKON』と共通しており、選択の重みと静かなエモーションに惹かれる人には強くおすすめ。

アド・アストラ

この映画を一言で表すと?

父を追い、宇宙の果てへ――静謐な宇宙叙事詩。

どんな話?

太陽系の彼方で起きている電磁波暴走の謎を解明するため、宇宙飛行士ロイが旅に出る。その先に待っていたのは、16年前に消息を絶った父の存在だった。科学と父子の愛が交錯する哲学的SF。

ここがおすすめ!

ブラッド・ピットの内省的な演技が光り、静かながら深い余韻を残す一本。『RUBIKON』のように、宇宙という孤独の中で人が何を信じるかを描いており、ゆっくりと心に染み入る感覚が魅力。

ハイ・ライフ

この映画を一言で表すと?

愛と暴力、そして生命――宇宙を漂う存在の本質を問う。

どんな話?

死刑囚たちを乗せた宇宙船がブラックホールに向かう中、科学実験と生命の再生をテーマに、乗組員の過去と現在が交錯する。孤独な男と赤ん坊の静かな交流が唯一の希望を照らす異色のSFドラマ。

ここがおすすめ!

難解さと詩的な美しさを併せ持ち、万人向けではないが強烈な印象を残す。『RUBIKON』同様、生存の倫理や生命の選択に真っ向から向き合う内容で、重厚なテーマに惹かれる人には響くはずです。

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ局の映画番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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