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映画『危険な関係(2012)』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『危険な関係(2012)』の概要:2012年製作の中国と韓国合作映画。18世紀の名文学作品、ゴルデロス・ド・ラクロによる小説をチャン・ツィーとチャン・ドンゴン共演で送る男女の危険な愛情を描いたラブサスペンス。

映画『危険な関係』の作品情報

危険な関係

製作年:2012年
上映時間:110分
ジャンル:ラブストーリー、サスペンス
監督:ホ・ジノ
キャスト:チャン・ツィイー、チャン・ドンゴン、セシリア・チャン、リサ・ルー etc

映画『危険な関係』の登場人物(キャスト)

イー・ファン(チャン・ドンゴン)
富裕層の男で根っからのプレイボーイ。女を女とも思わない男だが、唯一ジウには心を許している。
フェンユー(チャン・ツィー)
若くして夫を亡くした真面目な未亡人。ファンとは遠戚にあたる。
ジユ(セシリア・チャン)
女性実業家で権力の持ち主。ファンに気があるが敢えて冷たくクールを装っている。

映画『危険な関係』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『危険な関係(2012)』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『危険な関係』のあらすじ【起】

1931年の上海は、富裕層が金に物を言わせて道楽に明け暮れる時代だった。
上海中で噂になるほどのプレイボーイであるファンだったが、元彼女であるジユのことだけは未だに手に入れたいと真剣に思っている。
ジユはというと、最近付き合っていた大富豪の男ジンに振られ、しかもまだ16歳にしか満たない親戚の女の子と婚約したことを知り、何とか彼に復讐してやろうと考えていた。

あるパーティーに大叔母と遠戚の女性ファンユーと出席したファンは、そこでジユから頼み事をされる。
頼みとは、自分を振ったジンに復讐をすること。
ジンは処女好きであり、正真正銘の生娘を選んだのだがファンにその子を誘惑して欲しいというものだった。
ファンは自分のものにならない女に興味がある男で、その少女は獲物としてつまらないと1度断った。

しかもファンは一緒に来たファンユーに興味がある。
まるで自分には興味も無い様子だが、美しく知的だった。
彼はファンユーをかけて勝負しないかとジユに申し出る。
彼女が自分と寝れば自分の勝ち。
その後のジユの人生を自分にくれというものだった。
勝負を受けてたったジユは2人の行く末を見守ることにする。

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映画『危険な関係』のあらすじ【承】

まずファンが移した行動は、ファンユーが現在滞在している大叔母の邸宅に行くことであった。
そこでラブレターを渡したり、彼女の気を引くことを色々試してみる。
堅いファンユーは簡単には動じなかったが、次第にその横柄だが時折見せる優しさにファンの行動が気になるようになっていった。

一方でジンに復讐したいと願うジユは、若き婚約者である親戚の娘・バンバンに会いに家に出居りするようになる。
そこでジユに絵画を教えている美大の学生と、バンバンが恋仲になっていることに気がついた。
悪知恵の働くジユは、裸婦の肖像画を描かないと画家は売れないとバンバンに入れ知恵をする。
ファンにバンバンを犯すことを断られた今、調度良く現れた美大生に目を付けたのだった。

これを信じたバンバンは、ジユが仕組んだ罠にはまり愛する美大生に裸婦の肖像画を描かせることにした。
しかし本当に絵を描いただけで、2人の間に何も無かったと聞きがっかりする。
それならばと、ジユはバンバンの母親に電話をし、彼女が美大生の先生に裸婦の絵を描かせたことをばらす。
このことでバンバンの母親は激怒、またしてもジュはバンバンを彼から離すために大叔母の家に身を寄せさせることを提案する。

映画『危険な関係』のあらすじ【転】

大叔母の家に身を寄せたバンバンは、ジユを信じて疑わない。
しかし彼女は善人では無かった。
自分のことを口汚く罵ったバンバンの母親に怒りを覚えていたファンは、ジユに言われるがままバンバンを犯すことにする。
彼女はその後精神的にダメージを喰らってしまい、病院に入院することになった。

ファンはと言うと、ファンユーに心動かされていることに自分でも気がつき始めていた。
ある日自分が出したラブレターを大事に閉まっているのを知った彼は、ファンユーを追って庭に向かう。
そしてファンは、彼女にキスをする。
驚いた彼女だったが静かに受け入れた。

その後ファンユーは自宅に戻り、それを聞いたファンはショックを受ける。
そして彼女の自宅を訪ねたのだった。
その日以来、ファンは彼女の元を訪れ静かで平和な時間を過ごすようになる。
だがこれはジユを手に入れるための賭けだと言い聞かせる。

ファンは泥酔してジユの家に行くと、「今日は泊まる」と倒れ込んだ。
しかし、ジユの家には彼女の恋人が居た。
それはバンバンの絵の教師である美大生だった。
ファンはバンバンが入院したことを伝え、彼はそのまま去って行く。

夜中に寝てしまったファンは、寝言でファンユーの名を何度も口にした。
そのことを面白く思わなかったジユは、ファンユーを自分の家に呼びつける。
何も知らないで来たファンユーは、その場にファンがいることを疑問に思う。
ジユにファンユーのことをつつかれたファンは、ファンユーに別れを告げた。

映画『危険な関係』の結末・ラスト(ネタバレ)

どうして良いかわからず、途方にくれたファンユーは自殺を考える。
しかし死ねなかった。
一方でファンはジユにファンユーと別れたことを伝え、自分の女になれと言い寄る。
しかしジユは「本当に愛している女を自分に文句言われたくらいで別れるなんて勿体ない」と彼を突き放した。
そして賭けは自分の勝ちだと言った。
そのことに腹を立てたファンは、「お前を破滅させる」と宣言する。
ジユはやってみろと彼を挑発した。

ファンは本当に愛していたのはファンユーだと思い知らされ、彼女に会いに行こうとする。
しかしその途中、バンバンの絵の教師が突然ファンを銃で撃った。
彼はまたしてもジュにそそのかされ、自分の愛しているバンバンを取り返すため、婚約者のジンの元に向かったのだ。
そこでファンとの出来事を伝えると、ジンはバンバンを返す代わりに条件を出してきた。
それがファンを殺害することだった。

大怪我をしたまま、ファンユーの自宅に行く。
そしてドアを叩くが、ファンユーは出てこない。
彼女はドアの前に座り、声を殺していた。
ファンは自分の気持ちを正直に話し、去って行く。
ファンユーは急いでドアを開け、彼を探す。
すると彼は雪の中で血を流し、倒れていた。
ファンユーは彼を抱き、空に向かって大きな声で泣くことしか出来なかった。

映画『危険な関係』の感想・評価・レビュー

最初に書いてしまうと、けしてハッピーエンドではない。とても悲しい結末が待っているのだが、愛とは何かを考えさせられる映画である。展開自体は少し先読み出来そうな流れなのだが、因果応報の様なこの終わり方だからこそ意味があるのだろう。誰かを犠牲にして得るものは、必ず何かしらの報いを受けなければいけないのかもしれない。ジユが冷静な態度をとりつつも、実はファンが別の女性に対して気が向いている事に対して、嫉妬といえる感情を見せたシーンは、なんとも皮肉である。(男性 30代)


フランスの小説を元に作られた中国の映画。恋愛をまるでゲームのように楽しみ、人の感情を弄ぶかのような残酷さが滲み出る。感情はだんだんと変化していき、ゲームのように楽しむわけにはいかなくなっていった。愛や復讐の念が入り乱れていく、それぞれの複雑な思いが交差する。愛と苦しみが、切り離すことのできない感情のようにまとわりつく。とても重たい雰囲気の残る映画だ。人間の深い欲望が招く悲劇を、この映画で目の当たりにできるだろう。(女性 30代)


チャン・ツィイーとチャン・ドンゴン。美しすぎる2人が演じたのは、切なく悲しい愛の物語でした。
チャン・ドンゴン演じるファンは女遊びが大好きなモテ男。どんな女にも本気にはならず、ただ遊ぶだけのプレイボーイは彼だからこそ演じられたキャラクターでしょう。
彼が本気で「愛してしまった女」と彼のことを思い続け「翻弄させる女」。2人の女と1人の男の「歪んだ愛」の形に最後まで目が離せませんでした。(女性 30代)

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