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映画『パチンコ(2022)』のネタバレあらすじ結末と感想

この記事では、映画『パチンコ』のストーリー(あらすじ)をネタバレありで結末まで起承転結で分かりやすく簡単に解説していきます。

映画『パチンコ』の作品情報

製作年 2022年
上映時間 60分(全8話)
ジャンル ドラマ
監督 ジャスティン・チョン
キャスト ユン・ヨジョン
キム・ミンハ
イ・ミンホ
ジン・ハ
パク・ソヒ
製作国 アメリカ

映画『パチンコ』の登場人物(キャスト)

■ユン・ヨジョン(晩年のソンジャ役)
韓国映画界の至宝ともいえるユン・ヨジョンが、本作では晩年のソンジャを演じる。人生の荒波をくぐり抜けてきた老年の女性を、抑制の効いた表情と深みのある佇まいで静かに表現する姿は圧巻。彼女の演技は、言葉にしなくとも多くを語る。過去の記憶とともに今を生きる強さと哀しみを、圧倒的な説得力で体現している。

■キム・ミンハ(若き日のソンジャ役)
若きソンジャを演じるキム・ミンハは、本作で世界的に注目を浴びた新鋭。ハンスとの出会い、裏切り、そして日本への渡航という激動の運命の中で、少女から母へと変わっていく過程をリアルに演じ切る。素朴で純粋な一面と、内に秘めた覚悟が入り混じるその演技は、視聴者の胸にしっかりと残る強さを持っている。

■イ・ミンホ(コ・ハンス役)
韓国のトップスター、イ・ミンホが演じるのは、物語に大きな影を落とす実業家コ・ハンス。成功者としての威厳と、過去に負った傷を抱えた男としての哀愁を織り交ぜ、冷徹なだけではない多面的なキャラクターを作り上げている。登場するたびに張り詰めた空気を生み出し、その存在感で作品全体に緊張感をもたらしている。

■ジン・ハ(ソロモン役)
ソンジャの孫であり、現代パートの視点を担うソロモンを演じるのは、実力派俳優ジン・ハ。アメリカでの教育を受けたエリートでありながら、在日コリアンとしてのアイデンティティに苦悩し続ける姿を繊細に描く。表面的には成功者として映るが、家族との関係や社会での立ち位置に揺れるその内面を深く掘り下げた演技が光る。

■パク・ソヒ(モーザス役)
パク・ソヒが演じるのは、ソンジャの人生において欠かせない脇役的存在であるモーザス。彼の存在は一見目立たないようでいて、物語のなかで要所要所に登場し、時に救いとなり、時に警鐘を鳴らす役割を果たす。穏やかな雰囲気をまといながらも、登場シーンに漂う余韻の深さが印象に残る、静かな存在感を放つ人物。

映画『パチンコ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『パチンコ』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『パチンコ』のあらすじ【起】

物語は1910年代、まだ日本統治下にあった朝鮮・釜山の貧しい漁村から始まる。少女ソンジャは、言葉少なで芯のある両親のもと、素朴で慎ましい暮らしを送っていた。

ある日、港町で出会った裕福な実業家コ・ハンスと恋に落ち、短いながらも熱烈な関係にのめり込んでいく。しかし彼の正体は、日本で家庭を持つ既婚者だった。

妊娠という現実と向き合いながらも、ソンジャは関係を断ち切る。そんな彼女の境遇を静かに受け入れたのが、病を患う若き牧師イサクだった。イサクはソンジャに結婚を申し込み、ふたりは新しい生活を求めて日本へ渡る決断をする。ここから、家族の壮大な旅路が静かに始まっていく。

映画『パチンコ』のあらすじ【承】

日本に渡ったソンジャとイサクを待っていたのは、言葉の壁と、在日朝鮮人に対する激しい差別だった。大阪・鶴橋で親族のもとに身を寄せながらも、生活は苦しく、イサクはやがて政治的な活動の中で逮捕される。

ソンジャは夫を失い、やがてハンスの影が再び彼女の前に現れるが、彼女は毅然とした姿勢を崩さない。代わりに、家族を守るために自ら働き、子どもたちを育てる決意を固める。

やがて、ソンジャの息子たちは日本で生まれ育ち、「朝鮮人」としての烙印を押されながらも、自分たちの場所を探し続ける。過酷な時代の中でも、母の強さと優しさは変わらず、家族を一つに繋ぐ力として描かれていく。

映画『パチンコ』のあらすじ【転】

時代は1989年へと移る。舞台は東京、主人公はソンジャの孫・ソロモン。彼はアメリカで育ち、欧米的な価値観とビジネスセンスを身につけたエリートとして、日本の銀行で働いていた。

しかし、在日韓国人であるという“見えない壁”に日々直面していた。見た目は日本人と変わらずとも、名前や出自が彼に差別と偏見を突きつける。職場では表面上の成功と信頼を得ながらも、自らのルーツと社会の冷たさの狭間で、次第に葛藤を深めていく。

一方で、彼は祖母ソンジャとの再会を通じて、自らが生まれた背景にある歴史と、家族の犠牲を初めて真正面から見つめることになる。過去と現在が交差しながら、物語は新たな問いを投げかけ始める。

映画『パチンコ』の結末・ラスト(ネタバレ)

物語の終盤、ソンジャは晩年の静けさのなかで、かつての恋人ハンスと再会する。時は流れ、老いとともに過去の痛みも薄れつつあったが、心の奥底には、語り尽くせぬ重みが残っていた。

それでも彼女は、自分の選んだ道を後悔していないと語り、あらためて母として、妻として歩んだ人生を肯定する。一方ソロモンは、自らのキャリアや社会的な立場を一度手放し、家族の物語と真正面から向き合う覚悟を固める。

ルーツを知ることは痛みを伴うが、それこそが自分の存在を形づくる力になる――そう気づいたとき、彼は新たな一歩を踏み出す。『パチンコ』のラストは、苦しみの歴史の先に希望をつなぐ、静かで力強い余韻を残す。

映画『パチンコ』の感想・評価・レビュー

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映画『パチンコ』のネタバレあらすじ結末と感想まとめ

以上、映画『パチンコ』のネタバレあらすじ結末と感想について紹介しました。

4世代にわたって紡がれる、80年の歳月。映画『パチンコ』は、ひとつの家族を軸に、母の愛や、世代ごとに受け継がれていく記憶と歴史を丁寧に描いている作品です。国や言葉、時代が変わっても、決して消えない想いがそこにある――。

ジャスティン・チョン監督がこの作品を通して、視聴者に託したかったものとは何だったのか。見終えたあと、胸のどこかに残る感情が、それをそっと語っているのかもしれません。

映画『パチンコ』が描くハートフルな物語性が注目される中、コニベットのようなコンテンツにおいても、演出や世界観に物語性を取り入れたものが見られるようになっています。

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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