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映画『グランドフィナーレ』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『グランドフィナーレ』の概要:引退し、バカンスを過ごしていた世界的音楽家フレッドの元に、エリザベス女王から代表曲の指揮の依頼が舞い込む。フレッドは頑なに依頼を拒否するが、それにはある秘密が……。ラストの演奏シーンは圧巻。

映画『グランドフィナーレ』の作品情報

グランドフィナーレ

製作年:2015年
上映時間:124分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:パオロ・ソレンティーノ
キャスト:マイケル・ケイン、ハーヴェイ・カイテル、レイチェル・ワイズ、ポール・ダノ etc

映画『グランドフィナーレ』の登場人物(キャスト)

フレッド・バリンジャー(マイケル・ケイン)
作曲・指揮における世界的巨匠。引退し、アルプスの高級ホテルでバカンスを過ごしている。「シンプル・ソング」という曲が代表曲。
ミック・ボイル(ハーヴェイ・カイテル)
フレッドの古くからの親友でハリウッドの映画監督。ホテルで若いスタッフたちとともに、ブレンダ・モレル主演の新作映画の構想を練っている。
レナ・バリンジャー(レイチェル・ワイズ)
フレッドの娘。アシスタント的立場として、フレッドと一緒にホテルに滞在している。ミックの息子でもある夫のジュリアンに、突然別れを切り出される。
ジミー・ツリー(ポール・ダノ)
ホテルに滞在中の映画俳優。ロボットに扮した「ミスターQ」が代表作だが、「ミスターQ」の印象でしか人々に記憶されていないことにやりきれなさを感じている。
ブレンダ・モレル(ジェーン・フォンダ)
2度のオスカーに輝く大物女優。路上生活からミックの映画に出演し、現在の地位にまで登りつめた。

映画『グランドフィナーレ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『グランドフィナーレ』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『グランドフィナーレ』のあらすじ【起】

イギリスの世界的音楽家フレッド・バリンジャーは、引退して、セレブ御用達のアルプスの高級ホテルで余生を送っていた。そこへエリザベス女王の特使がバリンジャーを訪問してきた。エリザベス女王はフレッドに勲章を授与し、演奏会でフレッドの代表曲「シンプル・ソング」を是非指揮してもらいたいと言う。
しかしフレッドは、「あの曲は私的な理由でもう指揮しない」と断った。近くには、その様子を見つめる若い男がいる。

夜、フレッドは自分たちのやり取りを見つめていた若い男に話しかけられる。彼はジミー・ツリーという俳優で、「ミスターQ」という映画でロボットの役を演じ有名になった。しかしそのイメージが強すぎ、「ミスターQ」としてしか覚えられていないことにやりきれなさを感じていた。

フレッドは同じホテルに滞在している、映画監督で親友のミックに会いに行く。彼は若いスタッフたちとともに、ブレンダ・モレル主演の新作映画の構想を練っていた。

フレッドの娘のレナは夫(ミックの息子、ジュリアン)と旅行へ出る予定になっていた。自分が不在の間の健康維持プログラムを組んでくれている。フレッドは牛たちに向かって指揮をしていた。カウベルの音が音楽に聞こえてくる。

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映画『グランドフィナーレ』のあらすじ【承】

フレッドの部屋でレナが泣き崩れていた。ミックの息子がレナに離婚を切り出したのだ。ジュリアンがミックを訪ねるが、レナをふったことを責めるミックに「離婚の決意は変わらない」と言い捨てる。

レナは心変わりの原因がベッドでの相性だと知ってショックを受ける。フレッドはレナを慰めるが、何度も浮気をしていた父親に「気持ちはわかる」と言われて怒る。家庭を省みず音楽だけに打ち込んでいたフレッドを責め、そのせいでどれだけ母が傷ついていたかなじる。その夜、ホテルのレストランで、レナは美しく着飾って現れた。

フレッドは「シンプル・ソング」でバイオリンを練習している少年に出会う。フレッドがこの曲の作曲者だと信じない少年に、フレッドは「この曲は恋をしていた時に作ったんだ」と話す。

部屋に戻ると英王室の特使が待っていた。女王はどうしてもフレッドに指揮をしてもらいたがっている。だがフレッドは頑なにそれを拒否する。彼は誰にも話したことのなかった理由についてついに口にする。「シンプル・ソング」は妻メラニーために作った曲で、あの曲を歌えるのは妻だけだ、というものだった。だが妻はもう歌うことができない。それを聞いてレナは、フレッドの妻への愛を知り涙する。特使も非礼を詫び、その場を去った。

映画『グランドフィナーレ』のあらすじ【転】

ミックはブレンダのために新作の完成を急いでいた。ミックにとってブレンダは、自分が育て上げた女優で、映画になくてはならない存在なのだ。

プールにて。レナの魅力に男性たちは魅了される。その中の1人、登山家のルカが話しかけてくる。ルカは娘を背負ってボルダリングをし、その様子をレナは見つめていた。

ミス・ユニバースがトリスのファンだと言って話しかけてくる。しかし「ミスターQ」のファンだと言われて口げんかになった。傷ついていたジミーに、ルカの娘が「あなたを映画で見た」と話しかける。「ミスターQ」ではなく別の映画を見て感動したのだと言う彼女に、トリスは心をうたれる。ジミーは「無意味な恐怖に時間を費やすな」とホテルで出会った皆が教えてくれたと語る。彼は晴れ晴れとした様子だった。

ブレンダ・モレルがミックを訪ねてやってきた。ブレンダはTVドラマに出演するために映画を降りたいと告げに来たのだ。「あなたに借りはない、もうろくして良い映画を作れなくなった」と言い放つ。「映画がなくても人生は続くのよ」とも。ミックはそれでも、ブレンダ抜きだとしても映画を撮ろうとしていた。ジミーは「あなたは『女優を育てた監督』ではなく『名監督』なのだ」と元気づける。

映画『グランドフィナーレ』の結末・ラスト(ネタバレ)

代わりの女優を探そうとするミックの目の前に、さまざまな映画の役を演じるブレンダの幻が現れる。ミックはついに映画を撮ることを断念。映画が人生のすべてだったミックは、フレッドの目の前で、バルコニーから飛び降りた。飛行機で訃報を聞き、ブレンダはとりみだし泣き叫んでいた。

フレッドはストラヴィンスキーの墓参りをした後、妻のメラニーを訪ねた。恋に落ちた頃の思い出話をするフレッドは、「私たち自身がシンプル・ソングだ」と妻への想いを口にする。しかしメラニーは窓を見たまま反応がない。彼女は精神疾患を患っていたのだ。

コンサートホール。エリザベス女王が席に着く。指揮者として現れたのはフレッドだった。「シンプル・ソング」の演奏が始まる。

レナはルカともに旅をし、崖を上っていた。メラニーは窓を眺めながら、まるで歌うかのように口を動かしていた。

演奏が終わり、ホール内は音もなく、皆が余韻に浸っていた。フランクは客席に振り返る。

映画『グランドフィナーレ』の感想・評価・レビュー

リゾートホテルを舞台にしたオマージュ映画になっている。鑑賞後は年を取り老いていくということを考えさせられる内容だった。深いストーリーになっているので、好き嫌いが分かれると思った。自分も少し歳を重ねてからもう一度観るとまた違う感想を持つだろうと思った。

スイスの街並みや映画の雰囲気にぴったりな音楽なので、映画というより1つのアートを観ているかのような美しさがある作品だった。(女性 20代)


マイケル・ケインと言えばクリストファー・ノーラン監督の作品には欠かせない超大物俳優。彼が出ているだけで作品がグッと引き締まりワンランク上のものになる気がします。
そんな彼が演じたのは引退した音楽家。エリザベス女王の前で指揮をして欲しいというオファーを頑なに断る彼でしたが、周りの人たちの後押しや自分の生きてきた道を振り返り、舞台に上がる決断をします。
ラストシーンがとにかく秀逸でそれを見られただけでもこの作品には価値があると感じました。(女性 30代)

みんなの感想・レビュー

  1. 影山 美穂 より:

    ①フィリップの称号について
    映画内では会話内だけでの登場で「殿下」と呼ばれており、これを王子と解釈したのが原因でした。
    系譜などを再確認した結果、おそらく現実に存在するエリザベス女王の夫君であると考えられますが、正確には称号が出てこないため、誤認を招く内容を削除しました。

    ②ブレンダ・モレルの演者について
    こちらはジェーン・フォンダの誤りでした。

    上記2点について訂正致しました。大変失礼いたしました。

  2. hinakamami より:

    作品を見たのちにわかりにくかったところを確認したくて、このサイトを読みました。
    せっかくのあらすじ説明などに、疑念を抱かせるような常識欠落箇所2点が残念です。

    ①フィナーレの演奏会でエリザベス女王と同席したのは夫君フィリップ殿下
     (王子ではない)
    ②ブレンダ・モレルを演じたのはジェーン・フォンダ(ヘンリー・フォンダの娘)
                                         以上