
結論から言うと、「彼の真実、彼女の嘘」は最後まで観て初めて“物語の本当の顔”が立ち上がるドラマです。
一見するとよくある殺人事件を追うミステリー。しかし視点が切り替わるたび、同じ出来事の意味が変わり、観ているこちらの「判断」さえ疑われていきます。
MIHOシネマ編集部の映画専門ライターとして、私は2026年1月8日、Netflixで本作を鑑賞しました。
観終わったあと、しばらく画面を止めたまま考え込んでしまった──それが率直な感想です。
なぜここまで心が揺さぶられたのか。ネタバレを含めながら、丁寧にレビューしていきます。
まず結論|「彼の真実、彼女の嘘」は“信じる側”が試されるドラマ
このドラマの本質は、犯人探しではありません。
「あなたは、誰の言葉を信じますか?」という問いを、視聴者に突きつけてくる作品です。
同じ事件、同じ人物、同じ過去。
それなのに語り手が変わるだけで、印象も感情も真逆になる。この違和感こそが、本作最大の見せ所です。
次は、物語の基本構造を整理していきます。
あらすじ|小さな町で起きた殺人事件、その“二つの語り”
物語の舞台は、主人公の女性がかつて育った小さな町。
彼女は現在、事件記者として活躍しており、ある殺人事件をきっかけに故郷へ戻ってきます。
一方で事件を追うのは、地元警察の男性刑事。
このドラマは、
- 彼女(記者)の視点
- 彼(刑事)の視点
この二つを軸に進行します。
重要なのは、二人とも「嘘をついているつもりはない」という点。
しかし、それぞれの過去・感情・立場が、語る真実を歪ませていくのです。
次は、ネタバレを含めて物語の核心に踏み込みます。
ネタバレ解説|真実は一つなのに、答えは一つじゃない
※ここからはネタバレを含みます。
事件の真相そのものは、決して奇抜ではありません。
しかし本作が巧みなのは、「どの情報を、どの順番で見せるか」にあります。
彼女の語りでは、彼は疑わしい存在に映る。
一方、彼の視点では、彼女こそが何かを隠しているように見える。
視聴者はそのたびに、
「さっき信じた判断は正しかったのか?」
と、自分自身を疑わされる構造になっています。
私自身、途中で完全に一度、読みを外しました。
それが悔しくもあり、同時にこの作品の完成度の高さを実感した瞬間でもありました。
感想|観終わったあと、誰かと話したくなる理由
「彼の真実、彼女の嘘」は、観終わった直後よりも、時間が経つほど評価が上がるタイプの作品です。
なぜなら、
- 自分は誰を信じていたのか
- なぜそう判断したのか
- その判断は偏っていなかったか
こうした問いが、あとから浮かび上がってくるからです。
コメント欄で、ぜひあなたの感想も教えてください。
「どの時点で見方が変わったか」を共有するだけでも、この作品の楽しみ方は広がります。
レビュー|演出・脚本が光るポイント
本作の評価を高めているのは、派手な展開ではなく、抑制された演出です。
・カメラワーク
・会話の“間”
・表情の変化
どれもが「語られない真実」を示唆しており、注意深く観るほど発見があります。
特に中盤以降、同じ出来事を別視点で見せる構成は見事でした。
次は、向いている人・向いていない人を整理します。
このドラマが向いている人
- 心理サスペンスが好きな人
- 伏線回収を楽しみたい人
- 一度で終わらない作品を求めている人
正直、向いていない人
- テンポ重視で爽快感を求める人
- 明確な勧善懲悪が好きな人
「彼の真実、彼女の嘘」が良かった人におすすめの映画3選
ゴーン・ガール
この映画を一言で表すと?
信頼が音を立てて崩れていく心理スリラー。
どんな話?
失踪事件をきっかけに、夫婦の裏の顔が次々と暴かれていく物語。
ここがおすすめ!
語り手の印象操作が、観る側の感情を翻弄します。
プリズナーズ
この映画を一言で表すと?
正義と狂気の境界線を描いた重厚サスペンス。
どんな話?
少女失踪事件を追う父親と刑事、それぞれの選択が交錯します。
ここがおすすめ!
「信じること」の危うさが深く刺さります。
ナイトクローラー
この映画を一言で表すと?
真実を売る男の狂気の物語。
どんな話?
報道の裏側で歪んでいく価値観を描いた作品。
ここがおすすめ!
メディアと真実の関係性が本作と強く共鳴します。
まとめ|あなたが信じた“真実”は正しかった?
「彼の真実、彼女の嘘」は、
観る人自身の価値観を映し出す鏡のようなドラマです。
ぜひ一度、そして可能なら二度観てみてください。
二回目に見える景色は、きっと最初とは違うはずです。
あなたの感想も、コメント欄でお待ちしています。






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