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「エディントンへようこそ」ネタバレ感想|分断が暴走する町で“正義”は誰のものか

結論から言うと、「エディントンへようこそ」はコロナ禍という現実を、西部劇の構図で突きつけてくる極めて不穏な映画でした。
2025年12月12日、日本の劇場で本作を鑑賞したMIHOシネマ編集部の映画専門ライターとして感じたのは、これは“遠いアメリカの話”ではない、という強烈な危機感です。

マスク、陰謀論、権力争い、SNS的分断。
笑える場面すらあるのに、決して安心して観ていられない。
本記事ではネタバレありで、「エディントンへようこそ」の感想・レビューを深掘りしていきます。

まず結論|「エディントンへようこそ」は“正義が衝突する恐怖”を描いた映画

「エディントンへようこそ」を観終えて最も強く残ったのは、
誰もが自分を正しいと信じて疑わない世界の怖さでした。

この映画には、明確な悪役がいません。
あるのは、立場と信念の違いだけです。
だからこそ、事態はどんどん悪化していきます。

次は、この物語の舞台となる町・エディントンについて整理します。

舞台は2020年、コロナ禍の小さな町エディントン

平穏だった町が“分断”で壊れていく

舞台はニューメキシコ州の小さな町エディントン。
コロナ禍の真っただ中、保安官と市長の対立をきっかけに、町は急速に分断されていきます。

  • マスク着用をめぐる対立
  • 感染対策への不信
  • SNSや噂による扇動

どれも、現実世界で私たちが体験してきた出来事です。

「どちらの言い分も分かる」からこそ苦しい

本作が厄介なのは、
どちらか一方を完全に否定できない構造にあります。

保安官の不安も、市長の理屈も、それぞれ理解できてしまう。
この曖昧さが、観客の心を落ち着かせません。

【ネタバレ】物語の核心|対立はなぜ暴走したのか

権力争いが“正義の顔”を被る瞬間

物語が進むにつれ、対立は感染対策そのものではなく、
「誰が町を支配するのか」という権力闘争へと変質していきます。

正義を語る言葉が、

  • 相手を黙らせるための武器
  • 自分を正当化する免罪符

になっていく過程は、非常に生々しい。

笑えるのに、笑えないブラックユーモア

アリ・アスター監督らしく、本作にはブラックユーモアが随所に散りばめられています。
しかし、その笑いはすぐに喉に引っかかります。

「これ、現実でも起きていたよな?」
そう思わされた瞬間、笑いは恐怖へと変わります。

俳優陣の演技が不安を加速させる

ホアキン・フェニックスの“信用できなさ”

保安官を演じるホアキン・フェニックスは、
善人なのか、危険人物なのか分からない曖昧さを完璧に体現しています。

感情に任せているようで、どこか計算高い。
この不安定さが、物語全体の緊張感を引き上げています。

周囲の人物も“普通”だから怖い

登場人物の多くは、極端な悪人ではありません。
ごく普通の町の住人です。

だからこそ、
分断が誰にでも起こり得る現象として突き刺さります。

賛否が分かれる理由|不快さを残す意図的な構成

観終わってもスッキリしない

本作は、問題を解決しません。
カタルシスも、明確な答えも用意されていない。

この点に、強い不満を感じる人もいるでしょう。

それでも“正しい終わり方”だと思える理由

しかしMIHOシネマ編集部の視点では、
この不快感こそが本作の狙いだと感じました。

分断は、簡単に終わらない。
現実と同じように、後味の悪さだけが残る。
それが、「エディントンへようこそ」の誠実さです。

この映画が向いている人・向いていない人

おすすめできる人

  • 社会派ドラマが好きな人
  • アリ・アスター作品が好きな人
  • 簡単な答えを求めない人

おすすめできない人

  • 爽快感や分かりやすい結末を求める人
  • 現実とリンクする重いテーマが苦手な人

「エディントンへようこそ」が刺さった人におすすめの映画3選

ジョーカー

この映画を一言で表すと?

社会の歪みが個人を壊していく、危うい寓話。

どんな話?

孤独な男が社会に追い詰められ、象徴的存在へと変わっていく。

ここがおすすめ!

善悪が反転していく恐怖が共通しています。

ノマドランド

この映画を一言で表すと?

アメリカの“静かな断絶”を描いた作品。

どんな話?

社会からこぼれ落ちた人々の生活を淡々と追う。

ここがおすすめ!

エディントンの背景にある現実と地続きです。

ドント・ルック・アップ

この映画を一言で表すと?

危機を前にして分断する人類を描く風刺劇。

どんな話?

人類滅亡級の危機に対し、人々が現実逃避する。

ここがおすすめ!

コロナ禍的混乱を別角度から描いています。

まとめ|「エディントンへようこそ」は“他人事ではない映画”

「エディントンへようこそ」は、
分断が生まれる瞬間と、その恐ろしい連鎖を冷酷に描いた作品です。

観ていて楽しい映画ではありません。
しかし、目を背けてはいけない映画です。

あなたは、この町でどちら側に立つでしょうか。
ぜひ、コメント欄で感想を聞かせてください。

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この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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