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映画『帰ってきたヒトラー』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『帰ってきたヒトラー』の概要:ティムール・ヴェルメシュ原作の小説を映画化した作品。タイムスリップしてきた本物のヒトラーが、そっくりさんの芸人ヒトラーとして人気者になっていく姿を描いた。監督はデヴィッド・ヴェンド。

映画『帰ってきたヒトラー』の作品情報

帰ってきたヒトラー

製作年:2015年
上映時間:116分
ジャンル:コメディ、サスペンス
監督:ダーヴィト・ヴネント
キャスト:オリヴァー・マスッチ、ファビアン・ブッシュ、クリストフ・マリア・ヘルプスト、カッチャ・リーマン etc

映画『帰ってきたヒトラー』の登場人物(キャスト)

アドルフ・ヒトラー(オリヴァー・マスッチ)
総統地下壕跡からタイムスリップしてきた、本物のアドルフ・ヒトラー。現代人は、ヒトラーのそっくりさんだと思っている。ザヴァツキと出会ったことで、芸人アドルフ・ヒトラーとして有名になっていく。政治家になる前は画家を目指していた。犬を可愛がったり、インターネットに感動する一面も見せるが、心の奥底が見えない恐ろしい人物。
ファビアン・ザヴァツキ(ファビアン・ブッシュ)
マイTVのフリー社員。映画監督になるのが夢。母親と一緒に暮らしている。同じマイTVに勤めるクレマイヤーのことが好きだが、なかなか言い出せずにいる。芸人アドルフ・ヒトラーを世に出そうとする。
カッチャ・ベリーニ(カッチャ・リーマン)
マイTVの新しい局長。金髪の女性で、仕事もできる。芸人アドルフ・ヒトラーを採用し、売れっ子にする。
クリストフ・ゼンゼンブリンク(クリストフ・マリア・ヘルプスト)
マイTVの副局長。自分が局長になれると思っていたが、ベリーニが局長になったため、ベリーニを陥れようと画策する。

映画『帰ってきたヒトラー』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『帰ってきたヒトラー』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『帰ってきたヒトラー』のあらすじ【起】

ベルリン中央部地区で目覚めた1人の男。
近くにはサッカーをしていた子供たちと、それを撮影するテレビ局員がいた。
総統官邸を目指してさまよう男性を、街の人々は“ヒトラーそっくりさん”と言い騒ぐ。
そして防犯スプレーをかけられ、新聞で2014年の文字を見た瞬間、ヒトラーは店の前で倒れた。

民放テレビ局マイTVの局長にカッチャ・ベリーニが就任し、自分が局長になれると信じ込んでいた副局長ゼンゼンブリンクは苛立っていた。
そしてフリー社員のザヴァツキはクビになった。

倒れたヒトラーは、新聞の売店の店主に保護された。
そして情報収集のために店に居座り続けた。

最後に撮った貧困層の少年たちのサッカー映像を見ていたザヴァツキは、母からヒトラーが映っていると指摘される。
そしてヒトラーを探し出したザヴァツキ。
ヒトラーの面白さに気付いたザヴァツキは、ヒトラーが国中を巡る映像を撮る。
途中でお金が尽きると、かつて画家を目指していたヒトラーが絵を描いて製作費を稼いだ。

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映画『帰ってきたヒトラー』のあらすじ【承】

やがてザヴァツキが動画をアップすると、ヒトラーの存在はネット上で話題に。
ゼンゼンブリンクに、芸人ヒトラーの売り込みをするザヴァツキ。
ゼンゼンブリンクはザヴァツキとヒトラーを追い返そうとするが、ベリーニはヒトラーを気に入る。
芸人アドルフ・ヒトラーを発掘したとして、ザヴァツキもマイTVに戻れる事になる。

秘書に任命されたクレマイヤーからネットを学んだヒトラーは、感激する。

マイTVのコメディ番組「クラス・アルター」に出演が決まったヒトラー。
ゼンゼンブリンクは、番組内でベリーニを陥れようとしていた。
だがヒトラーの話は爆笑をさらい、司会者のジョークマンよりも人気になる。

やがてザヴァツキは、片思いしていたクレマイヤーと恋人同士になる。

人気者になったヒトラーは、テレビに引っ張りだこになっていく。
ネット上の若者やメディアは、ヒトラーに対して好意的だった。
そしてヒトラーは本格的に政治に目を向け始め、支持者を集めていく。

映画『帰ってきたヒトラー』のあらすじ【転】

ゼンゼンブリンクは民衆を扇動したとしてヒトラーを密告し、ベリーニを陥れようとする。
だが、芸人ヒトラーのファンだという検察は適当にあしらった。

ヒトラーに不信感を抱き始めたベリーニは、ヒトラーの過去を調べる。
しかし、ヒトラーの過去は何もわからなかった。
本人に話を聞くベリーニだったが、今までと同じようにヒトラーになりきっているようにしか見えなかった。

ゼンゼンブリンクは、ザヴァツキとヒトラーが国中を巡っていた時、ヒトラーが犬を殺したことを知る。
指をかまれたヒトラーは、持っていた銃で犬を撃ち殺したのだ。
テレビ番組でそれを暴露され、芸人ヒトラーの人気は地に落ちる。

ベリーニはクビになり、ゼンゼンブリンクは局長に就任する。
ホテル暮らしをしていたが、追い出されたザヴァツキとヒトラーは、ザヴァツキの家に逃げ込む。
その間にヒトラーは本を執筆。
ベリーニに相談し、本を出版してそれを映画化することにしたザヴァツキ。

ヒトラーは、フェイスブックで親衛隊メンバーを募り始めた。

映画『帰ってきたヒトラー』の結末・ラスト(ネタバレ)

ヒトラー人気は再び急上昇。
しかし芸人ヒトラーを失ったことで、マイTVは視聴率の低迷が続いていた。

やがて、ザヴァツキとヒトラーは、クレマイヤーの家に招待される。
しかしユダヤ人のクレマイヤーの祖母は、本物のヒトラーだと言い罵倒した。

少年に見つけられる前の記憶が無いことや、ヒトラーの演技を止めない様子を不気味に思い始めたザヴァツキ。
そして彼は、本物のヒトラーがタイムスリップしてきたのだと気付く。

その頃、ネオナチに襲われたヒトラーは病院にいた。
病室に向かうザヴァツキだったが、ヒトラーはいなかった。
そして不審者扱いされ、看護師たちに追われてしまう。
ビルの屋上でヒトラーを撃ったザヴァツキ。しかしヒトラーは死ぬことはなく、ザヴァツキの背後にいた。

そこでカットの声がかかり、映画の撮影は終了した。
本人と見間違えるほどに精巧に作られたマスクを取った俳優たちは、打ち上げを始めた。

その頃、本物のザヴァツキは病院に隔離されていた。

映画『帰ってきたヒトラー』の感想・評価・レビュー

序盤から中盤はとても明るい映画で、笑いを誘うシーンも多かったのですが、後半になると、どんどんシリアスな展開になっていきます。序盤はギャグで笑い、後半は政治や世界情勢について学ぶ、一度で二度おいしい、質の高いセミ・ドキュメンタリー映画だと思いました。
ヒトラーを鬼畜な悪者として描かず、あえて魅力的に描いている所に、リアリティを感じました。世界中の国が少しずつ右派に傾いていくラストは、ありえない未来ではないので、余計に恐怖心を煽られました。コメディ且つシリアスで、とても楽しめる作品でした。(女性 20代)


ヒトラーに関する知識があればあるほど面白さの分かる作品だと感じた。序盤はタイムスリップしてきたヒトラーが現代では浮いていて、かなりコメディ感のある印象だったが、終盤にかけてどんどんシリアスになっていく。
時代は違っても、ヒトラーが周囲の人間を巻き込んでいく様は鳥肌が立った。ブラックジョークは拾いきれていないと思うが、それでも風刺のきいたいい作品だと思う。シリアスすぎず、コメディすぎず、うすら寒さを覚えるもユーモアにとんだいいバランスと保っていた。
まだ観ていない人には、ぜひヒトラーについて学んでから観てもらいたい。観ていない人の三倍楽しめるだろう。(女性 20代)


ドイツの歴史には疎くても、ヒトラーのカリスマ性・凄味が学べる映画です。現代に現れたヒトラーの活躍や、その影響を受けた社会の変化がリアルに再現されています。

コメディということで気楽に鑑賞するつもりでしたが、気づいたら食い入るように観ていました。前半はヒトラー風のおじさんとして、後半はヒトラーとして民衆の興味を引き付けます。おじさんからヒトラーへと、徐々に、自然にすり替わる展開にゾクゾクします。「面白くて怖い」唯一無二のコメディ映画です。(男性 20代)


70年後の世界にタイムスリップしたヒトラーがコメディアンになる様子をドキュメンタリータッチに描いた作品。
ヒトラーは持ち前の天才的話術で人々の心を惹きつけ人気芸人となるが、その危険な考え方は健在だ。
彼はタイムスリップしても、常に国をどうするかということを念頭に置き、強い意志や信念を持つ姿が印象深い。そして、最後に向かうにつれて最初のようには笑っていられなかった。
特に、クライマックスの、認知症のおばあちゃんとのシーンや、実際の映像は深く考えさせられた。
それはこれから先、充分に起こり得ることであり、歴史は繰り返してはならないということを教えてくれる。(女性 20代)


コメディだが勉強になる、とても良い映画だと思う。コメディで終わらせなかったところがとても好感が持てる。リアルに描かれている分、終盤のシリアスになっていく展開は恐怖すら覚える。観終わった後はずっと考えてしまうような、心に刺さる映画だった。
メディアというものが1番恐ろしく描かれていた。プロパガンダにより大衆がヒトラーに傾いていく様子は、歴史の授業で見たあれの、まさに現代版だった。こんなことが現代でも起こりうるかもしれないと思わせる、意外にも重苦しい作品である。(男性 20代)


始め笑って、最後には背筋が凍る作品。
これは映画なのでこれが全部ということはないのだろうけど、今のドイツ人がヒトラーをどう思っているかを垣間見られた感じでとても興味深かった。
そして思うのはドイツは決して特別な例ではないということだ。劇中のヒトラーが語る「社会の問題」は、今この瞬間もそこかしこから聞こえてくる。そして似たような行動を起こす人もどこにでもいる。
楽しく観て、ちょっと自分に注意を向ける一本。(男性 40代)


ドイツで撮影されたヒトラーのコメディもの。途中までコメディ要素が強く、ヒトラーのタブーをなくして面白おかしく終わらせるつもりなのかと不安だったが最終的には右派に傾きつつある世界への風刺だった。

ヒトラーがドイツ国内の人にインタビューしているシーンがあるのだが、これは実際に一般の人々に話を聞いている。だが、彼らは移民への本音、つまり移民へのネガティヴな考えを吐露しているのである。
私自身も現在ドイツで外国人として生活している。こういった考えのドイツ人が増えて欲しくないと言うのが本音だ。

ちなみにヒトラー役のオリヴァーマスッチは最近別のシリーズで見ていたのだが、元の姿とヒトラーの見た目と似てないこともあってなぜ彼が!?と驚いた。(女性 20代)


現代にヒトラーが現れたらどうなるかを面白おかしく描いた怪作。

ヒトラーが現代人の心を徐々に掴んでいくのが、笑えるようで笑えなくなっていく。歴史上、時代の混乱期にはヒトラーのような人物が登場し、力をつけることが多い。では今の時代はどうか。確かに混乱し、圧倒的なカリスマを待ち望んでいるような風潮さえある。この映画で描かれていくことが、現実になりうることもあるのだ。他者に期待をかけすぎる危険を、この映画から学べた。(男性 30代)


オリヴァー・マスッチが、アドルフ・ヒトラーそのものでした。ヒトラーが現代に突然現れたら。日本に来たら、相当まずい事になりそうだと冷や汗をかきました。老婆が言っていたように「始めは皆、ヒトラーのことを笑っていた」んです。それがいつのまにか民衆は支持したり、すがりつく者も現れ洗脳されていきました。それぞれが自分の頭で考えること、己の言葉で表現することが重要です。自信を持つことも大切。そして、選挙に行くことを心がけたいです。(女性 30代)


冒頭の入りが怪奇的だった。非人道的なヒトラーを題材にするのはドイツでは今でもタブーなことなのに、それをあえてコメディチックに仕上げようとしたデビッド・ベントは怖いもの知らずなのか。ただ要所要所にヒトラーの意見に納得してしまう部分があるのは、自分自身も不安なところだ。現代により進化したメディアを利用し過去より凄まじい速さで、凄まじい恐怖を国に広げるコメディホラーはまさにゾンビ映画さながらだった。(男性 20代)

みんなの感想・レビュー

  1. matuge より:

    現代に蘇ったヒトラー。序盤はクスッと笑えるシーンも多く、コメディチックですが、物語が中盤から雲行きが怪しくなっていき、どんどんヒトラーの恐ろしさが顔を出し、恐怖に変わっていき背筋がゾクっとします。人々が洗脳されていく様がよく描かれており、興味深い作品でした。ヒトラーのカリスマ性と人を操る天才的な才能の凄さ、恐ろしさを目の当たりにできました。ドイツの負の歴史を学んでいる現代でも、いとも簡単に歴史を繰り返すことになってしまうのかと考えさせられる作品でした。

  2. ゆゆぽん より:

    オリヴァー・マスッチがヒトラーによく似ていたため、ストーリーに入り込みやすかったと思う。最初は純粋に、似すぎていて驚いた。
    アドルフ・ヒトラーを描いた作品は多数あるが、まさかタイムスリップものが制作されるとは思わなかった。予告編ではどちらかと言えばポップな印象を受けたため、想像よりもシリアスな展開にドキッとした。ザヴァツキが病院に隔離されているラストを見て、結局どういうことだ!?と混乱した。そこも含めておもしろい作品だと思う。