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映画『清須会議』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『清須会議』の概要:数々の名作を世に送り出してきた三谷幸喜が、今回も超豪華俳優陣を引き連れてスクリーンに帰ってきた!今度三谷幸喜が手がけるのは時代劇!?監督が新たな視点から描く戦乱の時代とは。三谷幸喜ワールド再び。

映画『清須会議』の作品情報

清須会議

製作年:2013年
上映時間:138分
ジャンル:時代劇、コメディ
監督:三谷幸喜
キャスト:役所広司、大泉洋、小日向文世、佐藤浩市 etc

映画『清須会議』の登場人物(キャスト)

柴田勝家(役所広司)
非常に強大な権力を持つ重鎮。秀吉にとって最も危険な相手。
羽柴秀吉(大泉洋)
その類稀なる頭脳で大出世を果たした男。信長に代わり天下を狙う。
織田信雄(妻夫木聡)
信長の次男。周りから「大うつけ」と称される。
織田信孝(坂東巳之助)
信長の三男。身分の低い母を持つことが足かせとなっている。
三法師(津島美羽)
亡き信忠の息子。とあることから秀吉に目をつけられる。
お市(鈴木京香)
信長の妹。夫と息子を殺した秀吉を憎んでいる。
松姫(剛力彩芽)
武田信玄の子供で、三法師の母。
織田信長(篠井英介)
かつて第六天魔王として世を震撼させた人物。
織田信忠(中村勘九郎)
信長の長男。本能寺で最後まで戦い抜いた。

映画『清須会議』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『清須会議』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『清須会議』のあらすじ【起】

日本全土にその名を知らしめ、天下統一に最も近いとされていた男、第六天魔王織田信長。しかし、その織田信長も家臣であった明智光秀の裏切りにあい道半ばでその生涯を終えたのだった。さらに明智光秀を織田の部下であった羽柴秀吉に討たれる…という世は混乱の真っ最中。

そんな中、織田信長の後継者を選ぶための評定が開かれることとなる。本来後継者の筆頭にあがる筈である長男の信忠は、本能寺の変で信長と共にその短い生涯を終えていた。そのため、候補に挙がっているのは柴田勝家が推薦する信長の三男、信孝、そして羽柴秀吉が推す次男、信雄である。

しかし彼らにはそれぞれ大きな弱点があった。次男の信雄は周りから「大うつけ」と称されている人物で、人をまとめていく器、人柄に問題があるとされていた。一方の信孝は信雄と比べると人間のできた人物であったが、しかし彼の母親は身分の低い女性だった。つまり、家柄に問題があったのである。

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映画『清須会議』のあらすじ【承】

いがみ合っている勝家と秀吉であったが、実は彼らは同じ人物に心を寄せていた。その女性の名前はお市、信長の妹にあたる人物である。しかし、お市はそのどちらからのアプローチにもふりむくことはなかった。お市は以前浅井政長という人物と結婚していたが、息子の万福丸と共に夫を秀吉に殺された過去があった。お市はそのことを決して忘れず、長年秀吉に恨みを抱いていたのだった。

そこでお市は、此度の評定で田舎者と馬鹿にしているものの、勝家側につくことを決意する。しかし、秀吉はその類稀なる頭脳でこの地位まで登りつめてきた人物である。秀吉は黒田官兵衛や信長の弟など次々と味方をつけ、評定に臨むのであった。

そしてとうとう、評定、通称「清洲会議」が始まった。するとなんと、秀吉はその場で信雄ではなく、三法師という子供を後継者に推すのであった。三法師とは、信長の今は亡き長男、信忠とかの有名な武将、武田信玄の五女にあたる松姫との間に生まれた子供である。

映画『清須会議』のあらすじ【転】

秀吉が信雄ではなく三法師を後継者に選んだことには理由があった。実は織田信長はその死の前に、長男である信忠に家督を継いでいたのだった。そして家督を継いだ信忠が亡くなった今、ならわしではその家督は信忠の血を引く三法師に引き継がれることが道理なのである。そしてさらに、信忠の後見人を信孝に定めることで、信忠が家督を継ぐことは実質不可能になったのである。

全ては秀吉の思惑通りに進み、清洲会議は幕を閉じるのであった。しかし、この結果に納得がいかない人物がいた。秀吉のことを誰よりも憎んでいるお市である。お市は、同じく秀吉のことを敵視している勝家に「秀吉を暗殺するように」と命を出す。

お市の命を受けた勝家はすぐさま手下の忍びに秀吉暗殺を言い渡すが、秀吉は一筋縄ではいかない人物である。いち早く自分が狙われていることを悟った秀吉は、なんと大胆不敵にも勝家の屋敷に忍び込み、灯台元暗し、見事暗殺から逃れてみせたのだった。

映画『清須会議』の結末・ラスト(ネタバレ)

そして歴史に名を残す清洲会議が幕を閉じた翌日、会議に参加した参加者たちは次々と自分の国へ帰っていく。秀吉は想い人であるお市に挨拶に向かうが、そこで衝撃の事実を知ることとなる。なんと、お市と勝家が祝言を挙げるというのだ。決して、お市が勝家のことを好きになったからではない。ただ、秀吉にとって最も目の上のたんこぶである勝家と結婚することで、秀吉への復讐を果たそうと考えたのだった。

秀吉はお市と勝家を憎く思うが、それを表情に出さないのが秀吉である。秀吉は強い権力を持つ勝家を敵に回すことは得策ではないと考え、妻と共に勝家に土下座をする。そして、「これからもご指導ください」と下手に出るのだった。そんな秀吉の様子に、勝家も満足したように去っていく。

しかし、内心は勝家に対して良からぬ感情を持っている秀吉は、1年以内に勝家を打ち倒すことを決意するのだった。そして史実上、1年後の賤ヶ岳の戦いにて、決意通り秀吉はお市と勝家を死に追いやるのだった。

映画『清須会議』の感想・評価・レビュー

三谷幸喜監督・脚本の時代コメディ。織田信長の後継者を巡る会議で後の歴史に大きく影響を与えた「清須会議」を三谷流に描く。

三谷作品ではおなじみの豪華キャスト共演による作品であるが、各俳優が自身の役をうまく立てているため登場するキャラクターがコミカルに描かれている。そのため状況的にはシリアスなのだが、不思議と笑いを誘う作品となっており、歴史に詳しくなくても楽しめる作品となっている。逆に歴史に詳しい人でもキャラクターのギャップに笑ってしまう作品でもある。(男性 20代)


三谷幸喜は歴史好きで有名だが彼のキャラクター創造の技術と歴史認識がハマればここまで優れた作品ができるものかとうならされた。大泉の演じる秀吉の底知れない怖さとすでに衰えていた役所演じる柴田のずれ具合の対比、裏にあるある種の友情。は上手く歴史と作中の演出のバランスがとられており、戦国時代好きとしてこの解釈の上手さには脱帽する。ところどころコメディに逃げているように見えて残念なところもあるが、また同類の映画があればと期待せずにはいられない。(男性 30代)


歴史の中でもここを舞台にするのかと驚いたが、清洲会議を舞台にしたからこその面白さがあった。ここまで豪華な俳優陣だと、個性的な演技が反発しそうなものだが、とても良い塩梅で観ていて気持ちが良い。これはさすが三谷幸喜であるなと感じた。
大泉洋演じる秀吉と役所広司演じる勝家の関係性はこの映画の醍醐味であった。シリアスなのだがコメディという三谷幸喜ならではの演出を、この2人が体現していた。
この映画は歳を選ばず老若男女全てが楽しめる、現代時代劇の真骨頂である。(男性 20代)


歴史人物の特徴を捉えたドンピシャな配役で、戦国時代のストーリーに一気に引き込まれた。歴史的な部分も分かりやすく、また、武将たち一人一人の個性が強いので、登場人物が多くても混乱することなくついていけた。
両派の主張や義理人情が錯綜し、それぞれの複雑な心情の描写に、戦国時代の人々の生き方が表されていた。
もちろん、要所要所に笑えるシーンもあり、三谷ワールド全開で見応えがある。
最後には女の怖さを見せつけられ、ゾッとした。(女性 20代)


歴史上、実際に行われた出来事。
三谷幸喜が脚本・監督をつとめ、織田信長亡き後の織田家の跡目を決める重要な会議のやりとりを物語化した。
それぞれ自分の推す跡目がおり、役所広司演じる柴田勝家と、大泉洋演じる羽柴秀吉が戦いの火花を散らす。そこに鈴木京香演じるお市様ら暗躍する者たちが現れ、三谷節をふんだんに効かせながらストーリーは進行していく。
さらに、芸達者な俳優たちが集結したことで、それぞれのキャラが確立され、映画をより完成度の高いものにしている。(男性 40代)


歴史に全く興味の無い私は織田信長、豊臣秀吉、徳川家康が知っているギリギリの人たち。なので歴史をテーマにした作品は身構えてしまうのですが、今作は本当に面白かったです。
織田信長の後継者を決めるために実際にあった会議を三谷幸喜が物凄く面白く、分かりやすく描いていました。
面白いと言っても福田雄一監督の作品ほどコメディに寄っているわけでは無いので、歴史の勉強をしつつ、作品の世界観を楽しむことが出来ました。(女性 30代)


この作品を楽しむ為には、歴史上の「清洲会議」ならびに登場人物を知っており、尚且つコメディーである事を許容出来る人でなければならない。

恐らく歴史に関心がなくただ笑いたい人には退屈に思えるだろうし、ガチガチの歴史マニアならツッコミを入れたいところがあるだろう。でも、学校でこの歴史の出来事を教科書から学んだくらいの知識があれば、興味深く楽しめる。

清洲会議という短い期間を、よくこのようにドラマチックに描いたものだと、三谷監督を賞賛したい。(男性 30代)


資料や小説等で『清須会議』のことを学ぶのは、なかなか骨の折れる作業だったりします。織田家の重臣や血縁者だけでも多人数ですから、それぞれの人物像や心情を思い描くのが大変なんです。今作は、豪華キャスト陣が当時の武将達の個性を尊重し、生き生きと演じていました。そのため、歴史上の重要人物を苦労なく覚えられ、充実した2時間強を過ごせました。本能寺の変の後、何が起きたか知りたい人におすすめです。三谷幸喜の作品は、ひょうきんで親しみやすいです。(女性 30代)

みんなの感想・レビュー

  1. ゆゆぽん より:

    誰が主演を務めてもおかしくないほど豪華なキャストで、よくここまで勢揃いしたなと驚いた。みなさん演技が上手いため、登場人物達のキャラクター性が分かりやすかった。学生時代にこの作品を見ていれば、もっと歴史に興味を抱けたかもしれない。特に機転が利く羽柴秀吉と、彼を演じた大泉洋の相性が良かったと思う。色んな人の思惑が入り乱れ、裏で駆け引きを行う様がおもしろかった。時代劇を普段見ないという人にもおすすめしたい作品。