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映画『シークレット・ミッション(2013)』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『シークレット・ミッション(2013)』の概要:2013年製作の韓国映画。韓国潜入スパイとして特殊訓練を卒業したエリート兵士が任務をこなすため生活してから2年、遂に北朝鮮幹部が動き出す。韓国で暮らした穏やかな日々に悩みながらも運命に逆らうことが出来ない男達の悲運を描いたサスペンス作品。

映画『シークレット・ミッション』の作品情報

シークレット・ミッション

製作年:2013年
上映時間:124分
ジャンル:サスペンス、アクション
監督:チャン・チョルス
キャスト:キム・スヒョン、パク・ギウン、イ・ヒョヌ、ソン・ヒョンジュ etc

映画『シークレット・ミッション』の登場人物(キャスト)

リュファン / ドング(キム・スヒョン)
北朝鮮でエリート教育を受けた特殊部隊の班長。韓国に潜入し与えられた任務は「貧民街のバカ」として暮らすこと。その生活から2年経ち、運命が動き出す。
真面目で母親思いの硬派な男。
ヘラン(パク・ギウン)
北朝鮮でから韓国に途中から潜入してきた特殊部隊の班長。リュファンの同士であり友人。
明るい生活だが潔く男らしい。
ヘジン(イ・ヒョヌ)
リュファンに訓練された彼を尊敬する青年。リュファンを追うため韓国に潜入する。

映画『シークレット・ミッション』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『シークレット・ミッション(2013)』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『シークレット・ミッション』のあらすじ【起】

北朝鮮で特殊部隊5446に入隊する為に厳しい訓練をされ、革命兵士として韓国に送られるスパイ達。
その存在は党の幹部達にも知らされておらず、任務が下るとひっそり夜中のうちに北朝鮮を離れることになっていた。
ここでエリート戦士に育ったリュファンもまた、雪の寒い日に出征する。
育てられた上司に、次に会うときは祖国が統一された時か、または敵同士だと告げられた。
そして最後に「死ぬな」と言われる。

韓国での任務は「貧民街のバカ」として暮らすこと。
素性を隠すためとはいえ、近所の悪ガキ二人に馬鹿にされながらとても兵士とは思えない暮らしをおくっている。

名前はドングと名乗り老婆が営む田舎の小さな酒屋で、食事付きの住み込みで仕事をもらい、身を隠していた。
もちろん安いが給料ももらい、ひたすらそれを缶にため込んでいる。

リュファンの任務は酷かった。
1日に3回は人前で転ぶこと、半年に一回は人前で便をすることなど徹底的にバカを演じさせられていた。
党に持たされていたポケベルが鳴ることもなく、最近は同じく工作員として近所で配達員を装う男に「忘れられているのでは無いか」という不安を口にしたりもしている。

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映画『シークレット・ミッション』のあらすじ【承】

韓国での穏やかな生活の中、彼は祖国に置いてきた母を思い手紙をしたためている。
それを出すことも出来ず、布団の下に隠す日々。
ある日近所のアパートに新しい住人が越してくる。
その男は祖国でリュファンのライバルで、同じく工作員のヘランだった。

徐々に党が動き出していると思い出した夜のこと。
突然後頭部に銃を突きつけられたリュファン。
リュファンが任務を全て遂行出来ているのかを疑問に思った監視者が来たらしかった。
後を追ったが逃げられてしまう。

酒屋につけで煙草を買いに来る女・ランが泥酔し、彼女を家まで届けるとギターを弾くヘランがいた。
二人は同じアパートに暮らしていたのである。
ヘランの任務はロックスターになること。
彼に誰か来なかったかと聞いたが、ヘランの元には来ていないようだ。

別の日、リュファンは近所の学生に「新しい家来だ」と紹介された高校生の男子に挨拶をする。
その顔に見覚えがある。
北朝鮮に居た頃、自分が特殊部隊になる為の特訓をした少年ヘジンだった。

何故ここに来たのか聞くと「任務」だと答える。
革命兵士たちは自分の任務を人に話してはいけなかった。
長く韓国で暮らすリュファンに対し、韓国居住初心者のヘランとヘジン。
彼らは闘いだけを学んできた戦士であり、平和な暮らしを一切知らなかった。
リュファンが暮らしている街の住人があまりに優しく温かいことに最初は戸惑うが、次第に居心地の良さを感じていく。

映画『シークレット・ミッション』のあらすじ【転】

そんな時、北朝鮮の内部で闘争が起き始める。
そのことで5446部隊が不必要だと考えられ始めてしまった。
本来は国をあげての部隊だったはずだったのだが、世界の情勢を考えると南にスパイを送っているということがばれるとまずいと幹部達は考える。
そこで党が出した任務、それは「反逆者」として扱い北で処刑するという計画だった。

しかし5446で教官をしてきた男は彼らを反逆者として戻すのはあまりに酷であると意見し、
革命戦士として祖国のために自決させてくれと頼む。
それで手を打った幹部から、南にいるスパイ達に任務の連絡が入った。
「革命戦士は自決しろ」である。

突然のことにリュファン達も動揺を隠せない。
何故こんな命令が下されたのか。
すでに革命戦士達は自決を始め、残りはリュファン達3人だけになってしまう。
ヘジンは監視者だった。
監視者はリュファンが自決したのを見届けてから自決することを求められている。
しかし3人は自決せず生きる道を選んだ。

既に韓国の警察には北からスパイが潜入し、幹部から自決を求められている情報を掴んでいる。
面倒ごとには巻き込まれたく無い人間が多い中、国家情報院のチーム長だけはまだ若い3人の死を望まなかった。
拘留し身柄を確保してやろうと奮闘した。
しかしそううまくはいかない。

映画『シークレット・ミッション』の結末・ラスト(ネタバレ)

チーム長はリュファンの前に現れ、助けたいと言うがリュファンは逃走する。
しかしヘジンは銃撃戦の末、怪我をして拘留される。
革命戦士達は身体にチップが埋め込まれており、幹部達が位置や生存を確認出来るようになっていた。
そのチップは20度以下で機能しなくなる。
男はヘジンのチップを山に捨ててくるように部下に指示した。

リュファンは覚悟を決め、床屋で髪を整えると酒屋の老婆に「元の場所に帰る」と伝える。
老婆はリュファンが最初に着ていた洋服を出すと、そこに彼名義で貯めていた通帳を手渡す。
怪我をしていたリュファンを最初に介抱してくれたのは、老婆だったのである。
リュファンは街の人々の暖かさになれ始めていた。

酒屋を後にしたリュファンは自分を尾行している国家情報院の男を殴った。
男がしていたイヤホンを奪い取ると、チーム長に拘留されているヘジンの安否を聞く。
彼は無事だと確認した。
チーム長はリュファンの身体に位置装置が入っていることを伝えると、合流したヘランと共に住宅街を離れた。

一方で、5446の教官達が韓国に入る。
教官達はチップを元に、あっという間にリュファン達を探し出した。

被害者を出さないために廃倉庫を選んだリュファンは、ついに教官と再会する。
そこで母親の安否を尋ねるが、返事は無い。
教官と一戦を交えると外に飛び出したリュファンは、助けに来たヘランの車に乗り込む。
戦争開始だと呟いたヘランは、仲間の配達人の男と会う約束をしていた。
彼が武器を調達して渡すという話しがまとまっていたのである。

しかしリュファン達が受け取ったものは武器では無くただのレンガ。
この配達員の男は仲間では無く、5446部隊を作ることに反対していた教授だったのである。
必ず反逆者になると北で主張した教授は、韓国に送られ彼らの行動を監視していたのだ。

母親の為に党の保護を受けると言ったリュファンに、教授は自決命令が出た反逆者達の家族はとっくに収監され無事では無いと言う。
そしてはっきり「お前の母親は殺された」と吐き捨てた。

この言葉にリュファンは茫然自失となり、その場に座りこんでしまう。
ヘランに目を覚ますよう叫ばれ正気に戻ったリュファンは、教授を殺害しようと馬乗りになった。
しかし教授の危機を感じた狙撃手が、リュファンとヘランを攻撃し怪我を負う。

その頃、国家情報院の一味は一緒に行きたいと希望したヘジンを伴い、現場に到着していた。
ヘジンは手錠を自力で外し、工場の周りに配置された狙撃手を殺害する。
このおかげでリュファンとヘランは無事に屋上までたどり着く。

屋上に着くと大雨が降っていた。
命に執着が無いと言うヘランだったが、オーディション合格のメールが届いた。
切なく笑うヘランに、リュファンは「ここで死ぬか、生きてみるか」と質問する。

だが遂に北からの教官達が上がってきた。
幹部上層部に電話を繋ぎ、許しを乞えという教官の命令を無視し、電話を手で押しつぶしたヘラン。
そしてもみ合いになったヘランは、ふいをつかれ背中を刺されてしまう。

リュファンの方は自分を訓練した教官と一騎打ちになる。
だが彼らの後ろには国家情報員の軍隊が準備していた。
そして教官の攻撃に倒れたリュファンが今にも殺されそうになったその時、何者かが教官の胸を撃ち抜く。
ヘジンだった。

ヘジンを説得しながら爆弾を手にした教官を見て、ヘランが教官を抱きかかえながら飛び降りる。
そして爆弾が爆発した。

助けたいと説得する情報員のチーム長に銃を向け、リュファンに逃げろと言うヘジンだったがリュファンは座ったまま立ち上がらない。
目を覚ませと叫ぶヘジンに突き飛ばされたリュファンは、背広に閉まってあった通帳に目が止まる。
家を出るとき酒屋の老婆が手渡したあの通帳である。

中を見ると、入金をする際の目的が印字されてあり最初は「ドングの給料」と記入され、
何ヶ月が過ぎると「うちのドングの給料」に変わった。
そして「うちの次男坊」、最後に「息子の結婚資金」となり金が貯まっている。
リュファンは思わず泣き出す。

そして叫んだ。
「戻りたい。こんな風に生きたい」と。

だがヘジンは情報員達に銃を向け乱射した。
君たちは助かると叫んだチーム長の声も空しく、隊員から銃撃されたヘジンをかばってリュファンも撃たれその衝撃で屋上から真っ逆さまに落ちていく。

その後の雪が降る街。
街に残された住人は彼らを思い寂しさに耐えていた。
老婆は未だにドングがいるような気がしている。
店の外に飾った写真の裏側の壁に、何か発見した老婆。

そこには
母さん、元気で居てと書かれていた。

映画『シークレット・ミッション』の感想・評価・レビュー

スパイだったり、特殊部隊だったり日本には馴染みがないストーリーですが、韓国には兵役義務があるため、こういった物語も意外と身近で有り得ることなのかもしれません。私の場合はとても新鮮な気持ちで見ることが出来ました。訓練を受けたあと、自分がどのように生きるかも決められていて、それを全うしなければいけないという彼らの人生は生きていくこと自体が任務であり、自由や自分の意思の無い暮らしはとても切なくなりました。(女性 30代)

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