映画『シャンハイ』の概要:2010年のアメリカ映画。1941年のシャンハイを舞台に、殺された諜報員の死を探るポールが時代に翻弄された悲しい男女の恋愛関係をサスペンス仕立てで描いている作品。
映画『シャンハイ』の作品情報
上映時間:105分
ジャンル:歴史、ラブストーリー、サスペンス
監督:ミカエル・ハフストローム
キャスト:ジョン・キューザック、コン・リー、チョウ・ユンファ、フランカ・ポテンテ etc
映画『シャンハイ』の登場人物(キャスト)
- ポール(ジョン・キューザック)
- アメリカ人の諜報員、表向きは新聞記者として務めている。
友人の死の真相を探るため、マフィアや抗日レジスタンスを探り暴いていく勇気のある男。 - アンナ(コン・リー)
- アンソニーの妻。抗日レジスタンスの一員で問題のスミコを匿っている。
- タナカ大佐(渡辺兼)
- シャンハイに駐屯している日本軍の大佐。スミコを愛し、コナーを殺害した張本人。
映画『シャンハイ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『シャンハイ』のあらすじ【起】
1941年の上海は、イギリス、アメリカ、フランス、日本、ドイツの各国がそれぞれ治外法権を持ち棲み分けていた。
ポールは日本軍に暴行を受けているが、田中大佐は見ているだけである。
2ヶ月前の1941年10月。
真珠湾攻撃の数ヶ月前、米国海軍の諜報員ポールは友人のコナーを見つけるため上海に到着した。
諜報員であることは内緒で、表立っての職業は新聞記者である。
コナーを探しにフランス租界のカジノに向かったポールは、中国人女性アンナと知り合った。
アンナをつけようとしたポールは、怪しい男達の存在に気がつく。
そしてコナーはカジノには現れず、結局遺体となって発見されてしまう。
彼と最後に会ったのはスミコという日本人娼婦で、その帰り道を狙われ銃で撃たれたのだと言うことだった。
スミコは現場を目撃したようだったが、行方をくらました。
コナーを殺害した犯人を捜すため、ポールは上海ヘラレルド紙で記者として働き出す。
ポールは以前ベルリン駐在していたこともあり、ドイツ領事館のプライベートパーティーに招待された。
そこでアンソニーという中国人マフィアのボス、日本軍大佐のタナカと出会う。
映画『シャンハイ』のあらすじ【承】
その後ポールは、アンソニーから自分の妻だとある女性を紹介される。
その女性はあのカジノで会ったアンナだった。
ポールはコナーの死の真相を突き止めたかったが、それにはスミコを探すのがてっとり早そうである。
しかし彼女のことをどうやら中国人レジスタンスが匿っているようだった。
その後、ナイトクラブで中国人レジスタンスが日本軍将校を襲う事件が起きた。
ポールは日本人外交官キタから情報を得ようとその場にいたが、聞き出そうとした瞬間憲兵隊が中国人レジデンスを襲撃する。
そして射殺してしまった。
ポールも憲兵隊に同行を求められたが、射殺する。
しかもアンソニーを助けたことで距離が近づいた。
だがこの襲撃事件はアンナの命令だったとポールは気がつく。
日本領事館でポールは、遂にコナーとの繋がりがある人間関係を突き止めた。
コナーは娼婦のスミコと恋愛関係にあったことを明らかにし、スミコの現在の住処を調べ上げる。
その場所の近くの小屋に、コナーが撮った写真が飾られている暗室があった。
その写真の中に空母「加賀」も混ざっている。
さらにタナカ大佐や日本軍の将校達の写真もあった。
他にも艦隊の詳細を書いたメモや、加賀が遠征を考えているというような内容の走り書きも残っている。
映画『シャンハイ』のあらすじ【転】
ポールは一連の流れから、スミコがコナーを裏切ったのだと確信する。
ポールはアンナやアンソニー、タナカ大佐に何度か面会をした後、スミコの居場所を探すと彼女はアヘンにまみれていた。
彼女を匿っていたのは抗日レジスタンスで、アンナが一員であることもわかる。
コナーを殺害した犯人にはたどり着くことが出来なかったが、スミコがタナカ大佐の愛人であることだけは突き止める。
そんなある時コナーの関係者が逮捕され、ポールの正体が見破られた。
タナカ大佐はポールを監禁しスミコの居所を聞くが、当然彼は知らない。
大佐はアンナの身柄も拘束していた。
だが結局何も出ないとわかった大佐は釈放する。
その後アンナはポールをアジトにつれて行った。
そこにはスミコを匿っていたが、彼女はアヘンの禁断症状に肺炎もともない寿命が尽きようとしている。
豪雨の中、外にアンソニーとタナカ大佐が来ていた。
アジトに入ると大佐は「日本軍がパールハーバーを攻撃し始めた」と伝える。
上海の侵略も進んでいた。
タナカ大佐はコナーの殺害を認めたが、彼はスミコとコナー関係に嫉妬しただけなのだと弁解した。
やがてスミコが息を引き取ると、誰もがその場を去ろうとしていた。
だが大佐はアンナを取り調べのために連行しようとしている。
映画『シャンハイ』の結末・ラスト(ネタバレ)
アンナを署に引っ張ろうとしたタナカ大佐と彼のボディガード達を、アンソニーが撃った。
それがきっかけで乱射が始まる。
タナカ大佐は腕を軽く負傷しただけで済んだが、アンソニーは死んだと思っていた彼のボディガードにふいに撃たれてしまった。
アンソニーは重傷を負ってしまう。
その頃日本軍が上海に進軍し、砲撃による攻撃で街が炎に包まれた。
負傷したタナカ大佐を残しその場をでようとしたポールは、アンソニーのダイニングメッセージを見る。
そこにはアンナを上海から脱出させて欲しいという希望が書かれていた。
ポールはアンナを連れて客船で脱出を試みるが、中国人は認められていない。
そこで彼はアンナが自分の妻であると言い張り、船に乗った。
渡航許可が降りたその時だった。
彼らを待ち受けていたのがタナカ大佐だったのである。
しかしタナカは2人を見なかったことにし、通してくれた。
無事に乗ることが出来た客船から、燃えさかる上海を眺める2人。
その後アンナはマカオで降り、再び上海に戻った。
そしてポールも。
映画『シャンハイ』の感想・評価・レビュー
ジョン・キューザックに渡辺謙。私の好きなハリウッドスターの共演は見ないわけにいきません。アジアの俳優が多数出演しているので、渡辺謙の存在は少し霞んでしまっているような気がします。そもそもストーリー的に日本人はあまり強くない立場で簡単に殺されてしまう印象がありました。
一人の男の死の真相を暴こうとするうちに、中国と日本、アメリカと国同士の複雑な関わりが出てきて少し難しく感じました。
こういう作品に慣れていない人は退屈に感じてしまうかもしれません。(女性 30代)
みんなの感想・レビュー
スミコをアヘン漬けにしたのはコナーなんじゃないかと思った。
そう見ると渡辺謙の涙にも感じ入るところがある。