映画『リトル・プリンセス』の概要:一夜にして貧しい孤児となったお嬢様セーラが、女の子は皆プリンセスを合言葉に、想像の力で幸せを取り戻す。バーネットの名作「小公女」をベースにした、豪華な舞台と可愛い子役達が目にも楽しいハートフル・ストーリー。
映画『リトル・プリンセス』の作品情報
上映時間:97分
ジャンル:ファンタジー、ヒューマンドラマ
監督:アルフォンソ・キュアロン
キャスト:リーセル・マシューズ、エレノア・ブロン、リーアム・カニンガム、ヴァネッサ・リー・チェスター etc
映画『リトル・プリンセス』の登場人物(キャスト)
- セーラ・クルー(リーセル・マシューズ)
- 大好きな父とインドで暮らしていた少女。特技は空想と、フランス語。人を見た目や地位で判断せず、誰にでも優しく接する気高さを持つ。
- クルー大尉(リアム・カニンガム)
- セーラの父。妻を亡くすが、娘に愛情をたっぷり注ぎ、立派に育てている。仕事の為インドで暮らしていたところ、戦争が始まり、イギリス軍として戦地に行く。
- ミンチン女史(エレノア・ブロン)
- 寄宿学校ミンチン女学校の校長。非常に厳しく、冷酷な婦人。金持ちの生徒には優しく、下働きには辛くあたる。空想は、金持ちだけに許された特権だと考えている。
- ベッキー(ヴァネッサ・リー・チェスター)
- ミンチン女学校の小間使い。身寄りのない、黒人の少女。生徒達との会話は許されず、一人寂しく屋根裏で暮らしていた。セーラと出会い、空想の力の虜になる。
- ラム・ダス(エロール・シタハル)
- ミンチン女学校の隣に住む、富豪のランドルフに仕えるインド人。猿を飼っている。屋根裏部屋に住むセーラと、窓越しに交流する。口数は少ないが、賢く、主人からも信頼されている。
映画『リトル・プリンセス』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『リトル・プリンセス』のあらすじ【起】
優しい父とインドで暮らすセーラ・クルーは、空想が大好きな女の子だ。乳母のマヤは彼女にたくさんのインド神話を教え、父のクルー大尉は「女の子は皆プリンセスだ」と言い聞かせた。戦争が始まり、クルー大尉は祖国イギリスへ、セーラはニューヨークの寄宿舎へと離れ離れになっても、セーラがいつも父のお姫様である事には変わりなかった。
セーラが入学したミンチン女学校は、病で死んだ母の母校だった。クルー大尉はセーラの為に惜しみない寄付をし、校長のミンチン女史はセーラに一番上等な部屋を与えた。アクセサリーは校則違反だが、セーラだけが母の形見のネックレスを持つ事を許される程の特別扱いだ。
インドからやってきたセーラは、得意の物語と持ち前の優しさで、たちまち校内の人気者となった。不器量で要領の悪いアーメンガードや、亡き母を想って癇癪を起す幼い子、そして黒い肌の小間使い・ベッキーにまでも、分け隔てなく接するセーラ。いつしか、彼女の語るインドの神話を聞くため、厳しいミンチン女史の目を盗んでセーラの部屋へ少女達が集まるようになっていた。
セーラのお気に入りは、インドのお姫様とラマ王子の物語だ。姫を守る王子は、怪物と次々に戦い、時には悪魔の仕掛けた毒霧に倒れてしまう事もある。時を同じくして、クルー大尉も命がけで戦っていた。負傷した仲間のジョンを救いに行き、ドイツ軍の毒ガス攻撃に倒れるクルー大尉。セーラは、家族の面会日に、現れるはずのない父の姿を探していた。
映画『リトル・プリンセス』のあらすじ【承】
セーラの11歳の誕生日。ミンチン女史が手の込んだパーティーを開き、セーラはまるでお姫様だ。そこへ、クルー大尉の弁護士が訪ねて来る。突然、パーティーはお開きとなり、黒い服を着せられるセーラ。クルー大尉は戦死し、全財産が政府に接収されたという。セーラはこの瞬間から無一文の孤児となり、ミンチン女史の「お情け」で、屋根裏に住む小間使いとなってしまった。
ベッキー同様、セーラは他の少女達と言葉を交わす事は許されなかった。形見のペンダントも取り上げられ、使いに出された下町は恐ろしく、得意の空想をする元気も湧かないセーラ。しかし、戦争によって幸せを奪われたのはセーラだけでは無かった。学校の隣に住むランドルフ氏も、息子のジョンが戦地で行方不明になっていた。猿を連れたインド人の使用人ラム・ダスに慰められる老人の姿を、セーラはただ見つめる事しかできなかった。
セーラの環境が変わっても、変わらずいてくれる味方もいた。ベッキーやアーメンガードだ。彼女達はセーラに物語をせがみ、セーラも次第に空想の力を取り戻していく。自分の為に買ったパンを花売りの母子に与え、お礼にもらったバラをランドルフ氏の玄関に挿すセーラ。彼女は、女の子は皆お姫様だという父の教えを忘れなかった。
映画『リトル・プリンセス』のあらすじ【転】
セーラは、次第に小間使いとしての生活さえ楽しみ始めていた。ミンチン女史にイタズラをしかけ、その妹のアメリアには恋のアドバイスをする。いじめっ子には、でたらめな呪いをかけて怖がらせた。隣家のラム・ダスや、ペットの猿とも友達だ。
その隣家にも、ある変化が起こっていた。ランドルフ氏の息子らしき男が見つかったのだ。しかし、老人が会いに行くと息子のジョンでは無かった。ガスで目をやられた上に記憶喪失になった男で、単に身分がわからないからランドルフ氏の元に連絡が入っただけだった。それでも、ラム・ダスの進言で男を引き取る事にしたランドルフ氏。ジョンと同じ部隊の人間なら、助けてやらなければ。
同じくセーラにも、友人たちの救いの手が差し伸べられていた。アーメンガードが友人達を誘い、ミンチン女史の留守中に形見のペンダントを取り返してくれたのだ。夜に訪ねて来るメンバーも日に日に増え、屋根裏は少女達の笑い声でいっぱいになった。しかし、それがミンチン女史の耳まで届き、セーラとベッキーは部屋に閉じ込められ、食事抜きを宣告されてしまうのだった。
食事抜きを嘆くベッキーを励ます為、空想の力を働かせるセーラ。テーブルいっぱいのご馳走や贅沢なドレスを想像し、二人は仲良く眠りにつく。そして、翌朝目が覚めると、二人の作り出した想像のご馳走は本物となっていた。インド風の美しい布で飾られた屋根裏で、美味しい朝食を頬張るセーラ達。その様子を、ラム・ダスが微笑みながら見つめていた。
映画『リトル・プリンセス』の結末・ラスト(ネタバレ)
こうしてミンチン女史のお仕置きを乗り切ったセーラだが、その夜、ペンダントが無くなった事に気づいたミンチン女史が部屋に乗り込んできてしまう。ペンダントを取り上げ、豪華な内装の部屋を見てセーラを泥棒呼ばわりするミンチン女史。ついに、セーラを逮捕させるため、警察を呼びに行ってしまう。
恐怖に震え上がったセーラとベッキーの元に、猿が様子を見にやってきた。窓から窓へ渡る様子を見て、隣家へ逃げる決意をするセーラ。嵐の中、板切れを渡して屋根裏を飛び出した。間一髪でセーラに逃げられた警察とミンチン女史は、慌ててランドルフ氏の屋敷へ向かう。
ランドルフ氏の屋敷では、記憶喪失の男の視力が回復し、夜の一時を楽しんでいるところだった。猿に導かれ、居間へと降りるセーラ。警察が乗り込んできたのを見て身を隠した瞬間、落雷で屋敷の電気が落ちる。暗い部屋に、セーラは男と二人取り残された。
お互い顔の見えないまま、恐る恐る会話をするセーラと男。ほどなく復旧した電気の明かりの下で、男の顔を見たセーラは驚いた。死んだはずの父親だ。パパと叫ぶも、男は記憶が戻らない。必死に思い出を叫ぶセーラを、ミンチン女史と警察が無理やり引き離した。そのまま、護送車に詰め込まれそうになるセーラとベッキー。少女達の叫び声を聞いて、クルー大尉の記憶が蘇る。
やがて、財産を取り戻したクルー大尉は、セーラとベッキーを連れてイギリスへと帰る事にした。厳粛なミンチン女学校は、今や笑い声の賑やかなランドルフ女学校となっていた。妹は駆け落ちし、学校も失ったミンチン女史が煙突掃除の下働きになっている事などつゆ知らず、セーラは友人達との別れを惜しみながら祖国イギリスへと旅立って行った。
映画『リトル・プリンセス』の感想・評価・レビュー
子供向けに作られているせいかそこまで苛烈ないじめはなく軽く観れます。子供たちは可愛く、音楽や衣装も素敵で世界に引き込まれます。
お姫様のように扱われ、父の死によって境遇が変わり、友人たちの助けによってハッピーエンドへ向かっていくベタなストーリーですが、監督の演出が上手いのか感動してしまいます。印象的なセリフもたくさん出てきます。ただ、ラストは「何が起きた?」と思うくらいミンチン女子の描写が雑なので、そこだけが残念です。(女性 30代)
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