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映画『二つの世界の男』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『二つの世界の男』の概要:イギリスから兄を訪ねにベルリンにやってきたスザンヌ。義姉のベッティーナに東西ドイツを案内され、そこでイーヴォという男性と知り合う。優しく聡明な彼にスザンヌは心惹かれていくが、彼にはスザンヌには見せなかった、もう一つの顔があった。

映画『二つの世界の男』の作品情報

二つの世界の男

製作年:1953年
上映時間:98分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:キャロル・リード
キャスト:ジェームズ・メイソン、クレア・ブルーム、ヒルデガルド・ネフ、ジェフリー・トゥーン etc

映画『二つの世界の男』の登場人物(キャスト)

スザンヌ(クレア・ブルーム)
英国人の女性。軍の仕事で西ドイツに駐留していた兄に会うため、ベルリンに立ち寄る。
イーヴォ(ジェームズ・メイソン)
元々弁護士だったが、戦争で出兵したことをきっかけに道を踏み外してしまった男。ソ連の仕事を請け負いながら、東ドイツで暮らしていた。

映画『二つの世界の男』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『二つの世界の男』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『二つの世界の男』のあらすじ【起】

イギリスからやってきた飛行機がベルリンに停まった。スザンヌは入国審査を済ませて迎えにきた義理の姉のベッティーナに挨拶した。兄のマーティンは仕事で来られなかったとベッティーナは言う。

空港は東ドイツからの避難民が集まっていたため、混雑していた。タクシーを探す二人を物陰から少年が見つめていた。スザンヌとベッティーナが出発すると、少年は彼女たちが乗ったタクシーを追い駆けた。

ベッティーナの家に着くと、電話が鳴った。受話器を取ったベッティーナは電話相手と揉めているようだった。受話器を置くと、ベッティーナはスザンヌのために部屋の案内を始めた。すると、マーティンが仕事から帰ってきた。マーティンは三人で食事をしようとレストランに誘った。

愉快な音楽が流れ、ピエロが踊るレストランで、ベッティーナは浮かない顔をしていた。スザンヌはそんな彼女のことを心配する。ベッティーナはわざとグラスの水をこぼし、それを言い訳に席を立った。スザンヌは立ち去ったベッティーナが店の片隅で涙を流しているのを見た。

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映画『二つの世界の男』のあらすじ【承】

店を出ると、三人は暴走する二台の車を目撃した。マーティンが言うには、一台は東ドイツに亡命しようとしている車で、二台目は取り締まるためにそれを追っているのだろうと言った。

ベッティーナの家に戻ったスザンヌは、敷地の周りをうろつく少年の姿を見つけた。もう真夜中だというのに、一人で外を出歩いている少年のことを彼女は不審に感じた。明くる日、二人は東ドイツに出かけた。少年はベッティーナとスザンヌが立ち寄った店を調べると、公衆電話を使って、どこかに連絡をした。店の外で昨晩の少年の姿を見たスザンヌはベッティーナにそのことを話そうとする。しかし、そこにベッティーナの知り合いのイーヴォが現れたため、伝えそびれてしまう。イーヴォが同じ卓に座るとベッティーナは居心地悪そうにした。ベッティーナはスザンヌを連れて、足早にイーヴォと別れた。

軍医を務めるマーティンは困っていた。東ドイツからの避難民が医療や雇用の申請を行うために、彼の病院に列を作っていた。マーティンの職場に寄ったあと、スザンヌが家に戻るとイーヴォがいた。スザンヌはイーヴォから食事の誘いを受ける。そこでスザンヌはイーヴォにベッティーナへの干渉を避けるよう忠告した。

映画『二つの世界の男』のあらすじ【転】

イーヴォは西側の動向を探るために送られた、東側のスパイだった。西側には東側の住民の亡命を手伝っている者がおり、マーティンが関与していると疑われていた。過去の犯罪歴を引き合いにソ連当局から脅されていたイーヴォは、渋々、ベッティーナやスザンヌから情報を仕入れようとしていた。

スザンヌはイーヴォに恋をしつつあった。イーヴォの正体を知っていたベッティーナはスザンヌに警告を送った。スザンヌはマーティンに相談した。すると、マーティンは警察に報告し、イーヴォを誘き出す作戦が立てられた。スザンヌは電話でイーヴォを呼び出すよう言われる。困惑したスザンヌだが、渋々、警察に手を貸すことにした。

イーヴォとの待ち合わせ場所にいたスザンヌ。しかし、そこにイーヴォは現れず、代わりに正体不明の男たちが現れ、彼女を浚っていった。だが、スザンヌがいたことは、男たちにとっても誤算だった。彼らはマーティンの協力者のことを知るベッティーナを攫うつもりだったのだ。

映画『二つの世界の男』の結末・ラスト(ネタバレ)

イーヴォは連れて来られたスザンヌに、自分の正体を明かし、彼女を助けて西側に返すことを約束する。しかし、素性を偽って自分に近付いた彼のことをスザンヌは信用しなかった。イーヴォはスザンヌを取引材料に西側に亡命したいという計画を彼女に打ち明け、協力を請う。

夜道を歩くイーヴォとスザンヌ。逃げ出す機会をうかがうが、監視は厳重だった。二人は劇場の前を通り、演目が終わって帰路に着く観客の波に乗じて監視から逃れることに成功する。

ソ連による監視から逃れることに成功したものの、スザンヌたちの脱走は検問所に通知され、列車では乗客の身分証の調査が行われていた。明日には警戒も弱まると信じて、二人は忍び込んだ民家の一室で身を潜めることにした。

明くる日、浚われたスザンヌを助けるために、西側からマーティンの友人が加勢にきた。クリーニング屋の運送車に偽装した車の荷台に乗り込み、スザンヌとイーヴォは東ドイツからの脱出を図る。しかし、検問所で荷物の点検が行われた。このままでは、二人とも捕まってしまう。咄嗟に、イーヴォは外へと飛び出した。ソ連兵がイーヴォに群がる隙に車は検問所を突破した。自分に集るソ連兵を振り払い、イーヴォは車の後を追う。しかし、国境を越える寸前、背後からの銃撃がイーヴォの身体を貫く。悲鳴を挙げるスザンヌを乗せた車は、無事に西側に渡り切った。

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