映画『ロックアウト(2012)』の概要:脱獄不可能な宇宙刑務所「MS-1」が、囚人たちに制圧された。人質となった大統領令嬢を救うため、CIAは捜査官殺害の冤罪で捕らえられていた元捜査官を派遣する。リュック・ベッソン製作のSFアクション。
映画『ロックアウト』の作品情報
上映時間:95分
ジャンル:SF、アクション
監督:スティーヴン・セイント・レジャー、ジェームズ・マザー
キャスト:ガイ・ピアース、マギー・グレイス、ヴィンセント・リーガン、ジョセフ・ギルガン etc
映画『ロックアウト』の登場人物(キャスト)
- マリオン・スノー(ガイ・ピアース)
- CIAのエージェント。別のCIAエージェントを殺した二重スパイという無実の罪を着せられ、政府に捕まっている。皮肉屋で上の者にも反抗的な、昔かたぎのハードボイルド。
- エミリー・ワーノック(マギー・グレイス)
- アメリカ合衆国大統領の娘。囚人の人権問題に関心があり、囚人への冷凍睡眠が脳に及ぼす影響や人体実験の実態を調査しに、宇宙刑務所「MS-1」にやってきた。
- アレックス(ヴィンセント・リーガン)
- 囚人たちのリーダーで、MS-1制圧を主導。頭が切れ、凶悪な殺人犯たちをうまくまとめている。勝手に行動し仲間たちに迷惑をかける弟のハイデルを、見捨てられずにいる。
- ハイデル(ジョセフ・ギルガン)
- MS-1に収監されている極悪犯。エミリーを気に入り、執拗に狙い続ける。残忍な性格で、彼女を手に入れるためには、他の人質すべてを殺す事もなんとも思わない。アレックスの弟。
- ハリー・ショー(レニー・ジェームズ)
- CIAのエージェント。疑いをかけられたスノーに好意的に接し、相棒のメースがMS-1に捕らえられている事を教えてくれた。しかし実は彼こそが二重スパイ。
- スコット・ラングラル(ピーター・ストーメア)
- 国防長官。スノーがCIAエージェントを殺害する現場を、双眼鏡で目撃したと主張する。一見冷徹だが、その非情さは仕事熱心であるがゆえである。
- メース(ティム・プレスター)
- スノーの相棒。スノーから二重スパイの証拠が入ったスーツケースを預かりどこかに隠したが、捕らえられMS-1に送られた。冷凍睡眠によって痴呆の症状が出ている。
映画『ロックアウト』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ロックアウト』のあらすじ【起】
2079年ワシントンD.C。CIAエージェントのスノーは、スコット・ラングラル国防長官の尋問を受けていた。同じくエージェントのフランクを殺したという疑いをかけられていたのだ。フランクは宇宙計画の国家機密を売った二重スパイの証拠を握っていた。スノーはフランクを狙う男を倒し、死の間際のスノーからライターと機密情報の入ったアタッシェケースを手渡されたと主張する。アタッシェケースは逮捕前に相棒のメースに託していた。しかしラングラル長官が部屋の外から見たのは、スノーがフランクを撃ち殺す場面だったという。主張が食い違い、ラングラル長官はCIAのハリー・ショウに尋問を交代する。しかしアタッシェケースの行方はメースにしかわからない。
アメリカ合衆国大統領の娘・エミリーは宇宙に作られた刑務所「MS-1」の視察に来ていた。MS-1は凶悪犯用の刑務所で、囚人たちは冷凍睡眠されていた。エミリーはこの冷凍睡眠が囚人たちの脳に及ぼす影響を調べていたのだ。エミリーは囚人の1人ハイデルを眠りから覚まし話をするが、ハイデルは隙を突いて銃を奪い、囚人たちを眠りから覚まさせる。凶悪犯たちが自由の身となってしまったのだ。
映画『ロックアウト』のあらすじ【承】
MS-1はハイデルの兄・アレックス率いる囚人たちに占拠され、エミリーや職員たちは人質となる。しかしアレックスはまだエミリーが大統領の娘だと気づいていなかった。ショウは確実にエミリーを救出するため、スノーを派遣するよう提案する。メースがMS-1にいると聞かされ、スノーは自分の無実を証明するためにもMS-1潜入を引き受ける。
交渉人が怪我をしているエミリーを解放させようとするが、ハイデンがそれを許さなかった。ハイデンはエミリーを自分のものにしようとしていたのだ。交渉は決裂し、エミリーの正体がばれてしまった。エミリーは側近とともにハッチに閉じこもるが、部屋の中は窒素が漏れていた。酸素不足の中、側近はエミリーを生かすため自ら命を絶つ。そこにスノーが入ってきた。スノーはエミリーをハッチから救い出す。
スノーの任務はエミリーだけの救出だったが、エミリーは他の人質も救いたいと息巻く。スノーはエミリーを囚人に変装させ、もう一つの目的であるメースの居場所を探す。しかし囚人たちにばれ、ハイディたちに追われてしまう。2人はついにメースを見つけるが、メースは冷凍睡眠の影響で認知症になってしまっていた。
映画『ロックアウト』のあらすじ【転】
スノーはハイディから逃げながら、メースにアタッシェケースの隠し場所を聞こうとするが、メースは意味を成さないことを繰り返すばかりだった。そのとき、突如MS-1が宇宙ステーションに衝突する。エンジニアたちが殺されたせいで、MS-1の軌道が管理できなくなったのだ。スノーたちがいる部屋の窓が割れ、メースが締め出されてしまう。メースはエミリーに意味不明の言葉を必死に伝えながら、酸素がなくなり亡くなった。
スノーとエミリーは脱出ポッドを見つけるが、それは1人乗りだった。自分が脱出する道は始めからなかったと気づいたスノーは、エミリーを脱出ポッドに乗せ見送る。しかしエミリーは他の人質を見捨てられず、脱出ポッドから出てきてしまった。エミリーはメースからアタッシェケースの場所を聞いたとうそをつき、スノーについてきてもらう。
ハイディはエミリーほしさに、居場所を教えなければ人質を殺すと脅す。エミリーはたまらず居場所を教えてしまった。しかしハイディは人質を全員殺してしまう。スノーとエミリーはその場から逃げようとするが、アレックスにつかまってしまう。スノーはエレベーターシャフトに突き落とされてしまった。
映画『ロックアウト』の結末・ラスト(ネタバレ)
エミリーを連れ帰ったアレックスは、ハイディが他の人質を殺してしまったのを見て激怒する。アレックスは自分達が脱出するため、エミリーを取引材料にしようとする。しかしエミリーは大統領である父に、MS-1を爆破するよう頼むのだった。大統領はエミリーを救おうとするが、ラングラル長官は冷静だった。大統領が私的な理由で国益を脅かしたとして、一時的に大統領の権限を剥奪、MS-1への攻撃を決める。
エミリーを襲おうとしてアレックスにとめられたハイディは逆ギレし、アレックスを刺し殺してしまう。ハイディはエミリーのことも殺そうとするが、そこへスノーが現れる。スノーはハイディをノックアウトし、エミリーと2人で脱出スーツのある場所まで急ぐ。後ろからはハイディたちが追いかけてきた。
攻撃命令を受け、空軍がMS-1に爆弾を仕掛ける。脱出スーツを着たスノーとエミリーが脱出した直後、MS-1は大破した。2人は身一つで大気圏に突入、パラシュートでニューヨークに着地した。スノーは再び逮捕されるが、エミリーはメースの最後の言葉の意味に気づき、アタッシェケースの隠し場所にたどり着いた。エミリーはスノーを救うため、大統領に頼み事をする。
スノーはアタッシェケースをショウに見せる。ショウはナンバーキーをあけケースを開けたが、中身は空だった。ナンバーを知っている理由を聞かれ、ショウは自分が二重スパイである事を自白、ラングラル長官に逮捕された。疑いが晴れたスノーは、フランクの形見であるライターに、メモリーカードが隠されている事に気づく。本当の情報はこちらに隠されていたのだ。釈放されたスノーをエミリーが迎えに来ていた。2人は夜の街に消えていくのだった。
映画『ロックアウト』の感想・評価・レビュー
宇宙にある500人をコールドスリープで収容している刑務所で、囚人たちが解き放たれ、囚われた大統領の娘を主人公が単独で救い出すという作品。
リュック・ベッソンが共同脚本と製作として参加し、閉鎖空間で展開するアクションは何も考えずに楽しめるモノになっています。
とにかく、本作の魅力を担っているのは大統領の娘を単独で救う主人公を演じているガイ・ピアースの魅せるキャラクターだろう。
危機的状況でも冗談を口にして緊張感を和らげるセリフ、何があっても余裕を持とうとする行動など、非常に魅力的なキャラクターになっている。
一方で救われる大統領の娘を演じるマギー・グレイスもまた、非常に気が強く、主人公に振り回されながらも成長していく姿も良いです。
本作は何も考えずに鑑賞するポップコーン映画として楽しめる作品である。(男性 30代)
みんなの感想・レビュー
とても2012年の映画には見えず90年代のSFアクション映画のようで驚く。ぶっきらぼうの囚人とお転婆な大統領令嬢がスペクタクルな銃撃戦を経て恋に落ちるという、なかなか今時は真正面からやらないストーリーを恥ずかしげもなくやっているので、力づくで納得させられた。よくあるネタとシーンのオンパレードで構成されており、オリジナリティを全く感じない映画であるが、変なことをしていないので時間つぶしとしては十分に楽しめる。