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映画『見えない目撃者(2015)』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『見えない目撃者(2015)』の概要:事故の後遺症で盲目となった女性が、巻き込まれた轢き逃げ事件で証言。しかし、目撃者の青年の証言とは食い違っていた。そんな中、2人に危険が迫る。韓国制作の『ブラインド』をリメイクした中国のサスペンススリラー。

映画『見えない目撃者』の作品情報

見えない目撃者

製作年:2015年
上映時間:112分
ジャンル:サスペンス
監督:アン・サンフン
キャスト:ヤン・ミー、ルハン、ワン・ジンチュン、リウ・ルイリン etc

映画『見えない目撃者』の登場人物(キャスト)

ルー・シャオシン(ヤン・ミー)
警察官の実習生だったが、3年前に持ち場を離れ、交通事故を起こした事から学校を退学。事故の後遺症で盲目になると同時に最愛の義弟を亡くす。周囲の状況を体感と匂いや音で、瞬時に把握する事が出来るよう常に心掛けている。
リン・チョン(ルハン)
ローラーブレードを乗りこなす若者。茶髪でちゃらちゃらしているが、実は優しく誠実。
ルー刑事(ワン・ジンチュン)
老け顔の35歳。犯罪課の刑事。お茶目な面もありつつ、推察力に優れている。
リャン・ツォン(リウ・ルイリン)
シャオシンの義弟。3年前、ミュージシャンを目指して学校を退学。連れ戻しに来た姉と帰る途中、交通事故で亡くなる。ネット上には、彼の曲が残されており今も尚、高い人気がある。
タン・ジェン(チュウ・ヤーウェン)
連続殺人事件と轢き逃げ事件の犯人。美容整形医。美しい妹を溺愛していたが、スマホアプリにより変貌していく妹を、誤って殺害した過去がある。

映画『見えない目撃者』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『見えない目撃者(2015)』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『見えない目撃者』のあらすじ【起】

ルー・シャオシンは3年前、ミュージシャンを目指す義弟を連れ戻す途中、抵抗した義弟により悲惨な交通事故を起こした。その事故の後遺症で自身は盲目となり、最愛の義弟を亡くした上に規律違反をした為、警察学校も退学処分となった。今は生活にも慣れ、盲導犬のツォンツォンと暮らしている。警察学校への復学を希望しているが、規律違反は許される事ではないと復学は叶わなかった。その帰り、通りがかった人の気配で横断歩道を渡った彼女だったが、四方八方から車がやって来て怖い思いをする。盲目の為、信号が赤である事も分からない。全てを音や気配、肌で感じる感覚と匂いで察するしかなく、見えない恐怖を痛感。ようやく帰宅したシャオシンは、警察官になる為の参考書などを片付け始める。優しく誠実な盲導犬のツォンツォンだけが唯一、彼女の心の拠り所だった。

世間を女子大生殺人事件が騒がせる中、シャオシンの元へ母親が訪ねて来る。昔、家族で住んでいた家を売りに出すそうで、荷物を引き取りに行く事になった。義弟との記憶が幾つも蘇る。それと共にあの痛ましい記憶も思い出され、シャオシンは家を去ろうとする。心配する母親は彼女へ優しい言葉を掛けるが、シャオシンは自責の念に駆られ、3年前の事故で義弟と一緒に死ぬべきだったと、母親の静止も聞かずに家を出た。自分にとっては、昼も夜も同じだと言って。

その夜、タクシーを呼んで自宅に帰ろうとしていたが、雨のせいで混んでいるのか、待てど暮らせどタクシーは来ない。そうしている内に、待合所には誰も居なくなった。ようやく予約したタクシーがやって来る。気さくに声を掛ける運転手。シャオシンはその車へ乗った。寒いでしょうとヒーターをつけてくれたが、変な匂いがする。彼女は窓を開けるも、運転手は雨が入り込むからと閉めてしまう。暖かいコーヒーを手渡され、ありがたく頂いた。車のシートが本革と気付いたシャオシン。高級なタクシーだと話題を振るが、運転手は何も答えない。目が不自由である事を明かすと、運転手はコーヒーの蓋を開けてあげると言う。自分で出来ると言い合いになった。次の瞬間、車に衝撃が走る。何かを轢いたようだ。シャオシンは自分の荷物を掻き集めて車を降りる。彼女には衝撃音の大きさから、ガラスが割れた事まで分かっていた。運転手は犬を轢いたと言うが、明らかにおかしい。彼女は警察に通報しようとスマホを取り出す。しかし、運転手が怒り出してスマホを払い除けた。別の車のライトが後続から迫っていた。運転手はシャオシンを無理矢理車へ乗せようとしたが、彼女は護身術を駆使して抵抗。地面へ突き飛ばされ、タクシーは走り去った。シャオシンはスマホをようやく拾い上げる。

警察署で事情を話した。だが、その場所に事故の形跡はないと言われる。シャオシンは一先ず、自宅へ帰る事にした。

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映画『見えない目撃者』のあらすじ【承】

次の日、警察が訪ねて来る。シャオシンの言う通り、女性が1人行方不明だそうだ。担当のルー刑事の体格と年齢を言い当てたシャオシン。警官達は驚いて彼女の証言を信じた。犯人の身長は183cm。車の車種は分からない。激しい降雨だった為、ナンバーも恐らく見えにくかったと思われる。シャオシンは夜9時頃にタクシーへ乗車。それから西に10分走った時、人が当たった音と表示灯が壊れる音がした。大型犬でもあのような音はしない。右手に時計をしていた為、左利きと思われる。そこまで聞いて警官は一旦、署へ戻った。

高級タクシーの運転手は全部で568名。その中から左利きを探すとなると重労働だ。ルー刑事は何かがおかしいと感じる。そこで携帯が鳴った。事故の目撃者からだった。署に現れたのは若い男性。シャオシンも呼び出された。若者は、轢き逃げしたのはタクシーではないと言う。2010年式のゴルフ6だと車種を断言する。盲目のシャオシンをからかう若者。彼は撥ねられた女性は、後部座席へ乗せられたと話す。だが、シャオシンは後部座席には自分が乗っていて、撥ねられた女性はトランクへ乗せたと言う。リン・チョンという若者は、報奨金目当てだと思われ、憤慨して帰って行った。

左利きのタクシー運転手の抜粋が完了し、彼らの声を1人ずつ確認する作業へ入る。だが、シャオシンが聞いた声は現れない。ルー刑事のスマホにリンから電話がある。車の車種は絶対にゴルフ6だと叫ぶ。彼は確かにあの日、撥ねた車を目撃していたのだった。ルー刑事に自宅へ送ってもらうシャオシン。刑事がゲップをした為、窓を開けた。その時、犯人の車に乗っていた時と同じ音がする。車の形状により高級タクシーではなかった事が判明。急いでリンに電話を掛けるが、若者は電話に出ない。スケートパークで約束をしていたはずだと言うシャオシンと共に、ルー刑事は急いで向かった。

約束の為にスケートパークへ来ていたリン。だが、待ち人は遅れて来ると言う。そこで、若者は背後から迫る人影に気付く。誰かが尾行していると察した瞬間、一目散に駆け出すリン。ローラーブレードで狭い所を進む。男はバイクを駆使してリンを追うが、障害物により追跡を諦めた。ほっとしたリンは、携帯で時間を確認しながら道路に出る。しかし、そこへ猛スピードで車が突っ込み、リンは轢かれてしまった。車はとどめを刺そうと、倒れた彼に進もうとする。だが、そこへ仲間の若者達が通りかかり、犯人は諦めて去った。

目的の場所へ到着したシャオシンとルー刑事だったが、スケートパークは救急車と集まった見物人で騒然としていた。救急車へ運ばれていくリンを見つける。ルー刑事が事情を聞き、病院へ向かった。リンの頭蓋骨は骨密度が高く、お陰で命に別状はないとの事。少し休んだら帰っても良いらしい。病院の休憩室で一息つく。そこでシャオシンは、強力な麻酔薬の匂いを感知。車中での匂いと同じものだ。それらの情報からルー刑事は、今回の事件と連続失踪事件は関係しているに違いないと言う。シャオシンは記憶を探る。あの時、隣の女性がアプリで約束したと言っていた。シャオシンはきっと間違われたのだ。そして、ルー刑事はシャオシンのスマホにあった無言電話から、スマホの持ち主を割り出す事にした。

映画『見えない目撃者』のあらすじ【転】

翌日、リンの意識が戻る。シャオシンは自分の思い込みで、リンを疑った事を素直に謝る。盲人である自分が目撃者になるなど、おこがましい事だったのだ。シャオシンは反省して自宅へ帰った。リンと義弟の姿が重なって仕方ない。風呂から出ると、スマホに着信がある。犯人からだった。奴はシャオシンの経歴を調べ、拾い忘れた彼女の日記を、わざわざ点字読み取り機を購入してまで読んだと言う。気に入った。奴は電話越しにそう言って、通話を切った。

シャオシンはリンの元へ向かった。だが、リンはシャオシンの言う事を聞かず、病院を出て行ってしまう。仕方なく彼女は帰る為にバスへ乗った。その姿を通りの反対側で見ていたリン。彼女の後に不審な男が乗り込むのを見る。もしかして、彼女も狙われているのか。リンは急いで次のバスへ乗り込み、シャオシンに電話する。テレビ電話にしてイヤホンを装着させ、周囲を撮らせて男の位置を知らせた。自然な様子で立ち上がり、次のバス停で降りようとしたシャオシンだったが、隣の座席に座っていた男が彼女を背後から捕える。刃物で脅されバスを降車。リンはバスを降り、ローラーブレードで彼女を追っていた。

シャオシンは隙を突いて、背後の男へ催涙スプレーを噴射して逃れる。リンの誘導によってデパートのモールへ進む。盲人用の床の表示を辿りつつ階段を下りる。ツォンツォンも軽快に走る。しかし、シャオシンは躓いて転んでしまい、ツォンツォンの手綱を放してしまう。床に座り込む彼女を犯人が発見。奴も走り出す。ツォンツォンは走り去ってしまい、彼女が呼んでもすぐには戻って来ない。リンの誘導を信じて、シャオシンは立ち上がり進んだ。飼い主を見つけたツォンツォンも彼女を追う。その後ろを犯人が追って行く。倒れ込むように犬と共にエレベーターへ乗り込むが、男に追いつかれてしまい、シャオシンは麻酔薬を注射され意識を失う。そこで、ツォンツォンが飼い主を守るべく牙を剥いた。男と犬を置いて、エレベーターの扉が閉まる。シャオシンを逃した男は犬を刺し殺した。

シャオシンを見つけたリンは、警官と一緒に彼女を病院へ搬送した。目が覚めたシャオシン。ツォンツォンの死は、彼女の心身にダメージを与えた。首輪を抱いて泣き崩れるシャオシン。傍にいたリンとルー刑事は悲しむ彼女をただ、見守る事しか出来なかった。

リンの証言を元に犯人のモンタージュが作られ、ルー刑事を中心に捜査は進んだ。容疑者のアプリIDが判明。リンのもたらした情報により、特定の歌詞から抜粋している事が分かる。リンはリャン・ツォンの歌を良く聞いており、その歌の歌詞からIDが作られていた事を、自分が見つけたのだとシャオシンへ自慢げに話す。だが、彼女は浮かない表情だ。そこで、リンはシャオシンを病院から連れ出して、ローラーブレードを体験させる。

映画『見えない目撃者』の結末・ラスト(ネタバレ)

犯人タン・ジェンには美しい妹がいた。だが、年頃に成長した妹は出会い系のアプリで夜毎、遊び歩くようになり変貌してしまった。それが許せない兄は妹と揉み合いになり、誤って彼女を殺してしまう。そして、タン・ジェンは妹を変貌させたアプリを恨むようになり、それを使う若い女性を襲うようになったのである。

その頃、シャオシンはリンを伴い、売却される実家を訪れていた。リンは彼女へ本当の姉になって欲しいと言う。1階の居間でリンは、シャオシンがリャン・ツォンの義姉である事を知る。地下のスタジオへ。そこにはリャン・ツォンの遺影が置いてあった。リンはリャン・ツォンのウクレレで、歌を姉に聞かせる。その時、リンのスマホにルー刑事からメールが入った。

ルー刑事はタン・ジェンの山荘へ、メガネの部下と侵入。車庫にあるゴルフと偽造ナンバープレートを発見。そこで、背後から襲われるルー刑事。激しい乱闘を繰り広げる。タン・ジェンを捕縛しようとした矢先、メスで腹部を刺される。一方、メガネの部下は鍵のかかった地下室で、整形手術を施された女性達を発見。急ぎ応援を要請した。

タン・ジェンはルー刑事のスマホから、リンにメールして現在位置を確認後、その家へ向かった。雨が降って来た為、中へ戻ったシャオシン。突然、ピアノが鳴り驚いて振り向く。リンが鳴らしているのかと思ったが、声を聞いて犯人である事を知る。タン・ジェンは話し続ける。似た境遇を持つ彼女に、男は親近感を抱き運命を感じたのだった。後退りで逃げる彼女を追い詰める男。そこへリンが男に飛び掛かってシャオシンを逃がす。揉み合うリンとタン・ジェン。だが、リンは腹部を刺されて倒れてしまう。彼女は屋敷を停電させる。これで、状況は自分と同じである。部屋を抜け出したシャオシンは、追って来た男を浴室に閉じ込めた。逃げようとしたが、扉には鎖が巻かれ鍵がかかっている。その時、リンのスマホに着信があった。音の方へと近寄る彼女は、床に倒れるリンを発見。彼を引き摺って別の部屋へ。シャオシンはナイフを持って、タン・ジェンに立ち向かった。護身術で奴を倒した隙に、タンクからガソリンをかける。男から鎖の鍵を奪取した際、手に持っていた火種が落ちて炎が上がった。火傷を負い、恐慌状態に陥ったタン・ジェンに殴られ、首を絞められるシャオシン。もうダメかと思った矢先、背後に迫ったリンが男を殴り倒した。

リンに鎖の鍵を渡し、屋敷を脱出。突進して来た男によって、外へと投げ出された2人。リンは男と格闘。シャオシンは3年前の事故を思い出していた。あの時、義弟は必死に助けを求めていた。自分がしっかりしていれば、義弟を助けられたはずだった。あなたとは違う。叫ぶシャオシンに男が迫る。彼女は母親がくれた障害物探知器を手に持っていた。振動で奴との距離が分かった。タイミングを計り、手にしたウクレレで力の限りに殴る。男は昏倒した。遠くからパトカーのサイレンが聞こえていた。

1年後、リャン・ツォンの追悼ライブが開催された。そのステージで、歌を唄うリンの姿がある。助かったルー刑事とシャオシンの姿もあった。そして、シャオシンは泣きそうな表情で笑った。

映画『見えない目撃者』の感想・評価・レビュー

韓国映画『ブラインド』を中国がリメイクした作品。弟を失った事故で自身も視力を失った元警察官候補生が、犯人捜索に協力する。

日本でもリメイクされ、人気を博した作品であり中国版でもかなり緊迫感のある作品となっている。主演の元警察官候補生を演じるヤン・ミーがとても可憐で美しい。ストーリーとしては謎が謎を呼び、非常にシリアスで緊迫した恐怖が襲う。弟を失い、自らも視力を失いながらも果敢に立ち向かうヒロインを応援したくなる。韓国版で監督を務めたアン・サンフォンが中国版も手掛けており、引けを取らないスリラー作品となっている。(女性 40代)

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