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映画『顔(2000)』のネタバレあらすじ結末と感想。無料視聴できる動画配信は?

映画『顔(2000)』の概要:妹を殺した引きこもりの女が逃亡生活で初めて体験する外の世界。そこにはどこか人情に溢れたダメ人間達がいた。そんな人達に囲まれて女は徐々に明るくなっていく。藤山直美の名演技が光る名作。

映画『顔』の作品情報

顔

製作年:2000年
上映時間:123分
ジャンル:コメディ、サスペンス
監督:阪本順治
キャスト:藤山直美、豊川悦司、國村隼、大楠道代 etc

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映画『顔』の登場人物(キャスト)

吉村正子(藤山直美)
実家のクリーニング屋で働く出不精の女。母の死をきっかけに妹と喧嘩になり殺してしまう。逃亡生活の中、初めて体験する外の世界が正子を明るい女に変えて行く。
池田彰(佐藤浩市)
会社をクビになり、妻に逃げられる。逃亡中の正子が好きになった男。どこか明るくて憎めない性格。辞めた会社からお金を騙し取ろうとする。
中上洋行(豊川悦司)
元ヤクザ。大人しい男で、殺気がある。姉の律子の店で働き始めるも、ヤクザに殺されてしまう。姉思いで、殺される前にも律子のことを心配していた。
中上律子(大楠道代)
別府でホステスクラブのママとして働いている。助けを求めていた正子を拾い、自身の店で働かせる。正子のことを娘のように可愛がる。世話好きの優しい中年女性。
吉村由香里(牧瀬里穂)
正子の妹。東京で暮らしている。正子とは容姿から性格まで全てが反対で、仲が悪い。正子のことを恥ずかしいと思っている。母の死後、正子への怒りを爆発させるが、正子に殺されてしまう。

映画『顔』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『顔(2000)』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『顔』のあらすじ【起】

正子は尼崎にある実家のクリーニング屋の二階でかけはぎの仕事をしている。妹の由香里は東京で暮らしていて、正子とは性格も顔も真逆だった。洗濯物が溜まるたびに実家に帰ってくる由香里がまた洗濯物を持って帰ってくる。引きこもって仕事ばかりする正子に皮肉を言って馬鹿にする由香里。正子は怒った勢いで家を飛び出す。

由香里が帰ったのと入れ違いに正子が帰ってくる。帰ってきた正子はいつものようにこたつでテレビを見ている。

ある日、いつものように仕事をしていた正子の母が倒れ、そのまま死んでしまう。正子はあまりのショックに、葬儀の日も二階の部屋にこもりっきりだった。その様子に由香里の怒りは爆発。由香里は正子を突き飛ばし、ずっと正子のことを恥ずかしいと思っていたと言う。

翌日、お風呂に浸かる正子。部屋には由香里の遺体が転がっている。昨夜の言い争いの末、正子が殺してしまったのだった。家からいくつかの服とお香典を鞄に仕舞い、正子は家から逃げ出すのだった。

映画『顔』のあらすじ【承】

正子が逃げ出して数日後の1995年1月17日。野宿する正子を待ち受けていたのは阪神・淡路大震災だった。しかし、幸か不幸か震災の混乱が正子の逃亡を助けることになるのだった。

離れて暮らす父親のもとへ向かうことにした正子。道中、見知らぬ男に襲われレイプされてしまう。心身共に疲れ果てた正子。行き着いたラブホテルで拾われ、そこで働くことになる。

ラブホテルのオーナーである英一は正子を可愛がり、どんどんと職場に馴染み始める。しかしある日、ホテルの駐車場で英一が首を吊って死んでいるのを発見する。警察が来るのを恐れた正子はホテルから逃げ出すのだった。

逃げ出した正子は幻覚で由香里に首を締められる。マスクを買い、顔を隠して電車に乗る正子はどこか遠い所に行こうとしていた。その車中で池田という男と同席する。池田は正子に話しかけ、二人は楽しげに会話をするのだった。池田はリストラされて実家に帰るのだと言う。別府駅で降りた池田を寂しげに見送る正子の目の前に、待っていた妻と子供と共に駅を後にする池田の姿があった。

映画『顔』のあらすじ【転】

終点の大分まで行く予定だった正子は別府駅で降りる。そこで自殺を図ろうとしたが失敗し、中上律子という女に助けられるのだった。

律子はホステスクラブを営むママで、仕事のない正子をそこでホステスとして働かせるのだった。

内気で内向的な正子だったが、ホステスとして働くうちにいつの間にか明るく外交的な女になっていた。店からの帰り道、正子はお店で一緒に働く律子の弟の洋行と駅で遭遇する。洋行は正子に、律子のことを頼むと言う。

ある日、律子が同窓会で出かけてお店にいない隙に洋行は客からお金をもらい、何も知らない正子の体を売る。正子は必死に抵抗するも、途中で全てを諦めて受け入れるのだった。

その後、何もなかったように働く正子。翌日、洋行が正子の部屋を訪れる。洋行は、ヤクザは辞めたつもりだったのだが、と呟く。そして、改めて律子を頼むと言い残して去って行く。そして洋行はお店からいなくなってしまう。

ある日、町中で正子は池田に再会する。池田に惹かれていた正子は再会を喜び、お店へと誘うのだった。

映画『顔』の結末・ラスト(ネタバレ)

池田は正子に自身のことを語り出す。池田は勤めていた会社を辞める時、顧客のデータを抜き取っていて、それを脅しに会社からお金を取ろうとしていた。そして、妻には逃げられてしまい息子と二人で暮らしているのだった。それを聞いた正子は、それでも池田のことが好きでいるのだった。

ある日、洋行がヤクザに殺される。その事で事情聴取の為に店を訪れた警察を見て、正子は逃げ出す。

正子は池田に別れを告げる。その後、電話で律子にも別れを告げる。心配する律子に、私の名前は吉村正子だと告げる。弟を亡くした律子は、寂しさ故にそれを聞いてもまだ正子のことを心配し、会いたいと言う。しかし、正子は別れを告げて静かに電話を切るのだった。

離島へと逃げてきた正子。やがてそこで暮らし始めるが、すでに追っ手は近くまで迫っていた。

島ではお祭りが催されていた。太鼓の音が響く中、正子を探し出す為に捜索隊が動き出す。しかし、正子を見つけられないまま朝方を迎える。すると、海を見た一人の警察官が何かを発見する。そこには必死に泳いで島から逃げようとする正子の姿があった。

映画『顔』の感想・評価・レビュー

映画の最初と最後では主人公が別人かと思うくらい顔(表情)が違う。妹を殺して逃亡しているのに、生き生きとした表情。まるで逃げるうちに心が開放されていったようだ。
顔は生まれもったものだけでなく、人とどのように関わっていくか、どう暮らしていくか、どう生きていくかで変わるもの。主人公の正子は逃亡中に出会った人と関わる中で初めて人情に触れたのだと思う。
正子役の藤山直美の演技は素晴らしい。(女性 40代)


視聴以来数年間はマイベストムービーの10位くらいに位置していたように思う。阪本順治監督と藤山直美のシナジーが素晴らしくパワフルな映画。特に藤山直美の表現力が素晴らしい、特に最初の10分間。この何も持たないつまらない女があるからこそこの映画は生きる。これまでの鬱屈をそのままバネにしたようにはじける彼女の姿は開放的で趣味ではないがどんどん魅力的になっていく。犯罪者になって初めて解放される彼女の不遇さはいたたまれないが、彼女はそんなこと気にせずどこまでも突き進む。平泳ぎで。(男性 30代)


大人になっても引きこもっていた主人公の正子が、妹の発言にカッとなり衝動的に殺害するところから物語は始まる。
逃亡するために外の世界に飛び出した正子が様々な経験をし、人々と交流していくにつれて、その顔つきに変化が見られる。
演技は勿論、カメラワークも趣向が凝らされており、変化の過程の演出が巧妙で素晴らしかった。
シリアスな始まりも段々コミカルで軽快になっていき、正子が開放的になっていく心情と重なって面白い。(女性 20代)


関わる人間によって「顔」が変わり「性格」も変わり、「人生」や「生き方」までも変わってしまうのだと人間の孤独さや脆さを感じる作品でした。
主人公の正子は妹を殺します。カッとなって殺してしまったのでしょうが、このストーリーの中で「反省」や「後悔」「懺悔」をする様子は全く見られず、むしろ殺した事なんて無かったかのように「明るく」なっていく正子に違和感を感じました。
ここまでモヤっとした気持ちにさせる作品はなかなかありません。俳優陣の演技が素晴らしかったのでしょう。(女性 30代)

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