映画『ワルボロ』の概要:板谷宏一は真面目に授業を受ける優等生だった。だがある日、不良のヤッコと授業中に喧嘩をしたことで、自身も不良に目覚める。好きな女の子や家族に心配されながらも、板谷は不良の道を究めていく。
映画『ワルボロ』の作品情報
上映時間:109分
ジャンル:コメディ、青春
監督:隅田靖
キャスト:松田翔太、新垣結衣、福士誠治、木村了 etc
映画『ワルボロ』の登場人物(キャスト)
- 板谷宏一(松田翔太)
- 通称コーちゃん。立川南第三中学校に通う三年生。授業中にヤッコと喧嘩をしてから、不良に目覚める。それまでは勉強を頑張る優等生。隣の席の山田のことが好き。
- 山田(新垣結衣)
- 小学五年生の頃にした検査で脳に異常が見つかる。立川の町を出ることを目標に、勉強を頑張っている。ヤッコのことが好き。
- ヤッコ(福士誠治)
- 不良。喧嘩がとにかく強い。弟が自動車事故に巻き込まれ亡くなっている。弟が自分に憧れていたため、弟に恥ないように正々堂々勝負することを心掛けている。板谷達と作った不良集団、錦組のトップ。
- キャーム(木村了)
- 錦組の一員。情報収集が得意で、立川にある他の学校の不良についての情報を、板谷達に流している。
- 小佐野(城田優)
- 錦組の一員。喧嘩が不得意で、弱虫。身の危険を感じると、すぐにその場から逃げ出す。
- ビデちゃん(古畑勝隆)
- 錦組の一員。父のことが大好き。父が会社を辞めて突然蒸発してしまう。
- カッチン(途中慎吾)
- 錦組の一員。喧嘩が不得意。錦組のマスコット的存在。
- 猛身(仲村トオル)
- 板谷の叔父。ヤクザ家業をしており、板谷を舎弟にしようと目論んでいる。
- ビーバー(武田航平)
- 六中のトップの不良。喧嘩が強い。赤いスポーツカーを乗り回している。明るく陽気な性格。コーちゃんと友人関係になる。
- 葉本(弓削智久)
- 通称パーポン。鑑別所に入っていた。立川の不良達を次々と襲い、手中に収めていく。喧嘩が強い。
映画『ワルボロ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ワルボロ』のあらすじ【起】
立川南第三中学校に通う板谷宏一は、真面目に授業を受ける優等生だった。唯一の癒しは、隣の席のマドンナである山田の存在だった。ある日、山田が授業で朗読中に、板谷は不良のヤッコからちょっかいを出され、キレて怒鳴ってしまう。ヤッコは怒り、板谷に頭突きを食らわせた。板谷も負けじとヤッコにやり返した。この日から人生が180度変わり、板谷は不良になった。
板谷(通称コーちゃん)は友人の小佐野から、ヤッコが不良にいちゃもんをつけられていると聞き、仲間達と助けに向かった。だが、ヤッコは4人の不良達を、たった1人でボコボコにしていた。
立川には合計10校の中学があった。ヤクザの事務所などがあり、一番荒れた場所に建っているのが二中で、不良の数も約150人はいると言われている学校だった。この二中を束ねているのが丸岡で、ヤクザに喧嘩を吹っかけたこともあると言われている人物だった。他にも、朝鮮中学のキムや南十中の毒ブッチュなど様々な不良がいた。コーちゃんは自分が所属する錦組が6人しかいないため、潰されないか心配した。ヤッコは6人も仲間がいれば十分だと励ました。
コーちゃんが家に帰ると、母から塾を辞めたことを怒られる。コーちゃんの母の実家はヤクザ家業をしており、母は宏一が同じ道にいかないか心配しているのだ。コーちゃんは母の忠告を聞かず、自室に籠もると、鞄の中の教科書を全て出して鉄板を代わりに入れた。
次の日、山田はコーちゃんのダボついた服装とリーゼントを見て、「なにそれ」と否定的な言葉を呟いた。そして、借りていた参考書を無理矢理渡し、その場を離れた。コーちゃんは山田の言葉に傷つき、参考書を投げ捨てた。そこに、毒ブッチュの手下達が現れ、神社に連れて行かれる。ヤッコにやられた仕返しにきたのだ。コーちゃんは毒ブッチュにボコボコに殴られたため、咄嗟に鞄で殴り返した。毒ブッチュは気絶して倒れてしまう。
コーちゃんの家に叔父の猛身が訪ねてくる。猛身はコーちゃんの不良姿に喜び、弾の入ってない拳銃をプレゼントした。
映画『ワルボロ』のあらすじ【承】
ヤッコ達は南十中に囲まれ、ボコボコに殴られる。別の場所にいたコーちゃんも南十中に囲まれ殴られていたが、そこに六中のビーバーが車に乗って現れる。南十中の連中はビーバーに恐れをなし、逃げていった。
ヤッコの怪我が一番ひどく、入院することになった。コーちゃんはヤッコを見舞った後、南十中に復讐することを決意する。錦組のカッチンが相手を銃で脅している隙に、毒ブッチュをボコボコに殴った。その帰り道、朝鮮中の2人組に因縁をつけられたため、コーちゃんは相手を殴ってしまう。
コーちゃん達は意気揚々とヤッコに会いに行き、毒ブッチュを倒したことを話した。だが、ヤッコから戦争になるぞと叱られてしまう。ヤッコはコーちゃんの将来を心配し、塾に戻った方がいいと諭した。その後、コーちゃんは錦組のビデちゃんの家にも報告に行くが、ビデチャンは父親が仕事を辞めて行方不明になったと泣いていた。
授業中、コーちゃんが煙草を吸いに席を立とうとすると、山田に腕を捕まれてしまう。よく見ると、山田の顔は真っ青で手が小刻みに震えていた。コーちゃんは椅子に座り直し、山田が落ち着くのを待った。その後、山田が保健室に行ったので、コーちゃんは廊下で出てくるのを待っていた。心配したことを伝えるが、逆に自分の心配をした方がいいと言われてしまう。だが、コーちゃんはもう真面目な自分に戻る気はなかった。
三中の校門前に朝鮮中の不良達が集まっていた。コーちゃん達は横断歩道を渡る園児の影に隠れて逃げようとするが、手を上げないとダメだと園児に注意され、小佐野が怒鳴り返してしまう。コーちゃん達は朝鮮中に気づかれてしまったため、街中を逃げ惑った。だが、見つかってしまい、キムの前に連れて行かれる。キムがビデチャンの頭に火を点けたため、乱闘騒ぎに発展してしまう。その後、コーちゃんは殴られてボロボロの体になっていたが、すっきりとした気持ちでいることをヤッコに話した。
映画『ワルボロ』のあらすじ【転】
コーちゃんとヤッコと小佐野が街でぶらぶらしていると、ビーバーに声を掛けられ、なぜか一緒に海に行くことになる。コーちゃんは小学生の頃から勉強漬けの日々だったので、初めて友達と遊ぶ夏を満喫していた。その後、錦組の友人達と遊んだり、体を鍛えたりした。自転車屋の前で山田と会ったため、コーちゃんは声を掛けるが、毒ブッチュなどの敵ができたことを話してしまう。コーちゃんがロクなことを話せなかったことに落ち込んでいると、山田は「まだ間に合うと思う」と呟いて去っていった。
錦組のキャームが新しい情報を手に入れてきた。鑑別所帰りの葉本(通称パーポン)が、丸岡を手下につけ、四中も九中もシメてしまったのだ。コーちゃんは他の中学校と手を組みパーポンと対抗してはどうかと話すが、ヤッコに反対される。ヤッコは亡くなった弟に恥じない自分でいるため、正面からやり合う気でいた。
コーちゃんはビーバーを心配して見に行くが、ビーバーはパーポンのことなど気にしていなかった。ビーバーはコーちゃんの優しさに感謝し、今度開くクリスマスパーティーのチケットを渡した。その後、コーちゃんは山田をクリスマスパーティーに誘おうとするが、結局何も話せなかった。その時、山田の生徒手帳が落ちていることに気づく。コーちゃんが手帳を拾って中を見ると、ヤッコの写真が挟まっていた。
コーちゃんが落ち込みながら歩いていると、カッチンと二中の連中が仲良く歩いているところを見てしまう。夜になり、ビデちゃんの家に行くと、ビデちゃんの父が荷物を取りに帰っていた。ビデちゃんの父がすぐに出ていこうとしたため、コーちゃんは胸倉を掴んでビデちゃんが苦しんでいたことを話した。それを、ビデちゃんに泣きながら止められる。大好きな父に暴力を振るわれるのが耐えられなかったのだ。
映画『ワルボロ』の結末・ラスト(ネタバレ)
クリスマスパーティーを狙われ、パーポンにビーバーがやられてしまう。次の日、錦組で集まって話し合うが、ヤッコの正面からやり合う考えは変わらなかった。皆ヤッコの態度に苛立ち、錦組はバラバラになってしまう。
夜、コーちゃんが苛立ちながら歩いていると、二中に絡まれてしまう。警察に保護されていると、父が迎えにきた。母が倒れて入院していると聞き、病院に連れて行かれる。父からこのままでいいのか聞かれるが、コーちゃんは何も返すことができなかった。病院の屋上で泣いていると、山田にハンカチを渡される。冬休みに入院するため、検査にきていたのだ。コーちゃんは胸に抱えていた不安な気持ちを話し、真面目な人間には戻らないと叫んで立ち去ろうとするが、山田に逃げるのかと呼び止められる。山田は立川の町の人と同じように、肝心なところから逃げているコーちゃんが大嫌いだと叫んだ。そして、小五に行った脳の検査で異常が見つかり、いつおかしくなっても不思議ではない状態であることを話した。
二中の不良達が三中に乗り込み、ヤッコとサシで話し合うため屋上に連れて行った。コーちゃんはその姿を呆然と見送っていた。しばらくして、コーちゃんは帰り際の山田を呼び止め、仲間が欲しかったから不良になったことを話した。だが実際は、仲間の誰のことも信用していなかった。コーちゃんは自分の頬を殴って鼓舞すると、もう半端じゃないからと叫んで屋上に駆けていった。
丸岡はヤッコを屋上から突き落とそうとしていた。手下達がキャーム達を捕まえ、自分が飛ぶかヤッコを突き落すか選べと迫っていた。コーちゃんはそれを見て、屋上から飛び降りた。体育倉庫の屋根を突き破って籠の中に落ちるが、何とか生きていた。
カッチンは裏切った振りをしながらスパイ活動をしており、パーポン達が卒業式に乗り込んでくることを突き止めていた。その後、コーちゃんは猛身に銃を返しに行った。そして、一生舎弟になる気はないことを告げた。猛身はコーちゃんのまっすぐな目を気に入り、豪快に笑った。そして、これで逃げられると思うなと呟いた。
卒業式当日。コーちゃんは山田に告白し、何処に行っても見守っていると話して立ち去ろうとした。山田はコーちゃんを呼び止め、第二ボタンをもらった。2人は負けるなと応援し合った後、微笑み合った。コーちゃんはヤッコ達と合流し、パーポンが待っている場所まで向かった。錦組は二中の不良達に殴られてしまう。コーちゃんはボコボコに殴られても何度も立ち上がり、パーポンを倒した。錦組はボロボロの状態を皆で支え合い、その場を立ち去った。
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