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映画『シザーハンズ』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『シザーハンズ』の概要:ハサミの手を持つ孤独な人造人間のエドワードは、生まれて初めて山の上のお城から出て、美しいキムに恋をする。ティム・バートン監督とジョニー・デップが初めてタッグを組んだファンタジー作品で、2人の親密な交友関係はここから始まった。

映画『シザーハンズ』の作品情報

シザーハンズ

製作年:1990年
上映時間:98分
ジャンル:ファンタジー、ラブストーリー
監督:ティム・バートン
キャスト:ジョニー・デップ、ウィノナ・ライダー、ダイアン・ウィースト、アンソニー・マイケル・ホール etc

映画『シザーハンズ』の登場人物(キャスト)

エドワード(ジョニー・デップ)
天才発明家によって作られた人造人間。しかし、手が未完成な状態で発明家が死んでしまい、ハサミの手を持つ人間になってしまった。山の上のお城で孤独に暮らしていたが、ペグに招かれて町で暮らし始める。庭木の剪定やヘアカットが得意。綺麗な心の持ち主。
キム(ウィノナ・ライダー)
ペグの高校3年生になる長女。美しいブロンド美人で、エドワードは彼女に恋をする。最初はエドワードのことを警戒していたが、徐々に彼の優しさに惹かれ始める。
ペグ(ダイアン・ウィースト)
キムの母親。化粧品のセールスをしており、新規顧客を開拓するため、エドワードのお城を訪問する。楽天家の心優しい女性で、孤独なエドワードを家に連れて帰る。
ジム(アンソニー・マイケル・ホール)
キムの彼氏。家が金持ちで傲慢な男。エドワードのことをバカにしており、彼を利用しようとする。恋のライバルとして、エドワードを敵対視する。
ジョイス(キャシー・ベイカー)
若作りしている近所のイタイ主婦。好色な女で、エドワードと不倫したがっている。
ビル(アラン・アーキン)
ペグの夫。のんびりしたマイペースな男で、エドワードのこともおおらかに受け入れる。

映画『シザーハンズ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『シザーハンズ』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『シザーハンズ』のあらすじ【起】

ある雪の夜。孫を寝かしつけていたキムおばあちゃんは、孫に「雪はなぜ降るの?どこから降るの?」と質問される。キムおばあちゃんは山の上にあるお城を見つめ、ハサミが手だった人の話を始める。

昔、山の上のお城で天才発明家が人間を作った。エドワードと名付けられたその人間は、心臓や脳まで完璧な人間だった。しかし発明家は、エドワードのハサミの手を人間の手に付け替える前に急死してしまう。エドワードは、独りぼっちでお城に取り残される。

山の麓にはカラフルな住宅街が広がっており、その中の一軒で暮らす主婦のペグは、化粧品のセールスをして家計を助けていた。しかし近所の奥様方はなかなか化粧品を買ってくれず、ペグは新規顧客を開拓するため、山の上のお城へ向かう。

お城の庭は綺麗に手入れされており、ペグはその美しさに感心する。楽天家のペグは、物怖じせずにお城の中へ入っていき、屋根裏部屋でエドワードと出会う。ペグはハサミの手を見て驚くが、エドワードが身寄りのない可哀想な青年だと知り、自分の家に連れて帰る。

生まれて初めてお城を出たエドワードにとって、目にするもの全てが新鮮だった。噂好き奥様方はすぐに集合し、エドワードのことを探り始める。

ペグは自宅にエドワードを招き、家族写真を見せる。ペグの一家は、夫のビル、高校生になる娘のキム、小学生のケビンの4人家族で、エドワードは美しいキムに一目惚れする。キムは友達とキャンプに出かけて留守だった。

晩御飯の時間になり、ケビンはエドワードのハサミの手を珍しげに眺める。エドワードはフォークやナイフを持つことができず、ご飯を食べるのに苦労する。ビルはのんきな性格で、エドワードをすんなり受け入れてくれる。その夜、エドワードはキムのウォーターベッドで眠りにつく。

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映画『シザーハンズ』のあらすじ【承】

翌日。庭木の剪定をしていたビルを見て、エドワードが器用に剪定を始める。エドワードはハサミの手を巧みに使い、あっという間にゴジラ型の庭木を仕上げる。

近所の奥様方は、勝手にペグの家でバーベキューをすることに決めてしまい、ペグは大急ぎで準備に取り掛かる。バーベキューには近所中の人が集まってくる。男好きなジョイスはエドワードに興味津々で、彼に近づく。他の奥様方もエドワードに庭木の手入れをしてほしくて、彼を取り囲む。

その夜、キャンプ地が大雨になったため、キムが日程を早めて帰ってくる。キムはエドワードが寝ているのも知らず、部屋で着替え始める。途中でエドワードの存在に気づいたキムは悲鳴をあげ、それに驚いたエドワードがウォーターベッドに穴を開けてしまう。ペグやビルも起き出してきて、家の中は大騒ぎになる。ペグはキムにエドワードのことを説明し、正式に紹介する。エドワードはビルに酒を飲まされ、気絶してしまう。

エドワードは町の人気者となり、町中の庭木の剪定をする。ケビンの小学校でも見事なハサミさばきを披露して、子供たちに喜ばれる。みんなは好意的にエドワードを受け入れていたが、キムだけはエドワードを警戒していた。

エドワードは犬のグルーミングも上手で、さらに女性のヘアカットもできることがわかる。エドワードの生み出すヘアスタイルはとても斬新で、順番を待つ奥様方の列ができる。

キムの彼氏のジムは、家が金持ちのいけ好かない男で、エドワードのことをバカにしていた。エドワードがテレビに出演した時も、彼の失敗を見て爆笑しており、キムはそんなジムに怒りを感じる。

映画『シザーハンズ』のあらすじ【転】

エドワードの技術が金になると考えたジョイスは、共同で美容室を経営する計画を立てる。ジョイスはさっそくお手頃な物件を見つけ、エドワードを案内する。ジョイスのもうひとつの目的はエドワードと不倫することで、店の裏で彼を誘惑し始める。しかしエドワードが逃げ出してしまい、ジョイスは激怒する。

店の開店資金を借りるため、ペグとエドワードは銀行へ行く。しかし保険番号も口座もないエドワードにはローンの許可が出ず、開店資金は借りられなかった。

ハサミの手で家の鍵を開けられることを知ったジムは、エドワードに父親の書斎の鍵を開けさせ、金目のものを盗み出そうと企む。キムは嫌がるが、ジムに「2人だけの車が欲しくないのか」と言われ、エドワードを連れ出してしまう。

エドワードは言われるままに鍵を開け、ジムの父親の書斎に入る。しかし入った瞬間にセキュリティーシステムが作動し、エドワードは書斎に閉じ込められる。外には警報を聞きつけた警察もやってきて、エドワードだけが逮捕されてしまう。

留置場でもエドワードは一切弁解をせず、キムをかばう。ペグはエドワードが開店資金を作るつもりだったのだと勘違いし、責任を感じる。エドワードは、育った環境のせいで善悪がわからないだけだと判断され、すぐに釈放される。警官はエドワードのことを親身に心配し「十分に注意して暮らせよ」と忠告する。

この事件以降、近所の人たちは態度を一変させ、エドワードを危険人物として怖がるようになる。ジョイスは振られた腹いせに「レイプされかけた」と嘘をつき、エドワードを悪者に仕立て上げる。

キムは、自分をかばってくれたエドワードに感謝する。一方、卑怯なジムには腹を立てており、彼への気持ちは冷めていく。エドワードは大きなストレスを感じており、家のカーテンや壁を傷つけてしまう。みんなの信頼を失ったエドワードを、キムだけがかばう。

映画『シザーハンズ』の結末・ラスト(ネタバレ)

クリスマスの日。ペグは近所の人たちを家に招待するが、エドワードを怖がって誰も来てくれない。孤独なエドワードは、庭で氷の像を掘り始める。

庭へ出たキムは、エドワードが削る氷の雪の美しさにうっとりする。キムは氷の雪の中で踊り、エドワードに近づいていく。キムがいることを知らなかったエドワードは、ハサミで彼女の手を傷つけてしまう。そこへジムがやってきてエドワードを突き倒し「とっとと消えろ」と怒鳴りつける。エドワードは足早に何処かへ行ってしまい、怒ったキムはジムに別れを告げる。

エドワードは怒りに任せて庭木や車を傷つけ、町中が騒ぎになる。ペグは自分の軽率な行動を後悔し、エドワードはお城に戻るべきだと考える。エドワードは行方をくらまし、ついに警察が出動する事態となる。

家で留守番をしていたキムのところにエドワードが帰ってくる。キムに「抱いて」と言われ、エドワードは彼女を抱きしめようとするが、ハサミの手が邪魔をしてうまく抱けない。キムは自ら彼に抱きつき、エドワードは彼女を傷つけないようにハサミの手を避ける。

ジムは友人と飲んだくれ、酔っ払った友人に車の運転をさせる。ちょうどそこへケビンが通りがかり、乱暴な運転をする車に轢かれそうになる。それを目撃したエドワードは、車の前に走り出てケビンを助ける。しかし集まってきた人々は、エドワードがケビンを襲っていると勘違いして騒ぎ出す。動揺したエドワードはケビンの顔を傷つけてしまう。エドワードは飛びかかってきたジムの腕も傷つけてしまい、現場から逃げ出す。

エドワードがお城へ逃げたので、ペグは「彼を放っておいてあげて」と町の人々に頼む。しかし騒ぎは収まらず、人々はお城の門の前に集まる。エドワードのことを心配していた警官は、お城の庭で空砲を撃ち、この事態を終わらせようとする。それでも人々は追跡をやめず、お城へ乗り込んでいく。

裏口からお城へ入ったキムは、屋根裏部屋に隠れていたエドワードと再会する。キムはエドワードが生きていたことを心から喜ぶ。ジムは銃を持って2人を追ってきて、エドワードに襲いかかる。それを止めようとしたキムをジムが傷つけ、エドワードは彼女を守るためにジムの腹を刺す。後方に倒れたジムは、窓を突き破って庭に落下し、死亡する。

庭に町の人々が集まってきたので、キムはエドワードにお別れのキスをして、お城を出る。そして人々に「屋根が落ちてきて2人とも死んだわ」と嘘をつく。キムは城にあったハサミの手を持ち出しており、人々はそれを見てようやく納得する。

キムはそれ以来エドワードと会っていないが、毎年雪が降るたびに、彼が元気で生きていることを知る。なぜなら、エドワードと出会う前、この町には雪が降らなかったからだ。この雪は、エドワードからキムへの愛のメッセージなのだ。

映画『シザーハンズ』の感想・評価・レビュー

おばあちゃんになったキムの回想から始まるシーンと言い、映画全体の映像と雰囲気がものすごくノスタルジックで素晴らしい。ハリネズミのジレンマを思わせる、エドワードの繊細でピュアで汚れないキャラクターは誰もを虜にする魅力に溢れている。庭の剪定やヘアカットのシーンはコミカルで見どころが多く、物事に対して刹那的な人々に翻弄されながらもひたすら健気なエドワード。一味違った恋の形が胸を熱くする。
結ばれない恋だったとしても、人生でたった一つの大切な恋を胸にしまって生きていくということ、青春めいた心の清々しさと甘酸っぱさが詰まった映画。(女性 30代)


映画序盤とラストに登場するおばあさんはヒロインのキムで、既に孫を持つほど歳を重ねており、エドワードの別れから長い年月が経った事実を明確に示しています。エドワードはキムと別れた後、村はずれの屋敷で何十年も孤独な生活を送っており、そんな彼の状況を考えると、とても胸が締めつけられます。キムがエドワードのことを語り続けるのは、きっと意味があって、彼と結ばれなかった絶望、側にいてあげられなかった後悔など、胸にしまい込み切れなかった苦しみを他者に伝えることで、エドワードの存在を自身の心に刻み続けているのでは、と感じました。(女性 20代)


ティムバートン監督の有名作品の一つ。心優しいエドワードが、その独特の見た目や生まれから誤解されつつもキムと出会い、隣人達と少しずつ打ち解けていく。しかし、キムと付き合っていたジムによるエドワードへの嫉妬により、うまくいっていた日常も壊れてしまうのである。ラストは、ティムバートン監督らしい、とても悲しくも美しい結末が待っている。ファンタジー映画としては、これ以上無い胸に残るエンディングなので、何度も見てしまうほど、魅力的な作品である。(男性 30代)


この映画はティム・バートンが作り上げたファンタジー映画の傑作です。
住宅街や人々の洋服など、ポップでかわいい世界観は本当に素敵。
若くて美しい2人のピュアなラブも楽しめます。

ただこの映画はファンタジー映画であるとともに、サバービア映画であると思います。
画一的に創られた住宅街、仲間だと認められると温かい人々だけど一度外れると徹底的に排除する群集心理、その恐ろしさも見事に表現されています。
ずらーっと同じデザインの家が並ぶ住宅街を観ると「シザーハンズ」を思い出し、怖いと感じてしまいます。(女性 40代)


ジョニー・デップとティム・バートン監督の歴史が始まった映画だ。ハサミの手を持つ人造人間のエドワードが繰り広げる物語は、人に恋をしたり、大切な人を守ろうとしたり、とても人間らしい。そして、純粋なエドワードをみんなが好きになる。

物語の終わり方はティム・バートン監督らしく、ただのハッピーエンドだけでは終わらせてくれない。悲しい部分もあるが、エドワードのピュアな人間性は多くの人に良い影響を与えたに違いない。

ティム監督の独創的な世界観に魅了されてしかたない。(女性 20代)


ジョニー・デップ、ウィノナ・ライダー出演の切ないファンタジー。
手がハサミという人造人間・エドワードが巻き起こす騒動に、最初は受け入れていた周りの人間たちの価値観が変わっていく。人間は勝手であると教訓めいた内容でもある。
純粋な心を持つエドワードの悲しさ、それを理解したキムの愛。しかし、二人の関係は望まぬ方向へと進んでしまう…。
ビジュアルもオシャレで、ティム・バートン監督の奇才ぶりがこれでもかと炸裂している。
現代でも色褪せない、貴重な映画である。(男性 40代)


子供の頃に初めて見たのだが、エドワードの見た目が怖く感じたことと、エドワードがいつも悲しそうな表情をしていたことが印象に残っている。大人になって改めて見ると、こんなに悲しい結末だったのかと驚いた。城から出たことでキムと出会えたことは良かったのかもしれないが、それ以上に苦しい思いもしているので、複雑な気持ちになってしまう。物語のラスト、キムへの思いを忘れずにいることは素敵だと思うが、エドワードが独りでいることに寂しさを感じた。(女性 30代)


住宅街の美術的な色彩とエドワードの非人間的なビジュアルが一気にファンタジーへの世界へと引き込んでくれる素敵な作品。自分が子供の頃は、指が鋭利な刃物で全身パンクロック調の衣装に身を包み青白い顔の人造人間が恐ろしくてこれはホラー映画かと思っていたけど、実際には切なすぎる恋物語でこんなにパッケージとギャップのある映画であることに驚いた。

ファンタジーだけでなく、「届きそうで届かない」を物理的に美しく表現した素晴らしいロマンス映画。ティモシー・シャラメ主演でリメイクされるということなので、21世紀のシザーハンズがどんな風に変わっているか楽しみである。(女性 20代)


こういう役をやらせたら本当に右に出る者はいないのではないかと思うくらい、ジョニー・デップの本領を発揮している。
両手がハサミという一見すっとんきょうな設定も、全体的におとぎ話チックな作風のおかげですんなりと受け入れられるし、物語も最初から最後まで綺麗にまとまっていて観やすかった。
ラストは切ないけれど印象的で、鑑賞後は本当に絵本を読み終わったような気持ちになった。
ジョニー・デップのファンなら観て損はないと思う。(女性 30代)

みんなの感想・レビュー

  1. きーもも より:

    ジョニー・デップの代表作とも言えるこの『シザーハンズ』。手がハサミの人造人間であるエドワードの姿は子供の頃に見た時、怖く感じたのをよく覚えています。氷の彫刻を作るシーンがとにかく大好きで何度も何度も繰り返し見ていました。
    大人になって再度鑑賞すると、子供の頃とは違った印象を受けます。人間の醜さや汚さ、愚かさを強く感じ、それと同時にエドワードの純粋さと優しさを感じ取ることが出来ました。
    大人も子供もそれぞれ感じるものがあると思います。これからもずっと語り継がれるであろう不朽の名作です。

  2. takata より:

    主人公のエドワードは山奥のお城で一人孤独に暮らしていた。彼の手はハサミという、一度見たら忘れられない強烈な姿をしている。お城を離れ街で過ごすようになった彼は、髪を切ったり、切り絵を披露したり、ガーデニングをして人々に貢献していき人気者となる。しかし愛する人を抱きしめることができず、触れようとすると傷つけてしまうことで、また一人の生活を選ぶという本当に切ない切ない物語だ。主演のジョニー・デップのどこか切なく孤独な表情もこの役にぴったり。ティム・バートン監督作品の常連であるジョニーと、どこかダークでポップな世界観が非常に合っていてとても好きだ。

  3. 月夜 より:

    パステルカラーで統一された、独特な可愛い世界観が魅力の本作。手がハサミの人造人間という、外見は怖いエドワードだが、誰よりも優しい心を持っている彼を好きにならざるを得ない。

    自分の手で彼女を傷つけることを恐れて、うまくキムを抱きしめることができないエドワードの姿には、切なさで胸が苦しくなる。ラストの、エドワードが毎年雪を降らせるシーンは、彼のキムへの純愛を表現するのに最高の演出だと思った。

  4. ふくりん より:

    ティム・バートンの独創的な世界観。
    エドワードは手がハサミになっていて、傷付けてしまうから愛する人をその手で抱きしめることができない、というのが何とも切なかった。
    彼は心優しい人造人間なのに、その見た目やその生い立ちのせいで人々からは誤解されている。本当は彼自身が深く傷付いているのに。
    ティム・バートンは、こういう孤独な心情の繊細な演出が非常に巧妙だと思う。
    何と言っても、エドワードの深い孤独を表現するジョニー・デップの目の演技に引き込まれた。

  5. 匿名 より:

    まるでディズニーアニメのようなファンタジーストーリーとして、楽しめる作品です。
    ティム・バートン監督は、大人の目でも十分楽しめるファンタジー映画の作り手の名手と言えます。冒頭の雪のシーンとBGMで充分作品の世界に引込まれますが、その後の一転してPOPな街並みや家々は、如何にもアメリカらしい華やかさ、それも’60年代のPOPな雰囲気を感じさせます。実在の町と住宅を使用したということですが、良く合ったものだと感心するほど色遣いが効果的です。エドワードは一歩間違うとホラー映画になりそうな出で立ちですが、ジョニー・デップのお茶目な表情がそれを和らげてくれます。お城と雪という設定はロマンチックで、ファンタジーにはぴったりな設定です。この作品が普遍的な魅力を持つのもそういう舞台設定も良かったからだと思います。