映画『ベイマックス』の概要:ウォルト・ディズニー作品の54番目にあたる長編アニメーション映画。原題はディズニー初となるMARVEL作品で、『ビッグ・ヒーロー・シックス』。アニメーション部門でアカデミー賞も受賞した。
映画『ベイマックス』の作品情報
上映時間:102分
ジャンル:アニメ、ヒューマンドラマ、SF
監督:ドン・ホール、クリス・ウィリアムズ
キャスト:スコット・アツィット、ライアン・ポッター、T・J・ミラー、ジェイミー・チャン etc
映画『ベイマックス』の登場人物(キャスト)
- ベイマックス(スコット・アツィット)
- タダシが作った最期に作成したケアロボット。兄の死によって傷ついたヒロの心をケアする為に起動。
- ヒロ・ハマダ(ライアン・ポッター)
- 14歳の天才少年。その才能を目的なく持て余していたが、兄とその友人の助けもあり、飛び級で大学へと進学する。
- タダシ(ダニエル・ヘニー)
- ヒロの兄。大学生で、こちらも秀才。ベイマックスを作った張本人で、火災に巻き込まれ死亡する。
- ロバート・キャラハン教授(ジェームズ・クロムウェル)
- タダシの所属する大学の教授。ロボット研究の第一人者で、ヒロにとって憧れの存在。
映画『ベイマックス』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ベイマックス』のあらすじ【起】
ヒロはサンフランソウキョウという近未来都市に住む14歳の少年です。早くに両親を亡くした彼は、叔母のキャスト兄のタダシの3人で生活していました。このヒロという少年、一見普通の少年ですが、実は高校を飛び級で卒業した天才少年でもありました。
しかしヒロは何かにその才能と情熱を傾けるわけでもなく、目標もなくロボットいじりをする毎日を送っていました。そんなヒロを心配し、タダシは自分の通う大学へとヒロを連れて行きました。ヒロほどではありませんがタダシも十分に秀才だったので、タダシが所属する研究所には多くの個性豊かな、そして才能に溢れた学生が在籍しています。また、ヒロの憧れるロボット発明の第一人者でもあるロバート・キャラハン教授も教鞭をとっていました。
ヒロはその魅力的な世界に心揺さぶられ、その大学に入学を決意します。キャラハン教授が提示した入学の条件は一つ、博士を驚かせるような発明を、発表会で提示する事。そこでヒロは、タダシの助言を得ながら、マイクロボットという独自の小さなロボットを作り上げます。
映画『ベイマックス』のあらすじ【承】
一つ一つは小さいマイクロボットですが、頭に装着した制御装置によってマイクロボットと操作者の神経を連携させ、一つ一つのマイクロボットを集合させたり個別に動かしたりと、幅広い用途に対応できる優れものでした。ヒロの発明品は教授だけでなく他の採点者の目にも止まり、タダシと仲間たちが見守る中、ヒロの大学入学が無事決定しました。
しかし、その直後発表会場が突如大火災に見舞われます。なんとか避難するヒロとタダシでしたが、逃げた先にキャラハン教授の姿がありませんでした。タダシは教授を助ける為火の中へと戻り、そして二度と帰って来ませんでした。タダシを失ったショックで、ヒロは折角入学が決定した大学にも通わず家にこもっていました。
しかしそんな時、突如タダシが作っていたベイマックスというロボットが動き出します。ベイマックスは人を助ける為のケアロボットで、傷ついているヒロの為に起動したのです。そんな時、ヒロの手元に唯一残ったマイクロボットが何処かへ向かい動き出しました。他は全て焼け落ちた筈であるマイクロボットの動きに疑問を持ち、ヒロはその示す方向へと向かいます。
映画『ベイマックス』のあらすじ【転】
すると、何ととある郊外の工場でマイクロボットが量産されていたのです。覗き込んでいたベイマックスとヒロは、その場にいたマスクをした男に追われ慌ててその場から逃げ出します。マイクロボットの製造方法は、製作者であるヒロしか知りません。
製造方法がわかる方法といえばマイクロボットを解析するしかありませんが、既に他のマイクロボットは燃え尽きている筈です。どうやってその技術が盗まれたのか、ヒロはその後を追う事にしました。しかしそんなヒロの前に、再び仮面の男が現れます。窮地に追いやられるヒロでしたが、そこにベイマックスが連絡していたタダシの4人の仲間達が助けに現れます。
作戦会議の末、彼らは自分達の知識と技術を用い特殊なスーツを作成し、その仮面の男と対峙することを決意しました。そしてとある島にいるその仮面の男に接触し、その仮面を奪い取る事に成功しました。その素顔は何と、火の中で死んだはずのキャラハン教授でした。教授は会場に火をつけ、その混乱の中マイクロボットを盗む事に成功していたのです。
映画『ベイマックス』の結末・ラスト(ネタバレ)
つまり、キャラハン教授は自分を助けに戻ったタダシを見殺しにして、自分だけマイクロボットの力を使い生き延びていたのでした。キャラハン教授には、クレイテックという大会社の実験に協力し、娘を異次元空間へと飛ばされてしまったという過去がありました。娘を取り戻す為、
そしてクレイテック社に復讐をする為、教授はマイクロボットを手に入れたかったのです。その場から逃げ出した教授は、クレイテック社に現れます。ヒロと仲間達は自分達の発明品を武器に教授と熾烈な争いを繰り広げます。そして教授の娘を奪った異次元装置を起動させると、異次元の世界で教授の身体を包むマイクロボットを次々と剥がして行きます。しかし異次元世界で、ヒロのスーツのパワーがダウンしてしまいます。そんな時、ベイマックスがヒロと娘を掴み、ロケットパンチで2人を現実世界へと戻しますが、ベイマックスは異次元へと取り残されてしまいました。
ベイマックスを失ったショックに暮れるヒロでしたが、ベイマックスの手の中には自分のデータが書き込まれたデータチップが握られていました。そのチップをもとに、ヒロはベイマックスを復活させるのでした。
映画『ベイマックス』の感想・評価・レビュー
家族や友達など親しい人を亡くした時、寂しく心細いはず。亡くなった最愛の兄が残してくれたベイマックスは最初ただのロボットだったけれど、ヒロにとっては友達に、家族にと、そしてかけがえのない存在になっていく。東京を思わせる街の様子の描き方や、兄の友達たちと特殊スーツを着てキャラハン教授と戦うところ等、見どころはいっぱい。
少年が兄の死を乗り越えて成長していくストーリーとAIのエンディングテーマに思わず涙がほろりとしてしまった。(女性 40代)
ヒロのお兄さんであるタダシは亡くなってほしくなかった、という気持ちは、あるといえばありますが、それでは物語が進まなくなってしまいますよね。なので、ヒロがベイマックスと仲間達に出会えたことを、喜ぶべきだと感じました。孤独だったヒロに必要だったものは、やはり仲間だったと思うのです。
ヒロ達は、時にはヒーローとして活躍して、時には色々遊んだりと、青春している感じが、爽やかで良いなと思いました。
ベイマックスがいる限り、ヒロは健やかに育つのだろうな、とゆったりとした安心感があります。ヒロ達が再び活躍する続編映画が、もし公開されたら、是非見に行きたいです。(女性 20代)
ディズニー映画にはなかなか無かったロボットが主体の作品。愛くるしい肥満体系のベイマックスと兄を失ったヒロとの友情を描いた作品。未来の日本の都市をディズニー風にアレンジしている所も面白い。ディズニーでは珍しく人の死を明確に描いているのだが、亡き兄の意志をしっかりとヒロが継いでいく事こそが、この作品を通じて説いていくべき結末だと感じた。同じロボット系で思いつくのは、ピクサーのウォーリーだったりするが、個人的にはこちらの方が好みである。(男性 30代)
ディズニーの映画なんですが、日本が舞台となっている事もあり公開前から話題になっていました。亡くなったお兄ちゃんが弟を想う気持ちが現れていて兄弟の絆の深さを思い知らされました。
この映画を観て、ベイマックスみたいなロボットが欲しいなと率直に思いました。ロボットでもあり友達でもある。ロボットに弟への想いを詰め込む兄の気持ちがたくさん詰まっていました。(女性 30代)
とりあえずベイマックスがひたすらかわいい。どこか癒されたいと思っている向きにはもうそれだけで十分。ストーリーは王道、思っている通りの展開。そこはジェットコースターと同じで、ルートが分かっていても楽しめればこちらのものだ。
ただもしベイマックスが作られたそもそもの目的が心と体のケアだったのなら、戦って街を守るヒーローじゃなくて、街角で弱っている人を助けるボランティア的な活動の方が合っている気もするが、それじゃ最後のカタルシスは得られないか?(男性 40代)
見る前のイメージと見終わった後のイメージがまるで違う。見る前は『ドラえもん』的なほのぼのストーリーだと思っていたのだが、実際はアメコミ原作のヒーロー映画だった。自分は面白かったが、期待外れと思ってしまう人もいたのではないだろうか。
兄とのお別れが本当に悲しくて一気に物語に引き込まれる。ただのヒーローものではなく家族で感動できる物語に仕上げてきたのは流石ディズニーといったところ。
MCUシリーズのお約束であるスタン・リー出演もあり、それも楽しんで見ることができた。(男性 30代)
みんなの感想・レビュー
再び黄金期を迎えているディズニー。『アナと雪の女王』のヒットばかりに目が行きますが、『塔の上のラプンツェル』などの傑作も生み出しています。
日本からの影響が強い映画という点、ベイマックスの愛くるしさからヒットが予想されていた本作はどうだったのかというと、正直、驚きました。広告のような心温まるドラマ、というだけではないということは知っていたものの、想像以上にアクションが目立つ作品でした。そのアクションが、まあ凄いこと。マーベルスタジオが制作しているのかと勘違いしてしまうほどの迫力とケレン味があり、見応え充分です。映像もお見事!ギャグもバシバシ決まり、泣かせる演出も本当に素晴らしかった。
かつての3Dは、作り物感がありました。本作の3Dは、まるで実写です。『アナ雪』とは異なり、現代を舞台にしているから、余計に実写のように感じられます。海、霧、雨、濡れた道路、埃など、創作にありがちな過剰演出もなく、非常にリアルです。アカデミー賞で美術賞にノミネートされてしかるべきでしょう。私が驚愕したのは、タダシが亡くなり、悲しみにくれるヒロが階段で佇むシーン。外では雨が降っており、キャラクターの心境を表現しています。その雨に濡れる窓の影が壁に反射しているのですが、これが凄い。実写よりも実写です。細かな部分にも気を抜かず、むしろ、より注意を注いでいる。資金力と技術力って凄いなぁ。日本じゃあ逆立ちしても無理ですよ。話も面白いし……。クールジャパン、負けてますよ。
子どもも楽しめる映画を映画館で観る時の楽しみは、子供たちの反応です。どんなシーンで笑い、泣き、声を上げるのかが楽しみでしょうがないんです。一番反応が良かったのは、ベイマックスが工場での戦闘で傷んだ身体をセロハンテープで補強するシーンでした。エンドクレジットでも触れられるくらいですから、相当の自信があるシーンだったんでしょう。ああいうギャグを連発するベイマックスは凄腕ですよ。元々はドラゴンだったベイマックスを、あんなデザインにしてしまったディズニーは素晴らしい。なんといっても、おもちゃを買いたくなるルックスですよ。ベイマックスを主人公にした第二のトイ・ストーリーが生まれること間違いなし。ディズニーランドにもベイマックスが来ることでしょう。どんだけ儲けるつもりなんだ……。