映画『いつかギラギラする日』の概要:ギャングのボスである神崎は、仲間の柴から仕事を持ち掛けられ、同じく仲間の井村と話しを聞きに行った。仕事の内容はホテルの売上金額2億円を奪うことで、クラブで出会った青年から話を持ち掛けられたものだった。
映画『いつかギラギラする日』の作品情報
上映時間:108分
ジャンル:アクション
監督:深作欣二
キャスト:萩原健一、木村一八、千葉真一、荻野目慶子 etc
映画『いつかギラギラする日』の登場人物(キャスト)
- 神崎(萩原健一)
- ギャングのボス。頭のキレる男。友情には厚いが、自分を裏切る者には容赦がない。
- 角町(木村一八)
- ライブハウスを開く予算が足りなかったため、強盗計画を立てる。ヤクザから金を借りている。テンションが高く幼いところもある青年。
- 美里(多岐川裕美)
- 神崎の恋人。長く神崎と付き合っており、心から愛している。神崎の仕事を陰ながらサポートしている。
- 麻衣(荻野目慶子)
- 柴の恋人。テンションが高く明るい女性。人から注目を受けていないと不安になる。裏で角町と付き合っている。
- 井村(石橋蓮司)
- 神崎の仲間。在日韓国人。妻と今度高校生になる娘がいる。事業に失敗して借金を抱えており、返済に苦労している。借金の返済と、家族に捨てられる恐怖に怯え、精神病院で入退院を繰り返している。
- 柴(千葉真一)
- 神崎の仲間。恋人の麻衣に惚れこんでいる。
映画『いつかギラギラする日』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『いつかギラギラする日』のあらすじ【起】
美里が産婦人科から出ると、恋人の神崎が待っていた。妊娠していたことに気づいていたのだ。美里は謝りながら、おろしたことを報告した。神崎は美里を抱き寄せ、もうそろそろ新たな強盗の仕事を始めようと思っていることを話した。そして、美里に一緒に行くかと誘った。
神崎は仲間の井村を仕事に誘いに行った。井村は精神病院に入院していた。借金のことや家族に捨てられることを考えては、精神を病み、病院の入退院を繰り返していた。井村の娘は来年高校に通う年で、父親がギャングの一員であることに感づいている様子だった。
神崎達は札幌に飛んだ。美里は別荘に向かい、神崎と井村は仲間の柴の元に向かった。そして、柴から外では話せない要件を聞いた。柴は恋人の麻衣とよく行くクラブで角町という若者と出会い、意気投合していた。その角町が一緒に強盗をする仲間を探していたのだ。神崎達は函館に行き、角町と会った。神崎達は計画には乗らずに、自分達の姿を見た角町に銃を突きつけ殺す振りをした。だが、角町は機転を利かせ、銃から逃れようとした。しかも、神崎達が銃を撃ってもビビっている様子はなかった。神崎達は角町の根性を気に入り、一緒に仕事を行うことにした。
角町は洞爺湖にあるホテルの売上金を狙っていた。観光シーズン真っ盛りのため、土日だけでも5000人の客の出入りがあった。その客達が落としていった売上金が、2億円にも上るのだ。そして、その2億の売り上げを2人の警備員が山道を走り、札幌の銀行まで運んでいた。その後、神崎達は計画を立て、現金輸送車を襲って金を奪った。しかし、アタッシュケースに入っていたのは5000万円だった。
映画『いつかギラギラする日』のあらすじ【承】
角町が隙を突いて拳銃を奪い、井村と柴を撃った。神崎も目の上に弾が当たってしまうが、何とかその場から逃げることに成功する。角町が金を奪って出て行った後、神崎はアジトに戻り、井村達の様子を確認した。井村は既に亡くなっていたが、柴は辛うじて生きていた。その時、神崎を心配して美里が現れる。神崎と柴は美里の車に乗り、その場を逃げ出した。
角町は麻衣の家に行き、ベッドに眠る麻衣を射殺した。しかし、中にいたのはただの人形だった。その時、麻衣がクローゼットから現れ、角町をショットガンで撃った。神崎から危機を知らせる連絡を受けていたのだ。しかし、角町は防弾チョッキを着ており、生きていた。しかも、裏で麻衣と角町は繋がっており、強盗を行った後、柴を殺害して金を奪う計画を立てていた。角町は現金が5000万円しかなかったことを麻衣に話した。すると、麻衣は角町の手を手錠でベッドに繋ぎ、車の鍵を奪って金と一緒に逃走した。
神崎は角町の捜索を行った。その時、角町と麻衣が仲良く写っている写真を発見する。その頃、麻衣は家へと戻っていた。今すぐには5000万円を使う予定がなかったため、どこかに隠してきていた。
映画『いつかギラギラする日』のあらすじ【転】
室蘭。神崎は角町に金を貸しているヤクザの元を訪ねた。そして、角町が支払った5000万円を返すよう脅した。しかし、角町はヤクザに金を返しておらず、返済を待ってくれと電話してきていた。神崎は角町がお金を持ってきても手をつけるなと脅し、帰っていった。ヤクザの組長はたっちゃんと呼ばれる殺し屋に、神崎と角町の殺害を依頼した。
神崎は大沼にいる美里に連絡を入れた。そこでは、知り合いのもぐりの形成外科医に頼んで、柴の治療が行われていた。しかし、柴の心臓の近くに弾が残っており、摘出は困難で予断を許さない状況だった。しかも、美里の元に井村の妻から連絡が来ていた。ニュースで強盗事件のことを知り、神崎と話したがっていると言うのだ。会わなければ警察にタレ込むと言われ、神崎は仕方なく100万円の現金を持って会いに行くことにした。
井村の妻は夫の取り分を放棄する代わりに、神崎から100万円を受け取った。月末に80万円を支払わなくてはいけないのだ。そして、来月までに夜逃げをするつもりでいた。井村の妻は夫が死んでも悲しんでいる様子はなく、疲れ切って生気がなかった。神崎が井村の妻を見送ると、麻衣から電話が掛かってくる。角町を殺したのだが、現金と銃の処分に困っていると言うのだ。神崎は銃を用意して麻衣に会いに行った。だが、麻衣と角町に襲撃され、殺されそうになる。角町は麻衣に車で跳ねられ、海へと落ちた。角町は神崎の死を確信しながら、その場所に銃を乱射した。
神崎は生きており、もぐりの医者に治療を受ける。目を覚ました柴に麻衣のことを聞かれるが、本当のことは言わなかった。しかし、柴は麻衣が会いに来ないことから裏切られたことに気づいていた。柴は神崎に謝罪した。皆が見守る中、柴はひっそりと息を引き取った。神崎は柴のために流したレコードを聞きながら、泣くのを堪えた。
映画『いつかギラギラする日』の結末・ラスト(ネタバレ)
麻衣は角町のためにお金を全て渡した。角町はヤクザの組長に、店にお金を受け取りに来るよう電話を掛けて伝えた。事務所まで行くと、殺される恐れがあるからだった。組長は角町を殺害する予定が狂ってしまったため、腹を立てた。そして、店に入る前に角町を見つけるよう手下達に指示を出し、たっちゃんと共に店に向かった。その頃、神崎は角町のクラブを爆破し、無理矢理店に入って角町が来るのを待っていた。
角町が店に行くと、警官がクラブを爆破された件で捜査を行っていた。近くの公衆電話から店に電話を掛け、状況を店員から聞こうとした。だが、詳しい状況は分からなかった。その時、神崎が店から出てくるのが見えた。しかも、ヤクザの組長が殺し屋を連れているのにも気づいてしまう。神崎は急いで車を走らせ、その場を逃げ出した。その後を、ヤクザと神崎が追いかけた。
神崎は角町と麻衣と銃を撃ち合った。角町はこのままでは殺されてしまうと思い、麻衣にお金を託して逃げるように指示を出した。そして、角町自身はお金を持っているフリをして、その場から走って逃げた。案の定、神崎は角町を追ってきた。麻衣は誰も自分のことを見てくれないことに恐怖を感じるが、そこにパトカーが現れる。麻衣は多くの警官達に囲まれていることに歓喜し、車に乗って逃走した。
角町はバスの運転手を脅して逃げようとするが、ヤクザ達が待ち構えていた。しかも、運転手が殺し屋によって殺されてしまう。角町は無理矢理バスを運転して逃走した。しかし、そのバスに殺し屋がしがみついており、襲撃される。角町はバスを蛇行させながら殺し屋を振り払おうとするが、無茶な運転をしたせいでバスが横転してしまう。そこに、パトカーに追跡されている麻衣が現れる。麻衣は警官だろうがヤクザだろうがお構いなくマシンガンを乱射した。しかし、殺し屋に撃たれてしまう。角町は殺し屋を撃ち、麻衣を車に乗せてその場を逃げ出した。ヤクザは横転したバスから金を探そうとして、警官に捕まってしまう。
角町は車を横転させてしまう。神崎が車から金を回収するのを横目で見ながら、麻衣の死に顔を眺めていた。そして、角町は神崎に煙草の火を貸してくれと声を掛けた。だが、それは罠で、角町は神崎をナイフで刺し殺そうとした。しかし、神崎は角町の行動を読んでおり、逆にナイフで角町の首を刺した。神崎も肩の辺りを刺されてしまうが、ナイフを抜いてその場を逃げ出した。
神崎は多くの警官に包囲されるが、無理矢理車を走らせた。だが、無茶な運転をしたせいで、車が海に落ちてしまう。車からは現金が浮かんできた。その後、神崎は意気消沈しながら美里と共にバスに乗っていた。その時、多くの銀行の看板が目に入り、神崎は再びやる気を漲らせた。
映画『いつかギラギラする日』の感想・評価・レビュー
今の日本では、こんなド派手なカーアクションをする映画をあまり見ないので、この時代は日本でもあったのかと思うと羨ましく感じた。ただ、CG技術が発達している今の映画と比べてしまうとリアリティはあれど迫力に関しては、少し見劣りするような気がしてしまった。
出演している役者さんの演技はとても素晴らしく、荻野目さんは本当に気が狂っているみたいで観ていて少し怖くなったが、それほどリアルな演技力に感動した。(女性 20代)
「頭蓋骨まで熱くなる」こんなド派手で過激なキャッチコピー付けられますか?とにかく俳優全員が振り切った演技で、アクションシーンも迫力満点。「ギラギラする」という言葉がわかったような気がします。
萩原健一がとにかくすごい。眼力に圧倒されます。過激な男でありながら、その口から発せられるセリフはとても男を感じさせるもので魅力的でした。千葉真一や石橋蓮司、原田芳雄などとても豪華なキャストで、ストーリーにも重厚感が出ていました。(女性 30代)
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