映画『ブロンソン』の概要:この作品はイギリスにいる実際の囚人を元に作られた映画である。マイケルは真面目な両親の下に生まれるが、暴力を振るい問題行動を起こしてばかりいた。有名になることを望んでいたが、歌も下手で演技もできず、暴力を振るうことしかできなかった。
映画『ブロンソン』の作品情報
上映時間:92分
ジャンル:アクション
監督:ニコラス・ウィンディング・レフン
キャスト:トム・ハーディ、ジェームズ・ランス、マット・キング、アマンダ・バートン etc
映画『ブロンソン』の登場人物(キャスト)
- マイケル・ピーターソン / チャールズ・ブロンソン(トム・ハーディ)
- 真面目な両親の下に生まれるが、学生の頃から暴力を振るい、問題を起こしていた。イギリスで最も有名な囚人。有名になることに拘っている。
- ポール・ダニエルズ(マット・キング)
- ナイトクラブのオーナー。マイケルと同じ刑務所に入っていた。マイケルに裏格闘技を紹介する。映画スターである「チャールズ・ブロンソン」の名前を、マイケルにつける。
- フィル・ダニエルソン(ジェームズ・ランス)
- 刑務所の美術講師。マイケルの絵を高く評価する。
映画『ブロンソン』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ブロンソン』のあらすじ【起】
チャールズ・ブロンソンは舞台に立ち観客に向かって話し始めた。チャールズはとにかく有名になりたかった。その素質も欲求もあったが、方法だけが分からなかった。歌も下手で演技力もなかった。選択肢がなかったのだ。
この映画は実話を基にして作られている。
マイケル・ピーターソンは真面目な両親の下で、ごく普通に育てられた。しかし、学校に通うようになると、同級生や先生を殴り問題を起こすようになった。先生は母親とマイケルの問題行動について話し合おうと自宅を訪ねるが、門前払いされてしまう。マイケルは信念があったため、自分が悪いとは思っていなかった。
1974年マイケルはアイリーンと結婚した。生活は“そこそこ”送れていたが、スター街道に“そこそこ”乗っていないことが不満だった。アイリーンがマイケルとの子供を育てている中、マイケルは郵便局に押し入った。盗んだのは数枚の紙幣と小銭だけだった。マイケルは7年の実刑を受けた。
マイケルにとって刑務所での暮らしは腕を磨くための修練の場所で、自分の名を知らしめる最高の場所だった。マイケルは職業訓練を拒み、警官に殴りかかって問題を起こした。他の受刑者から称賛されるのが快感だった。
マイケルは舞台に立ち観客に、仮釈放の日のことを話し始めた。世間をあっと言わせようと考えていた。観客から「どうやって?」と気軽に質問されたマイケルは、突然激しく怒り始めた。マイケルは自分のことをチャールズ・ブロンソンであると言い、イギリスでもっとも凶暴な囚人だと伝えた。マイケルが仮釈放の日に取った手段は、警察官を殴り暴行することだった。新聞は“制御不能”“刑務所が大混乱” と報じた。マイケルは“有名になりたかった”とコメントを発表した。マイケルは執拗な嫌がらせを受け、次々と刑務所を移動させられた。看守達から激しい暴行を受けるが、マイケルはそれを笑って受け流していた。
映画『ブロンソン』のあらすじ【承】
マイケルは過ちに気づいた。最終的に入れられたのが精神病院だったのだ。マイケルはそこでも看護師を殴りつけて問題を起こしていたが、注射を打たれ大人しくさせられた。薬のせいで言葉を話せず、思うように動けなくなる。マイケルは泣き喚いた。
マイケルは精神病院から抜け出す方法を考えた。ここは自分が望むような場所ではなかったのだ。マイケルは精神病患者の首を絞めて刑務所に戻ろうとした。しかし、被害者が回復したことで裁判は行われず、異常人格の犯罪者を収容するブロードムア病院に移送されることになった。マイケルは刑務所に戻れないことに絶望した。その後26年もの間、マイケルはブロードムア病院で孤独を味わうことになった。
マイケルは舞台に立ち、チャールズとブロードムア病院の対決の映像を観客に見せた。マイケルは他の患者と共に病院の屋根を破壊し、火を点け攻撃した。警察はマイケルの扱いに手を焼き、イギリス女王は国内で最も金のかかる囚人に匙を投げた。マイケルは“正常”だと判断され、病院を退院することになった。
映画『ブロンソン』のあらすじ【転】
マイケルは両親に迎えられ、実家へと戻った。しかし、そこは新しく引っ越した先で、マイケルの荷物は前の家に置いたままだった。マイケルは荷物を取りに、前の家があるルートンの街に向かった。しかし、門扉が開いていなかったため入れず、叔父のジャックの家を訪ねた。
マイケルはジャックから、刑務所仲間のポールがルートンの街にいることを教えられる。ポールに会いに行くと、10年で出所してクラブを経営していた。ポールは裏格闘技の参加をマイケルに提案した。マイケルは「チャールズ・ブロンソン」の名前を与えられ、参加することになった。
マイケルは格闘技で勝利するが、20ポンドしか賞金が貰えなかった。ポールは金が欲しければ、自分で客を呼び寄せるよう伝えた。マイケルは複数の男相手に戦ったり、犬相手に戦ったり、何でもこなした。
マイケルは1人の女性を愛するようになるが、その女性にはバイクを持っているブライアンという恋人がいた。マイケルはショックを受けるが気持ちは変わらず、1000ポンドの指輪を盗んでプレゼントした。しかし、女性は指輪を受け取った後、ブライアンと結婚することを告げた。マイケルは再度ショックを受けるが、女性の結婚を祝福した。
映画『ブロンソン』の結末・ラスト(ネタバレ)
マイケルはすぐに捕まり、69日ぶりに刑務所へと戻った。マイケルは自分のことをチャールズ・ブロンソンと名乗った。チャールズは本を持ってきた司書を人質に取った。しかし、叫びまくっても看守はやって来なかった。所長から電話が掛かってきて要求を聞かれるが、チャールズは特に要求はなかった。チャールズは電話を切ると突然服を全部脱ぎ、司書に手伝わせて体中にペイントを施した。これがチャールズにとっての武装だった。そして、やって来た看守達と戦った。
チャールズは拘束具をつけられ、猿轡を嵌められた。所長はチャールズと対話し更生を促そうとするが、チャールズはそれを拒否した。所長が出て行った後、チャールズは項垂れた。
美術講師のフィルがチャールズの絵に興味を持った。面白い絵だと評し、ここにはない自分だけの世界を描くことを勧めた。チャールズはフィルの言葉を馬鹿にするが、真剣な様子を見て、自分だけの世界を描いてみることにした。フィルはチャールズの絵を高く評価し、チャールズ自身についても、絵を通じて社会性や協調性が芽生えると信じていた。所長はそのことを喜ぶが、チャールズの絵には興味がないようで、見ようともしなかった。
フィルは所長の態度を批判し、チャールズのことを持ち上げた。そして、自重していれば“僕ら”なら上手くいくと話した。チャールズは“僕ら”という言葉に違和感を持った。フィルはチャールズの機嫌が悪くなったことを感じ取り、“君”の望みが叶うのだと言葉を重ねて取り繕おうとした。しかし、自分のことを理解しているかのようなフィルの言葉に腹を立て、チャールズはフィルを襲った。
チャールズは服を全部脱ぎ、全身に黒色のペイントを施した。そして、フィルを人質に取って立て籠もり、所長に音楽を要求した。部屋の中で、フィルは柱に括り付けられ、青い布を被せられていた。チャールズは手に顔だけの像を持ち、片手に棒を持って音楽を聞いていた。その後、チャールズはフィルの顔に絵を描き、リンゴを咥えさせ、自分が被っていた帽子とサングラスをつけた。チャールズは自分の作品ができたと満足そうに眺めた後、警官達に殴りかかった。チャールズは捕まり、ボコボコに殴られた。
チャールズはイギリスで最も有名な囚人である。34年の刑務所生活の内、30年を独房で過ごし、いまだ服役中である。
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