この記事では、映画『デス・プルーフ in グラインドハウス』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『デス・プルーフ in グラインドハウス』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『デス・プルーフ in グラインドハウス』の作品情報
上映時間:113分
ジャンル:アクション、コメディ
監督:クエンティン・タランティーノ
キャスト:カート・ラッセル、ロザリオ・ドーソン、ローズ・マッゴーワン、シドニー・タミーア・ポワチエ etc
映画『デス・プルーフ in グラインドハウス』の登場人物(キャスト)
- スタントマン・マイク・マッケイ(カート・ラッセル)
- スタントマン。女の集団を見つけると、それを追いかけて車で攻撃するという奇行を繰り返している。ドライビングの腕前は一流で、自身の車は殺人マシーンのように改造されている。ゾーイたちに反撃をくらい、ボコボコにされてしまう。立場が弱くなると、すぐに泣き言を言う醜い男。
- アーリン(ヴァネッサ・フェルリト)
- ジュリアたちと小旅行をしている。ジュリアのいたずらで、オースティンではバタフライという名の美女という噂をたてられる。しかし、誰にも声をかけられず傷つく。マイクに挑発され、ダンスをする。その後、マイクの乗った車によって轢き殺される。
- シャナ・バナナ(ジョーダン・ラッド)
- アーリンとジュリアの友人。彼女たちと一緒にバーに立ち寄る。お調子者で、三人の中では妹的存在。マイクに轢き殺される。
- ジャングル・ジュリア・ルカイ(シドニー・ターミア・ポワチエ)
- 人気DJで、姉貴肌。強気な性格で、男にも物怖じしない。しかし、恋人のことになると弱い部分を見せることもある。マイクに轢き殺される。
- パム(ローズ・マッゴーワン)
- ジュリアの幼馴染。金髪の美女で、ジュリアとは犬猿の仲。マイクを誘い、送っていってもらうことになるが、車中でマイクに殺される。
- アバナシー(ロザリオ・ドーソン)
- ヘアメイクの女。撮影中の休みを使って、友人と共にドライブに出かける。ゾーイの遊びに付き合った結果、マイクとの死闘に巻き込まれてしまう。見栄から、臆病を隠すときがある。
- リー(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)
- 人気女優。休みを利用し、アバナシーやキムとドライブに出かける。アバナシーに利用され、彼女たちが車を借りるための担保として農夫の相手をさせられる。チアガールの格好をしている。
- キム(トレイシー・トムズ)
- スタントウーマン。アバナシーとジュリアを連れてドライブに出かける。命知らずのゾーイに辟易しながら、彼女に付き合う。マイクとの死闘を繰り広げ、勝利する。車オタク。
- ゾーイ・ベル(ゾーイ・ベル)
- スタントウーマン。キムの友人で、彼女たちと途中合流する。オーストラリア出身の車オタク。乗りたい車を下調べし、試乗と嘘をついて危険な遊びをする。衝突してきたマイクとの死闘を繰り広げ、勝利する。
映画『デス・プルーフ in グラインドハウス』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『デス・プルーフ in グラインドハウス』のあらすじ【起】
テキサス州のオースティン。アーリンとシャナとジュリアの女三人衆が、シャナの父親の別荘へと向かうために車に乗っている。彼女たちはおしゃべりで、ガールズトークに花を咲かせている。DJであるジュリアの看板を見るたび、彼女たちは馬鹿騒ぎを始める。
お気に入りのバーへと寄った三人。アーリンはそこで、不審な黒い車を見かける。しかし、車はすぐに走り去り、アーリンも特にしつこく追うことはなかった。
バーにはジュリアの友人がいて、三人と一緒に飲み始める。その友人はアーリンを見て、あなたがバタフライねと話しかける。アーリンは何のことかわからずにいたが、実はジュリアがラジオで、オースティンにセクシーなバタフライという美女がやってくると話をしていたのだった。
バーを出た三人は、酔っ払って大騒ぎをする。その様子を、先ほどの不審な車に乗った男がじっくりと見ている。
別のバーへとやってきた三人。ジュリアはそこで、今すぐ会いたいというメッセージを男に送る。ジュリアはどこか、寂しそうな表情を浮かべる。

映画『デス・プルーフ in グラインドハウス』のあらすじ【承】
タバコを吸うために外に出たアーリン。彼女は再びそこで先程の不審な車を見つける。気になったが、そこへ若い男が近寄ってきて彼女に話しかけたため、彼女はその車のことを忘れてしまう。
店では、スタントマンのマイクが夜食を摂っている。その横に座っていた金髪のパムが、家に送っていってくれる人を探している。マイクは彼女に話しかけ、送っていっても良いと言う。
パムと一緒に飲み始めたマイクは、しきりにジュリアたちのテーブルを見ている。パムはジュリアと一緒の学校に通っていたことがあり、ジュリアを馬鹿にしたような話をマイクにする。その後、外に出てタバコを吸っているときに、マイクはジュリアに話しかける。
マイクはバタフライのことを知っていて、アーリンに声をかける。ジュリアは、もうそれは終わったのだとマイクに伝える。しかしマイクは、アーリンが誰にも声をかけられず傷ついていることに気づいていた。アーリンは、マイクを怖がっている。それは、度々見かけた不審な車のドライバーが、マイクだったからだった。
映画『デス・プルーフ in グラインドハウス』のあらすじ【転】
バーでの宴が終わり、マイクはパムを送っていくことにする。マイクの車はスタント用で、中には手製の椅子があるだけだった。
マイクは突然パムの言った進行方向とは逆に走り出す。猛スピードを出すマイクに怯えたパムは、今すぐ車を出して欲しいと訴える。しかし、マイクは暴走してパムをフロント部分に衝突させて殺してしまう。
楽しくドライビングしているジュリアたち。そこへ、マイクの車が目の前から突っ込んでくる。正面衝突した結果、マイク以外の全員が死んでしまう。
マイクが治療されている病院に、二人の警官がやってくる。事件の概要だけ見れば、酔った女たちがシラフのマイクよりも責任が重いが、警官はなんとなくマイクによる犯行ではないかと考えていた。
十四ヶ月後、車に乗ったマイクはレバノンにいた。コンビニに駐車していたマイクの隣の車には、メイクのアバナシー、女優のリー、スタントウーマンのキムが乗車している。
マイクは彼女たちを標的に決め、一旦その場を去る。彼女たちは空港に向かい、そこで友人のスタントウーマンであるゾーイと合流する。
映画『デス・プルーフ in グラインドハウス』の結末・ラスト(ネタバレ)
レストランで食事を摂る四人。雑談で盛り上がる中、ゾーイがアメリカでしたいことを話し始める。車オタクのゾーイは、440エンジンのダッチ・チャレンジャーに乗りたいのだ。下調べして、ある農夫がそれを売りに出していることを知っていたゾーイは、その人に試乗を頼んで楽しみたいと思っていた。
農夫のもとへと向かった四人。ゾーイはそこでキムに、走行中にロープを車に繋いで、体をフロントに出すという遊びをしたいと言い出す。キムは危険だと反対するも、ゾーイのしつこさに根負けする。アバナシーとリーを担保にして試乗に出かけようとするが、アバナシーが仲間外れは嫌だと言って付いてこようとする。
ゾーイとキムとアバナシーは、リーを担保にして試乗へと繰り出す。ハイスピードで走行する中、ベルトを車にくくりつけ、ベルトを持ったゾーイがフロントに体を出す。
危険な遊びに熱中する三人。そこへ、車に乗ったマイクが姿を現す。マイクの車がゾーイたちの車に近くと、衝突を始める。
クラッシュした二台が止まった後、キムが持っていた銃をマイクに発砲する。片腕を撃たれたマイクはその場から逃げるが、今度はゾーイたちがマイクを追いかけ始める。
ゾーイたちはマイクの車に何度も衝突し、とうとうマイクの車をクラッシュさせることに成功する。そして、三人はマイクをボコボコに殴るのだった。
映画『デス・プルーフ in グラインドハウス』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
人によれば名作中の名作と推される作品。もちろんそういう人がいるのはよくわかる。すべてのカットの構図・被写体との距離等、さすがは世界を代表する監督というだけのことはある。ただ個人的にはこれが全力ですか。と疑問に思う。手抜きとは言わないが遊び心というにはちょっと軽いというか。もちろんこの作品はこれでいいんだろうけど、なんか全力で作った作品という感じがしなくてごにょごにょ。面白いんだけどこの前後に作った作品との落差が気になる。(男性 30代)
好き嫌いが分かれそうな今作。クエンティン・タランティーノ監督の作品はどれも個性が感じられる独特なものですが、今作はその中でも特に個性が際立つものだったと思います。
世界観はもちろん、キャラクターの設定や改造車のビジュアルなどどれをとっても他では見られないものばかりで個人的にはかなり面白かったです。
カート・ラッセル演じるマイクがイキった行動をする割には負けるとグチグチ言っててめちゃくちゃダサくて笑ってしまいました。(女性 30代)
タランティーノらしい長尺の会話と、緊張感が爆発するアクションの落差がクセになる映画。前半の女性たちが残酷に殺される展開はかなりショッキングだが、後半でそれが痛快な逆転劇へとつながっていて、見終わった後の爽快感がすごい。スタントマン・マイクがまさかここまでボコボコにされるとは(笑)。70年代B級映画への愛が詰まった一本。(20代 男性)
前半は「タランティーノ作品っぽいけど、ちょっと退屈かも」と思っていたけど、後半のカーチェイスで一気に目が覚めた。ゾーイ・ベルのスタントは本当に凄い。あれを本当にやってるなんて信じられない。女性たちがただの犠牲者じゃなく、力強く反撃していく展開に思わず拍手。女性としてスカッとする作品だった。(30代 女性)
車と人間の肉体だけで魅せるアクション映画って、今では本当に貴重。CGに頼らないスタントがリアルで、緊張感が段違いだった。特にラストの3人の女性たちがスタントマン・マイクを追い詰めていくシーンは、「やっちまえ!」って叫びたくなるほど熱かった。暴力描写も多いけど、それ以上に映画的快感に満ちてた。(40代 男性)
B級映画風のザラザラした質感や、フィルムの傷まで再現されていて、映画館で観た時はまるで70年代にタイムスリップしたようだった。物語としてはシンプルなんだけど、映像と音楽と演出のセンスが抜群で、タランティーノにしか撮れない作品だと思う。特にラストのオチは痛快で最高!(50代 女性)
ゾーイ・ベルが本人役で出演しているのも驚いたし、あのボンネット・ライドのシーンは映画史に残る名シーンだと思う。最初は退屈に感じるかもしれないけど、それが後半の緊張感を倍増させてるのがうまい。グラインドハウスというコンセプトを知らないと取っつきづらいけど、映画ファンにはたまらない作品。(30代 男性)
正直、前半の女子トークが長くてついていけなかったけど、後半の怒涛の展開で印象が一変。カーアクションの迫力とリアルさは圧巻だったし、タランティーノの作りたいものが伝わってきた。女たちが反撃してマイクを追い詰めるくだりは、思わず声が出た。地味だけど、観終わった後にじわじわ来る作品だった。(20代 女性)
スタントマン・マイクのキャラクターがクセ者すぎて、逆に愛着が湧いてしまった。彼の狂気じみた笑顔と、それが崩れる最後のギャップがたまらない。クレイジーな世界観だけど、そこに妙なリアリティがあって、なんとも不思議な魅力のある映画。B級映画愛が炸裂してて、映画好きにはたまらない。(40代 男性)
音楽の選び方が最高だった。特にラストの“Chick Habit”が流れるタイミングは完璧で、サントラが欲しくなった。内容はかなりクセが強いけど、キャラの強さとテンポの良さで最後まで惹きつけられた。あと、女性陣の強さが際立っていて、単なるスラッシャー映画じゃないところが好き。(30代 女性)
映画『デス・プルーフ in グラインドハウス』を見た人におすすめの映画5選
プラネット・テラー
この映画を一言で表すと?
ゾンビ×過激アクション×B級映画愛が詰まった、最高にイカれたバイオレンスエンタメ!
どんな話?
化学兵器によってゾンビが発生した田舎町で、元ストリッパーの女戦士と医師が力を合わせて戦う物語。マシンガン義足のヒロインが大暴れする、クレイジーでグロテスクな世界観が魅力のホラーアクションです。
ここがおすすめ!
『デス・プルーフ』と同じ「グラインドハウス企画」の1本で、ロバート・ロドリゲスが監督。血と銃とセクシーさに満ちた映像は、B級映画ファンにはたまらないはず。過激だけど、どこか笑えるバランス感覚が光る一作です。
マッドマックス 怒りのデス・ロード
この映画を一言で表すと?
究極のノンストップ・カーチェイス映画、映像も熱量もMAX!
どんな話?
荒廃した近未来を舞台に、独裁者イモータン・ジョーの支配から逃れるため、女戦士フュリオサとマックスが砂漠を爆走する物語。セリフ少なめで、アクション重視のストーリーテリングが特徴です。
ここがおすすめ!
カーアクションに特化した映画としては近年最高峰。CGを抑えたリアルな爆発やスタントの連続は、『デス・プルーフ』の緊迫感が好きな人に刺さるはず。女性たちが主導する反逆の物語も共通点あり!
ブルーバレンタイン
この映画を一言で表すと?
愛の始まりと終わりを対比で描く、痛いほどリアルな恋愛ドラマ。
どんな話?
夫婦の過去と現在を交差させながら、恋に落ちる瞬間と冷めきった現実を同時に描く、切なくも残酷な物語。ラブストーリーでありながら、現実の愛の形を赤裸々に映し出す重厚な作品です。
ここがおすすめ!
感情の起伏と俳優の演技力が光る一作。デス・プルーフのように男女の力関係や破綻を描く作品が好きな人には刺さる内容。観終わった後、静かな衝撃が残るはず。ライアン・ゴズリングとミシェル・ウィリアムズの名演も必見。
レザボア・ドッグス
この映画を一言で表すと?
会話劇と暴力の化学反応、タランティーノの原点にして傑作。
どんな話?
宝石店強盗に失敗した男たちが、隠れ家で疑心暗鬼になりながら内通者を探し合うクライムドラマ。時間軸をずらした構成と、緊張感のある会話が物語をスリリングに展開させます。
ここがおすすめ!
タランティーノが『デス・プルーフ』で見せた会話劇の妙味はここが原点。血と裏切りの物語なのに、なぜかスタイリッシュでクセになる。男たちの不器用な信頼と裏切りが描かれ、見る者を惹きつけて離しません。
デビルズ・リジェクト ~マーダー・ライド・ショー2~
この映画を一言で表すと?
悪の家族が主役の、狂気と暴力にまみれた破滅ロードムービー。
どんな話?
異常殺人一家が警察の包囲から逃れるため逃亡し、逃避行の中で次々と狂気の事件を引き起こしていく物語。善悪の境界が揺らぎ、観る者の倫理観を試す異色のバイオレンス作品です。
ここがおすすめ!
タランティーノ作品と同様に、暴力をスタイリッシュに描きつつも、人間の狂気や家族愛(?)を描くのが巧い。カルト的な人気を誇るロブ・ゾンビ監督によるダークで血なまぐさい世界観に引き込まれるはずです。
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