映画『バウンド』の概要:レズビアンの元強盗コーキーは、隣室に住む魅力的な美女ヴァイオレットと恋に落ち、二人はマフィアから大金を盗む計画を立てる。後に『マトリックス』で名を馳せるウォシャウスキー兄弟の初監督映画作品。
映画『バウンド』の作品情報
上映時間:108分
ジャンル:サスペンス、フィルムノワール
監督:アンディ・ウォシャウスキー、ラリー・ウォシャウスキー
キャスト:ジェニファー・ティリー、ジーナ・ガーション、ジョー・パントリアーノ、リチャード・サラフィアン etc
映画『バウンド』の登場人物(キャスト)
- コーキー(ジーナ・ガーション)
- 5年間の刑期を終え、出所したばかりの元強盗のレズビアン。世話になっているマフィアに手先の器用さを買われ、アパート修理の仕事を任される。中性的な風貌で、体に複数のタトゥーを施している。
- ヴァイオレット(ジェニファー・テイリー)
- マフィアのシーザーの愛人。妖艶な美女。元は貧しいクラブダンサーで、シーザーに拾われてからは不自由なく暮らしている。年々過激になっていくシーザーから離れたいと考えており、コーキーに大金を盗むことを持ちかける。
- シーザー(ジョー・パトリアーノ)
- マフィア組織の中堅幹部。ヴァイオレットのパトロン。短気で自己顕示欲が強く、ヴァイオレットに対して支配的な態度を取る。
- ミッキー(ジョン・P・ライアン)
- シーザーと同じ組織に属する年長のマフィア。落ち着いた雰囲気の穏やかな男性だが、冷酷な一面を持つ。シーザーに手荒く扱われているヴァイオレットを心配している。
- ジョニー(クリストファー・メローニ)
- シーザー達のボスの息子。粗野な乱暴者で、感情に任せて突発的な行動を取る。シーザーとは犬猿の仲。
- ジーノ(リチャード・C・サラファン)
- シーザー達のボス。裏社会の重鎮。イタリア出身で、普段はミラノで暮らしている。
- ロウ(ピーター・スペロス)
- ミッキーの配下。寡黙でほとんど言葉を発しない巨漢。
- シェリー(バリー・キヴェル)
- ジーノの配下。組織の金を横領し、ヴァイオレットに共に逃亡しようと誘う。
映画『バウンド』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『バウンド』のあらすじ【起】
強盗の罪で5年間の刑期を終えて出所したコーキーは、世話になっているマフィア、ビアンキーニからあるアパートの部屋の修理を任される。初めてアパートに入った際に、コーキーは、マフィアのシーザーに連れられている美女ヴァイオレットとエレベーターで遭遇する。コーキーとヴァイオレットは、目が合った瞬間からお互いを意識する。
コーキーは、ヴァイオレットとシーザーが住む部屋の隣室で作業を始める。夜型のヴァイオレットは、昼間の作業を控えるよう、コーキーに頼む。
ある日、コーキーはビアンキーニから連絡を受け、水道管にイアリングを落として困っているヴァイオレットを助けるために隣室へ行く。ヴァイオレットはコーキーにビールを振る舞い、コーキーを誘惑する。二人が行為に及ぼうとしたその時、シーザーが帰宅する。シーザーは、コーキーとヴァイオレットがお互いに興味を持っていることに気づき、コーキーに金を与えて牽制する。
その夜、仕事を終えて帰ろうとするコーキーのトラックに、ヴァイオレットが乗り込んでくる。二人はコーキーの自宅で愛を交わす。
コーキーは、ヴァイオレットがマフィアの一員シェリーを部屋に入れる場面を目撃する。隣室からヴァイオレットの喘ぎ声が聞こえ始め、コーキーは嫉妬する。ヴァイオレットはシェリーとの行為をただの仕事だと説明するが、コーキーは腹を立て、二人は仲違いをする。
映画『バウンド』のあらすじ【承】
ある日、シーザー、ミッキー、ジョニー、ロウは、組織の金の200万ドルを横領したシェリーをシーザーの自宅に連れこみ、金の在り処を吐かせるため拷問する。暴力的な雰囲気に耐えられなくなったヴァイオレットは、部屋を飛び出してコーキーが働く隣室へ行く。シーザーとの別れを望むヴァイオレットは、シーザーがシェリーから奪い返した金を手に入れて一緒に逃げようと、コーキーに相談する。
その夜、シーザー達はシェリーから金を取り戻すが、ジョニーが勢いでシェリーを射殺したため、札束は血まみれになる。シーザーは怒ってジョニーを殴りつけ、ジョニーはシーザーに仕返しするために、翌日にマフィアのボスで父親のジーノがシーザーの家まで金を直接取りに行くよう手配する。シーザーは、紙幣を一枚ずつ洗って部屋中に干して乾かす。
翌日、コーキーはヴァイオレットから夜の会合についての詳細を聞き出す。会合の前、ヴァイオレットは、シーザーがシャワーを浴びている最中に、買い物に行くフリをしてコーキーを家の中に招き入れ、コーキーはトランクから紙幣を盗み出し、代わりに新聞紙の束を詰めて隣室に戻る。
映画『バウンド』のあらすじ【転】
シーザーは、金が無くなったことに愕然とする。ヴァイオレットは、アパートの下でジョニーを見たとシーザーに嘘をつき、ジョニーが家に忍び込んで金を盗んだと思い込むように仕向ける。
シーザーはジョニーへの復讐を必死に考え始め、不安になったヴァイオレットは隠れてコーキーに電話する。コーキーは、隣室からヴァイオレット達の様子を始終窺っている。
ヴァイオレットはシーザーのもとから去ろうとするが、シーザーはヴァイオレットに銃を向け、脅して制止する。
予定通りに、ジーノがジョニーと手下を連れてアパートへやってくる。シーザーはジーノにトランクを差し出した後、ジーノの前でジョニーにトランクを開けさせ、銃を取り出してジョニーが金を盗んだと告発する。シーザーは、勢い余ってジョニーやジーノ達を射殺する。
通報を受け、警察官達がアパートへやってくる。シーザーは、ジーノ達の遺体をバスルームに隠し、壁の銃痕を隠す。警察官達はシーザーの作り話を信用して帰っていく。
シーザーは、階下に停まっているジョニーの車を探るが金が見つからず、ヴァイオレットを連れてジョニーの自宅へ向かう。そこでも金が見つからず、シーザーは時間稼ぎのためにミッキーに電話をかけ、ジーノ達がまだ来ていないと嘘をつく。
映画『バウンド』の結末・ラスト(ネタバレ)
帰宅したシーザーは、ジョニーの車で遺体を捨てて逃亡しようと考える。ヴァイオレットは荷造りをするフリをしてコーキーに電話をかけ、二人は壁越しに愛を誓い合う。
ヴァオレットがコーキーと結託していることに気付いたシーザーは、ヴァイオレットを殴って縛り上げる。隣室から駆けつけたコーキーは、シーザーに殴打されて拘束される。シーザーはヴァイオレットの指を切断すると言ってコーキーを脅し、金が隣室にあることを聞き出す。
ちょうどその時、ミッキーがロウを伴ってアパートの下へ到着する。シーザーはコーキーをクローゼットに隠し、ヴァイオレットの縄を解いて、ミッキーの前で普段通りに振る舞うよう命令する。
シーザーとミッキーが話す間、ヴァイオレットはジーノの携帯電話から、ジーノを装ってシーザーに電話をかける。ヴァイオレットは、手伝う代わりに金を折半するようシーザーに取引を持ちかける。
ミッキーは、ジーノは事故で入院したと信じて帰っていく。シーザーはヴァイオレットを連れて隣室に行き、金を発見する。ヴァイオレットは隙をついて逃げ出し、携帯電話でミッキーに連絡をする。
自力で脱出したコーキーは、戻って来たシーザーに襲いかかるが、再び頭を殴られて昏倒する。銃を手にしたヴァイオレットが駆けつけ、シーザーを射殺する。
映画『バウンド』の感想・評価・レビュー
同性愛が一つのテーマになっているのだが、何とも言えずセクシーでスタイリッシュ。主演女優二人のそれぞれの持ち味を最大に生かされたキャスティング。ジーナ・ガーションはあえてセクシーさ少な目で、中性的なカッコイイ女性を好演している。この映画は、全編に渡り色使いに相当なこだわりが感じられる演出が多用に用いられている。色をフューチャーする際の映像が美しく、赤、白、黒などのカラーの対比が本作を内容が持つ魅力以上にカッコイイ雰囲気に仕立てている。
男たちを圧倒して、女二人が結ばれ新天地を目指すラストは最高にクールで、破滅が待っているのか幸せが待っているのかわからない危うさが印象的な作品。(女性 30代)
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