映画『マトリックス』の概要:キアヌ・リーブスが主演を務めた映画の中、そしてSF映画としても伝説と呼ぶべき名作。日本のアニメーション、攻殻機動隊に影響を受けたという電子世界での激しいアクションシーンは必見。
映画『マトリックス』の作品情報
上映時間:136分
ジャンル:SF、アクション、サスペンス
監督:アンディ・ウォシャウスキー、ラリー・ウォシャウスキー
キャスト:キアヌ・リーヴス、ローレンス・フィッシュバーン、キャリー=アン・モス、ヒューゴ・ウィーヴィング etc
映画『マトリックス』の登場人物(キャスト)
- トーマスA・アンダーソン(キアヌ・リーブス)
- プログロマートして働いていたが、密かにハッカーとして活動している。ある日仮想世界、マトリックスの救世主として白羽の矢が立つ。
- トリニティ(キャリー=アン・モス)
- ある日、トーマスの前に姿を現した謎の美女。モーフィアスと行動を共にしており、仮想世界の実力者。
- モーフィアス(ローレンス・フィッシュバーン)
- 仮想世界をよく知る謎の男。トーマスを仮想世界の救世主に任命し、彼に戦闘訓練をつける。
映画『マトリックス』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『マトリックス』のあらすじ【起】
トーマス・アンダーソンは、プログラマーとして生計を立てています。まあまあな大手企業に就職した為、仕事もまずまず、それなりに幸せな人生を送っている類の人間に入るでしょう。しかし困った事に、トーマスはそんな平穏な日常では満足しきれなかったのです。彼は持ち前のパソコン技術を用い、”ネオ”という名でハッカーとしての活動を始めました。
決して安全とは言えない仕事にも手を出し、そのスリルにトーマスは酔いしれていました。そんな時です。ある日、トーマスのパソコンのデスクトップに、”マトリックスが見ている”という覚えのない画面が表示されたのです。反対に自分がハッキングされたのではと焦るトーマスでしたが、そんな彼の前に一人の女性が現れます。
彼女の名前はトリニティ、顔、スタイル共に抜群の美女でした。着いてくるように促すトリニティの誘いを断りきれず、トーマスは彼女の後を付き従います。すると、トリニティは一人の男性の元にトーマスを案内しました。その男の名前はモーフィアスという、非常に体格のいい男性です。

映画『マトリックス』のあらすじ【承】
すると、モーフィアスから信じられない発言が飛び出しました。それは、今トーマスがいる世界は現実のものではなく、コンピューターが作り出した仮想世界であると言うのです。トーマスは、モーフィアスに仮想世界と現実世界、どちらで生きるかという選択を迫られます。イマイチ状況が掴めないトーマスでしたが、現実で生きる事を選択しました。
すると、トーマスの意識は飛び、現実世界で目覚めました。しかしそこにもモーフィアスとトリニティがいました。彼らは仮想世界と現実世界を自由に行き来できるのです。彼等はその仮想世界を、”マトリックス”と呼んでいました。
そしてモーフィアスは、人類を救う為の救世主を探していたとトーマスに告げます。そして、トーマスこそがその救世主であるとモーフィアスは信じており、彼を自分が船長を務める戦艦に引き入れるのでした。しかし、誰もがトーマスの様に現実世界で生きていきたい訳ではありませんでした。乗組員の一人、サイファーもその一人です。
映画『マトリックス』のあらすじ【転】
サイファーは、目障りなモーフィアスをつけねらっている敵、エージェント・スミスにモーフィアスを突き出す代わりに、自分を仮想現実の世界に入れてもらえる様協定を持ちかけていたのでした。一方、トーマスは仮想世界で自由に身体を動かし、そしていずれ迫り来るであろう敵との戦いに備えて戦闘のイロハをモーフィアスに叩き込まれていました。
また、モーフィアスはトーマスを、オラクルという預言者の元に連れていきます。オラクルは、「トーマスがモーフィアスか、どちらかの命を選択する時が来る」という予言をトーマスに告げました。現実世界に戻ろうとした二人でしたが、その時、エージェント・スミスが率いる大群が二人を強襲します。
モーフィアスは咄嗟にトーマスを庇い、敵に連れ去られてしまいました。更に、仲間を裏切ったサイファーによって、次々と仲間が消されていきます。結果、トリニティとトーマスのみが命からがら現実世界に戻る事に成功します。しかし、このまま黙っているトーマスではありませんでした。
映画『マトリックス』の結末・ラスト(ネタバレ)
トーマスはトリニティと共に、モーフィアスを助けるべく再びマトリックスに潜り込みました。敵勢力をなんとかかいくぐり、二人はモーフィアスを助け出すことができました。しかし、トーマスの前にエージェント・スミスが立ち塞がります。圧倒的な実力を持つスミスを前に、トーマスはオラクルから告げられた予言を思い出していました。しかしここで背を向けては同じ未来が待っていると、トーマスはスミスに対峙します。
激しい死闘を繰り広げ、何とかスミスに食い下がっていたトーマスでしたが、やはりその実力の前に敗北を喫してしまいます。しかしそんな時、トーマスに眠っていた真の力が覚醒しました。仮想世界の救世主であるトーマスは、凄まじい強さを発揮しエージェント・スミスを撃退しました。
一方現実世界でも彼等に危険が迫っていました。マトリックスに入っている間無防備となってしまう体が狙われていたのです。スミスを倒したトーマスとトリニティは急いで現実世界へ戻り、戦艦内で何とかその敵を退けます。そしてネオことトーマスは、仮想世界で圧倒的な力を手にし君臨したのでした。
映画『マトリックス』の感想・評価・レビュー
SF映画といえば、知らない人はいないのではないかと言える程有名な作品である。設定も、当時は非常に斬新に思える内容だったが、VRなどの仮想世界がよりポピュラーになってきている現代では、さらにこの作品の輪郭がくっきりと見えていくような気がしてならない。数字の羅列表現や、カメラワークなど、仮想世界というものがより新鮮に見えるように仕組まれているとしか思えない作りは非常に面白い。賛否両論が出そうな内容だが、以外にも万人に受けやすい作品である。(男性 30代)
仮想現実の世界と現実の世界の描かれ方がとても斬新で、観ていてとてもハラハラ・わくわくします!ラストシーンも、一体これからどんな風に話が続いていくのだろう、と続編が楽しみになりました。
何が本当の現実なのか、リアルとの境があやふやで、ただ観ているだけではなかなか理解するのは難しく、設定やストーリーの全てをしっかり理解するためには、何度か繰り返し視聴する必要があるかもしれません。でも、まさか20年以上も前に撮影されたとは思えないほどスタイリッシュで格好良く、普段はアクション映画をあまり観ない人にもおすすめしたい映画です。(女性 20代)
キアヌ・リーブス主演の映画でかなり公開前から話題になっていました。今でもSFの原点だと思っています。現実世界と仮想世界でのやりとりなどから、一回観ただけでは理解出来ない部分が多くあると思っています。
覚えているのが、黒スーツにサングラスでお互い戦うのだからどちらが味方で敵かが分からなくなっていきます。(女性 30代)
仮想現実の世界というユビキタス時代の行く末を感じさせる作品。映像のスピード感もさることながら、「バレットタイム」と呼ばれるスローモーションの演出もこの映画から始まったと言って良い。主人公が最後には救世主として覚醒して仲間を助ける姿は、デジタルの世界でも、アナログな感情の大切さを自覚させてくれる。監督のウォシャウスキー兄弟が「AKIRA」や「攻殻機動隊」にインスパイアーされているというのも日本人として誇り高いことだ。(男性 40代)
キアヌ・リーブスを世界でも指折りのアクション俳優へと進化させた作品といえる。今作でキアヌ・リーブスのスタントマンを務めたチャド・スタエルスキは、マトリックス公開から15年後に映画監督としてキアヌ・リーブスとタッグを組む。そして生まれた作品が「ジョン・ウィック」である。「マトリックス」と「ジョン・ウィック」はアクションシーンが似ていて、大きく影響を受けていることがわかる。「マトリックス」は「ジョン・ウィック」以外にも様々な映画に影響を与えていて、近年のアクション映画の礎となった作品と言っても過言ではないだろう。(男性 20代)
20年経っても全く色褪せない。
まずスタイリッシュ。黒い画面に緑の文字、全身黒ずくめの衣装、今はなきスライド式の携帯電話やダイヤル式の固定電話・・・「クール」の一言だ。
そして一回観ただけでは理解しがたく、他のシリーズや付随作品まで観てようやく見えてくる奥深い設定。それでいて決して難解さが前面に出ているわけではなく、深く追わなくても十分楽しめる間口の広さが絶妙なバランス。
観ているだけでその世界観に惚れ惚れするサイバー物の傑作。(男性 40代)
3部作の中で最もメッセージ性のある作品。
2作目からはアクションが派手になり、そちらに目が行きがちですが1作目のメッセージ性やストーリー展開は素晴らしいです。カプセルを選ぶシーンや高層ビルの屋上から飛ぶシーン、モーフィアスを助けに行くところと、ラストの死んでからの復活シーンととにかく山場が盛りだくさんです。
当初はブラッド・ピットが主役にキャスティングされていたという話もありますが、キアヌ・リーヴスの美しさと儚さが存分に発揮された作品だと思います。(女性 30代)
この作品以前と以後でSF映画の歴史が変わったのではないかと言われる名作映画。だが今見てもアクションシーンの衝撃は変わらない。今でこそ仮想世界に入っていく物語はありふれているが、実写映画で完璧な映像化をしてみせ、しかも強烈な印象を植え付けた映画は今作をおいて他にないだろう。映画史に残るバレットタイムのシーンは、映画に詳しくない人でさえ知っている。
一言で説明しきれない難解な世界観なのに、興味深く惹き付けられるのが凄い。監督・脚本のウォシャウスキー兄弟(現在は姉弟)は日本の作品に影響を受けたというから驚きだ。(男性 30代)
みんなの感想・レビュー
シリーズにもなっている話題作「マトリックス」であるが、私はいまいちこの作品の面白さがわからない。
たしかに映像技術が大変すばらしく、戦闘シーンは本作品の魅力であるが、それ以外のストーリー性や演出はいまいち設定が理解できない。
そもそも、トーマスがいた仮想世界からなぜ急にトリニティーが出現したのか、トーマスはなぜ仮想世界にいたのか、最初の設定から謎であるし、この仮想世界と現実世界との結びつきは本作品で見ただけでは理解しがたい。
この謎が多い作品だからこそ、世界中からの評価が高く、マトリックスという世界への考察、人間と機械との関係性についての考察が数多くされているのかと感じた。
作品の鍵を握る「エージェント・スミス」。彼の役割は仮想世界に訪れた現実世界の人間を排除することである。
いわゆるパソコンで言えば、ウィルス対策のソフトウェアであり、侵入者がいれば場所を構わず出現する恐ろしい敵である。
これが、実際にウィルス対策ソフトであればとても優秀なソフトウェアなのであるが、この作品で見る限り、サングラスに黒スーツで見た目は奇妙としか言いようがない。
また、この次回作「マトリックス リローデッド」ではエージェントが増殖してネオを襲う名シーンがある。これまた、全員がサングラスに黒スーツなので画面が真っ黒でなにがなんだか・・。
でも、ネオたちもサングラスに全身黒なので、この世界ではそういうスタイルが流行なのかもしれませんね。
本作品の中で、現実世界では人間が機械にエネルギーを与えるという仕組みになっている。
その仕組みは、トーマスが目覚めた際に閉じ込められていたカプセルがポイントである。
機械は人間をとらえ、このカプセルに閉じ込めることによって意識の中で仮想世界での生活を営ませる。
仮想世界の中で人間が動いたり、生活することによって生まれる微弱な電流を機械はエネルギーとして収集し、利用しているのである。
このため、カプセルに閉じ込められていたトーマスの体にはいたるところに部品のような金属らしきものが埋め込まれているのである。
映画のストーリーの前提となるこの設定であるが、そもそも、いつから機械と人間が争うようになったのだろうか。
劇中には描かれていないが、そもそも機械が意識を持ち始め、人間が機械を労働力として酷使していたことに抵抗したことがきっかけのようです。抵抗する機械に対して、人間は破壊を試みますが、残虐な破壊によって機械が反逆を起こし、形勢逆転したあたりから人間が支配下に置かれたようです。
なかなか、本作品を見ただけではこの世界観を理解することが難しいかもしれません。有名な作品な分、数多くの解説や解釈が展開しているので興味がある方は是非しらべてみてください!