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映画『ビザンチウム』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ビザンチウム』の概要:流浪の生活を続ける吸血鬼の母娘クララとエレノアは、海辺の街で新生活を始めるが、二人を異端と見なす他の吸血鬼達に追われ始める。悲しい宿命を背負った吸血鬼の悲哀が全面に満ちた、異色のゴシックファンタジー。

映画『ビザンチウム』の作品情報

ビザンチウム

製作年:2012年
上映時間:118分
ジャンル:ファンタジー
監督:ニール・ジョーダン
キャスト:ジェマ・アータートン、シアーシャ・ローナン、サム・ライリー、ジョニー・リー・ミラー etc

映画『ビザンチウム』の登場人物(キャスト)

エレノア(シアーシャ・ローナン)
吸血鬼の少女。約200年前、16歳の時に母によって吸血鬼に変えられ、身体的成長が止まった。他の吸血鬼と違い、死を望む老人から同意を得た際にだけ吸血する。自分の正体についての手記を書いては破り捨てている。孤独を愛し、一人静かに過ごすことを好む。ピアノの名手。
クララ(ジェマ・アータートン)
エレノアの母。元売春婦。約200年前、24歳の時に吸血鬼になり、共に生きていくため、娘のエレノアも吸血鬼に変えて逃亡生活を始めた。何よりもエレノアを大切に思っている。過去を振り返らず、現在を精一杯生きることを信条としている。
フランク(ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ)
エレノア達が辿り着く海辺の街で暮らす高校生。白血病を患っている。レストランでウェイターのアルバイトをしている。偶然出会ったエレノアに惹かれる。
ダーヴェル(サム・ライリー)
吸血鬼の集団『同盟』に属する吸血鬼。クララとエレノアを追跡している。200年前には海軍仕官候補だったが、古代の神秘を探る研究を続けるうちに、永遠の命を望んで吸血鬼になる。誠実で正義感が強い。
ルヴェン(ジョニー・リー・ミラー)
同盟の一員。ダーヴェルと共にクララ達を追っている。元海軍仕官で、ダーヴェルとは200年前からの友人。私利私欲のために平気で他人を陥れる卑劣感で、まだほんの少女だったクララをかどわかして売春宿に売り飛ばし、支配して虐待していた。
ノエル(ダニエル・メイズ)
海辺の街で暮らす青年。母親の死から立ち直れず、受け継いだ下宿を持て余して荒廃させている。クララに誘惑され、下宿を売春宿に変えることに同意する。
ケヴィン(トム・ホランダー)
フランクが通う高校の教師。エレノアの文才に気付く。
モラッグ(マリア・ドイル・ケネディ)
フランクが通う高校の女性教師。ケヴィンかからエレノアの作文を紹介され、エレノアの才能に興味を持つ。
ギャレス(ウォーレン・ブラウン)
同盟の幹部。初老の男性吸血鬼。同盟の教えを頑なに守っており、クララを排除しようとする。
ワーナー(トゥーレ・リントハート)
同盟の一員。青年の吸血鬼。クララ達を抹殺するため、跡を追っている。

映画『ビザンチウム』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ビザンチウム』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ビザンチウム』のあらすじ【起】

今から200年前、エレノアは、16歳の時に母親クララに導かれて吸血鬼になった。エレノアとクララは、人間に紛れながら暮らし、居場所を求めて各地を転々としている。エレノアは、自分の出生や感情、クララの過去についての手記を書いては破り捨て、誰かが拾って読むことを望んでいる。

ある街で、エレノアは、手記を拾って収集している老人と親しくなる。老人はエレノアを自宅に招き入れ、昔話を語る。エレノアが吸血鬼だと気付いていた老人は、自分の命をエレノアに差し出す。

エレノアとクララは、保守的な吸血鬼集団『同盟』から異端と見なされて追われている。ある夜、ストリップクラブで働いているクララのもとへ、同盟の一員ワーナーがやってくる。クララは自宅でワーナーを惨殺し、急いで荷物を纏めて家に火を放ち、エレノアと街を出る。

エレノアとクララは、ヒッチハイクをして海辺の街へ向かう。海岸でカトリック系の孤児院の生徒達を目撃したエレノアは、ここが自分とクララの故郷であることを思い出す。

金を得るため、クララは売春婦を装って街角に立つ。クララの仕事中、エレノアはあるレストランに入り、備え付けのグランドピアノを弾く。エレノアの見事な演奏に感心したウェイターのフランクは、エレノアに惹かれて声をかける。

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映画『ビザンチウム』のあらすじ【承】

クララは、客として近づいてきたノエルから身の上話を聞く。ノエルは、母親を亡くした悲しみから立ち直れないまま人生に絶望しており、遺産の下宿『ビザンチウム』も経営できずに持て余している。

クララに誘惑されたノエルは、クララを信頼し、クララとエレノアを下宿に滞在させる。クララは、ビザンチウムを売春宿に変えて金を稼ごうと計画し、地元のポン引きを殺して売春婦達を勧誘する。

ある日、エレノアは自転車に乗ったフランクとぶつかり、フランクは転倒して怪我を負う。エレノアは、大量に出血したフランクを自宅まで送り届ける。入院したフランクを見舞ったエレノアは、フランクの母親から、フランクが白血病であることを聞く。

数日後、エレノアはフランクと同じ高校に編入する。ある授業で、教師のケヴィンは、それぞれの過去についての私小説を書くよう、生徒達に課題を出す。

フランクはエレノアに想いを告げるが、フランクを傷つけることを恐れたエレノアはその場から逃げ出す。後日、エレノアは手記を綴り、フランクに手渡す。

映画『ビザンチウム』のあらすじ【転】

約200年前、少女時代のクララは貧しい暮らしを送っていた。ある日、クララは海軍仕官のルヴェンと仕官候補のダーヴィルに出会う。ルヴェンは、うら若いクララを拐かして売春宿に売り飛ばし、支配する。

16歳の時、クララはエレノアを出産する。クララは、娼婦が生んだ子供は殺すという売春婦の規則に背き、エレノアをカトリック系の孤児院に秘密裏に預ける。

6年後、クララは肺病を病む。ある夜、クララと過ごしているルヴェンのもとへ、死んだと思われていたダーヴィルがやってくる。

古代の神秘について研究していたダーヴィルは、戦争中に病気になり、死の間際にルヴェンを連れて不気味な島へ渡った。ダーヴィルは、島の神殿で吸血鬼に命を差し出し、吸血鬼となった。ダーヴィルの財産を狙っていたルヴェンは、ダーヴィルの死後、遺産を横取りした。

蘇ったダーヴィルは、ルヴェンを仲間にするために戻ってきた。ダーヴィルは、不気味な島へ行くようルヴェンに指示し、島の地図を渡す。ダーヴィルが去った後、クララは銃でルヴェンを撃ち、地図を手に入れる。島へ渡ったクララは吸血鬼に噛まれ、不死となる。

女であることから、クララは同盟への加入を認められず追放される。8年後、クララはエレノアに会うために孤児院へ行く。ルヴェンがエレノアを犯す場面を目撃したクララは、ルヴェンを殺し、エレノアを連れて島へ戻る。エレノアは島の神殿で吸血鬼にクララを噛ませ、エレノアを吸血鬼にした。

映画『ビザンチウム』の結末・ラスト(ネタバレ)

フランクは、ケヴィンにエレノアの手記を読ませる。エレノアの文才に気付いたケヴィンは、同僚のモラッグにエレノアを紹介する。エレノアはモラッグと面談し、手記は全て真実であると告げる。

ケヴィンは、エレノアの将来について話し合うため、クララを学校に呼び出す。クララは、エレノアの手記を読んで真実を知ったケヴィンを殺す。

フランクは、家族だけの誕生日会にエレノアを招待する。エレノアは、クララが隠し持っている島の地図を盗み出し、フランクに贈る。自分の余命が短いことを知っているフランクは、血を吸うよう、エレノアに命を差し出す。エレノアはフランクの申し出を拒み、二人は抱き合ってキスを交わす。

クララは、エレノアがフランクを連れて島へ行こうとしていることを知って激怒し、止めに入ったノエルを勢いで殺してしまう。クララは帰宅したエレノアをエレベーターに閉じ込め、フランクの自宅へ向かう。

エレノアは、ノエルの携帯電話からフランクに電話をかけ、フランクに危険を知らせようとする。丁度その時、同盟から派遣されたダーヴィルと、生き延びて吸血鬼になっていたルヴェンが、エレノアを発見して拘束する。

フランクを殺そうとする寸前、クララはフランクの携帯電話から、エレノアがダーヴィル達に捕らえられたことを知る。クララはフランクを放り出して走り出し、ダーヴィル達が乗る車を襲う。

クララはエレノアを奪い返そうとするが失敗し、ルヴェンに捕らえられる。ルヴェンはダーヴィルにクララの首を切断するよう命じるが、ダーヴィルは従うフリをしてルヴェンの首を撥ねる。同盟の方針に賛成できないダーヴィルは、クララとエレノアを助けるために二人をずっと探していた。

エレノアとクララは、お互いの無事を喜んで強く抱き合う。クララはエレノアの自立を認め、ダーヴィルと旅に出る。エレノアはフランクと共に島へ渡り、フランクを吸血鬼に変えて永遠の命を与える。

映画『ビザンチウム』の感想・評価・レビュー

ヴァンパイアとして永遠を生きる親子の物語でした。嫌われても、何としても娘を守ろうとする母親の強さに心に沁みました。怪しげな雰囲気に、後半に進むにつれ複雑になっていき物語に引き込まれていきました。娘のエレノア役のシアーシャ・ローナンの透明感が溢れ、儚げで妖しい雰囲気がヴァンパイアにピッタリでした。ラストは少し切ないけど、ハッピーエンドで幕を閉じ安心しました。独特で不思議な雰囲気が印象に残る、美しくも切ない絵本を読んでいるかのような作品でした。(女性 30代)

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