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映画『親切なクムジャさん』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『親切なクムジャさん』の概要:6歳の男児の誘拐・殺人の罪で13年間服役した美しい女性・クムジャ。彼女は復讐を果たすために、監獄の中で囚人たちを仲間につける。パク・チャヌク監督による復讐三部作の最終作にあたる。

映画『親切なクムジャさん』の作品情報

親切なクムジャさん

製作年:2005年
上映時間:114分
ジャンル:サスペンス、ミステリー
監督:パク・チャヌク
キャスト:イ・ヨンエ、チェ・ミンシク、クォン・イェヨン、オ・ダルス etc

映画『親切なクムジャさん』の登場人物(キャスト)

イ・クムジャ(イ・ヨンエ)
6歳の男児・ウォンモの誘拐・殺人の罪で1991年から2004年まで服役。美しく親切なクムジャは、周りの者を虜にした。しかし、それは全て13年前の復讐を果たすための演技であった。出所後はケーキ屋に勤める。
キム・ヤンヒ(ソ・ヨンジュ)
売春宿の元締めを殺した罪で1998年から2002年まで服役。出所後は美容師になる。クムジャに恋愛感情を抱いている。
ウ・ソヨン(キム・ブソン)
夫婦で銀行強盗をした罪で1990年から1996年まで服役。服役中に慢性腎不全で倒れた彼女は、クムジャから腎臓を提供してもらう。出所後は夫婦で鉄工所を営む。
コ・ソンスク(キム・ジング)
1967年から1991年まで服役していた、認知症の元北朝鮮スパイ。刑務所の厄介者だが、クムジャが彼女の世話係を申し出る。クムジャに法句経を譲る。
オ・スヒ(ラ・ミラン)
姦通罪で1993年から1994年まで服役。魔女と呼ばれる囚人から性的虐待を受けていたところ、クムジャに助けられる。出所後は彫刻家になる。
魔女(コ・スヒ)
浮気した夫と相手の女を食べたとされる、太った女囚人。監獄で「魔女」と呼ばれ、皆から疎まれている。
クンシク(キム・シフ)
クムジャの勤めるケーキ屋のバイトの青年。クムジャが殺したとされる少年が生きていれば同い年。純粋な性格。クムジャに思いを寄せる。
ペク(チェ・ミンシク)
英語塾の教師。教育実習生だった18歳のクムジャを妊娠させる。今はイジョンと結婚している。
パク・イジョン(イ・スンシン)
詐欺罪で1998年から1999年まで服役。魔女からいじめられていたところ、クムジャに助けられる。出所後はクムジャの指示でペクと結婚する。
ジェニー(クォン・イェヨン)
クムジャの娘。クムジャの収監中にオーストラリアへ養子に出される。自分を捨てた母のことは許せないが、クムジャと共に韓国へ行くことを望む。

映画『親切なクムジャさん』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『親切なクムジャさん』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『親切なクムジャさん』のあらすじ【起】

13年前、ウォンモ君誘拐事件で逮捕されたのは、20歳の美しい女性・イ・クムジャであった。

出所したクムジャは、監獄で仲良くなったキム・ヤンヒの元へ行った。彼女は売春宿の元締めを殺した罪で捕まり、クムジャと出会った。出所後ヤンヒは美容師となり、クムジャを自分の店に連れて行った。クムジャに恋愛感情を抱くヤンヒだが、クムジャの態度は冷たい。

クムジャは自分が殺したとされるウォンモの両親に会いに行き、彼らの目の前で自分の小指を切断した。

指に包帯を巻いたクムジャは、新しい職場のナルセというケーキ屋で店長と話している。彼女は真っ赤なアイシャドウを引き、それまでの薄化粧で優しい雰囲気とは違う。

夫婦で銀行強盗をして捕まっていたウ・ソヨンは、出所後夫と鉄工所を営んでいる。クムジャは鉄工所へ行き、法句経の裏に描かれた拳銃の設計図を見せた。

監獄にいた頃、クムジャは認知症の元北朝鮮スパイで刑務所の厄介者・コ・スンソクの世話役を買って出た。彼女はクムジャに感謝し、お礼として法句経を譲ったのだった。

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映画『親切なクムジャさん』のあらすじ【承】

姦通罪で捕まったオ・スヒは、「魔女」と呼ばれる太った女囚人に気に入られ、浴室で性的虐待を受けていた。クムジャは浴室の入り口に石鹸を伸ばし、帰ろうとする魔女を転ばせた。

ある日、クムジャの元担当刑事が偶然ナルセへやってきた。ナルセで働く青年・クンシクに尋ねられ、クムジャは自分が人殺しだという話をする。

事件当時、クムジャが「自分が殺した」と言っても刑事はなかなか信じなかった。刑事が、ウォンモの宝物で未だ見つかっていないビー玉の色を聞くと、クムジャは「黄緑色」と答えた。そこにオレンジ色の卓球玉が飛んでくる。

クムジャの逮捕時、丘の上には赤ちゃんを抱いた男がいる。クムジャと目が合うと、その男は何か合図した。

時は遡り、18歳のクムジャは、教育実習でお世話になったペク先生へ電話をかけ、妊娠したから一緒に住みたいと告げた。

クムジャはクンシクを家に誘い、事件の真相を話し始める。13年前、ペクがウォンモを誘拐し殺していた。しかし、クムジャとウォンモの目撃情報が出ると、ペクはクムジャの娘を誘拐し、「罪を被らなければ娘を殺す」とクムジャを脅したのだという。

映画『親切なクムジャさん』のあらすじ【転】

クムジャは、娘のジェニーがオーストラリアにいることを突き止め、会いに行く。母に会えたジェニーは喜び、韓国へ行きたいと言った。クムジャは激しく反対したが、ジェニーの熱意に負けた。

クムジャはソヨン夫妻から完成した拳銃を受け取った。

英語塾で働くペクの家には、若い妻・イジョンがいる。パク・イジョンは詐欺罪で捕まっていた。彼女も魔女にいじめられていたが、クムジャが魔女に漂白剤入りの食事を与えて殺した。クムジャは「魔女」の名を受け継いだが、「親切なクムジャさん」の名も健在であった。クムジャに恩のある囚人たちは、出所してから彼女の復讐に協力をした。

作戦の打ち合わせをするクムジャとイジョンの姿を、遠くから伝道師が盗撮している。伝道師はペクに雇われていた。

クムジャとの繋がりに気づいたペクは、男を二人雇い、イジョンの帰りを待ち伏せしている。

クムジャとジェニーはペクの家の前で男たちに襲われるが、クムジャが銃で反撃した。彼女たちがペクの家へ上がると、椅子に縛られ顔中血だらけのイジョンと、ご飯を口に入れながら倒れているペクがいた。クムジャはペクの手足を縄で拘束した。

映画『親切なクムジャさん』の結末・ラスト(ネタバレ)

クムジャとイジョンは、気を失ったままのペクと眠ってしまったジェニーを車に乗せて、山奥の廃校へ向かった。

ペクに銃を突きつけながら、クムジャは母としてのジェニーへの想いを語った。ペクは二人の通訳をする。ジェニーを外に出しペクを殺そうとするが、クムジャはなかなか引き金を引けない。すると、ペクの携帯電話のアラームが鳴り、クムジャが携帯を取り上げた。それにはいくつかのストラップが付いており、オレンジ色のビー玉もあった。

クムジャは刑事にペクの携帯を差し出した。ウォンモの他に4人の子供が犠牲になっていたことが分かったのだ。ペクの家からは泣き叫ぶ子供のビデオが見つかった。

クムジャは被害者児童の親を廃校に集め、ビデオを流した。親たちはその場で話し合い、ペクをみんなで殺すことにした。ナイフなどの凶器を持った彼らは、順番で部屋に入りペクを刺した。みんなで山に穴を掘りペクの死体を置くと、クムジャは死体に向かって2発撃った。

復讐を果たしたクムジャだが、彼女の心は救われなかった。クムジャは複雑な思いを抱え家に帰ると、ジェニーが抱きしめてくれた。

映画『親切なクムジャさん』の感想・評価・レビュー

本作のみならず、韓国映画は人間の深層心理を追求したものが多く、他の国にはない重厚感があるように感じる。
クムジャさんが復讐を果たす姿に感情移入し、スカッとした気持ちになっている自分がいた。自分ならここまでしようとは思わないので復讐は観るだけに留めたいものだ。
改めて、女の恨み程恐ろしいものはないと思った。
やっと刑務所を出て復讐を遂げても彼女の心が救われないのは、自分が再び法によって裁かれ、刑務所に入らなければならないからだと察する。(女性 20代)


『親切なクムジャさん』という題名を見てほんわりとしたヒューマンドラマなのかなと思っていたのだが、なかなか強烈な作品だった。イ・クムジャを演じたイ・ヨンエが美し過ぎて、底知れぬ狂気のようなものを感じた。娘との幸せな時間を奪った男に復讐をしたいと願う気持ちは理解できるが、それを実行に移してしまうところが恐ろしい。娘と再会した後、できれば思いとどまって欲しかったなと思う。ペクが死んだ後もすっきりとした気持ちにならず、心に重たい気持ちと深い悲しみが残る作品だった。ジェニーの将来が、ただただ心配になる。(女性 30代)


『オールドボーイ』が大好きで何度も鑑賞していますが、今作は初めて鑑賞しました。同じ監督の作品で、復讐三部作とも言われているのでかなり期待していたのですが、少し期待値が高すぎたなという印象です。
復讐のために演技をしていたクムジャはたしかに凄いし、何もかも計画通りなら完璧に復讐を果たしたのだと思うのですが、本当のクムジャはどんな人間なのだろうとモヤモヤが残りました。
復讐を果たしても晴れることの無いクムジャの心には一体何が残っていたのでしょう。「親切」は全て復讐のための演技だったのでしょうか?復讐のために生きていたクムジャが少しずつ変わっていくような気がして、とても気になる作品でした。(女性 30代)

関連作品

前作 オールド・ボーイ(2003)

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